著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)
フィンランドは世界で最も優れた教育システムと(この記事の執筆時点で)最もクールな首相(サナ・マリン)を持つ世界で最も幸せな国としてよく知られており、他国への援助を自慢する必要を感じていません。特に後者は、ウクライナに対するフィンランドの軍事支援の正確な分析を比較的困難なものにしています。
判明しているのは、フィンランドが2月27日までにすでに軍事支援の第1陣の引き渡しを約束したことです。それ以来、軍事支援が少なくとも6回にわたってウクライナに送られました。[1]
2023年1月までに、フィンランドからの軍事支援額は5.9億ユーロ(約873億円)以上に相当するものとなっています。[2]
面白いことに、ウクライナ軍で使用されているフィンランドによって供与された兵器が最初に表に出たのは、2022年8月になってからのことでした。目撃された兵器は「KRH 85/92」120mm重迫撃砲と「ItK 61(ZU-23)」対空機関砲であり、フィンランド国防軍がストックしている予備兵器から調達されたものです。[3] [4]
フィンランドは2月に約束した最初の2回に約束した軍事支援の内容を公表しており、それによって1500発の「66 Kes (M72) 」対戦車ロケット弾発射機と2500丁のアサルトライフルが2000個のヘルメットと2000着の防弾チョッキと共に供与されたことが明らかとなっています 。[5] [6]
今の辞典で小火器や個人装備以外にどのような種類の兵器類がウクライナに引き渡されたのかは不明ですが、「2S5 "ギアツィント-S"」152mm自走榴弾砲(SPG)、牽引砲、無反動砲、小火器や手榴弾などが候補として考えられています。
フィンランド軍はウクライナ軍でも使用されている膨大な数のソ連製兵器を運用し続けていますが、これらの兵器の大半は現用であるか、フィンランド国境で起こりうる紛争に備えた予備兵器として保管されているため、ウクライナへの供与に向けた取り組みを困難なものにしています。
ウクライナは、フィンランドがロシアから導入した別のシステムから最も恩恵を受ける可能性があります。フィンランドは1990年代半ばから後半にかけて、ロシアの債務返済の一環としてロシアから「9K37M1 "ブーク-M1"(ITO 96)」地対空ミサイル(SAM)システムを受け取りましたが、後にノルウェーの「NASAMS II」に更新しました。[7]
フィンランドにおける「ブーク-M1」の最後の使用は2015年で、その際にはシステムの「9M38」ミサイル1発が、2014年7月にウクライナの東部上空においてロシア軍の同システムによって撃墜されたマレーシア航空「MH17」便を襲ったミサイルの爆発効果を検証するために爆発させられたのです。[8]
フィンランド国防軍の「ブーク-M1(ITO96)」は現役から退いているものの、予備軍で使用するために運用状態が維持されています。このSAMシステムが有する機動性と組み込まれたレーダーによる自律的な発射能力は、こんにちの電子戦や敵防空網制圧・破壊作戦(SEAD/DEAD)が激しく繰り広げられる戦闘状況においても有効な役割を果たすため、稼働状態での保管を合理的な選択とさせてくれます。
もしフィンランドの「ブーク-M1」やそのミサイルがまだウクライナに届くことになっていないのであれば、これらの供与はフィンランドにとっては経済的な影響が極めて低い代わりに、ロシアがウクライナの空を完全に支配することを拒否し続ける上で大きな助けとなるかもしれません。
ウクライナの戦争に自身のアセットを捧げることは、一部の国によって批准が保留されている同盟加入の準備を進めながら、さまざまなNATO加盟国によってなされた誓約と一致する自国の意思を示す良い手法でもあるでしょう。
判明しているのは、フィンランドが2月27日までにすでに軍事支援の第1陣の引き渡しを約束したことです。それ以来、軍事支援が少なくとも6回にわたってウクライナに送られました。[1]
2023年1月までに、フィンランドからの軍事支援額は5.9億ユーロ(約873億円)以上に相当するものとなっています。[2]
面白いことに、ウクライナ軍で使用されているフィンランドによって供与された兵器が最初に表に出たのは、2022年8月になってからのことでした。目撃された兵器は「KRH 85/92」120mm重迫撃砲と「ItK 61(ZU-23)」対空機関砲であり、フィンランド国防軍がストックしている予備兵器から調達されたものです。[3] [4]
フィンランドは2月に約束した最初の2回に約束した軍事支援の内容を公表しており、それによって1500発の「66 Kes (M72) 」対戦車ロケット弾発射機と2500丁のアサルトライフルが2000個のヘルメットと2000着の防弾チョッキと共に供与されたことが明らかとなっています 。[5] [6]
今の辞典で小火器や個人装備以外にどのような種類の兵器類がウクライナに引き渡されたのかは不明ですが、「2S5 "ギアツィント-S"」152mm自走榴弾砲(SPG)、牽引砲、無反動砲、小火器や手榴弾などが候補として考えられています。
フィンランド軍はウクライナ軍でも使用されている膨大な数のソ連製兵器を運用し続けていますが、これらの兵器の大半は現用であるか、フィンランド国境で起こりうる紛争に備えた予備兵器として保管されているため、ウクライナへの供与に向けた取り組みを困難なものにしています。
ウクライナは、フィンランドがロシアから導入した別のシステムから最も恩恵を受ける可能性があります。フィンランドは1990年代半ばから後半にかけて、ロシアの債務返済の一環としてロシアから「9K37M1 "ブーク-M1"(ITO 96)」地対空ミサイル(SAM)システムを受け取りましたが、後にノルウェーの「NASAMS II」に更新しました。[7]
フィンランドにおける「ブーク-M1」の最後の使用は2015年で、その際にはシステムの「9M38」ミサイル1発が、2014年7月にウクライナの東部上空においてロシア軍の同システムによって撃墜されたマレーシア航空「MH17」便を襲ったミサイルの爆発効果を検証するために爆発させられたのです。[8]
フィンランド国防軍の「ブーク-M1(ITO96)」は現役から退いているものの、予備軍で使用するために運用状態が維持されています。このSAMシステムが有する機動性と組み込まれたレーダーによる自律的な発射能力は、こんにちの電子戦や敵防空網制圧・破壊作戦(SEAD/DEAD)が激しく繰り広げられる戦闘状況においても有効な役割を果たすため、稼働状態での保管を合理的な選択とさせてくれます。
