2024年12月22日日曜日

戦術トラック界の巨人:トルコの「M4K」装甲回収車


著:シュタイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)

 当記事は、2022年に本国版「Oryxブログ」(英語)に投稿されたものを翻訳した記事です。 意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しが異なっている箇所があります(本国版の記事はリンク切れ)。

 たしかに、機械化部隊の装備で装甲回収車ほど評価されていないものはないでしょう。

 一般的には前線部隊の後方に展開し、何かが深刻な事態に陥ったときにしか目にしない装備ではあるものの、それでも機械化部隊の作戦が任務を達成させるためには不可欠な存在です。この事実は世界中の現代的な軍隊の装備に反映されており、保有兵器の中に相当数のARV(装甲回収車)や別種の装甲支援車両が含まれていることが多く見られます。

 戦場における重要性の観点から、ARVのコンセプトは新たな問題と安全保障上の脅威に対応するために絶えず進化してきました。当初、冷戦時代にドイツの平原を機甲部隊で突破する際に、大量の装甲戦闘車両(AFV)の動きを維持するために考案されたARVですが、今日ではより少数の戦車を支援するために運用されています。

 それにもかかわらず、展開が想定される地域の数が劇的に増加し、対戦車ミサイル(ATGM)の普及や即席爆発装置(IED)といった脅威と相まって、現代のARVに対する要求はこれまでになく高まっているのです。具体的に思い浮かぶ地域はアフガニスタンです。NATOの部隊は携帯式対戦車擲弾発射器(RPG)やIEDの脅威から自らを守るため、軽装甲と重装甲の車両を大量に使用しました。

 近年でAFVが重要な役割を果たしているもう一つの紛争地域はシリアであり、トルコ軍はイドリブとアレッポの両県に展開しています。この地で、彼らはBMC「キルピ」「ヴラン」耐地雷伏撃防護車両(MRAP)で頻繁に基地から出てパトロールを行っているのです。

 MRAPが備える装甲と耐爆性能は、これまでも多くの兵士の命を救ってきました。しかし、MRAPがスタックするというあまりあり得ないシナリオが現実となった場合、危険から救い出すためにはより強力な車両が必要となります。

 この役割のために、トルコ陸軍はアメリカ製の「M984」回収車もシリアに配備し、MRAPとの共同パトロールに参加させています。しかしながら、(非装甲である)「M984」の乗員は車内ではほぼ無防備な状態であったことから、シリアや他の紛争地帯をパトロールするMRAPに同行する装甲車両が緊急に必要とされました:それが今回取り上げるMPG社製「M4K」です。


 「M4K」プロジェクトは、トルコ陸軍による装甲装輪回収車の切迫した要求に応えるため、国防産業庁(SSB)と(クレーン機構の設計を担当する)機械製造グループ(MPG)によって立ち上げられたものです。[1]

 結果として誕生した車両は最大4人乗りで、最高時速は80kmを誇ります。装甲キャビンは小火器やIEDから上院を保護する防御力を備えているほか、同キャビンの上に搭載されたジャマーは、IEDが爆発する前に無力化することが可能です。

 合計で29台の「M4K」がトルコ陸軍によって発注され、2020年1月にM4Kの資格試験が完了した後、その全てが同年の8月に納入されました。このことは、プロジェクトが緊急かつ迅速に成功を収めたことを物語っています。[2] [3]

 「M4K」は、近い将来トルコ陸軍に就役する予定の(アナドールいすゞの防衛部門であるアナドール・ディフェンス「セイト 8x8」戦車運搬車と構成部品の大部分が共通となっています。

 もしトルコが「アルタイ」戦車用エンジンを独自で生産する上での困難を克服し、同戦車の量産を開始することができれば、この国はNATO諸国で最も進んだ戦車と戦車運搬車、そして装輪式ARVを手にすることになるでしょう。

アナドール・ディフェンス製「セイト 8x8」戦車運搬車

 「M4K」が備える主要な車両の回収装置は巨大なクレーンであるため、動けなくなった車両などを溝や泥から傾けて引き上げるだけでなく、AFVの砲塔やエンジンといった大型車両の部品を交換することも可能です。また、このARVには、回収作業用の油圧式ウィンチを2基(前部と後部に1基ずつ)、牽引装置、車両を安定させるためのアウトリガと駐鋤も装備されています。[4]

 「M4K」の車体は不整地での機動性に優れていることから、救助のために駆り出されて苦労する旧式のARVと同じ運命をたどらずに済むことが期待されています。
 
 「M4K」の能力については、2021年5月にルーマニアで行われたNATO主導の「ステッドファスト・ディフェンダー2021」演習において、初めて国際的な場でテストされました。同演習で、「M4K」は他の装輪式ARVでは回収できなかった味方車両の回収任務に参加しています。[5][6]

