2017年4月10日月曜日

また一つの敗北: 主要な兵器集積所がイスラミック・ステートの手に落ちた


著 Stijn Mitzer と Joost Oliemans (編訳:ぐう・たらお)

シリア内戦における最大規模の武器の捕獲となったデリゾールのアイヤッシュ兵器庫を攻略してわずか1年あまりで、イスラミック・ステート(IS)は再びデリゾールの補給基地から捕獲された大量の弾薬を入手した。
今回の捕獲は、前述のアイヤッシュ兵器庫や第121連隊基地、第93旅団基地、マヒーン武器庫の攻略といった、膨大な量の武器や弾薬の所有者の交換という主要な事例のリストに加えられた。
マヒーンのほかは全てISの手に落ちた(注:マヒーンは政府軍に奪還された)。
これらのデポはそれぞれ、攻略者にかつての所有者に対して直ちに使用できる多様な兵器、車両と弾薬を提供し、シリアを制圧するべく戦う他の勢力に大打撃を与えた。

ISによって公開されたデリゾールに対する攻撃での戦闘員を映すプロパガンダ・ビデオが、今回のデポを攻略したことを公表する唯一の映像であった。
ビデオ「علىأبوابالملاحم - 叙事詩の扉(戦い)」では、2017年2月にISが成功した、政府側の支配地域を二つに分離することに奮闘する詳細な様子が映し出されている。
これは、空軍基地と第137旅団が現時点で完全に分離されていることを意味し、双方への供給をさらに複雑にすると共に空軍基地の脆弱性を大幅に増加させている。
脅威が増大するにもかかわらず、ISがどちらの基地も攻略することはありそうもないであろう。
最大300万発にわたる小火器の弾薬を含めた相当の数の弾薬を捕獲することで、ISは生存のための戦いを確実に延長できるようになるであろう。

下に捕獲した兵器や弾薬等の一覧があるが、これは捕獲された弾薬の推定量であり、実際の数はより多いと考えられている。
このうち、少なくとも652箱の内容は特定できなかった。
また、 小火器は少量の捕獲であったことから下の数には含まれていない。

弾薬:

- 3,320,600発の7.62x39, 7.62x54R, 12.7mm及び14.5mm弾

- 2,310発の85mm砲弾

- 693発の100mm砲弾

- 13発の125mm砲弾

- 120発の120mm砲弾

- 68発の122mmロケット弾

- 15個のTM-62対戦車地雷

車輌:

- 1両のT-72M1(TURMS-T)

- 3両のT-72M1

- 1両のAMB-S

- 1両のタトラ148

- 1両のUAZ-469

- 5台の自動車

小火器用弾薬ケースのそれぞれの正確な中身を査定することは不可能であるが、その総量は7.62x39mm弾の約332万発分か、それよりわずかに少量の12.7mm弾や14.5mm弾といった、より大きな口径の弾薬のものに相当すると思われる。
弾種には関係なく、まさにとてつもない量の小火器用弾薬が実際に捕獲された。








莫大な量の85mmUBR-365P 徹甲弾も武器庫で発見された。
確かに印象的な光景ではあるが、これらの弾薬はISにとって完全に役に立たない。
D-44 85mm対戦車砲は現在のところ、シリア軍が保有する兵器の中でこの砲弾を発射することができる唯一の砲であるが、今日の戦場ではごく少数だけが運用されている。
実際、D-44は非常に稀な存在であり、ISはこの対戦車砲を現時点でたった1門だけ保有しているとみられている。











別の2つの部屋には、少なくとも693発の100mm戦車砲弾が保管されていた。
ここでは、これらの砲弾を使用するT-55戦車が少ししか運用されていないことから、この量はデリゾールにおけるISの需要をはるかに上回っている。
したがって、これらの少なくとも一部はラッカに移送され、さらに他地域のISの部隊へ分配される可能性が極めて高い。




