2022年11月18日金曜日

2022年9月のキルギス・タジキスタン国境紛争で両軍が喪失した装備(一覧)


著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo

 古くからあるキルギスとタジキスタン間の水紛争を原因とする一連の国境における小競り合いが、2021年4月に続いて2022年9月14日にも勃発しました。

 今回はタジキスタン軍は戦車と大砲を用いてキルギスのとある村に侵攻し、バトケンの町を砲撃したのです。

 砲兵戦力に関してはタジキスタンが優勢ですが、キルギスはタジキスタンの戦車や多連装ロケット砲(MRL)に反撃するために新たに導入した「バイラクタルTB2」無人戦闘航空機(UCAV)を投入しました。この地域にTB2を撃墜可能な地対空ミサイル(SAM)を展開しさせていなかったため、タジキスタン軍の機械化部隊は上空の見えない敵に対して非常に脆弱であることが証明されました。

 国境での武力衝突は2日間続き、その後の2022年9月16日夜には双方が停戦に合意することができたものの、平和は僅か1日しか続きませんでした。ただし、双方が状況をこれ以上エスカレートさせることを望んでいなかったことから、結果として今回の衝突はより永続的な和平協定が調印される9月20日まで続いたようです。

 キルギスとタジキスタンの両国は共に国境問題を平和的手段によって解決するための努力を継続することを表明し、信頼の証として国境から追加の軍用装備と部隊を撤退させることに同意し、今回の武力衝突は終結に至りました。

  1. 下に記されている兵器類の名称に続く数字をクリックすると、破壊や鹵獲された当該兵器類の画像を見ることができます。
  2. この一覧は、写真や映像によって証明可能な撃破または鹵獲された兵器類だけを掲載しています。したがって、実際に喪失した兵器類は、ここに記録されている数よりも多いことは間違いないでしょう。 

キルギス (損失数:4, このうち撃破:2, 損傷:1, 鹵獲:1)

歩兵機動車 (1, このうち鹵獲:1)

トラック・車両類 (3, このうち撃破:2, 損傷:1)


タジキスタン (損失数:4, このうち撃破:4)

戦車 (2,このうち撃破:2)

多連装ロケット砲(1, このうち撃破:1)

トラック・車両類 (1, このうち撃破:1)

※ この記事は2022年10月3日に本国版「Oryx」(英語)に投稿された記事を翻訳した 
 ものです。

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