著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)
「リビアの夜明け」(注:国民救済政府。後に国民統一政府:GNAに政権を移譲)によって、いくつかの「S-125」地対空ミサイル(SAM)が地対地ミサイルへ改造されるという驚くべき動きがありましたが、これがリビアにおける独自改造の全てでというわけではありません。
実際、「リビアの夜明け」はほぼ同じ時期に2K12(SA-6)SAMをより機動的なランチャーへ搭載するために改造する作業にも取り組み始めていました。
最初に登場したものは、上に見られるようにイタリア製の「プーマ 6x6」 装甲兵員輸送車(APC)とソ連が設計した「2K12」SAMシステムの発射機構を組み合わせたものです。
これに用いられたプーマは、2013年にイタリアによって新生から間もないリビア軍に寄贈された20台の一部だったものの、現在では新しい所有者によって完全に違う役割へと改修されてしまいました。
自走発射機のベース車両をオリジナルの「2P25」から「プーマ 6x6」に変更するため、同APCを新しい役割に適応させるには多くの変更が必要となったことは言うまでもないでしょう。
これらの「2K12」用「9M39」ミサイルが本来の役割として残されているのか、地対地ミサイルとして改造されたのかは不明のままですが、いずれの場合でもこのシステムがリビアの戦場に少しでも影響を与える見込みはないでしょう。
「リビアの夜明け "空軍"」の主要な拠点であるミスラタ空軍基地を防衛することを目的としたこの「2K12」SAMの改修型は、間違いなく予想されうる侵入機を追い払うかもしれませんが、本当に攻撃してくる敵機に直面した際にその機が撃墜されることはほとんど起こりえないでしょう(注:本当に対空用途で使える見込みが皆無ということ)。
しかし、彼らはリビアでのDIYプロジェクトを増やしていることを示唆しているため、著者はこれが最後の独自兵器ではないと確信しています。
※ この記事は2015年にOryx本国版(英語)に投稿された記事を翻訳したものです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所が存在する場合があります(注:オリジナルの英文記事は情報が古くなったため、削除されました)。
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