 2021年4月、「M4K」をベースとした33台の装輪式ARVを納入するため、トルコ軍がMPGと3,850万ドル(約59億円)の契約を結んだことが発表されました。この新型車両については、「M4K」よりも軽装甲であり、キャビン上部のリモートウェポンステーションはオプションとなる予定です。[7] [8]

「M4K」が "損傷した"「ヴラン」MRAPを吊り上げて運搬車の荷台に置いている:車体後部の牽引装置と安定装置(アウトリガと駐鋤)にも注目

 トルコ陸軍におけるARV運用の長い歴史は、どこにでもある「M4 "シャーマン"」戦車の車体をベースにした「M74」に始まります。1960年代後半から西ドイツから大量に調達された「M74」は、長きにわたってトルコで運用される唯一のARVでした。[9]

 ところが、1980年代と1990年代にアメリカとドイツから余剰となった大量の戦車が引き渡されたことで、トルコはさらに数種類のARV(「ベルゲパンツァー2」や「M88A1」)を保有するに至ったのです。

 1990年代には、「M107」及び「M110」自走砲 のシャーシをベースにした「M578」軽回収車も導入されました。そして、2000年代には、アメリカの「M984」回収車と国産の「M48T5」ARVが登場したのです。

 これらのARVに共通しているのは、(「M984」以外は)装軌式のプラットフォームをベースにしているものの、小火器やIEDに対する防御力が低いことでしょう(ただし、戦車ベースのものに関しては相当の防御力があることは言うまでもない)。

1976年1月2日、オーバーシーズ・ナショナル・エアウェイズが運航していた「DC-10」がイスタンブールのイェシルキョイ空港(現アタテュルク国際空港)に不時着した:画像は機体が「M74」ARVによって現場から牽引される際の一コマ

 近年における各国の軍隊は、大型で重量級のAFV を保有する一方で、装輪式の歩兵戦闘車(IFV) や装甲兵員輸送車(APC)、軽戦術車両を大量に導入する傾向にあります。前者のサイズと重量は誇張しがたいものがあり(例えば、イギリスの「エイジャックス」偵察車の重量は38トンで、更新対象の「シミター」や「セイバー」よりも約30トンも重い)、それらを現地で回収するためには完全に斬新な方法が必要となることは容易に想像できます。

 反対に、軽戦術用車両はスピードと機動性を重視した運用がなされるため、IEDや待ち伏せ攻撃だらけの地域で使用される口径が多く見られます。以上のことから、現代のARVは、彼らに追随可能な機動性と同等の防御力を備えることが必須の条件なのです。

「M4K」ARVがBMC「キルピ」MRAPを牽引する様子

 「M4K」の装甲キャビンは、NATOのSTANAG 4569レベルに沿ってセカント社によって設計されました。これによって、キャビンはレベル2までの銃弾(7.62×39mmAPI弾)及びレベル2aまでの地雷(車体の下で6kgの爆風を生じさせるもの)に対する防御力を備えています。[10]

 「M4K」の装甲防御力はMRAPより低いものの、シリアや同様の紛争地域における最前線ではない場所での行動には十分なものです。



 回収任務中に待ち伏せや攻撃を撃退できるよう、「M4K」の屋根にはアセルサン製「サープ」リモート・ウェポン・ステーション(RWS)が装備されています。作戦上の必要性に応じて、40mm自動擲弾銃や12.7mm重機関銃、あるいは7.62mm軽機関銃の装備が可能となっている点が同RWSの特徴です。

 ルーフのIEDジャマー、CBRN防護装置、そして車体上部の右側に装備された6基の発煙弾発射機が加わることで、過酷な状況下における生存性がさらに向上し、「M4K」は間違いなくこのクラスで最高の防御力を備えた車両となったと言えるでしょう。


 MPG「M4K」は、軍事工学の中でも慢性的に過小評価されているこの分野における数少ない魅力的な新装備の一つであり、トルコの国内外での作戦に役立つことは間違いありません。このARVの開発は実戦配備から得られた教訓を踏まえて継続されているため、近い将来に軽量化された新型が大量に配備されることでしょう。

 装輪式AFVを運用する国の数は世界中で増加しており、トルコで生産されたものも多く含まれて言います。したがって、MPG「M4K」も初の輸出先が見つかる日は、そう遠いことではないのかもしれません。


