2019年1月22日火曜日

シリアにおけるBRDM-2



著:スタイン・ミッツァー、ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao goo

「Boyevaya Razvedyvatelnaya Dozornaya Mashina」、直訳すると「戦闘偵察警戒車」と呼ばれるこの車両はBRDMとしてよく知られており、7年近くにわたるシリア内戦の殆どに姿を見せなかった象徴的な車両だ。
この内戦を追い続けているいくつかのアナリストはBRDMが将来のある時点で大量に出現することを予期し続けているが、シリア革命が勃発する直前にシリア・アラブ陸軍(SyAA)BRDM-2の殆どを退役させた後、この車両の運命は事実上そこから逃れられぬものとなった(注:退役からは変化が無いということ)。
シリアでは続く内戦での使用により適した莫大な装甲戦闘車両(AFV)が運用されているが、近年でもごく僅かな量のBRDM-2が運用され続けている。最も注目するべきはそれらがシリア各地で活動しているロシアの民間軍事会社「ワグナー」で運用されていることだ。

シリア内戦の大部分ではこの車両がキャッチされにくかったにも関わらず、BRDM-2は革命の初期段階で抗議者達が最初に遭遇したAFVの一つだった。
シリア警察は以前にシリア・アラブ陸軍(SyAA)から少数のBRDM-2とBTR-152を受け取っており、そのいくつかは KPV 14.5mm重機関銃とPKT 7.62mm軽機関銃を維持したままで追加装甲と鮮明な青い迷彩塗装が施された。
これらのBRDM-2は革命の初期段階の間にホムスとイドリブの都市部に配備され、結果として数台が破壊されたり捕獲された。

その後でもSyAAで使用されているBRDM-2の目撃は続き、結局のところシリアの戦場においてその数は減少して遂には消滅した。
いくつかのBRDM-2を捕獲されたSyAA基地の映像で見ることができたが、そこでは防御側によって固定陣地として使用されていたか、基地の一角で単に放棄されたに過ぎなかった。
殆ど全てがパンクしたタイヤに悩まされている、これらの車両を修理することについては、捕獲側の視点からすると明らかに努力するに値しないものであり、大半はその場で朽ち果てることになった。

BRDM-2の派生型はそれらのベースとなったオリジナルよりも僅かに能力が向上した。
BRDM-2RKh 対放射線・化学兵器偵察車、9P122及び9P148対戦車ミサイル搭載車と9K31ストレラ-1移動式地対空ミサイルシステム車を含めた派生型の大多数は内戦の勃発した際でも依然として運用が続けられていた。
それにもかかわらず、シリア内戦でこれらの派生型が使用されている姿を見つけることが困難であることが証明されており、政権軍だけが2014年に敵の強化陣地に対していくつかのBRDM-2 9P148対戦車ミサイル車を投入し始めたことが確認された。
この用法に投入されたのは僅かな数の車両に限られていたようであり、殆どのBRDM-2の派生型は今日まで保管され続けている。
















シリアに引き渡されたBRDMの数は若干不明なままではあるが、シリアに引き渡された全てのAFVが高インフレの影響下にあったように、その量は長年にかけて引き渡された様々な派生型を含めて数百両に限定されると思われる(注:有り触れた数が供与されたということ)。
そして、「損耗」はBRDM-2をSyAAで運用された他の車両と同程度に見逃さなかったかもしれない(注:酷使のみならず部品の欠如も意味した)。
結局、2000年代後半でも僅かに限られた数の車両が現役だった。

いくつかの近隣諸国と共に運用を始めたにもかかわらず、シリアによる初期のBRDM-1派生型の使用に関する報告は誤りだと考えられている(注:シリアへはBRDM-1が引き渡されていない)。
シリアはBRDM-2と9P122対戦車ミサイル車を1973年の10月戦争(イスラエルではヨム・キプール戦争として知られる)で初めて使用し、占領されたゴラン高原で防備されたイスラエル軍と対戦した。いくつかがイスラエル軍によって破壊または捕獲され、最終的には(彼ら自身が使用するために)最就役と改修するのに十分な数のBRDM-2と9P122を手にした。皮肉にも、これらのBRDM-2のいくつかが1982年のレバノン戦争で以前の持ち主に対して投入された。この戦争ではSyAAと同盟軍によるBRDM-2の広範囲にわたる使用が見られた。

