2022年2月28日月曜日

ウクライナ防衛戦に投入:「バイラクタルTB2」UCAVによって被害を受けたロシア軍の兵器・装備類(一覧)


著:ステイン・ミッツアー in collaboration with ケマル, ダンヤクブ・ヤノフスキ (翻訳:Tarao Goo)

  1. 当記事は、2022年2月27日に当ブログの本国版である「Oryx-Blog(英語)」で公開された記事を翻訳したものです(翻訳者は一覧の精査には関与していません)
  2. ここでは、ウクライナ軍の「バイラクタルTB2」無人戦闘航空機(UCAV)によって撃破または無力化されたことが確認されたロシア軍の兵器・装備類の一覧を以下で見ることができます。
  3. この一覧は、写真や映像によって証明可能な撃破または鹵獲された兵器類だけを掲載しています。
  4. 場合によっては、地上で撮影された映像等のみで確認されたものも含まれています。これらのケースでは、武装したドローンに攻撃されたことが現地での目撃者によって報告されたことを根拠としています。
  5. おそらくTB2の運用に可能な限り関心が向かないようにするためか、ウクライナにおけるTB2の映像はほとんど公開されていません。したがって、実際にTB2によって撃破された装備の数が、ここに記録されているよりも多い可能性が高いと思われます。
  6. この一覧については、資料として使用可能な映像や動画等が追加され次第、更新されます。
  7. 各兵器類の名称に続く数字をクリックすると、破壊や鹵獲された当該兵器類の画像を見ることができます。
  8. この一覧の最終更新日:9月6日午後10時55分(本国版は9月6日午前4時

戦車(4)

  • 2 T-72B3: (1) (2)
  • 1 形式不明のT-72: (1)
  • 1 形式不明の戦車: (1)


装甲戦闘車両(8)
  •  3 BMD-2 歩兵戦闘車: (1) (2) (3)
  •  2 MT-LB 汎用軽装甲牽引車(「ZU-23」対空機関砲搭載型): (1) (2)
  •  3 形式不明のAFV:  (1) (2) (3)
  • 1 R-149MA1 統合指揮通信車: (1)


牽引砲 (6)
  • 1 2B11/2S12A 120mm重迫撃砲 : (1)
  •  5 12A65「ムスタ-B」 152mm榴弾砲: (1) (2) (3) (4) (5)


自走砲(1)
  • 1 2S3「アカーツィヤ」152mm自走榴弾砲: (1)


多連装ロケット砲(2)
  • 1 2B17「トルナード-G」122mm MRL : (1)
  • 1 BM-27「ウラガン」220mm MRL: (1)


対空砲 (2)
  • 2 ZU-23 23mm対空機関砲 :  (1) (2)


地対空ミサイルシステム(15)
  • 1 9K35「ストレラ-10」: (1)
  • 1 9A310M1 TELAR (「ブーク-M1-2」用レーダー付き自走発射機): (1)
  • 1 9A39M1 TEL (「ブーク-M1-2」用自走発射機): (1)
  • 4 9A310M2 TELAR (「ブーク-M2」用レーダー付き自走発射機): (1) (2) (3) (4)
  •  1 9A39M2 TEL (「ブーク-M2」用自走発射機): (1) 
  •  4 9A331 TLAR(「9K331 "トールM1" 用レーダー付き自走発射機): (1) (2, スネーク島にて) (3 と 4) ※3と4はT-62M戦車の可能性あり
  •  2 9A332 TLAR(「9K332 "トールM2" 用レーダー付き自走発射機): (1) (2, スネーク島にて)
  •  1 96K6「パーンツィリ-S1」: (1)


ヘリコプター(10


艦艇 (6)


軍用物資補給列車(2)
  •  2 燃料タンク車牽引編成: (1) (2)


トラック、ジープ、その他車両 (29)
  • 1 GAZ-66: (1)
  •  4 カマズ製トラック「6x6」型: (1) (2) (3 と 4) (5)
  •  4 カマズ-6350「8x8」型(野砲牽引車): (1) (2) (3) (4)
  •  1 カマズ-5350(「EOV-3523」バックホー搭載型): (1)
  •  5 ウラル-4320: (1 と 2) (3) (4) (5)
  • 1 ウラル-4320( 「KS-3574M3」または「KS-3574M」クレーン搭載型): (1)
  • 1 ウラル-43206: (1)
  • 1 形式不明の車両: (1)
  •  2 形式不明のトラック: (1) (2)
  •  8 形式不明の補給トラック: (1, 2, 3, 4, 5, 6, 7 と 8)