「2015年5月5日」と記載されたイランの弾薬箱の存在は、その日付がデリゾール包囲の直前にさかのぼる点で注目に値する。
これらの枠箱はシリア空軍のIl-76の1機に搭載された可能性が高く、同機は、これらの航空機が飛行場に着陸することがまだ可能であったときに頻繁にデリゾールを訪れていた。
この「訪問」は、ISが滑走路の南東側に極めて接近したために不可能となっており、これは耐爆型航空機用掩体に駐機中の2機のL-39が破壊されたことによって、痛々しいほど明らかになった事実である。 













弾薬の大部分は、トラックや車に迅速に積み込まれ、シリア各地に点在するISの部隊に配分された可能性が高い。
これらの備蓄を事前に標的とすることは、この事態が発生することを防ぐことができるであろうし、ストックを補充し続けるISの能力も制限することができる。
それにもかかわらず、そのようなオペレーションがシリア空軍またはロシア空軍のいずれかによって何度も繰り返し実施されたということはなく、この内戦では、空軍と政府軍側の兵士によるこのようなデポの迅速な退避や妨害の欠如と相まって、結果的に対立勢力にとって大きな恩恵をもたらすことがあった。












ISはまた、デリゾール市内の政府勢力に向けられた二つの空中投下物資を捕獲したが、そのうちの一つはISが到着する前に、すでに中身が空になっていたと思われる。
しかし、捕獲されたデポのうちの一つで、これらの枠箱からの弾薬と後で出会う可能性が非常に高い(注:既に運ばれた弾薬が、占領されたデポに貯蔵されている可能性が高いということ)。
以下の画像の二つのパレットを含むいくつかの空中投下物資は、今までに知られている限り、ISの支配地域に着陸した後は最終的に彼らの手に落ちた。

決して理想的な状態ではないが、空中投下は2015年5月にデリゾールが完全に包囲された後、その状況下で物資を都市とその住民に供給するための唯一の方法である。
国連とロシア空軍は共にデリゾールでの政府の支配地区に住む、飢えた人々への人道的援助物資の投下に積極的に参加しているが、シリア空軍のIl-76は主に都市で孤立して残り続ける政府軍に兵器、弾薬、そして燃料を供給することを目的として活動している。









大量の弾薬を捕獲することに加えて、今回のデポ攻略はISに4台のT-72M1をもたらし、彼らが現在デリゾール周辺で運用しているT-72部隊の規模を倍以上にした。
この鹵獲した兵器には、イタリアのTURMS-T(Tank Universal Reconfiguration Modular System T-series)射撃管制装置を装備した一台のT-72M1も含まれていた。
つまり、 これがISに捕獲された最初のT-72 TURMS-Tということになる。
興味深いことに、これらのT-72M1のうち2台は、TPN-1-49砲手用サイトの周りに保護カバーを備えている。
この改修は、シリアの疲弊したT-72部隊に残っている車輌に徐々に適用されている。






1台のチェコスロバキア製AMB-S多目的装甲車(注:BWP-1 AMB-S装甲救急車) も捕獲されており、これは、アイヤッシュ兵器庫の近くで捕獲された2台のBREM-2装甲回収車と同様にVBIED(Vehicle Borne IED/車両運搬式即席爆発装置)として使用される可能性が高い。

この記事はMENA_Conflictと共同して執筆されました(原文)。

 ※ この翻訳元の記事は、2017年3月27日に投稿されたものです。
   当記事は意訳などにより、本来のものと意味や言い回しが異なる箇所があります。
   正確な表現などについては、元記事をご一読願います。   

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2017年3月29日水曜日

DIYに走るイスラミック・ステート: D-30 122mm榴弾砲が対空砲として使用された


著 Stijn Mitzer と Joost Oliemans (編訳:ぐう・たらお)

イラクのウィラヤット・ニーナワー(ニネヴェ県)におけるイスラミック・ステート(IS)のメディア部門によって最近(注:2016年初春ころ)公開された画像は、モスル上空でのSIGINT任務に使用された米軍の(E)P-3哨戒機(注:本件における同機がEP-3かは断定できない)に対して射撃する、(ウィラヤット・ニーナワー防空大隊に属する)アル・ファールク小隊のトラックに車載されたD-30 122mm榴弾砲を見せた。