[1] Another Vehicle Contributed by SECANT Enters the Inventory https://www.savunmahaber.com/en/another-vehicle-contributed-by-secant-enters-the-inventory/
[2] https://twitter.com/SavunmaSanayii/status/1292385227977961472?s=20
[3] Delivery of M4K Recovery vehicles to Turkish Forces Complete https://www.defenseworld.net/news/27615/Delivery_of_M4K_Recovery_vehicles_to_Turkish_Forces_Complete
[4] IDEF 2019: Multi-purpose armoured recovery crane for the Turkish Armed Forces https://youtu.be/C4vVLneX7vA
[5] Steadfast Defender-21 Tatbikatında 8×8 kurtarıcı araç M4K boy gösterdi https://www.defenceturk.net/steadfast-defender-21-tatbikatinda-turk-ispanyol-italyan-ortak-egitimi
[6] https://twitter.com/SpainNATO/status/1399292914157731841
[7] TSK, 8×8 M4K Tedarikine Devam Ediyor https://www.defenceturk.net/tsk-8x8-m4k-tedarikine-devam-ediyor
[8] https://twitter.com/TyrannosurusRex/status/1447825102494740484
[9] SIPRI Trade Registers https://armstrade.sipri.org/armstrade/page/trade_register.php
[10] Another Vehicle Contributed by SECANT Enters the Inventory https://www.savunmahaber.com/en/another-vehicle-contributed-by-secant-enters-the-inventory/

2025年前半に改訂・分冊版が発売予定です

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2024年12月16日月曜日

姿を消した幻の野獣:シリア・アラブ航空の「ボーイング747SP」


著:シュタイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)

 当記事は、2016年8月5日に本国版「Oryxブログ」(英語)に投稿されたものを翻訳した記事です。 意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しが異なっている箇所があります。

 シリア・アラブ航空は内戦で荒廃したシリアでの運行を続けていますが、所属機の中でも由緒ある「ボーイング747SP」が同社が運行を続ける数少ない路線や目的地からぱったりと姿を消してしまいました。

 もともと、同航空は1976年に納入された「ボーイング747SP(超長距離用に開発されたボーイング747-100の短縮型)」を2機運航していたものの、アメリカの制裁措置で航空機がD整備を受けられなくなったため、2008年には2機とも事実上放置状態となり、結果としてシリア航空は32年間運航した「ボーイング747SP」の退役を余儀なくされたのです。

 ところが、アメリカとシリアの関係が一時的に修復されたことで「YK-AHA 「11月16日」」と「YK-AHB 「アラブの連帯」」のD整備に必要なスペアパーツの引き渡しが認められ、その後シリアはサウジアラビアのアルサラーム・エアクラフト社との間でD整備とプラット・アンド・ホイットニー製「JT9D-7」エンジンと着陸装置のオーバーホールの契約が結ばれました。

 両機は2010年12月16日にダマスカスで調印された契約に基づいて、2011年後半には再就役する予定だったようです。


 2011年4月、シリア航空の社長兼CEOは、オーバーホールの状況を確認するため(この時点では退役状態の)「ボーイング747」の整備を行っていたアルサラーム・エアクラフト社を訪問し、「アルサラームのチームと、納期を厳守するための彼らの努力に感謝する」と述べています。

 その時点でプロジェクトはまだ予定通り進んでいたようですが、両機ともにシリアに戻ることなく、今でもサウジアラビアのリヤドにあるアルサラーム社の施設に残されたままです。「ボーイング747SP」の整備中止の正確な理由はいまだ不明のままですが、アルサラーム社に今後の全作業を中止せざるを得なくなった主な要因である可能性が高いのは、シリアでの内戦勃発でアメリカがシリア政府に対する姿勢を再考したことでしょう。

 アメリカの新たなシリアへの姿勢の一つとして、2011年8月に当時のオバマ大統領によって署名された大統領令13582号が発効されたことが挙げられます。この大統領令には「直接または間接的に、アメリカから、あるいはアメリカ人による、シリアへのいかなるサービスの輸出、再輸出、販売、供給」の禁止が含まれていたのです。

 言うまでも無く、シリア航空の「ボーイング747SP」のオーバーホールにはアメリカ製の部品が必要であったことから、大統領令13582号はアルサラーム社が同機の整備を継続することを妨げるものであったわけです。

 D整備が未完了のままで頓挫した結果、塗装はほとんど剥がれ落ち、部品が欠落したことで「ボーイング747SP」はシリアに戻る見込みもなく、サウジアラビアで立ち往生し続けています。2013年になると、アルサラーム社の駐機場で埃をかぶっていた2機は同社の施設の片隅へ追いやられてしまいました。

