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2017年5月22日月曜日

DIYに走るリビア軍:AK-230艦載用機関砲がトラックに搭載された


著 Stijn Mitzer と Joost Oliemans (編訳:ぐう・たらお)

ムアンマル・アル=カッザーフィーの支配下にあったリビアは、かつては大規模な武器庫だと考えられていた。
実際、備蓄されていた兵器の量は、リビア自身の需要をはるかに上回っていた。
これは、カッザーフィーに武器の一部を使用して西側と対立する世界中の様々なグループに供給したり、中東やアフリカの諸国に供与することを可能にした。
後者への武器の供与は、主に後でこれらの国々が、言うまでもなくカッザーフィーがリーダーとなるつもりの「アフリカ合衆国」という、彼のアイデアを支持することを期待した事実上の賄賂であった。 

リビアで発見された多くの武器庫は、現在リビアを支配すべく戦っている多くの軍隊に、高性能の武器への容易な入手の機会を与えている。
スペアパーツと技術要員が不足していることは、(備蓄や放置されていた)重装備が一部しか再運用に入っていないことを意味した。
リビアの国際的に承認された政府(現リビア政府)に課された武器禁輸措置は、リビア軍用に大量の新しい武器や予備部品を取得することを妨げている。
この間に、数多く存在する反政府勢力の1つ、リビア・ドーンがMENA地域(注:中東及び北アフリカ)のいくつかの国から武器を受け取っていたことが知られている。

この状況によって、リビア国軍(LNA)は兵士たちが必要とする量の火力を提供するために、創造的な解決策を求めるように強いられた。
そして、リビアの紛争では、長年に渡って多くのあからさまで奇妙な改造車輌の誕生が見られていたが、ベンガジのLNAはトラックに30mmの艦載用機関砲を搭載することによって、まったく新しいレベルの「コンクール」に挑戦した。





この限定生産された最初の「製品(上記参照)」は、最近(注:2014年当時)出荷されたカマーズ6x6トラックと、もとはソビエトの高速攻撃艇、掃海艇やフリゲート上で見られた、30mm機関砲が連装されたAK-230艦載機関砲を組み合わせたものである。
AK-230の本来の任務は、MR-104「ドラム・ティルト(注:Rys)」レーダーによる誘導を受けながら、飛来するミサイルと航空機を撃墜することであった。
機関砲や弾薬へのアクセスを容易にするために、トラックに搭載されたAK-230の砲塔カバーは取り外された。

2門の30mm NN-30機関砲は、各門につき500発の砲弾がベルトリンク方式で給弾される。
経験を積んだ乗員でさえも、2つの機関砲へ弾薬を再装填することに、非常に多くの時間を必要とする。

現在(注:2014年)、LNAはベンガジで、この都市を死守しようと防備しているリビア・ドーンと戦っている。
リビア・ドーンはベンガジの大部分を掌握していたが、リビア海軍の基地となっている港の占領を達したことは一度もなかった。

ベンガジの海軍基地は、コニ級フリゲート「アル・ハニ(艦番号212)」、ナヌチュカ級コルベット「ターリク・イブン・ズィヤード(艦番号416)」、そして残り少ないナチャ級海洋掃海艦の1隻と運用不能な状態のフォックストロット級潜水艦が拠点としていた。
しかし、アル・ハニは2~3年前にベンガジを去り(その後、反体制派に鹵獲され、現在はマルタのバレッタ港に係留されている)、ターリク・イブン・ズィヤードは砲撃を受け、その後に沈没した。

ナチャ級海洋掃海艦の1隻は、メンテナンス不足が原因で既に1年近く前に沈没していたが、それは後にカマーズ製及びスカニア製のトラックに搭載されるAK-230機関砲が取り外された後のことであった。
不運なナチャ級海洋掃海艦の残骸は下の画像で見ることができる。



両方のトラックはリビア軍の第339大隊で運用されている。
AK-230で武装したスカニア製トラックの前に見える文章は次のとおり:「参謀委員会-国軍K 309」。

これがテクニカルに搭載されたZU-23 23mm機関砲またはM1980 30mm機関砲よりも実用的であるかどうかは不確かではあるが、程度の差はあるものの、どちらもほぼ同じ発射レートと目標に対する効果を与えることができる。
しかし、AK-230の方が照準は遥かに困難である。



LNAに対する武器禁輸解除の見込みや停戦が無い限りは、より興味深い改造が続く紛争の中で必ず日の目を見るに違いない。

 ※ この翻訳元の記事は、2015年2月26日に投稿されたものです。
   当記事は意訳などにより、本来のものと意味や言い回しが異なる箇所があります。
   正確な表現などについては、元記事をご一読願います。   

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