著:シュタイン・ミッツアーとヨースト・オリーマンズ
チェコ軍は、冷戦時代から残っていた装備の大部分を最終的に現代的な西側製に置き換えるという大変革を成し遂げようとしています。
この構想にある西側の兵器には、 73台の「レオパルト2A8」戦車、246台の「CV90 MkIV」歩兵戦闘車、62門の「カエサル"8x8"」トラック搭載式砲兵システム、4個中隊分の「スパイダー」地対空ミサイルシステム、10機の「AH-1Z」攻撃ヘリコプター、そして最大で24機の「F-35A」ステルス戦闘機が含まれており、結果的にチェコ共和国は高度な能力と装備が整った軍を保有することになるでしょう。
この望ましい状態については、「マイルストーン2025」と「マイルストーン2030」の一環として、2つの段階を経て達成される予定です。
約1,100万弱の人口を踏まえると、チェコ軍は比較的小規模な軍隊です。内陸国で国内に大きな河川が流れていないので、チェコは海軍を有していません。
「チェコ軍 整備構想2030」の一環として、将来的な陸軍の主力戦闘部隊は第7重機械化旅団、第4中機械化旅団の2個機械化旅団と第43空挺旅団、第13砲兵旅団、そして約10,000人の予備兵力で構成される予定となっています。
機械化旅団の戦力は将来的に多連装ロケット砲(MRL)を導入することで拡大する可能性が見込まれます。というのも、MRLは2011年に最後の「RM-70」が退役して以来、著しく不足している装備からです。
対戦車ミサイルや偵察用UAVの大規模な導入も、ロシア・ウクライナ戦争で学んだ戦訓に基づく論理的なものなのでしょう。
チェコ空軍が将来的に調達する兵器には「AGM-158B」空中発射型巡航ミサイルと「AGM-88G」対レーダーミサイルといったスタンドオフ兵器が含まれていますが、「NATO空中給油・輸送機飛行隊プログラム」において各国に割り当てられた飛行時間の追加のような貢献がなされる可能性もあります。
- 以下に列挙した一覧は、チェコ陸空軍によって調達される兵器類のリスト化を試みたものです。
- この一覧は重火器に焦点を当てたものであるため、対戦車ミサイルや携帯式地対空ミサイルシステム、小火器、指揮車両、トラック、レーダー、弾薬は掲載されていません。
- 「将来的な数量」は、すでに運用されている同種装備と将来に調達される装備の両方を含めたものを示しています。
- この一覧は新しい兵器類の調達が報じられた場合に更新される予定です
陸軍 - Pozemní Síly
戦車 (将来的な数量: 73)
- 14 レオパルト2A4( A8規格への改修) [2020年代半ばから後半に調達予定]
- 59 レオパルト2A8 [調達予定] (30台の「T-72M4CZ」の更新用)
歩兵戦闘車 (将来的な数量: ~340)
- 172 CV90 MkIV [2026年から2030年にかけて調達] (最大で120台の「BVP-2」の更新用)
- 68 KBVP「パンデュール II」 [調達予定] (すでに運用中である99台の同型IFVの補完用)
工兵・各種支援車両(将来的な数量:137+)
- 1 ベルゲパンツァー3 「BPz3 "ビュッフェル"」 装甲回収車 [2024年]
- 18 CV90 偵察車 [2026年から2030年にかけて調達] (BVPベースの同種車両の更新用)
- 12 CV90 前線観測車 [同上] (同上)
- 13 CV90 装甲工兵車 [同上] (同上)
- 15 CV90 装甲回収車 [同上] (同上)
- 16 CV90 装甲救急車 [同上] (同上)
- 62 ネクスター「ティトゥス」指揮通信車 [2026年から2027年にかけて調達]
- レオパルト2ベースの工兵車両の調達計画 [予定] (現在運用中である「T-55」及び「T-72」ベースの工兵車両の更新用)
軽攻撃車両(将来的な数量: 174+)
- 24 スパキャット「HMT 400 "ジャッカル"」 [2024年]
- 150 軽攻撃車両の調達計画 [予定] (ランドローバー「ディフェンダーLSV」の更新用)
砲兵装備 (将来的な数量: 62 自走榴弾砲 及び 8+ 自走迫撃砲)
- 62 カエサル "8x8" 155mmトラック搭載式砲兵システム [2024年から2026年にかけて調達] ( 53台の ZTS「ダナ」152mm自走榴弾砲の更新用)
- ? 自走迫撃砲の調達計画 [予定] (8台のZTS「SPM-85 PRAM-S」の更新用)
電子戦システム (将来的な数量: 8)
- 8 VVU「STARKOM」戦術電子妨害システム [2023年に納入完了予定]
無人航空機(将来的な数量: 200+)
- 200 小型無人偵察機の調達計画 [2020年代半ば以降の就役予定] (現時点で運用中のアメリカ製の同種UAVの補完用)
空軍 - Vzdušné Síly
戦闘機 (将来的な数量: 48)
戦闘機 (将来的な数量: 48)
- ~2 エンブラル「C-390 "ミレニアム"」 [2024年末に1機目が納入予定]
無人航空機
- 中高度長時間滞空(MALE)型無人偵察機 [調達予定]
攻撃ヘリコプター (将来的な数量: 10)
- 10 AH-1Z "ヴァイパー" [2023年以降に納入予定] (退役した「Mi-24V」飛行隊の更新用 )
汎用ヘリコプター (将来的な数量: 35)
- 10 UH-1Y "ヴェノム" [2023年以降に納入予定] (「Mi-8/17」飛行隊の一部の更新用)
偵察気球 (将来的な数量: 1 または 2)
- 1 または 2 STRATOM [2023年以降に納入予定]
偵察衛星 (将来的な数量: 1)
- 4 ラファエル「スパイダー」中隊(1個中隊につき発射機4基)[2023年から2026年にかけて調達]
- ? 対無人機システム(C-UAS)/砲爆弾迎撃システム(C-RAM)及び近距離防空 (VSHORAD) システムの調達計画[調達予定]
[1] The Czech Armed Forces Development Concept 2030 https://www.army.cz/images/id_8001_9000/8503/CAFDC.PDF
※ 当記事は、2023年7月11日に「Oryx」本国版(英語)に投稿された記事を翻訳したものです。
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