 ボーイング機の喪失については、制裁の発動によりシリア航空のほとんどの路線が廃止されたことで部分的に相殺されたものの、この飛行機の不在はその後の数年間で大きく目立つものとなってしまったようです(注:路線縮小で喪失自体はあまり問題とならなくなったが、後で存在感の大きさに気づく人が出てきたということ)。


 14年間に僅か45機しか生産されなかった「ボーイング747SP」は、胴体が短くなったにもかかわらず747のクラシックな特徴を維持し、当時のどの旅客機よりも長い航続距離を誇ったことで知られる希少な名機です。その優れた航続距離と見た目のおかげで、この航空機はアラブの国家元首が選ぶ交通手段として人気を博しました。

 南アフリカ航空では、アパルトヘイト(人種隔離政策)時代に自国の空域の飛行を禁止していた国々を回避するため、6機を活用したことが知られています。

 シリア・アラブ航空では、1970年代後半にニューヨークへの直行便を就航させることを見越して2機を導入しました。ところが、その計画が実現しなかったため、シリア航空は(ほぼ)短距離路線しか就航していない航空会社にもかかわらず世界でも最長の航続距離を誇る旅客機を保有することになったのです。
 
 超長距離路線が存在しないこと、機体の高い維持費、そして燃料消費量の多さから、「ボーイング747SP」はシリア航空が持つ小型機群の中でいつしか無用の長物のような存在と化してしまったのでした。シリア航空で現役時代の「ボーイング747SP」は、定期便で使用されていない間は小型機と一緒にヨーロッパや中東への路線で不定期に使用されていました。


 売却しても莫大な損失しか残らないせいか、最終的に「ボーイング747SP」は2008年まで使用され続けました。(予定された)最後のD整備の後でも、少なくともより現代的な航空機に更新されるまで、さらに数年間は運航されたことでしょう。

 ところが、運命はこれらの素晴らしい飛行機に対し、サウジアラビアの灼熱の駐機場に放置されたまま早すぎる最期を迎えることを求めたのです。

 追記:グーグルアースでは2023年4月の時点でも依然として2機の「ボーイング747SP」が放置されている状況が確認されています(座標: 24°57'49.82"N、 46°43'53.58"E)。アサド政権崩壊に伴ってこの機体が復帰すること自体は絶望的ですが、今後どのような運命を迎えるのか注目されます。

リヤドにおけるシリアの「ボーイング747SP」(左下と中央の2機)

3枚名の画像: Aviafan

2025年前半に改訂・分冊版が発売予定です

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2024年12月8日日曜日

たった3日間の「特別軍事作戦」で :2024年シリア北部における反政府勢力の攻勢とシリア軍の崩壊


著:Elmustek in collaboration with ヤクブ・ヤノフスキ と Buschlaid(編訳:Tarao Goo)

 2024 年 11 月 27 日深夜にシリア・アラブ軍(SyAA)とその協力関係にある部隊の拠点に対して開始されたシリアの反政府勢力による攻勢は、イドリブとアレッポ両県における政府の拠点を崩壊させ、政府軍を駆逐し、反政府勢力がアレッポ市や複数の町、そして無数の村を含む広大な領土の掌握をもたらしました。

 現時点で反政府勢力がどこまで進撃できるかは不明ですが、この記事を執筆している時点で、彼らはすでにハマ市まで迫っています(編訳者注:12月8日時点でハマは制圧され、ホムスの陥落が近い状況です。

 この大規模な反政府軍の進撃のおかげで、政権側は信じられないような物的損失を受けています。失われた装備のほぼ全てが破壊されることなく鹵獲されたため、政権側とその同盟者(ロシア、イラン、ヒズボラなど)にとっては、その損失が余計に深刻なものとなっていることは容易に想像できます。なぜならば、それらの装備がかつての所有者である自分たちに向けて使われることが避けられない可能性が高いからです。

 今回の大攻勢は、シリア・アラブ陸軍(SAA)が敵対勢力へ武器・弾薬を与える最大のサプライヤーであるという事例を再び示しています。 ただし、今回の(SAAの)アレッポとイドリブ両県からの撤退によってもたらされた鹵獲装備や弾薬の量は前例がありません。

 驚くべきは兵器の量だけではありません。反政府勢力が鹵獲した兵器には、戦闘機や長射程の多連装ロケット砲(MRLS)、さらには地対空ミサイルシステムなど、(たとえ鹵獲した兵器の一部しか運用できないとしても)強力で高度な兵器の全てが含まれているのです。