既にレバノンの大部分が占領された1976年、結局のところ、BRDM-2は1973年の10月戦争の間よりもレバノンを占領していた間のSyAAによる使用の方が適していたことが判明した。大・小口径の機関銃で武装し小火器や岩石から防護する能力を持つ、装輪式のBRDM-2はより重い(装軌式)車両の使用が嫌悪される他の作戦と武装パトロールにふさわしく、役に立った。
BRDM-2の見た目は威圧的ではなかった(多くの国は紛争地帯に戦車を配備することを避けたいと考えている。なぜならば、地元住民には戦車が攻撃的に見えて軍隊が大規模な戦闘をするためにそこへ来たという考えを与えるからだ。つまり、戦車の配備はそこが戦場になるという意味を与える)。
BRDM-2は装輪式で無限軌道ではないため、シリアがレバノンを占領している間の使用に最適だった。
当然のことながら、2005年に(自由選挙の開催とレバノン国内に存在している、残存する外国軍隊の撤退を求めた)国連安保理決議1559が可決された後、最終的にシリアはレバノンからの撤退を強いられた。

世紀の変わり目には、大半のBRDM-2は有益なキャリアを終えた。
BRDM-2はより新しい偵察車両が装備している現代的な照準システムと重武装が欠けていたので、同車は設計された本来の用途のため、絶望的に時代遅れとなった(注:時代の流れと共に戦術や要求される性能が変化し、それに対応できなくなったということ)。
多くのアフリカ諸国はBRDM-2を軽装甲戦闘車として運用し続けているが、内戦が始まるまでシリアにとって明らかに唯一の可能な敵だったイスラエルに対するそのような車両の有用性は極めて低いと思われていた。
当然ながら、就役していた殆どのBRDM-2は同車を運用し続けていたSyAAの機械化部隊で退役となった。

しかし、退役した一定数のBRDM-2の運命は、結局のところ、より旧式のBTR-152兵員輸送車(APC)と共に警察への移管後に復活することになった。
BRDM-2(の警察での使用)はこの役割にかなり大きな可能性を秘めており、成功した暴徒鎮圧車両として世界中の機動隊も改修をしたが、シリアでは平和的な抗議活動が早い段階で今日まで至る内戦に移行したため、同国における(暴徒鎮圧用)改修はすぐに完全に不十分なものになってしまった。
装備された重火器では平和的な暴徒鎮圧には完全に不適当であったが、(警察部隊は)しばしばその機関銃の使用に出た。残存車両は軍が警察部隊の継続している作戦を引き継いだ後に撤収した。
BRDM-2の横に書かれている文字: قوات حفظ الأمن والنظام - 治安秩序維持軍。



SyAAは警察からの革命を鎮圧する役割を引き継いだ。この時までには革命に伴う騒乱はまだホムスのような大都市のみで発生していた(当時は革命がホムスのような大都市を越えて拡がってはいなかったが、結果としてSyAAはその鎮圧に明らかに失敗した)。そのために(反乱軍との)最前線における重AFVの存在数は増加し、いくつかのBRDM-2を含むそれらは主に反乱軍との紛争地域周辺の検問所に配置された。
しかし、イスラエルとの従来型の戦争での戦闘を準備してきたうえに、シリアでの急激な戦場の変化への適応が完全に未熟だったことも判明していたこともあり、SyAAの戦車は政権が統制する市街地中心部を強化するには殆ど役には立たなかった。
戦闘がシリアの大部分に拡大するにつれて、紛争の激しさも増した。
反乱勢力は今や対戦車ミサイルや携帯式対戦車擲弾発射器(RPG)をSyAAの武器庫から捕獲したり海外から入手したりしてシリアの機甲戦力に打撃を与えた。

SyAAの機甲戦力の損失は、世界中のほとんどの国で運用されている戦車数をはるかに上回る数にまで増加したが、(SyAA)はイスラエルとの従来型戦闘における地上戦の準備をしていたので、依然として(戦争の大半で発生するだろう莫大な損失を補うための)大量のAFVに依存することができた(注:損失自体は想定済みということ)。
SyAAの喪失した兵器ストックを補充するために、大量のT-62Mや他のAFVが2017年初頭までに(シリアへ)到着し始めたばかりだったという事実はシリアの造兵廠が豊富なストックを抱えていたことを証明した(注:内戦開始から6年後に供与が開始されるまでSyAAの予備兵器に余裕があったということ)。

