著:シュタイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)
2021年秋、アゼルバイジャンを経由してアルメニアに入国しようとするイラン人トラック運転手に課される道路税、アゼルバイジャンとイスラエルの関係やアゼルバイジャンの飛び地であるナフチバンと本国を結ぶ回廊の計画などをめぐり、テヘランとバクーの間で緊張が高まりました。回廊の計画が実現した場合、テヘランはアルメニアとのつながりを完全に失って輸出に支障をきたす可能性が想定されます。
現時点におけるアゼルバイジャンとイランの緊張関係について、今までは舌戦と国境沿いでの軍事演習にとどまっていますが、いつの日か両国間の緊張が全面的な地域紛争にエスカレートする可能性があることを危惧する意見もあるようです。
同年の10月上旬には、テヘランがアゼルバイジャンと接する北部の国境沿いで数々の軍事演習を開始しました。これらの演習については、おそらくバクーに強いメッセージを送ることを目的として実施されたと思われますが、1960年代の「チーフテン」戦車、「BMP-1」、「M577」移動指揮車や「M109」自走砲を「ZSU-23」自走対空砲がカバーしていた状況は、(旧式すぎて)海外のウォッチャーなどを感心させることは全くありませんでした(注:最終的にイランとの軍事衝突は起こらず、2022年9月12日にはアゼルバイジャン軍が再びアルメニア軍を攻撃する事態となっています)。
しかし、その後の映像では短距離弾道ミサイル(SRBM)の展開も明らかにしているため、前述の見応えの無い兵器群による演習は、近年に(革命防衛隊を含む)イランの軍隊で就役した数多くの徘徊兵器や弾道ミサイルを正確に表していません。
イランのミサイルや無人機などの豊富な兵器群は過去数年にわたって数多くの注目を集めてきましたが、アゼルバイジャンも誘導兵器の兵器庫を大量に維持し続けています。この兵器庫はイスラエル、トルコやベラルーシといった国々からの最新装備を組み合わせた、この地域で最も現代的で有能なものであることに加えて、最も急速成長しているものでもあります。
近年、アゼルバイジャン自身も国産兵器の開発にも着手し始めており、これまでに数多くのミサイルや爆弾の開発に至らせています。
2021年秋、アゼルバイジャンを経由してアルメニアに入国しようとするイラン人トラック運転手に課される道路税、アゼルバイジャンとイスラエルの関係やアゼルバイジャンの飛び地であるナフチバンと本国を結ぶ回廊の計画などをめぐり、テヘランとバクーの間で緊張が高まりました。回廊の計画が実現した場合、テヘランはアルメニアとのつながりを完全に失って輸出に支障をきたす可能性が想定されます。
現時点におけるアゼルバイジャンとイランの緊張関係について、今までは舌戦と国境沿いでの軍事演習にとどまっていますが、いつの日か両国間の緊張が全面的な地域紛争にエスカレートする可能性があることを危惧する意見もあるようです。
同年の10月上旬には、テヘランがアゼルバイジャンと接する北部の国境沿いで数々の軍事演習を開始しました。これらの演習については、おそらくバクーに強いメッセージを送ることを目的として実施されたと思われますが、1960年代の「チーフテン」戦車、「BMP-1」、「M577」移動指揮車や「M109」自走砲を「ZSU-23」自走対空砲がカバーしていた状況は、(旧式すぎて)海外のウォッチャーなどを感心させることは全くありませんでした(注:最終的にイランとの軍事衝突は起こらず、2022年9月12日にはアゼルバイジャン軍が再びアルメニア軍を攻撃する事態となっています)。
しかし、その後の映像では短距離弾道ミサイル(SRBM)の展開も明らかにしているため、前述の見応えの無い兵器群による演習は、近年に(革命防衛隊を含む)イランの軍隊で就役した数多くの徘徊兵器や弾道ミサイルを正確に表していません。
イランのミサイルや無人機などの豊富な兵器群は過去数年にわたって数多くの注目を集めてきましたが、アゼルバイジャンも誘導兵器の兵器庫を大量に維持し続けています。この兵器庫はイスラエル、トルコやベラルーシといった国々からの最新装備を組み合わせた、この地域で最も現代的で有能なものであることに加えて、最も急速成長しているものでもあります。
近年、アゼルバイジャン自身も国産兵器の開発にも着手し始めており、これまでに数多くのミサイルや爆弾の開発に至らせています。
- このリストの目的はこれらの兵器をカタログ化する事にあります。
- 兵器の名前をクリックすると、アゼルバイジャンで運用中の当該兵器の画像を見ることができますが、現物が未確認のものは他国で運用中の画像などで代替しています。
対戦車ミサイル
- 9K111/AT-4 「ファゴット」 [射程距離: 2.5km]
- 9M113/AT-5 コンクールス [射程距離: 4km]
- 9K114 /AT-6「シュトゥルム」 [射程距離: 5km] (Mi-24V/P攻撃ヘリ用)
- スパイク-LR [射程距離: 4km] 2種類の発射プラットフォームで運用: (2)
- スキフ [射程距離: 5km]
- R-2 Baryer 「バリヤー」 [射程距離: 5km] (Mi-24G攻撃ヘリ用)
- 9M133/AT-14「コルネット」 [射程距離: 5.5km]
- 9P157-2/AT-15「フリザンテマ-S」 [射程距離: 6km]
- 9M120/AT-9「アタカ」 [射程距離: 6km] (Mi-35M攻撃ヘリ用)
