著 Stijn Mitzer と Joost Oliemans(編訳:Tarao Goo)
2015年7月20日にカッサブ近郊のルベイセリ村とラタキア県のジスル・アッシュグール近郊にあるアラフィットに墜落した2機の無人機の画像は、ロシアが政権側に最先端の無人航空機 (UAVs)を供与したか、ロシアがシリア上空で小型無人機による偵察に乗り出したことを明らかにした。
後者が事実であると判明した場合、それはダルアー県のアル・ハラ近郊にある「ツェントル-S:Центр С 」SIGINT(通信傍受)施設が自由シリア軍に捕獲された後に世界に知られるようになった、政権側に反乱軍の位置と戦力に関する最新の情報を提供するというロシアの大規模な諜報計画の一部である可能性がある。
オルラン10無人偵察機の無名の派生型であると考えられているルベイセリの近くで墜落したUAVは以前にウクライナで目撃されたタイプとほぼ同じで、少なくとも1機は2014年5月にウクライナの領土に墜落した。
オルラン10の基本型もウクライナ上空で見られ、他の数種類の派生型も墜落後に回収された。
シリアでもウクライナで目撃されたオルラン10の新しい派生型が初めて発見されたが、その技術的な詳細は不明のままだ。
このタイプのUAVの導入とそれに続く墜落はそれ自体で注目に値するが、偶然にもこの直後に最近導入された別のタイプのUAVが約40km離れた地点で墜落した。
発見された2番目のUAVはロシア製のエレロン3SV無人偵察機で、機体の出火により損傷を受けてアル=ヌスラ戦線(注:現タハリール・アル=シャーム)が支配するアラフィットの町の近くに墜落した。出火があったにもかかわらず、機体の損傷は比較的軽微だった。
2種類のロシア製無人機の突然の登場はロシアからシリア政府への支援の程度を示しており、おそらくはイドリブ県を反政府勢力に奪われ、タドムル(パルミラ)が過去数カ月の間にイスラミック・ステートの戦闘員に包囲された結果(注:2015年7月当時)だろう。
その後、既に多くの親アサド主義者が最近の敗北がロシアとイランの政権支援の新たな章の始まりを告げると主張した。
2種類のロシア製無人機の突然の登場はロシアからシリア政府への支援の程度を示しており、おそらくはイドリブ県を反政府勢力に奪われ、タドムル(パルミラ)が過去数カ月の間にイスラミック・ステートの戦闘員に包囲された結果(注:2015年7月当時)だろう。
その後、既に多くの親アサド主義者が最近の敗北がロシアとイランの政権支援の新たな章の始まりを告げると主張した。
この新しいシリアの無人機プログラムにロシアが関与する範囲には議論の余地がある。
シリア軍や情報機関の一員がこれらの無人機を操縦していると主張することもできるが、これらのUAVを運用する際のロシアの関与を無視するべきではない。
何よりもまず、政権は完全に新しく高価な2種類のプラットフォームを取得したことが信じがたい。何故ならばそれらを運用して入手したデータを地上部隊の有益な情報に処理するための広範囲に及ぶ訓練を必要とする上、彼らは既に現時点でシリアに存在している、イランが供与して運用中であるモハジェルやヤセール(スキャン・イーグルのコピー)、シャヒード129をほとんど努力せずにラタキア県へ展開させることができるからだ。
次に、シリアの諜報分野へのロシアの関与は2014年にこの事実の証拠となったツェントル-Sが突然発見されたにもかかわらず、大いに過小評価され続けていた(注:実態はかなりの関与があったと判断できるため)。
次に、シリアの諜報分野へのロシアの関与は2014年にこの事実の証拠となったツェントル-Sが突然発見されたにもかかわらず、大いに過小評価され続けていた(注:実態はかなりの関与があったと判断できるため)。
三番目に、ロシア軍のために2010年以降に製造されたUAVが両方ともウクライナ以外に使用されたという事実は、UAVの分野における最新の技術の一部を晒すことになるためにそれらがシリアへ迅速に輸出されたということを全く意味しない。
