著:Gerjon 氏が収集したデータを基にステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ が執筆 (編訳:Tarao Goo)
(6機の「翼竜Ⅰ」UCAVを輸送した後で)エチオピアへ武器や装備類を運ぶUAEの貨物便が停止したように見えるにもかかわらず、同種の貨物を運んでいると思しきイランの航空便はこの国に到着し続けています。[1] [2]
過去1ヶ月で、「ファルス・エア・ケシュム」社の「ボーイング747-200FSCD」貨物機が5回もアディスアベバ・ボレ国際空港に着陸しました。「ボーイング747」の積載物の詳細については現時点では推測することしかできませんが、先述のフライトが2021年8月からセマラ空港に配備された2機のイラン製「モハジェル-6」UCAVに関連していることは考えられなくもないようです。[3] [4]
ティグ戦争の流れを変えるために武装ドローン戦力を必死に求めたエチオピアは、期待を胸にして2機の「モハジェル-6」を入手することに成功しました。とはいえ、エチオピアでの運用には大きな問題があり、制御システムの問題で実際に用いることが阻害されたため、両機はすぐに駐機(放置)状態にされてしまいました。[3]
「モハジェル-6」が抱える問題がやっと解決されたと思われるには2021年10月下旬まで時間を要したようです。2021年11月中には両機はセマラ空港の滑走路などで定期的に目撃されており、 ある程度は飛行していることが推測されています。 [5]
「ファルス・エア・ケシュム」社は、2機の「ボーイング747-200」貨物機を世界中に数多く存在する送り先に飛ばしています。この航空会社はイラン革命防衛隊(IRGC)の傘下にある会社で、シリアに展開したイラン民兵に対する兵器類の輸送で2019年にアメリカから制裁を受けており、レバノンのヒズボラへの武器輸送にも関与していることが知られています。[6] [7]
「ボーイング747」だけがエチオピアを頻繁に訪れるイランの航空便ではありません。「ポウヤ航空」も同様のフライトで「Il-76TD」を往来させています。この航空会社もIRGCが所有している企業であり、同様にエチオピアへの武器輸送に使用されたと考えられています。[8][9]
(6機の「翼竜Ⅰ」UCAVを輸送した後で)エチオピアへ武器や装備類を運ぶUAEの貨物便が停止したように見えるにもかかわらず、同種の貨物を運んでいると思しきイランの航空便はこの国に到着し続けています。[1] [2]
過去1ヶ月で、「ファルス・エア・ケシュム」社の「ボーイング747-200FSCD」貨物機が5回もアディスアベバ・ボレ国際空港に着陸しました。「ボーイング747」の積載物の詳細については現時点では推測することしかできませんが、先述のフライトが2021年8月からセマラ空港に配備された2機のイラン製「モハジェル-6」UCAVに関連していることは考えられなくもないようです。[3] [4]
ティグ戦争の流れを変えるために武装ドローン戦力を必死に求めたエチオピアは、期待を胸にして2機の「モハジェル-6」を入手することに成功しました。とはいえ、エチオピアでの運用には大きな問題があり、制御システムの問題で実際に用いることが阻害されたため、両機はすぐに駐機(放置)状態にされてしまいました。[3]
「モハジェル-6」が抱える問題がやっと解決されたと思われるには2021年10月下旬まで時間を要したようです。2021年11月中には両機はセマラ空港の滑走路などで定期的に目撃されており、 ある程度は飛行していることが推測されています。 [5]
「ファルス・エア・ケシュム」社は、2機の「ボーイング747-200」貨物機を世界中に数多く存在する送り先に飛ばしています。この航空会社はイラン革命防衛隊(IRGC)の傘下にある会社で、シリアに展開したイラン民兵に対する兵器類の輸送で2019年にアメリカから制裁を受けており、レバノンのヒズボラへの武器輸送にも関与していることが知られています。[6] [7]
「ボーイング747」だけがエチオピアを頻繁に訪れるイランの航空便ではありません。「ポウヤ航空」も同様のフライトで「Il-76TD」を往来させています。この航空会社もIRGCが所有している企業であり、同様にエチオピアへの武器輸送に使用されたと考えられています。[8][9]
私たち著者はエチオピア国防軍(ENDF)で使用されているイラン製兵器の痕跡を徹底的に調査しましたが、現時点では2機の「モハジェル-6」とその支援資機材及び弾薬だけがエチオピアで存在が確認されている唯一のイラン製兵器となっています。ENDFが空輸されたロケット砲といったほかのイラン製兵器を用いて作戦に活用していると考えるのも妥当な見方ですが、「モハジェル-6」が使用する「ガーエム」誘導爆弾の追加分を、まさにこれらの「ボーイング747」を用いて定期的に引き渡しているのでしょう。
最近にアディスアベバ・ボレ国際空港に着陸した「ファルス・エア・ケシュム」社が持つ2機の「ボーイング747-200FSCD」の1機。画像はGerjon氏からの引用。 |
2021年8月以降にエチオピアにやって来たイランの貨物便は、現時点で15便です。[10]
この数はティグレ戦争が勃発する前のイランからエチオピアへのフライト数と比較すると100%増加していますが、UAEからの119便と比較すると存在感が極めて薄いものとなっています(注:内戦前にはイランからの貨物便が全くなかった事を意味しています)。