この種の兵器の使用は、通常は地上の目標のみに対する従来の砲として使用されるものであることから、大いに注目に値すると共に、ISが保有する有志連合の圧倒的な航空戦力に対抗する手段の深刻な欠如を強調している。

ISの支配下にある最大の都市モスル及びその周辺で撮影された画像には、ソビエト伝来のD-30 122mm榴弾砲を搭載するように改修されたアメリカ製ナビスター・インターナショナル7000シリーズとM35トラックが映し出されている。
M35ベースのものは、対爆掩蔽壕(バンカー)に格納されているように見えるが、標的の候補が現れたときにだけ外へ動かされる。
さらに、トラックにはスタビライザ-と砲身をより低い位置に固定することができるトラベリングロックが装備されている(注:前者が射撃時の反動対策で、後者が移動時に砲身の先端が橋やトンネルに接触することを避けるためのもの)。
他の画像ではアル・ファールク大隊が保有するZPU-2 14.5mm 、ZU-23-2 23mm,、65式 37mmとAZP S-60 57mm機関砲を含む、より従来型の対空装備が見られ、これらの全てが様々な種類のトラックに搭載されていた。   




また、画像にはトラックに搭載された榴弾砲によって発射されたものの、狙った目標:米軍の(E)P-3オライオンを外した2発の砲弾が写されている(注:下の2枚)。
これらの飛行機は、モスル上空において情報収集と電子戦に使用されており、イラク領土におけるISの連携した作戦能力に深刻な妨害を与えている。
低速で飛行する(E)P-3はしばしば都市の上空で円を描いて飛行しており、ISの目障りであることには違いない。
通常、彼らはF-15のような高速で飛行する航空機を見ているが、当然ながら榴弾砲でそれらを撃墜することはできない。
しかし、(E)P-3は遅く飛ぶことから、空を見ると極端に遅く見えるため、彼らはこのように撃墜する機会があると考えることができるのである。
強力な火砲は、これらの航空機が運用される高度に到達する能力がある事実にもかかわらず、それらの榴弾が各種類の対空用信管を欠いているという事実は、彼らはその不利を無効にするために目標への直撃を得なければならないことを意味するが、達成することはほぼ不可能な「偉業」である。



したがって、この試みは時間と弾薬の無駄であるように見えるかもしれないが、ISがそのような戦術を最初に用いたのではない。
実際、ムジャヒディン(聖戦士)は、ソ連のアフガニスタン侵攻中にソ連のヘリコプターに対して迫撃砲とRPGを使用したことが知られており、イラン・イラク戦争中にイランの砲兵が低空飛行するイラクのヘリコプターを標的としていたことも同様にに知られている。
もちろん、これらの事例のいずれもが航空機の損害または軽微な損害さえも報告されていない。
なぜなら、大概はそのような兵器(時限信管の欠如)の使用は、標的の完全な破壊か完全な失敗のいずれかの結果しかもたらさないからである。



戦闘地域の上空で運用される空軍によって、彼らの兵器の大部分がすぐに標的にされているという事実を考慮すると、依然としてISは間違いなく、現在のシリアとイラクで戦う最も独創的な武装勢力である。
ISは低速飛行する敵機を撃墜しようと必死に試みたが、それはコストを問わないで戦いを続けるために戦力資産を捧げる彼らの意欲をもう一度証明するものである。

今後の記事では、これまでにひどく過小報告されてきた、ISが戦闘能力を向上させるために実施したDIYプロジェクトについて明らかにしていくだろう(注:こちらでは不定期で過去のものを編訳する予定です)。

 ※ この翻訳元の記事は、2016年3月3日に投稿されたものです。
   当記事は意訳などにより、本来のものと意味や言い回しが異なる箇所があります。
   正確な表現などについては、元記事をご一読願います。   

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2017年3月20日月曜日

希少な兵器:アンゴラで運用されているキューバのダビドIMV(歩兵機動車)


