かつてキルギスにはソ連軍中央アジア軍管区の第17軍団の拠点があったものの、ソ連崩壊後に(近代的な)装備をほとんど受け継ぐことには至りませんでした。実際、ソ連から引き継いだ軍事装備に関して言うならば、キルギスが全ての旧ソ連諸国の中で最悪だったと言っても過言ではないでしょう。
1991年以降、軍への投資はほとんど行われなかったこともあり、保有兵器の状況は1970年代後半のソ連軍と似たような構成となっています。
2021年に国境警備隊向けに3機の「バイラクタルTB2」無人戦闘航空機(UCAV)を導入したことはキルギスにとって史上最大の軍事面への投資であり、これらは2022年9月のタジキスタンとの国境を巡る小規模な武力衝突で多大な威力を発揮しました。[1]
1990年代以降における新しい装備の導入について、キルギス軍はその大部分をロシアの善意に依存してきました。近年の2018年と2019年には、キルギスは「Mi-8」ヘリコプター4機と「P-18」対空レーダー2基を無償で提供されたほか、過去10年間に「L-39」ジェット練習機4機、「An-26」輸送機2機、「BTR-70M」装甲兵員輸送車及び「BRDM-2M」偵察車数十台も供与されています。 [2] [3]
さらに2020年には、キルギスへの「9K37 "ブーク"」地対空ミサイル(SAM)システムの譲渡がロシアと協議されていることが公表されました。[4]
その他の武器や装備の供給源には、2010年代後半からさまざまな小火器や装甲車両、「スマートハンター」移動式対空レーダー兼射撃統制システム、「TH-G701」(短距離防空用)野戦通信指揮システムを提供した中国が含まれているほか、アメリカもフォード「レンジャー」 ピックアップ・トラック45台、「ポラリス」全地形対応車(ATV)44台、ナビスター「7000」トラックを寄贈しています。[5]
戦車
装甲戦闘車両
歩兵戦闘車
歩兵戦闘車
自走砲
固定式地対空ミサイル(SAM)システム
自走式地対空ミサイルシステム
[1] Documenting Losses During The September 2022 Kyrgyzstan–Tajikistan Border Clash https://www.oryxspioenkop.com/2022/10/documenting-losses-during-september.html
[2] Russia donates two helicopters to Armed Forces of Kyrgyzstan https://24.kg/english/136240_Russia_donates_two_helicopters_to_Armed_Forces_of_Kyrgyzstan/
[3] Sergei Shoigu: Kyrgyzstan can always count on support of Russia https://24.kg/english/116337_Sergei_Shoigu_Kyrgyzstan_can_always_count_on_support_of_Russia/
[4] Russia and Kyrgyzstan discuss delivery of air defense systems, helicopters https://24.kg/english/153139_Russia_and_Kyrgyzstan_discuss_delivery_of_air_defense_systems_helicopters/
[5] A Vehicles Handover Ceremony with U.S. Ambassador T.Gfoeller to Kyrgyzstan http://bishkek.usembassy.gov/2010_0825_vehicle_handover.html
※ 当記事は、2022年10月10日に本国版「Oryx」(英語)に投稿された記事を翻訳したも
のです。