2022年12月28日水曜日

モロッコの「バイラクタルTB2」が姿を現した(短編記事)



著:ステイン・ミッツアーとヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo

 最初の「バイラクタルTB2」無人戦闘航空機(UCAV)がモロッコに到着してから2ヶ月も経たないうちに、すでに1機がこの王国の上空で目撃されています。

 モロッコは運用しているドローンの種類と配備されている場所に関して言えば秘密主義に徹していることで有名な国です。同国のUAVのいくつかは世間の注目からうまく避け続けていますが、モロッコで運用されていることが知られているにもかかわらず一度も目撃されていない機種もあります。[1]

 それにもかかわらず、モロッコが13機のTB2を導入したことが報じられているため、そのうちの1機を目撃する可能性は必然的にその確率が高くなると思われます。

 モロッコは、2020年に13機のTB2と4基の地上管制ステーション、1台のシミュレータだけでなく、ネットワークベースのデータトレースとアーカイブ処理用のソフトウェアも発注しました。[2]
 
 この王国は同年に(おそらくUAEからの贈呈品と思われる)3~4機の中国製「翼竜Ⅰ」を受け取っていたことから、このUCAVの入手がモロッコを中国から追加の無人機を導入させる方向へ導くだろうと予期されていました。しかし、中国製システムの追加購入が決定されることはなく、モロッコはトルコから13機の「バイラクタルTB2」を推定7,000万ドル(約80億円)で調達してしまったのです。[3]

 TB2の初目撃は、モロッコが西サハラで2台のトラックに対するドローン攻撃を実施した後に、アルジェリアが同国のトラック運転手3人を殺害したとしてモロッコを非難し、両国の緊張関係が高まっている中での出来事でした。[4]

 現時点ではTB2がその攻撃に関与したことを示唆する証拠はないため、実際にモロッコのドローンによる攻撃がなされたのであれば、中国製の「翼竜Ⅰ」が実施した可能性が高いと思われます。現在は数機の「翼竜Ⅰ」が西サハラのラユーンに配備されていますが、ダフラへの前進配置も現実的な可能性があります。

西サハラのラユーン上空を飛行するモロッコ軍の「バイラクタルTB2」

[1] Operating From The Shadows: Morocco’s UAV Fleet https://www.oryxspioenkop.com/2021/10/operating-from-shadows-moroccos-uav.html
[2] Morocco's FAR Receives Drones Under Turkish Agreement https://www.moroccoworldnews.com/2021/09/344507/morocco-s-far-receives-drones-under-turkish-agreement
[3] Morocco receives 1st Turkish Bayraktar TB2 delivery: Reports https://www.dailysabah.com/business/defense/morocco-receives-1st-turkish-bayraktar-tb2-delivery-reports
[4] Comprendre l’attaque marocaine contre les civils algériens https://www.menadefense.net/algerie/comprendre-lattaque-marocaine-contre-les-civils-algeriens/

 のです。


 

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