著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo

 キューバは、かつての指導者フィデル・カストロや、驚くほど共産主義に辛抱強く忠実なこと、そして世界的に有名な葉巻で広く知られています(後者の二つは世界各国に「輸出」されています)。

 その一方で、キューバの武器輸出国としての役割についてはまだまだ不透明なままです。

 近年のキューバでは広範囲にわたる軍事関連装備の製造と改造を開始していますが、このための軍需産業はこれまでの大半を自国の革命軍(Fuerzas Armadas Revolucionarias:FAR)のニーズを満たすために役立てられてきました。その中で、アンゴラ共和国軍で運用されているキューバ製「ダビド」歩兵機動車(IMV)の存在は、非常に注目に値するものとなっています。

 アンゴラとキューバ間の強力な関係は、かつてのポルトガルによる(アンゴラへの)植民地支配に対する解放闘争の間に確立されてアンゴラとその軍隊に重大な影響を与えましたが、過去数十年にわたるアンゴラへの軍用装備の引渡しが具体化されていたことは知られていません。

 両国間の結びつきの継続は21世紀に入ってからもアンゴラとキューバ当局者間の会合で再確認されており、両国の国防相らによって軍事分野における関係の継続と協力の強化をしていくことが表明されています。 [1]

 「イグアナ」としても知られている「ダビド」IMVがアンゴラ軍で運用されていることが最初に目撃されたのはSADC(南部アフリカ開発共同体)の多国間演習「ヴァーレ・ド・ケェーヴェ 2014」でのことであり、その際にはナミビア軍の「キャスパー」MRAPと一緒に模擬演習に登場しました。

 「ダビド」がキューバで最初に目撃されたのはその数年前のことであり、それは1961年のピッグス湾事件の鎮圧を記念した2011年のプラヤ・ヒロン侵攻撃退勝利50周年パレードに参加したときのことでした。

2台のキャスパーMRAPがダビドIMVの車列を先導しています

 「ダビド」はよくMRAPとして識別されることがありますが、より適切な分類としては「歩兵機動車(IMV)」です。

 この車両に関するプロジェクトはDIY的なものであることから、「ダビド」はその大部分がさまざまな種類の軍用車両から取り外した部品の興味深い組み合わせであることを示しています。例えば、シャーシはソ連製「GAZ-66」トラックのものであり、それに装甲化されたボディが搭載されています。このIMVの装甲値は不明ですが、全周防御力は小火器の銃撃と爆発物の破片から車体を保護するには十分なものと思われます。

 「ダビド」の武装は「BTR-60」か「BRDM-2」の砲塔から取り外された一門の7.62mm PKT軽機関銃ですが、(この別車両の主武装という)異なる役割で機能するように改修され、その過程で砲塔が失われています。また、これらの車両はダビドに最大で4つ設けられている兵員用ハッチの出どころでもあります。

 このIMVには2種類の派生型が存在していることが知られており、一つは兵員用ハッチを装備しないタイプ(注:上部ハッチが前部座席直上に1基のみ)で、もう一つはアンゴラでも運用されている派生型、つまり4つの兵員用ハッチを装備したタイプです。
 また、「ダビド」の両側面には(BTR-60などから転用されたと思しき)銃眼付きの視察窓が備えられていることにも注目する必要があります。


 従来の「GAZ-66」と「UAZ-469」に代わって、「BM-21」多連装ロケット砲(MRL)大隊の指揮車両としての役割を担う別の派生型も存在します。
 
 同様に、余剰となった「UAZ-469」は特殊部隊用の高速攻撃車両へ転用されています。このことは、欠乏から逃れることができないこの国では、完全に使い切るまで真の意味で退役する装備がほとんど存在しないことを示しています。[2]
 
 
 「ダビド」には。兵員ハッチや機関銃手用のスペースに代わって、ルーフに大型アンテナや衛星通信アンテナを搭載した通信車を含む、さらに特殊化された派生型も存在します。

 これらの車両は、(キエフからベルリンまでの同じ距離をカバーする)キューバの広大な国土を防衛する3つの異なる地域軍間の効率的な通信を確保するためのものです(注:キューバ陸軍は東部軍・中部軍・西部軍の3つに区分されています)。
 

