2021年7月1日木曜日

目の前の大災難: 失われたアフガニスタンの軍用装備の記録 2021年6月~8月15日(一覧)



著:ステイン・ミッツアーとヨースト・オリーマンズ in collaboration with COIN と Jakub Janovsky(編訳:Tarao Goo)

※8月15日22時の時点でアフガニスタン政府軍・治安部隊の組織的抵抗が終了し、民主体制が事実上崩壊したため、オリジナルの記事(英語版)の更新が終了しました英語版の最終更新日は2021年8月15日午後9時55分。そのため、A-29などの鹵獲兵器については現時点で掲載する予定はありません。また、この記事の内容について現状とそぐわない内容がありますが、「崩壊」前の考察ということでご理解ください。
 英語版の更新が終了したことに伴い、この日本語版でもこの日をもって更新を終了とします(最終更新:2021年8月16日午後8時40分)
※必要に応じて更新される可能性はあります。

 物議を醸している米国のアフガニスタンからの撤退は、全国規模のタリバンの復活に直面しているカブールを奈落の底への瀬戸際に立たせています。国内の大部分で治安情勢が次第に悪化している中、タリバンが間もなくアフガニスタン全体を制圧する可能性という懸念が現実となりつつあり、長期的には現地の状況が2001年の米国侵攻以前に戻ってしまう可能性があります。

 米軍とそのNATO同盟国の撤退は一部の人々からは賞賛され、別の人々からは激しく批判されていますが、一見して全ての人が同意できることが1つあります。それは、タリバンを打倒するという20年間にわたる米国主導の作戦が大失敗だったということです。

 米軍やNATO軍が不在の中で、アフガニスタン政府がこれまで以上に国内の大部分を支配し続ける(バイデン政権からの無反応によって自信を鼓舞された)敵に対して、いつまでその立場を死守できるのかは現時点ではまだ分かりません。米軍による直航空支援、情報アセットや後方支援をすぐに得られないアフガニスタン軍が、タリバン軍を現在の支配地域に閉じ込めておくことは限りなく困難です。

 依然としてアフガニスタンの軍属である米国の請負業者が撤収する可能性は状況を悪化させるだけであり、退却して数週間以内にアフガニスタン空軍機の多くが運用不可能になる可能性があります。

 2011年のイラク撤退と同様に、米国は数百億ドルを投資したにもかかわらず、与えられた任務に対処する準備が不十分な衰弱した軍事組織をこの国にも残しました。過去20年間でアフガニスタン治安部隊に提供された膨大な量の装備を大げさに言うことことは難しく、HMMWV「ハンヴィー」だけでも約25,000台にも達します(注:供与された量があまりにも膨大なため、数を膨らまして適当な数を言っても間違いではない可能性があると言うこと)。それ自体は見事な数ですが、 HMMWVの簡易爆発装置(IED)に対する防御不足は、それらにはアフガニスタンでNATO軍が使用している耐地雷・伏撃防護車両(MRAP)のような防御能力がほとんど無いことを意味しています。驚くべきことに、そのようなMRAPをアメリカ全土の警察で容易に利用できるようになった一方で、アフガニスタンの治安部隊にはそれ無しで任務を遂行しなければならない状況にあるのです。

 米軍の撤退後にアフガニスタンが直面する状況については、米国の近現代史の中では決して稀な出来事ではありません。1970年代に同盟国である南ベトナムを実質的に見捨てた後、2011年には麻痺したイラクを置き去りにし、今度はアフガニスタンから撤退...帰国祝賀会は今後数十年にもわたってアフガニスタンでの戦争の結果に苦しむ人々の悲観的な見通しによって汚されることになるでしょう。

 このような軍事介入を始める熱心さは(紛争の現実があまりにも不愉快なものになったときに)その後の国の運命に対する無関心の度合いと一致しているため、結果としてこのような介入による悲劇が繰り返されています。その一方で、現地の住民は何世代にもわたってアメリカの政治の気まぐれに望まぬ犠牲を負うことになります。皮肉にも、この犠牲はアメリカの納税者が軍需産業に何兆ドルも不本意ながら投資したことによって生じたものなのです。

 (今のところアフガン治安部隊には力不足である)カブール国際空港(IAP)の管理を誰がすることになるのかという合意がなされていないことは、米国がアフガニスタンから撤退する際の無計画さを大いに示しています。この事態を収拾できる可能性がある国の一つはトルコです。この国はは2015年からカブールIAPの運営を行っており、十分な後方支援と資金援助があれば将来的にも同空港の運営・保護することを申し出ています。カブールIAPとその周辺の安全を確保することは国内外での航空業務を維持するために不可欠です。もしそうでなければ外交使節団や開発機関は追い詰められた国を避けてしまうからです。