ツェントル-Sは主に中東とイスラエルの状況認識をシリアとイランに提供するためにロシアのOsnaz/GRU電子偵察局とイラン・シリアの情報機関によって共同で運用されていたが、革命と内線が勃発した直後からシリアの国内事情に次第に焦点を当て始めた。
ツェントル-Sはシリア国内の反政府勢力からの無線通信の記録と解読を担当し、シリア陸軍(SyAA)に反政府軍の戦力と次の攻撃に関する最新情報を、シリア空軍(SyAAF)には 反政府勢力の会議に関する情報を提供した。
結果として、ツェントル-SはSyAAFの空爆による一連の反政府勢力の指導者の殺害を少なくとも部分的に担当した。
当然ながら、これらによる自由シリア軍の戦闘員の損失は政権側に敵への大打撃として貢献した。
当然ながら、これらによる自由シリア軍の戦闘員の損失は政権側に敵への大打撃として貢献した。
したがって、どちらにしてもシリアで最近配備されたオルラン10とエレロン3SVの運用にはロシア人が一方的に関わっている可能性が非常に高い。
イランが主導するUAV部隊とは対照的に、ロシアの装備や専門家とのUAV部隊の設立は最近のイドリブ県が失われた後、これがさらに進展すれば、政権の心臓部:ラタキアを深刻に脅かす可能性があるためにシリア政府に対して申し出があったのかもしれない。
オルラン10の新しい派生型には胴体に12台のカメラがセットして搭載されており、これはウクライナで墜落した機体と同じである。
オルラン10の新しい派生型には胴体に12台のカメラがセットして搭載されており、これはウクライナで墜落した機体と同じである。
これらのカメラを使用すると、オルラン10は戦場の3Dマップを作成して敵の動きや拠点に関する詳細な情報を提供することができる。
オルラン10で使用される装備は、暗視装置に適応させる場合などの任務に応じて変更することができると考えられている。
カメラのカバーはシリアのルベイセリ近郊の機体では吹き飛ばされていたが、ウクライナで回収された機体のものはまだ無傷のままであった(注:下の画像)。
墜落したエレロン3SVの内部には民生用のオリンパス製のカメラが搭載されていた。
ロシアが操縦しているかどうかにかかわらず、限られた数のオルラン10sとエレロン3SVの存在は既に運用されている無人機に加えて非常に優れた戦力となり得る。これはラタキア県だけでなく(配備されている場合は)他の地域でも同じことが言える。
増加し続ける犠牲者の数と化学兵器を含む禁止兵器の見境のない使用はロシアが小火器から戦車、多連装ロケット発射機、SyAAFの戦闘機爆撃機のスペアパーツ、そして現在はUAVまでを提供し続けていることを妨げていないことは明らかだろう。
特別協力:Green lemon.
※ この翻訳元の記事は、2015年7月21日に投稿されたものです。
当記事は意訳などにより、本来のものと意味や言い回しが異なる箇所があります。
正確な表現などについては、元記事をご一読願います。
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イランが最新の無人機をシリアに配備した: シャヒード129(英語)
イランが最新の無人機をシリアに配備した: ヤーセル(英語)
カメラのカバーはシリアのルベイセリ近郊の機体では吹き飛ばされていたが、ウクライナで回収された機体のものはまだ無傷のままであった(注:下の画像)。
墜落したエレロン3SVの内部には民生用のオリンパス製のカメラが搭載されていた。
ロシアが操縦しているかどうかにかかわらず、限られた数のオルラン10sとエレロン3SVの存在は既に運用されている無人機に加えて非常に優れた戦力となり得る。これはラタキア県だけでなく(配備されている場合は)他の地域でも同じことが言える。
増加し続ける犠牲者の数と化学兵器を含む禁止兵器の見境のない使用はロシアが小火器から戦車、多連装ロケット発射機、SyAAFの戦闘機爆撃機のスペアパーツ、そして現在はUAVまでを提供し続けていることを妨げていないことは明らかだろう。
特別協力:Green lemon.
※ この翻訳元の記事は、2015年7月21日に投稿されたものです。
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