2017年8月18日金曜日

ロシアより愛をこめて:シリアのVepr-12

著 Stijn Mitzer と Joost Oliemans(編訳:ぐう・たらお)

過去20年間に、シリアで民間人が所持する武器の完全な復活が見られた。
1982年のハマの虐殺後、銃の所持が蜂起に繋がる恐れが生じたために民間人が武器を所有し、取り扱う流れは急速に減退した。
失敗した蜂起の直後に施行された厳格な銃規制法は、武器の入手と所有をより困難なものにした。
蜂起への恐怖は80年代に徐々に消えていき、政権によって容認された散弾銃は90年代の農村地帯において狩猟道具として次第に人気が高まっていった。
その大半は有利な価格(注:比較的安価)に関係していたからだ。

こうした事情にもかかわらず、アサルトライフルの所有は1982年の後には厳格に禁じれれていた。
政治的に信頼できる農家や牧羊者は、1982年以前にアサルトライフルを所有することを許可された機密の資格を得ることができたものの、この資格は一般の農家とってはあまりにも高価過ぎた。
違法にアサルトライフルを所有した場合、一般に2〜6年の懲役と革命前の2000〜10.000USドルの間の単位で罰金が科せられた。
しかし、これはピスタチオの木を襲った泥棒を撃退するためにAKMSを握ることを妨げるものではなかった(注:不法所持を根絶できなかったということ)。

話題を散弾銃に戻すと、シリア陸軍(SyAA)国民防衛軍(NDF)内での使用は限られたたままだ。シリアの軍事ドクトリンは今まで市街戦に焦点を当てていなかったため、そのような状況に対応する特殊な武器は少しも導入されていなかった。
しかし、ここ数年の間にイタリアのスパス-15といった限られた数の軍用クラスの散弾銃がシリア沿岸の一般人のもとにたどり着いた。

シリア内戦と比較的よく戦われる広範囲に及ぶ市街戦は近接戦闘に最適な武器の必要性をもたらし、そのような武器を購入するためにシリア軍の代表団がロシアに送られた。
ВПО-205-03は、AK-104とともに2012年のロシアの武器博覧会の際にシリア軍の代表団が視察した武器に含まれていた考えられ、これが限られた数量のVepr-12の軍用版であるВПО-205-03セミオートマチック式散弾銃の導入につながった。




Vepr-12シリーズの散弾銃はAK-74MAK-100シリーズに酷似しており、特に従来の弾倉を使用したアサルトライフルと間違える可能性がある。
AKシリーズに見られる標準的なサイドマウントとは対照的に、装備されているピカティニーレールには、さまざまな種類の光学照準器、フォアグリップ、IRポインターやフラッシュライトの装着を可能にした。

すでにコンパクトなВПО-205-03は横折りたたみ式の銃床によってさらに短縮されることで、近接戦闘のための理想的な武器となる。
この銃は世界中の散弾銃の大半のように、標準的な12ゲージの散弾を発射する。

これらの散弾銃は、どれもがシリアへの高性能な武器の供与で一般的見られるような、戦場に行き着いた姿を見つけられることはなかった。
その代わりに、すべてが直ちに沿岸地域の様々な重要人物やその関係者に支給された。
ВПО-205-03は、例えばデリゾールなどで戦闘する政府軍のための天の賜物になるだろうが、汚職は最も必要とされる場所でのそういった武器の使用を妨げる(注:軍隊ではなく有力者などに支給したこと)。
もちろん、このケースは新型散弾銃の使用だけが関係しているが、このような政策(注:汚職のこと)は最終的に戦時体制の損失に終わる可能性がある(注:現体制を不安定にさせるということ)。

 ※ この翻訳元の記事は、2015年6月8日に投稿されたものです。
   当記事は意訳などにより、本来のものと意味や言い回しが異なる箇所がありま  
  す。   
   正確な表現などについては、元記をご一読願います。  

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