 反政府勢力からすると鹵獲したの高度な兵器の使用は困難を極めることが予想されますが、仮に彼らがその一部でも稼働させることに成功した場合、これはシリア軍とその協力関係にある部隊にとっては深刻な問題となるでしょう。

  1. 当一覧は、2024年12月8日に本ブログのオリジナル(本国版)である「Oryx-Blog(英語)」で公開された記事を翻訳したものです(編訳者は一覧の精査には関与していません)。
  2. この一覧には、写真や映像によって証明可能な撃破または鹵獲された兵器類だけを掲載しています。したがって、実際にシリアの反政府勢力が破壊や鹵獲などした兵器類は、ここに記録されている数よりも間違いなく多いでしょう。
  3. トラックやジープ類の損失は後日に追加する可能性があります。
  4. シリア軍側の損失を記録する人びとの正気を保つため、ライフルなどの小火器や弾薬はこの一覧には含まれません。
  5. この一覧は、各種情報を精査して確実と判断したものだけを掲載しています。したがって、後で誤りや重複が判明したものは適宜修正されます。
  6. 各兵器類の名称に続く数字をクリックすると、破壊や鹵獲された当該兵器類の画像を見ることができます。
  7. この一覧については、資料として使用可能な映像や動画等が追加され次第、更新されます。
 注1:この一覧は、(少なくとも現時点では)2024年12月5日にハマが陥落した時点か、それ以前に判明した装備の損失だけをリストアップしています。後の出来事次第では一覧は後に追加されていくかもしれませんが、仮に現体制が崩壊した場合、シリア軍が保有していたものを文字通り全てここにリストアップする意味と必要性はなくなるでしょう。

 注2:12月8日にアサド政権が崩壊したため、当一覧が更新されるかは不透明な状況となりました。

損失数 - 434(内訳: 撃破: 10, 損傷: 1, 鹵獲:423)

戦車 (156, このうち 撃破: 5, 損傷: 1, 鹵獲: 150)


装甲戦闘車両 (12, このうち 撃破: 0, 損傷: 0, 放棄: 0, 鹵獲: 12)


歩兵戦闘車 (71, このうち 撃破: 2, 鹵獲: 69)


装甲兵員輸送車 (9, このうち 撃破: 0, 損傷: 0, 放棄: 0, 鹵獲: 9)


歩兵機動車 (5, このうち 撃破: 0, 損傷: 0, 放棄: 0, 鹵獲: 5)

工兵・支援車輌等 (20, このうち 撃破: 0, 損傷: 0, 放棄: 0, 鹵獲: 20)


砲兵支援車両または装備類 (1, このうち 撃破: 0, 放棄: 0, 鹵獲: 1)
  • 1 9T452弾薬輸送車兼装填車 (BM-27 "ウラガン" MRL用): (1, 鹵獲)


牽引砲 (53, このうち 撃破: 1, 損傷: 0, 放棄: 0, 鹵獲: 52)


自走砲 (25, このうち 撃破: 0, 損傷: 0, 放棄: 0, 鹵獲: 25)


多連装ロケット砲 (28, このうち 撃破: 0, 損傷: 0, 放棄: 0, 鹵獲: 28)


対空砲 (21, このうち 撃破: 1, 損傷: 0, 鹵獲: 20)


自走対空砲 (16, このうち 撃破: 0, 放棄: 0, 鹵獲: 16)


地対空ミサイルシステム (4, このうち 撃破: 0, 放棄: 0, 鹵獲: 4)


レーダー (3, このうち 撃破: 0, 放棄: 0, 鹵獲: 3)
  • 1 SNR-125 "ロー・ブロー” 射撃管制レーダー : (1, 鹵獲)
  • 1 48Ya6-K1 "ポッドレット" Sバンド低高度対空捜索レーダー: (1, 鹵獲)
  • 1 形式不明のレーダーステーション: (1, 鹵獲)


電子戦システム (0, このうち 撃破: 0, 放棄: 0, 鹵獲: 0)
  • 0 :


航空機 (7, このうち 撃破: 0, 放棄: 0, 鹵獲: 7)


ヘリコプター (2, このうち 撃破: 1, 放棄: 0, 鹵獲: 1)


無人偵察機 (1, このうち 撃破: 0, 放棄: 0, 鹵獲: 1)


 Supecial Thanks: Calibre Obscura, Dan, MrRevinsky, QalaatAlMudiq, C4H10FO2P, Mintel World, Asia Intel, JohnSevenTwoC'est Carré (敬称略)

改訂・分冊版が2025年前半に発売予定です

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