 「ダビド」IMVの製造に先立ち、すでにキューバは戦場での防御力を強化するために武装の交換や装甲を追加することで数種類の車両を製造・改造に関する僅かな経験を持っていました。これらの車輌の少なくとも一部は、後にアンゴラで使用されました。アンゴラでは、キューバ陸軍と空軍の派遣部隊が1970年代から80年代にかけてUNITA (アンゴラ全面独立民族同盟)やFNLA (アンゴラ民族解放戦線)、FLEC (カビンダ解放戦線) 、そして南アフリカ国防軍(SADF)と敵対するMPLAを支援するために戦っていたのです。


 アンゴラに派遣されたキューバ軍部隊は主に軍事顧問や対内乱作戦で活躍するだけではなく、SADFとの直接的な戦闘も頻繁に繰り広げました。

 SADFを打ち破ったことが南アフリカのアンゴラ内戦からの撤退と(1990年にナミビアとなる)南西アフリア独立の承認を引き起こしたとよく信じられていますが、 キューバ軍もSADFの手によって相次ぐ敗北を被りました。

 しかし、彼らが持つ回復力は最終的にSADFに関与とリソースを大幅に増やさなければこの紛争で勝利を得ることはできないと確信させました。基本的に、キューバ人はアンゴラで軍事的な勝利ではなく自身の存在そのものによる戦略的な勝利を得たのです。

バンデーラ-VI-M「Remulgadas」沿岸防衛システムの指揮車として登場したダビドIMV。PKT機関銃にも注目してください。

 帰国したキューバの派遣部隊はアパルトヘイトの南アフリカを打ち破った勝者として歓迎されましたが、程なくしてキューバは国内で大きな問題に直面しました。貿易と収益をソ連に大いに依存していたキューバは、ソ連の崩壊によって経済に壊滅的な悪影響を受けたのです。

 キューバ軍も大打撃を受け、すぐにスペアパーツと燃料の不足に直面しました。その結果として、大量のAFVや航空機が保管状態に置かれ、海軍の大型艦艇と潜水艦が退役に追い込まれてしまいました。

 近年では、キューバ軍の戦闘能力の向上を図ることを目的とした新しい装備へと改修するため、余剰となっていた車両と装備が保管庫から持ち出されました。ときには戦時にほとんど戦力とならないような疑わしい代物になるだけではなく、「ダビド」IMVといった、より現実的なプロジェクトに至ることもありました。

 これらの優れた改修の例には、地対空ミサイルの発射機を「T-55」戦車の車体に合体させた車両と対戦車砲や対空砲、そして野砲を「BMP-1」の車体や「T-55」だけでなく第二次大戦時代の「T-34/85」の車体に搭載したものが含まれています。

  
 
 世界中の国々でより多くのキューバ製兵器が出現する見込みについては可能性が非常に低いものの、アフリカでこのような「外来種」の車両が目撃されたことは国際武器市場の複雑さと不透明性を再び示しています。それに伴い、軍備が拡散する道筋を追跡し続けるための正確な分析が必要不可欠です。

 (その多くが北朝鮮を含む型破りな出どころから入手された)アンゴラ軍の極めて多様な戦闘車両の兵器庫に追加されたということからも、「ダビド」IMVはそのような事実の優れた実例として役立つでしょう。

[1] Cuba and Angola will grow their military cooperation between the two armies https://www.armyrecognition.com/august_2011_news_defense_army_military_industry_uk/cuba_and_angola_will_grow_their_military_cooperation_between_the_two_armies_1009111.html
[2] The Oryx Handbook of Cuban Fighting Vehicles https://www.oryxspioenkop.com/2019/08/cuban-fighting-vehicles.html

 ものです。当記事は意訳などにより、本来のものと意味や言い回しが異なっている箇所が
 あります。


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