これまでに、UAEはエチオピアに最低でも6機に「翼竜Ⅰ」UCAVや迫撃砲弾で武装した大型のVTOL型UCAVをエチオピアに届けました。また、エチオピアも2021年10月にUAEから50台の救急車仕様のトヨタ・ランドクルーザーを供与されたことを公表しています。[11] [12][13]
エチオピア(ボレ国際空港とハラールメダ空軍基地)への貨物便の飛来回数 |
この1ヶ月で現地の状況は劇的に逆転しました。衰えることなく続くドローン戦による圧力でティグレ軍部隊に首都アディスアベバへの侵攻を断念させ、拠点のティグレ州まで退却を余儀なくさせたのです。
エチオピア側でのUCAVの配備と使用については依然として全くわかっていませんが、ティグレ戦争をUCAVが突破口を開いた紛争のリストに追加できることを示唆する理由は十分にあります。
この偉業は少なからずエチオピア軍に(UCAVを含む)必要な武器や装備の供給を維持するため、UAEとイランによって行われた大規模な空輸を通じて達成されたものと言っても差し支えないでしょう。
アフリカのこの地域におけるイランの武器と多岐にわたる支援の急激な拡散は、アメリカを大いに動揺させるかもしれません。イランから武器を調達した代償について、エチオピアは後でアメリカの制裁という形で支払うことになるのでしょうが、まだ目に見えてはいないようです。
[1] https://twitter.com/Gerjon_/status/1475778475663544321
[2] The UAE Joins The Tigray War: Emirati Wing Loong I UCAVs Deploy To Ethiopia https://www.oryxspioenkop.com/2021/12/the-uae-joins-tigray-war-emirati-wing.html
[3] Unfit For Service: Ethiopia’s Troublesome Iranian Mohajer-6 UCAVs https://www.oryxspioenkop.com/2021/11/unfit-for-service-ethiopias-troublesome.html
[4] Iranian Mohajer-6 Drones Spotted In Ethiopia https://www.oryxspioenkop.com/2021/08/iranian-mohajer-6-drones-spotted-in.html
[5] Ethiopia now confirmed to fly Chinese armed drones https://paxforpeace.nl/news/blogs/ethiopia-now-confirmed-to-fly-chinese-armed-drones
[6] U.S. lands sanctions on Iranian cargo airline https://www.freightwaves.com/news/u-s-lands-sanctions-on-iranian-cargo-airline
[7] Iran's secret weapons-smuggling air routes to Lebanon revealed by intel sources https://www.foxnews.com/world/irans-secret-weapons-smuggling-air-routes-to-lebanon-revealed-by-intel-sources
[8] https://twitter.com/search?q=%40gerjon_%20pouya&src=typed_query
[9] Pouya Air (Yas Air) https://www.iranwatch.org/iranian-entities/pouya-air-yas-air
[10] https://twitter.com/Gerjon_/status/1475778475663544321
[11] The UAE Joins The Tigray War: Emirati Wing Loong I UCAVs Deploy To Ethiopia https://www.oryxspioenkop.com/2021/12/the-uae-joins-tigray-war-emirati-wing.html
[12] UAE Combat Drones Break Cover In Ethiopia https://www.oryxspioenkop.com/2021/10/uae-combat-drones-break-cover-in.html
[13] The Cargo Cleared For Print: UAE Wartime Deliveries To Ethiopia https://www.oryxspioenkop.com/2021/10/the-cargo-cleared-for-print-uae-wartime.html
※ この翻訳元の記事は、2021年12月28日に本家Oryxブログ(英語版)に投稿された記事
を翻訳したものです。意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇
所があります。
運用に不向き?:エチオピアの面倒なイラン製「モハジェル-6」UCAV
イランの「モハジェル-6」UCAVがエチオピアで目撃された
ティグレ戦争:エチオピア軍を支援するUAEの航空輸送
衰えることなく続くUAEからエチオピアへの航空輸送:フライト数が100回を突破す