著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)
SESから発射された北朝鮮のKh-35。 2カット目の左下にあるオットーメララ76mm砲のコピーに注意。
朝鮮人民軍の多種類にわたる装備は衛星画像やプロパガンダ映像のおかげでよく知られているにもかかわらず、朝鮮人民軍海軍の珍しい点はしばしば見落とされがちな傾向にあります。海軍の艦船の映像と高画質の衛星映像が不足していることを考えると、特に驚くことではありません。
しかし、何年もの間に生産されている船の数が示すように朝鮮人民軍海軍は今日の北朝鮮軍にとって重要な役割を果たしています。
この秘密の分野における最近の進展はいわゆる表面効果船(SES)、ステルス技術、さらには国内で生産されたKh-35ミサイル:金星-3の導入がありました。 朝鮮半島の真のゲームチェンジャーたる後者は朝鮮人民軍海軍の新たな夜明けを告げます。
一般的に旧式のP-15テルミット(スティックス)、HY-2(シルクワーム)、国産のKN-01対艦ミサイルだけを運用しているとされる朝鮮人民軍海軍は、ソ連の解体後に2種類の対艦ミサイルの引渡しを受けました。北朝鮮は1999年に自国の海軍用としてイランが生産した中国のC-802の供給を受け、90年代にはロシアからKh-35(3M-24とも呼ばれる)が供給されたのです。
既に現時点の段階で名称不明の北朝鮮のミサイルがミャンマーに輸出されていました(注:ミャンマーでは独自の名称を用いているとのこと)。 北朝鮮とミャンマーの関係は2000年代半ばにピークを迎え、それがミャンマーへの高性能な兵器の輸出につながったようです。
ミャンマー海軍はそのミサイルを他の北朝鮮製の艦載兵装(注:6銃身型AK-230、14.5mmガトリング機関砲、6連装MANPADS発射機)と共にF11フリゲート「アウン・ゼーヤ」に装備しました(注:2019年中に中国製の対艦ミサイルに換装されたとの未確認情報があります)。
「金星-3」の導入は2012年初めに北朝鮮のSESの映像が記録映画の一部として公開されたとき、4発のKh-35キャニスターを搭載するために使用される架台が映されたことで初めてその存在が明らかとなりました。
「金星-3」の導入は2012年初めに北朝鮮のSESの映像が記録映画の一部として公開されたとき、4発のKh-35キャニスターを搭載するために使用される架台が映されたことで初めてその存在が明らかとなりました。
最近、ミャンマーのF11フリゲート「アウン・ゼーヤ」の画像が流出したことで、北朝鮮で生産されたミサイルが他の海軍用装備とともに積極的に友好国に輸出していることが確認されました。
「金星-3」がオリジナルよりも性能が向上または低下したのかどうかは不明です。Kh-35は高度な電子妨害の下、最大射程130kmの範囲で最大5,000トンの船舶を破壊することができます。同ミサイルは小さいサイズで、高性能のレーダー及びシー・スキミング能力、そして強度の電子妨害に耐えられる能力を得た結果、低シグネチャを実現しています。
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もとはロシアの「戦術ミサイル会社」が開発した北朝鮮のミサイル:「金星-3」は、オリジナルのロシア製Kh-35と比較していくつかの点で異なっています。特にキャニスターは元の「ウラン-E」と比較すると広範囲にわたって改良されているようです。
追加のミサイルの増設架が3つに増え(注:ロシア製は2つで、ハープーンは3つ)、キャニスターはロシア製と比較するとより綺麗な外観になっています 。また、ミサイル自体は北朝鮮の設計特有と思しき円錐形の排気ノズルが示すようにエンジンが改修されたと思われます(注:ウクライナのネプチューンにも同様のノズルがありますが無関係と思われます)。 そして、北朝鮮は独自の形状の架台を製造しているとみられます。
「金星-3」がオリジナルよりも性能が向上または低下したのかどうかは不明です。Kh-35は高度な電子妨害の下、最大射程130kmの範囲で最大5,000トンの船舶を破壊することができます。同ミサイルは小さいサイズで、高性能のレーダー及びシー・スキミング能力、そして強度の電子妨害に耐えられる能力を得た結果、低シグネチャを実現しています。
既に存在しているSSMの中で最も費用対効果の高い対艦ミサイルとみなされるロシア製ベースの自国製Kh-35は他の北朝鮮のSSMに比べると大きな飛躍であり、その長射程とカウンター メジャーを克服する特性のために韓国と米国の海軍に大きな脅威を与えます。
朝鮮人民軍海軍がこのミサイルを何に搭載するのかは未だに判明していませんが、新しく作られた様々な海軍のプラットフォームで使用されることが想定されます(注:2020年現在では①ナジン級フリゲート、②トゥマン級コルベット、③アムノク級コルベット、④ノンオ級SES、⑤ヘサム級SES、⑥新型ミサイル艇 に搭載される可能性が極めて高いことが判明しています。また、2017年には金星-3型の地対艦仕様:KN-19も登場しています)。
これは敵の海軍に大きな挑戦を示し、この地域の海上バランスに深刻な影響を与えることは確実と思われます。
Kh-35が北朝鮮で使用されていることは公式に確認されましたが、北朝鮮による最初の使用は90年代にさかのぼり、それは秘密主義の国が軍事プロジェクトを「覗き見」から秘匿し続ける能力があることを証明しました。
北朝鮮国内で製造されたKh-35は、この先長く、朝鮮人民海軍の打撃力の先頭に立つでしょう。
※ この編訳元の記事は、2014年6月に投稿されたものです。当記事は意訳などによ
り、本来のものと意味や言い回しが大きく異なる箇所があります。
正確な表現などについては、元記事をご一読願います。
また、北朝鮮製Kh-35の名称ついて、16年11月時点の段階で「金星-3」 である
ことが判明しています(詳細はこちら)。
編訳者追記:2015年2月と秋には「ヘサムA型」高速ミサイル艇から「金星-3」の発射試験が金正恩党委員長の指揮で実施されました。また、2017年6月には地対艦版「金星-3」が先軍-915(または天馬-216)戦車ベースの発射車両から発射されました(注目すべきことに、このミサイルには赤外線または画像シーカーが搭載されていたようです)。また、2020年10月には8発を搭載する新型の自走発射機が登場しました。
り、本来のものと意味や言い回しが大きく異なる箇所があります。
正確な表現などについては、元記事をご一読願います。
また、北朝鮮製Kh-35の名称ついて、16年11月時点の段階で「金星-3」 である
ことが判明しています(詳細はこちら)。
編訳者追記:2015年2月と秋には「ヘサムA型」高速ミサイル艇から「金星-3」の発射試験が金正恩党委員長の指揮で実施されました。また、2017年6月には地対艦版「金星-3」が先軍-915(または天馬-216)戦車ベースの発射車両から発射されました(注目すべきことに、このミサイルには赤外線または画像シーカーが搭載されていたようです)。また、2020年10月には8発を搭載する新型の自走発射機が登場しました。
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