しかしこれはまた、何年も前からSyAAの基地で朽ち果ていたBTR-60やBRDM-2のような軽武装・軽装甲のAFVの存在に反応してそれらを就役させる理由が特にないことも意味した(注:最就役させる価値が無いということ)。
14.5mm重機関銃で武装して、最低でも小火器に対する防護力があったことから、いくつかのBRDM-2は制圧に直面している包囲された基地で固定陣地として使用された。
これらの基地が陥落した後にそれらのいくつかが捕獲された。最も注目すべきは2014年にイスラミック・ステート(IS)がSyAAの駐屯地を制圧した際、ラッカの第17師団で遺棄されたBRDM-2RKhが、デリゾール近郊では別の通常型のBRDM-2が捕獲された。



通常のBRDM-2よりもいくらかは恐れられていたのは、ありふれたBRDM-2の車体を用いた対戦車ミサイル(ATGM)車で、シリア内戦におけるATGMの重度の拡散と使用のおかげでシリア各地における多くの政権側による攻勢の際には(同車が)戦力倍増の効果を与える装備(という立場)として最終的に落ち着いたほどであった。      
ATGMは本来AFVに対して使用されるように設計されていたが、この内戦では建物の中の防御陣地のような強固な構造物に対する精密兵器として広く使用されている。

(大きい車両のため)通常のATGM発射機が可能なように人目の無い隠れた場所に位置することはできないが、BRDM-2ベースのATGM車の利点は(車両の種類にもよるが)5発か6発のATGMを(全弾を装填する必要がある前に)乗員が車内に残り続けて発車する能力があったことだ(注:車載型は車内から安全に5,6発を連続して発射できるということ。地上に備え付けの発射機では操作員はむき出しであり、一度に単発しかできないので、続けて発射するにはいちいち装填しなければならない)。
この能力はシリアの砂漠地帯にあるISの領域に対する政権側の攻勢で大いに役立った可能性がある。そこではISが装甲・非装甲の車両運搬式即席爆発装置(自動車爆弾:VBIED)を乱用していた。
それらのいくつかはなんとかしてSyAAの陣地と兵舎や集積地に忍び寄ることができたが、
おそらくは監視地点にいるBRDM-2ベースのATGM車によって(自爆攻撃を)妨害されたかもしれない。




シリアは9P122と9P148 ATGM車の双方を受け取っているが、現代の紛争では9P148だけが使用に耐えうると主張することができる。
9P148は一世代遅れのマリュートカATGMを発射する旧式の9P122を大幅に改善したもので、9M113「コンクールス」とより古い9M111「ファゴット」のどちらも発射することが可能だ。
少数の9P148が内戦に投入されて少数が現役にあると考えられているが、全てのP9122は長期保管されたままだ。
ゴラン高原でイスラエルのメルカバ戦車を攻撃するというSyAAが意図した役割では9P122とマリュートカATGMはいずれにせよ彼らを十分に怖がらせることはできなかっただろう(注:マリュートカATGMではメルカバ戦車に歯が立たないので、結局は役立たなかっただろうということ)。

大半の9P122はSyAAの基地に置かれているために私たちの視界から隠れたままとなっているが、いくらかはシリア内戦の間に捕獲された。最も特筆すべきは反乱軍がアレッポの包囲を解こうと試みた際に合計で7台の9P122が砲兵学校で捕獲されたことだ(包囲の突破は8月初頭に成功した)。
反乱軍はアレッポを維持することに不可欠なライフラインの維持を繰り返し試みたにもかかわらず、2016年9月初頭には新たな政権側の攻勢で包囲が復活してその数ヶ月後の同年12月後半には政権側が都市全体を掌握した。