 トルコにとって、アフガニスタンへの関与を強めることは、S-400ミサイルの購入をめぐって課された米国の制裁措置が緩和か解除に結びつく可能性があります。NATOで唯一ムスリム国家で中東の加盟国でもあるトルコは、最終的に永続的なアフガンの平和を実現するため、全ての政治的当事者に合意をするよう働きかけるのに最も適した立場にあるかもしれません。トルコの支援はアフガニスタンをビジネスの場として開放し続けるために不可欠であると同時に、タリバンにカブール地区が簡単に手の届くものではないという強い警告を送ることになるでしょう。

 それを実行できる方法の一つとして、トルコの非常に効率的な無人機の使用がありますが、同時に彼らはそれを活用した全く新しい外交政策「バイラクタル外交」を形成しました。低い経済的・人道的なコストで政治的・軍事的な影響の最大化を追求した、小規模な介入を基本とする「バイラクタル外交」は、現代の紛争の特徴に比類なく適した新しいタイプの戦いを本質的に構成します。それを担う「バイラクタルTB2」無人機は比較的安価なものですが、バイラクタル外交は実際には国家の運命を決めたと言えるほど効果的でした:「バイラクタルTB2」がなければ、国際的に承認されたリビア政府(GNA)は2019年か2020年に全滅していた可能性が十分にあり得たからです(この文章が意味すること:仮にバイラクタル外交がリビアやナゴルノ・カラバフのように国家の運命を左右したとしても、この外交で使われるTB2は安価で発展性がある無人機であり、決して驚異的な武器ではありません)。

 アフガン政府を支えていた米国の軍事力の代わりを務めることは厳しい挑戦となるでしょうが、「バイラクタル外交」は少なくとも首都カブールとその周辺の安全を確保するために展開することが可能でしょう。

 

 2021年6月以降に破壊や捕獲されたアフガン国軍および国家警察の装備に関する詳細なリストは以下のとおりです。このリストは、追加の映像や画像が公開されるごとに随時更新されます。

 このリストでは、破壊や捕獲された車両や装備のうち、写真や映像による証拠が得られるものだけを掲載しています。
タリバンの戦闘員の大多数は高性能の携帯電話を持っておらず、その宣伝部門は装備の捕獲状況を写真や映像で公表することはありません。したがって、破壊された装備の量は間違いなくここに記録されている以上のものとなります。

 無傷で捕獲された全ての装備がその時点で稼働状態にあるわけではなく、多くのHMMWVやフォード・レンジャーはほかの車両を稼働させ続けるためのスペアパーツの供給源として使用されています。共食い整備で使用されている度合いが大きく、大規模なオーバーホールのみによって運用状態に復帰できる捕獲車両については、このリストでは「損傷・捕獲」と分類しています。そのため、タリバンによって捕獲された車両が、そのまま彼らの同規模の作戦車両群とはなりません(注:捕獲車両数と今後タリバンが運用するであろう車両数は一致しないということ)。

 また、小火器、弾薬、トレーラー、民生車両や遺棄されたトラックはこのリストには含まれていません。
全ての項目は日付順に並べられています。

 (表示されている番号をクリックすると破壊・捕獲された装備の画像が表示されます)



アフガニスタン国軍 / アフガニスタン国家警察


戦車 (12, このうち捕獲: 12)


装甲戦闘車両 (60, このうち破壊: 9, 捕獲: 51)


牽引砲・迫撃砲 (61, このうち捕獲: 61)


対空砲 (8, このうち捕獲: 8)


航空機・ヘリコプター (23 このうち破壊: 7, 捕獲:16)


トラック・各種車両・ジープ (2086, このうち破壊: 106, 捕獲: 1980)

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このリストを作成するために次の方のツイートを参考にさせていただきました:Farooq Bhai, Higurashi, Calibre Obscura と Dan.


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2021年5月20日木曜日

ガザ紛争:ハマスが保有する北朝鮮の武器


著:ステイン・ミッツアーとヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)


 国際法上ではパレスチナの一部である東エルサレム近隣のシェイク・ジャラ地区で、イスラエル人入植者を優先してパレスチナ人住民を立ち退かせる決定がなされたことについて、2021年5月6日にエルサレムで抗議活動が勃発しました。

 イスラエル当局はこの抗議活動を厳しく取り締まって多数のパレスチナ人が負傷したことなどから、両陣営は武力衝突の寸前に直面しました。抗議がさらに多くの負傷者を出しながら続く中で、ハマスはイスラエルに対し最後通牒を突きつけ、5月10日までにエルサレムにある宗教的に敏感なアルアクサ・モスクから軍を撤退させることを要求しました。