指揮車両 (3)


通信車両(1)
  • 1 形式不明の通信車両: (1)


その他 (5)

 
※私たちOryxが執筆した北朝鮮軍隊・兵器に関する本が2020年9月に発売されており、翌年の2021年9月に大日本絵画社様からも邦訳版がされ、現在好評発売中です。ぜひお買い求めください👇



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2022年2月22日火曜日

イカサマだらけの偽旗:ウクライナ東部における偽旗作戦で失われた兵器類(一覧)


著:ステイン・ミッツアー in collaboration with Dan, Jakub Janovsky と COIN(編訳:Tarao Goo)

 ロシアと同国が支援する分離主義勢力(自称ドネツク人民共和国:DNRと自称ルガンスク人民共和国:LNR)の部隊はロシア軍によるウクライナ侵攻の口実をでっち上げるため、2022年2月中旬からウクライナ東部で数多くの偽旗作戦を実施し続けています。

 ロシアは長い間にわたって、自国や友邦を犠牲者として演じ、(例えば「MH17」撃墜事件の)責任を逃れ、混乱を引き起こし、戦争の口実を作り出すために、そのような偽旗作戦を実施してきました。

 典型的なロシアのやり方では、これらの作戦は、ほとんどのロシアによる情報戦に特有と思しき未熟な手法で行われているようです。[1]

 特にウクライナ東部での偽旗作戦には、「ウクライナの破壊工作員がロシアに潜入した」というものが含まれています。[2]

 (潜入作戦に参加したとされるウクライナ兵のヘルメットに装着されたアクションカム映像について)撮影された映像の位置情報から、ロシア領への侵入は分離主義勢力の支配地域から行われたことが判明し、公開から1時間以内にこの話はフェイクであると暴かれました。(注:位置情報は座標以外にも建物や地理的特性からも特定可能です。いわゆるジオロケート)。[3]

 ロシアはこの潜入の撃退の結果として殺害したとされる5人のウクライナ兵の遺体を見せる代わりに、ウクライナ軍の車両に見えるようによく考えられずに塗装された「BTR-70M」装甲兵員輸送車(APC)の残骸を公開しました。[4]

 皮肉なことに、ウクライナは「BTR-70M」を運用していないため、このような偽旗作戦にどの程度注意が払われているのか(または適当であること)をさらに示しています。

 その他の偽旗作戦には、自動車の爆破やロシアと分離主義勢力の当局が公表する数日前に撮影されたことを示すタイムスタンプが付された住民避難計画の動画すら含まれています。[5]

 これらの全作戦に共通する傾向としては、偽旗作戦がロシアを有利にするどころか、本格的な「のけ者国家」になる道へいっそう推し進めていると言えるでしょう。

 自軍の車両をウクライナのように見せてから、ひどいやらせの「挑発行動」に登場させた後に有り余るほどの証拠を残しながらその車両を爆破するというのは、まさに茶番でイカサマに満ちた「偽旗」を明らかにしていることに疑いの余地はありません。

(各装備名に続く数字をクリックすると、ロシアの偽旗作戦で破壊されたロシアまたは分離主義勢力の車両の画像が表示されます)


ロシアとドネツクまたはルガンスク州における分離主義勢力が「損失」した兵器・装備類

 
装甲戦闘車両(3台、そのうち破壊されたもの: 3台)

ソフトスキン車両 (2台, そのうち破壊されたもの: 2台)

最終更新日:2022年2月22日

[1] How GRU Sabotage and Assassination Operations in Czechia and Bulgaria Sought to Undermine Ukraine https://www.bellingcat.com/news/uk-and-europe/2021/04/26/how-gru-sabotage-and-assassination-operations-in-czechia-and-bulgaria-sought-to-undermine-ukraine/
[2] Russian border security eliminates five saboteurs infiltrating from Ukraine https://tass.com/emergencies/1407169
[3] https://twitter.com/EliotHiggins/status/1495775073906610180
[4] https://twitter.com/NotWoofers/status/1495890957048418316
[5] https://twitter.com/EliotHiggins/status/1494783522682425344

※  当記事は、2022年2月21日に本家Oryxブログ(英語版)に投稿された記事を翻訳した
  ものです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所
  があります。



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