興味深いことに、ISだけが捕獲した9P122の使用を試みたことがある。
しかし、想定されていた用途(注:対戦車攻撃)で9P122を使う代わりに、ISがこれらを(車両分類番号[100]と[106]がデリゾールのアイヤッシュ近郊で政権軍によって捕獲された以前に)装甲兵員輸送車(APC)やVBIEDに転換した可能性がある。
捕獲された9P122の双方がISの装甲車両修理施設:「工廠」かその傘下にある工廠でオーバーホールされた車両であることを示す、الدولةالإسلامية - 'イスラミック・ステート'、جيشالخلافة - 'カリフ制軍'(ジャイシュ・アル・ファリーファ)と記載された黒い四角形のマーキングが施されていた。
どちらの車両分類番号も特有の第1桁を付与されており、9P122[106]の存在は少なくとも6台のBRDM-2やその派生型、または他の装輪式AFVが「工廠」によってオーバーホールされたことを示唆している(注:「工廠」ではBRDMが100番台、戦車が300番台といったように、AFVのカテゴリー別に番号の第1桁が分かれている。この分類からすると。捕獲されたBRDMに[106]とあったことから、少なくとも6,7台の同種車両が存在するということを意味している)。


他の9P122の大半と似たような運命が、BRDM-2の車体をベースとした短距離地対空ミサイル(SAM)システム9K31ストレラ-1にも授けられた。
本質的には、これらは(4発のミサイルを搭載した)機動プラットフォーム上に装備された旧世代の携帯式防空ミサイルシステム(MANPADS)の性能と変わらなかった。したがって、9K31ストレラ-1は今日の紛争における赤外線誘導式(IR)ミサイルに対する現在の妨害策には完全に手も足も出なかったと思われる。
シリア軍はより現代的なパーンツィリ-S1ブクM2、アップグレードされたS-125(ペチョラ-2M)を入手していたが、それら自身が既にイスラエル空軍によって敗北を喫したので、シリアは2000年代後半か2010年代の初頭には9K31ストレラ-1の大半を退役させてしまった。



BRDM-2の大半の派生型が倉庫で保管され続けているが、BRDM-2の偶発的な出現は今日まで続いている。
それでも、たいていは1台がシリア政府と連携した部隊かそれと戦っている勢力のいずれかによって使用されている(注:複数での目撃例が少なく、目撃される場合は1台のみ場合が多いということ)。
さらに事実を明かすと目撃されたBRDM-2の殆どは政権とその同盟者と戦う勢力によって運用されており、中でも注目すべきはISによるもので、彼らは数台のBRDM-2をシリア北部における孤立したSyAA基地に対する攻撃で使用した。
政権側で運用中の稼働状態にある殆どのBRDM-2はそれらを運用する部隊の主導で復活させられてはいるが、それは政権側のAFV修理工場でBRDM-2群の大部分を復活させるというより広範囲に及ぶ計画の一部ではない(注:大規模な再生計画ではないということ)。

その一方で、YPG(クルド人民防衛隊)のような勢力は少なくとも何らかの形の装甲(戦力による)支援を部隊に与えるためにBRDM-2のような再生車両に依存している。
歴史的にシリアを支配するべく戦闘を繰り広げている全ての主要な勢力で最も裕福ではないYPGはDIY装甲のトラクターと他の奇怪な車両を補完するために、入手することができたあらゆる車両を利用した。
この状況は、YPGが(以前に政権側の部隊か他の勢力によって)シリア北部の各地で放棄されていた、いくつかのBRDM-2をBTR-60と共に復活させるに至った。



最も最近の目撃例には、2018年4月に無傷の約40台の戦車とAFVが(イスラーム軍から)政権側の部隊へ引き渡される前の東カラマウンで、かつて同軍が運用していた1台のBRDM-2が含まれている。       
興味深いことに、彼らは内戦の初期段階の際に独自の空軍を創設、東グータではいくつかの9K33オーサSAMシステムを運用し、シリアで最大の機甲戦力を集中させた部隊を集めた。
そして、射程が200km以上あるイラン製ゼルザル-2「マイサラム」地対地ロケット弾を20発以上を所有していたが、イスラーム軍はそれらのアセットを最大限に活用することを決してしなかった。
その代わりに彼らは捕獲した装備を主に内戦で最大限活用するのではなく、主に抑止力として使用しているように思われたが、最終的には双方の成果を得ることに失敗した(注:結局はそれらの装備を捕獲・破壊されたり、拠点からの撤退を強いられるなどして目的を達成することができなかった)。
イスラーム軍によって政権側に引き渡された戦車のうち数台がその数ヶ月後にダルアーへの攻勢に参加している姿が見られたが、このBRDM-2が同様に再使用されるかは不明のままだ。