もしフィンランドの「ブーク-M1」やそのミサイルがまだウクライナに届くことになっていないのであれば、これらの供与はフィンランドにとっては経済的な影響が極めて低い代わりに、ロシアがウクライナの空を完全に支配することを拒否し続ける上で大きな助けとなるかもしれません。
ウクライナの戦争に自身のアセットを捧げることは、一部の国によって批准が保留されている同盟加入の準備を進めながら、さまざまなNATO加盟国によってなされた誓約と一致する自国の意思を示す良い手法でもあるでしょう。
フィンランド軍の「9K37M1 "ブーク-M1"(ITO 96)」SAMシステム |
- 以下に列挙した一覧は、2022年のロシアによるウクライナ侵攻の際にフィンランドがウクライナに供与した、あるいは提供を約束した軍事装備等の追跡調査を試みたものです。
- 一覧の項目は武器の種類ごとに分類されています(各装備名の前には原産国を示す国旗が表示されています)。
- フィンランドの武器供与の機密性により、この一覧は供与された武器の総量の最低限の指標としてのみ活用できます。
- この一覧はさらなる軍事支援の表明や判明に伴って更新される予定です。
- 各兵器類の名称をクリックすると、当該兵器類などの画像を見ることができます。
装甲兵員輸送車(APC)
- シス「XA-185」 [2022年9月]
戦闘工兵車両
- 6 レオパルト2R 装甲工兵戦車 [2023年6月以前に供与]
自走砲
- 「122 PSH74」122mm自走榴弾砲(「2S1 "グヴォジカ"」) [2023年8月]
牽引砲
- 「152 K89」152mm榴弾砲 (「2A36 "ギアツィント-B"」) [2023年4月]
対空機関砲
- 23 ITK 61「セルゲイ」(ZU-23) 23mm対空機関砲 [2022年8月]
対戦車兵器
- 1,500 66 KES (M72) 使い捨て式対戦車ロケット弾発射機 [2022年3月]
- ネクスター「112 RSKES APILAS」使い捨て式対戦車ロケット弾発射機 [2023年4月]
- 「12,7 ItKK 96」12.7mm重機関銃 [2022年9月]
- 2,500 形式不明のアサルトライフル [2022年3月]
弾薬
- 155 tkr88 155mm砲弾 [2022年5月]
- JVA1571 120mm迫撃砲弾 [2022年10月以前に供与]
- Sirpalekäsikranaatti M/50 手榴弾 [同上]
- JVA 0406 sahte 80-16 発煙弾 [2023年2月以前に供与]
- 150,000 7.62mm弾[2022年3月] (フィンランドが供与したアサルトライフル用)
- ''弾薬'' [予定]
その他の装備品
- 2,000 ヘルメット [2022年3月]
- 2,000 防弾チョッキ [同上]
- 70,000 レーション (MRE) [同上]
[1] List of foreign aid to Ukraine during the Russo-Ukrainian War https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_foreign_aid_to_Ukraine_during_the_Russo-Ukrainian_War
[2] Фінляндія надсилає Україні оборонну допомогу на понад 20 мільйонів євро https://yle.fi/novyny/3-12523507
[3] https://twitter.com/UAWeapons/status/1559259073031409666
[4] https://twitter.com/UAWeapons/status/1563190230609690631
[5] Marin: Finland sending arms to Ukraine, MPs to discuss Nato on Tuesday https://yle.fi/news/3-12337744
[6] Suomi lähettää aseita Ukrainalle – Pääministeri Marin: ”Päätös on historiallinen” https://www.hs.fi/politiikka/art-2000008647428.html
[7] The Finnish Investigation https://corporalfrisk.com/2016/10/03/the-finnish-investigation/
[8] Buk-raketten getest in Finland voor onderzoek MH17 https://nos.nl/artikel/2134754-buk-raketten-getest-in-finland-voor-onderzoek-mh17
※ 当記事は、2022年9月5日に本国版「Oryx」(英語)に投稿された記事を翻訳したもの
[2] Фінляндія надсилає Україні оборонну допомогу на понад 20 мільйонів євро https://yle.fi/novyny/3-12523507
[3] https://twitter.com/UAWeapons/status/1559259073031409666
[4] https://twitter.com/UAWeapons/status/1563190230609690631
[5] Marin: Finland sending arms to Ukraine, MPs to discuss Nato on Tuesday https://yle.fi/news/3-12337744
[6] Suomi lähettää aseita Ukrainalle – Pääministeri Marin: ”Päätös on historiallinen” https://www.hs.fi/politiikka/art-2000008647428.html
[7] The Finnish Investigation https://corporalfrisk.com/2016/10/03/the-finnish-investigation/
[8] Buk-raketten getest in Finland voor onderzoek MH17 https://nos.nl/artikel/2134754-buk-raketten-getest-in-finland-voor-onderzoek-mh17
※ 当記事は、2022年9月5日に本国版「Oryx」(英語)に投稿された記事を翻訳したもの
0 件のコメント:
コメントを投稿