2025年12月23日火曜日

【復刻記事】老兵は死なず:シリア内戦で使われた第二次大戦時のドイツ製榴弾砲


著:シュタイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)

 当記事
は、2015年5月21日に本国版「Oryx」(英語)に投稿された記事翻訳したものです。意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所があります。

 各国にとって、シリア内戦は過酷な戦闘環境で最新兵器をテストする絶好の機会となりました。この内戦ではアサルトライフルからレーザー誘導爆弾、さらにはドローンまでが戦闘デビューを果たしており、現代の兵器に大きな影響を及ぼしています。

 その一方で、かつては永眠の地にたどり着いたと思われた武器が現世に舞い戻って再び戦いに投入される事例も確認されています。こういった兵器の一つがドイツの「leFH 18M」10.5cm 軽榴弾砲です。この火砲はすでに内戦初期の時点で少しだけ姿を現しましたが、今ではイドリブ県の南にあるアリハ近郊で政権側部隊の陣地を攻撃する「アフラール・アル・シャーム」によって再び使用されています。

 この旧式兵器は「leFH 18」の初期型を改良したものであり、第二次世界大戦中は主に東部戦線で使用されましたが、終戦後はチェコスロバキアからシリアにも輸出されました。 

 シリアに渡った他のドイツ製兵器には、「PaK 40」7.5cm対戦車砲、III号突撃砲とIV号駆逐戦車、「フンメル」15cm自走榴弾砲、IV号戦車、そして大量の「StG-44」突撃銃が含まれています。


 実際のところ、10.5cm砲はシリア内戦に投入された最初のナチス・ドイツ製の武器ではありません。最初は2012年8月にアレッポで「タウヒード旅団」によって鹵獲された約5000丁の「StG-44」突撃銃と弾薬であり、その少数が使用され、果てにはリモートウェポンステーションに組み込まれた個体すら存在したほどです。[1]

 最近のシリアとイラクで使用されている(あらゆる起源に由来する)非常に多種多様な種類の兵器は、2000年代以降の武器と同時に用いる各勢力によってシリア内戦を史上最も多様な国際紛争に変化させています。

 今回の事例は、切迫した状況で弾薬が希少な場合には一発一発の弾丸でも重要な存在となる事実を示す典型的な例と言えるでしょう。

[1] https://postimg.cc/KkGzZNz4

Special thanks: PFC_Joker(敬称略)

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