BRDM-2を戦場に展開させることを実際に意図していた他の運用者もそれらを改修することができ、主にシリア警察によって運用されたBRDM-2に施された改修に似た、敵の小火器による攻撃に弱いホイールの防御力を向上させようとしたものだ。
これらの大抵は比較的単純な改修は銃弾以外のもの(注:砲弾など)に対して車両を防御することには殆ど役に立たないが、(改修は)BRDM-2が任務を負った限定的な役割からすれば十分であると考えられたようだ。

典型的な改修を施されたBRDM-2を下の画像で見ることができる:これは自爆攻撃に向かっている車両だ。
画像のテキスト・バーの内容は次のとおり: انطلاق الأخ الاستشهادي أبو البراء الحلبي -تقبله الله - نحو مرتدي الأكراد جنوبي جبل عبدالعزيز - ''殉教を試みる兄弟アブ・アル・バララ・アル・ハラビィ-アッラーは彼を受け入れるだろう - アブドゥルアズィーズ山の南側にいる背教者クルドへ向かって進んでいる''
スラット・アーマー対戦車擲弾(RPG)に対して車両を生存させる可能性を大幅に向上させただろうが、おそらく運用者がその改修のために努力する価値が無いと見なしたと思われる。
確かに、シリア内戦では比較的少量のAFVしかこの形態の(増加)装甲を付与されていない。最も注目するべきなのは第4機甲師団によって運用されているAFVだろう。



比較的僅かなBRDM-2が少なくともRPGやATGMといった重火器の攻撃から生き残るために増加装甲を付与された。もしそうでなければBRDM-2の装甲はまっすぐ貫通されたであろう。
そのような例を下で見ることができる。このダルアーで撮影された、とあるBRDM-2は政権側の部隊によって捕獲された。
この車両は既存の砲塔の上に新しいシールドと(防御力を向上させるために)、おそらく中を岩や砂袋で満たした装甲板を車体側面に追加の改修を受けた。

ISによって運用された別の車両は、砲塔を含むBRDM-2の車体の外周に装甲板を配置させた。
おそらくは装甲の製作とBRDM-2への装着に多くの時間を必要としたが、この車両は最終的にシリア中央にあるホムス県でVBIEDとして消費された。
テキスト・バーの内容は次のとおり:عربة الأخ أبو مصعب (تقبله الله) المفخخة - ''兄弟アブ・ムスラブの爆弾車両, アッラーは彼を受け入れるだろう.''






戦場で捕獲されたAFVが全て「救出」可能とは限らない。
砲塔に損傷を受けたり、機能不全の部品を交換する昔ながらの(整備・修理)方法を欠いたままの運用は戦車にまだ射撃や運転可能な状態をもたらすが、機能不全の武装やエンジンのせいでそれぞれが本来意図された用途では全く役に立たなくなる。
シリアでは、大抵の場合はそれがAFVに全損という結果をもたらすことを意味するが、
YPGは一般的に保有している乏しい装甲プラットホームを無駄にすることを許していないので、他のAFVをベースにしたDIY-AFVをよく見かける(注:YPGは装甲兵力が少ないのでAFVが損傷しても無駄にせずニコイチなどして残存を図っている)。
YPGのやり方で、少なくとも1台のBRDM-2が新しいAFVのベースとして使用され、広範囲にわたって改装された。
下の車両は明らかにBRDM-2をベースにしているが、この再生車両は全ての面で元の車両とは異なっている。

ただし、大半のYPGの改修はより平凡なものになっている。
最初の改修はホイールの周囲を覆う装甲板の追加であるが、各改修車両の間で変化が見られる。これは、各車両が異なる兵器修理工場によって改修されたことを示している可能性がある。
この車両(下の2枚のうちの上の画像)のKPV 14.5mm重機関銃には新しいマズル・ブレーキが装着されている。
もう一台のBRDM-2はM1114ハンヴィーに搭載されたものを彷彿とさせる砲塔へ交換されたが、KPV 14.5mm重機関銃はそのまま装備されている。
この改修は追加装甲の装備と砂漠迷彩の採用によって完結した。






