著:シュイタン・ミッツアーとヨースト・オリーマンズ
ニュージーランドはウクライナから最も離れた場所に位置する国でありながら、この戦火の最中にある国への軍事援助を提供しています。この中でも特筆すべきものとしては、「L119」軽榴弾砲の操作と歩兵戦術をウクライナ兵に訓練を提供するために、ヨーロッパへ兵員を派遣したことが挙げられるでしょう。
これまでに440人のニュージーランド国防軍(NZDF)将兵がウクライナを支援するためヨーロッパに派遣され、そのうち279人がイギリスで実施されている砲兵及び歩兵の訓練に携わりました。
ウクライナの防衛力を増強させるためにニュージーランドは訓練や後方支援を実施しましたが、それ以外にも装備品の提供や武器や弾薬の調達のための財政支援も実施してきたこととから、同国がウクライナの大きな支えとなっている国の一つであると言っても過言ではありません。
- 以下に列挙した一覧は、ロシアによるウクライナ侵攻でニュージーランドがウクライナに供与した、あるいは提供を約束した軍事支援の追跡調査を試みたものです。
- この一覧はさらなる軍事支援の表明や判明に伴って更新される予定です。
- 個人や企業などの団体が寄贈したものは含まれていません。
弾薬
- 少量の105mm榴弾(野砲の訓練用) [2022年夏]
個人装備
- 473 ヘルメット [2022年3月]
- 571 ボディアーマー と 1,066 専用の防弾プレート [同上]
その他の装備品
- 40 ダイアル式照準器(「L119」軽榴弾砲用) [2022年夏]
財政支援
- 275万ユーロ(約4.3億円) NATOを通じての非殺傷装備調達用資金の提供 [2022年3月]
- 410万ユーロ(約6.45億円) イギリスを通じての武器弾薬調達用資金の提供 [2022年4月]
- 230万ユーロ(約3.6億円) ウクライナ情報当局向け民間の商用衛星画像調達用資金の提供 [2022年4月]
- 350万ユーロ(約5.5億円) NATOの信託基金を通じての非殺傷装備調達用資金の提供 [2022年6月 (約3.9億円) と 11月 (約1.6億円)]
訓練
- NZDF兵の派遣(ウクライナ兵への「L119」軽榴弾砲の訓練用) [2022年夏]
- NZDF兵の派遣(ウクライナ兵への歩兵の戦術訓練用) [2022年8月から2023年1月まで]
- 情報分析担当者の派遣 [2022年春から2023年7月まで]
輸送支援
- 「C-130H "ハーキュリーズ"」輸送機1機のイギリス展開 [2022年4~6月]
です。
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