- スパイク-ER [射程距離: 8km] 3種類の発射プラットフォームで運用: (2) (3) (「シャルダグMk.V」級哨戒艇用)
- スパイク-NLOS [射程距離: 25km] 2種類の発射プラットフォームで運用: (2) (「Mi-17」ヘリや「サール62」級哨戒艇用)
- 実証用戦術ミサイル (ETR-M) [射程距離: 60+km]
徘徊兵器
- クズグン [射程距離: 7km] [0.5kg弾頭]
- STM カルグ [射程距離: 10km] [1.3kg弾頭]
- オービター-1K [射程距離: 100km] [3kg弾頭] (国境警備隊に配備)
- ザルバ-K [射程距離: 100km] [3kg弾頭] (アゼルバイジャンで製造された「オービター1K」で、国境警備隊に配備)
- イティ・グォヴァン (同上)
- スカイストライカー(前期型) [射程距離: 100km] [5または10kg弾頭] (国境警備隊に配備)
- スカイストライカー(後期型) [射程距離: 100km] [5または10kg弾頭] (国境警備隊に配備)
- IAI ハロップ [射程距離: 1000km] [23kg弾頭] (国境警備隊に配備)
- 形式不明の徘徊兵器(1)
- Fatum (未確認)
牽引砲
- 85mm D-44 師団砲 [射程距離: 15.6km]
- 122mm D-30 榴弾砲「2A18」 [射程距離: 15.4 km または 21.9 km(RAP:ロケット補助推進弾を使用した場合)]
- 130mm M-46 カノン砲「M-1954」 [射程距離: 27.5 km または38 km(RAP弾を使用した場合)]
- 152mm 2A36 カノン砲「ギアツィント-B」 [射程距離: 15.2km または21.9km(RAP弾を使用した場合)]
自走砲
- 100mm T-55 (戦車だが、間接射撃用プラットフォームとして使用)
- 120mm カルドム [射程距離: 8km]
- 120mm スピアーMk2 [射程距離: 10km]
- 120mm 2S31「ヴェーナ」 [射程距離: 18km]
- 122mm 2S1「グヴォジカ」[射程距離: 15.2km または 21.9km(RAP弾を使用した場合)]
- 152mm 2S3「アカツィヤ」 [射程距離: 18.5km または 24km(RAP弾を使用した場合)]
- 152mm ダナ [射程距離: 20km]
- 152mm 2S19「ムスタ-S」[射程距離: 25km または 28.9km(RAP弾を使用した場合)]
- 203mm 2S7「ピオン」[射程距離: 37.5km または 55.5km(RAP弾を使用した場合)]
- 155mm ATMOS 2000 [射程距離: 24.5km または 41km(RAP弾を使用した場合)] (いくつかの情報で記録されているが、現物は未確認)
(無誘導式)多連装ロケット砲
- 220mm TOS-1A [射程距離: 6km]
- 107mm T-107「ボラン」 [射程距離: 11km]
- 107mm MRLS-107 [射程距離: 11km]
- 128mm RAK-12 [射程距離: 13km]
- 122mm BM-21「グラート」 [射程距離: 40km]
- 122mm RM-70 [射程距離: 40km]
- 122mm KRL 122 [射程距離: 40km]
- 122mm T-122「サカリヤ」 [射程距離: 40km]
- 160mm LAR-160「リンクス」 [射程距離: 45km]
- 300mm BM-30「スメルチ」 [射程距離: 90km]
(誘導式) 多連装ロケット砲
- 230mm TRLG-230 [射程距離: 70km] [CEP(半数必中界): 2m] (バイラクタルTB2と組み合わせて使用)
- 300mm TRG-300「カシルガ」 [射程距離: 120km] [CEP: 10m]
- 306mm エクストラ [射程距離: 150km] [CEP: 10m]
- 300mm ポロネーズ [射程距離: 200km] [CEP: 30m]
- 300mm ポロネーズ-M [射程距離: 290km] [CEP: 45m]
弾道ミサイル
- QFAB-50-ISAB [射程距離: 最大で65km] (「Su-25用」)
- QFAB-100-SAB [射程距離: 最大で65km] (同上)
- QFAB-250-LG [射程距離: 12+km] (アセルサン社の「LGK」レーザー誘導キットをアゼルバイジャンが製造したQFAB-250無誘導爆弾に適用したもの。 「Su-25」用)
- QFAB-250-KAB [射程距離: ?] (「Su-25」用)
- FAB-50-KAB [射程距離: 25km または 50km(ロケットブースター付きの場合)] (同上)
- FAB-75-KAB [射程距離: 30+km または 60+km(ロケットブースター付きの場合)] (同上)
- コンテナー250/10 グライダー式クラスター爆弾 (同上)
- 形式不明の誘導爆弾 (1) [射程距離: ?] (同上)
- 形式不明の誘導爆弾 (2) [射程距離: ?] (同上)
- MAM-L [射程距離: ~15km] (「バイラクタルTB2」用)
電子戦システム
- グローザ R-934UM2 [有効範囲: 最大で65km] (対「Su-25」用)
- コラル (いくつかの情報で記録されているが、現物は未確認)
※ 当記事は2021年10月17日に本国版「Oryx」(英語)に投稿された記事を翻訳したものです。