シリアにおけるBRDM-2に施された最も徹底的な改修はいかなる現地の勢力によってなされなかっただろうが、その代わりにロシアの民間軍事会社ワグナーによって実現された。
おそらくは民間軍事会社だろうが、ワグナーはロシア国防省の非公式な通常戦力として地上で活動しており、シリアで(身分を隠していない、正式な)ロシア軍から大規模な支援を受けてきた。
さらに、彼らはいくつかの政権側の攻勢で決定的な役割を果たしており、突撃部隊として活動して多くの戦闘をしたが、撮影クルーが新しく征服した地域で撮影をし始めると再び姿を消してしまった(注:ワグナーは隠密に活動しているので、テレビ・クルーが新しく占領された土地を訪れるときはロシアの傭兵がいることを悟られないために姿を消してしまった後である。そのため、彼らからするとSyAAが実際にそこを占領したように見える)。

ワグナーが保有するBRDM-2の出所は不明だが、おそらくSyAAのストック品でシリアにおける彼らの新しい運用者によって改修されたか、単にロシア軍のストック品を入手してロシアで改修されたものと思われる。
今までに3種類の派生型が知られており、それぞれにいくつかの亜種が存在する。
これらはアレッポ、タドムル、デリゾールを含むシリアの殆どの地方に姿を見せており、
デリゾールでは少なくとも1台がISによって撃破された
下の画像では、カメラを嫌がるワグナーの兵士にも注目が必要だろう。



最初の改修例はBRDM-2の砲塔を撤去されており、その代わりとして遠隔操作式のZU-23 23mm機関砲が搭載されている。機関砲の上部には(照準用の)カメラが装備されている
弾薬を再装填する以前の段階でBRDM-2により長期間の射撃を可能にさせるために通常よりも大きい弾倉が装着され、おそらくは1門あたり約100発の弾薬のために合計でその2倍(注:ZU-23が連装のため)の量の射撃を可能にしている(ただし、ZU-23を搭載したすべてのBRDM-2がそのような弾倉を使用しているとは限らないように見える)。
この車両は砲塔と車体の周囲に新しく装備されたスラット・アーマーによって防護される。
スラット・アーマーと車体の間の広い空間は無数の土嚢を入れることを可能にし、命中した弾頭を変形させる(注:無力化させる)機会をさらに増大させる。





別の改修例では、KPVを装備した砲塔がNSV 12.7mm重機関銃AGS-17 30mm自動擲弾銃を含む自家製の砲塔に置き換えられている。
この車両もスラット・アーマーを装備しているが、上の画像の車両とは少し違った装着がなされている。


展開した別の改修車両の外見は他の例とよく似ているが、いくつかの小さな違いが特徴になっている。
最も注目するべき点として、同車には密閉式の砲塔が装備されておらず、その代わりに主武装を格納している開放式のキューポラが設けられているが、密閉式砲塔を備えた派生型と変わりがない。
この車両もワグナーが他に運用している殆どのBRDM-2と同じように車体前部にカメラを搭載している。このカメラはBRDM-2の操縦手に新しく装備されたスラット・アーマーで大きく妨げられた視界の向上をもたらす。




















これらのBRDM-2のオーバーホールは、他の点では二流のAFVをシリアの砂漠地方におけるパトロールと移動に適合した、強力なAFVに変化させる。
そのような改修をSyAAとその同盟者にさせるかは彼ら自身の意志に左右され、その(方針の)決定はシリアにおけるBRDM-2の将来に大きな影響を与えるだろう。















BRDM-2は多くの弱点があるにもかかわらず、依然としてシリア内戦で貴重な戦力になるということが判明した:ワグナーの例に沿った改修はBRDM-2を効果的な警戒車両と火力支援車に変えるだろう
シリア政府は国内にある反政府軍の領域にいる残存勢力を徐々に抹殺している。彼らはまだ自身の支配下にない領域でも同様のことをしたいと望むだろうことは間違いない。   
将来に実施される作戦は、一度は永眠の地を見つけたと見なされ、今やもう一度戦うためにリファビッシュされた車両の関与を見続けさせてくれる可能性が高いだろう。

 ※ この翻訳元の記事は、2018年9月22日に投稿されたものです。
   当記事は意訳などにより、本来のものと意味や言い回しが異なる箇所があります。
   正確な表現などについては、元記事をご一読願います。  

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