 イスラエルを最後通牒に応じさせることができなかったため、ハマスは(過去数十年にわたって同様の多くの衝突が起きている)ガザ地区からイスラエルの入植地に向けてロケット弾攻撃を開始しました。

 ロケット弾による攻撃に対応して、イスラエルは同じ日から戦闘機や無人航空機(UAV)から投下される精密誘導弾や地上から発射される砲弾を使用して、ガザ地区内に存在する多数のハマス関連の標的を攻撃しました。

 これらの攻撃によって、数人のハマス高官のみならず多くの民間人を含む200人近くのパレスチナ人が死亡したと考えられています(その中には少なくとも58人の子供も含まれていると報じられています)。そして、イスラエル側では今までに10名の死傷者が報告されており、その大多数がハマスによるロケット弾攻撃によって死亡しました。[1]

 ハマスが使用する武器の選択は – その軍事部門であるエゼディン・アル・カッサム旅団を通じて用いられており – これまでのところは主に独自生産の無誘導ロケット弾の発射という方法が多用されているようです。今回では、それらを迎撃する任務を課されたイスラエルのアイアンドーム防空システムを飽和させて圧倒するために大規模かつ同時多発的な斉射が実施されています。

 暴力行為がさらにエスカレートするにつれ、ハマスは対戦車ミサイル(ATGM)や徘徊兵器を含むいくつかの(ロケット弾以外の)兵器システムも初公開しました。これらは双方ともにその使用が激化するにつれ、世間に広く知られるようになりました。


 特に、ハマスによるATGMの使用は過小評価できない脅威となっています。ATGMはイスラエル国防軍(IDF)で運用されているほとんどの車両の装甲を高い精度で貫通することができ、1発でも命中を成功させた場合は数日分のロケット弾攻撃よりも多くの死傷者をもたらす可能性があります。

 今回の戦闘でハマスは少なくとも2回ATGMを使用してガザの境界線沿いに展開していたIDFの車両を攻撃し、イスラエル兵1名の死亡と3名の負傷をもたらしました。[2]

 そのお返しとして、IDFはミサイルが発射される前にハマスのATGM部隊を抹殺することを決め、これまでに7つのATGM部隊が標的にされたと伝えられています。[3]


 ハマスは無誘導ロケット弾や携帯対戦車擲弾発射器(RPG)、さらには(一部、海外から密輸されたコンポーネントを使用してはいるものの)無人機の国産化にも成功していますが、ATGMの入手については膨大な武器密輸ネットワークとイランからの軍事援助に依存しています。

 近年にハマスが保有しているATGMのストックは、9M14「マリュートカ」、9M111「ファゴット」、9M113「コンクールス」、手強い9M133「コルネット」などのシステムで構成されており、これらはハマスが内戦で疲弊したリビアやイランからなんとか密輸して入手したものですが、少数の北朝鮮の「Bulsae-2(火の鳥)」も含まれてます(注:Bulsaeは日本語で直訳すると「火の鳥」ですが、最近の北朝鮮の武器カタログでは英語でPhoenixと表示されていたケースがあったため、単に「不死鳥」や「フェニックス」と表記することも可能です。ただし、この記事では従来の「火の鳥」を使用します)。

 これらのATGMは、同様に発見されにくい北朝鮮のF-7ロケット推進擲弾と一緒に使用されています(注:F-7も少数がガザ地区にも辿り着いたようです)。


 カッサム旅団は、スーダンからガザ地区までに及ぶ裏ルートのチャンネルや密輸業者の精巧なネットワークを通じて、イランから北朝鮮の武器を入手していたと考えられています。
これはおそらく、ほかの輸送手段と同様の方法で密輸されたものと推測されます:武器がスーダンに運ばれた後、陸路でエジプトに移送され、そこから地下トンネルを通ってガザ地区へ密輸されたのでしょう。

 この説は2009年12月に発覚した事件によってさらに裏付けされています。このケースでは、北朝鮮の武器を積載したイリューシンIL-76貨物機がバンコクに着陸した直後にタイ当局によって武器が発見・押収されました。「石油掘削装置」と表示された貨物には、35トン分のロケット弾、携帯式地対空ミサイルシステム(MANPADS)、爆薬、ロケット推進擲弾などの武器が含まれていたのです。[4]

 また、その数ヶ月前(2009年7月)にもUAEで同様の(武器を積載した)貨物が押収されています。[4]

これらを踏まえると、ほかにもこのような大量の「貨物」が誰にも気づかれずにハマスと(レバノンの)ヒズボラに転送された可能性があると信じられています。
 
 

 どうやら、この密輸構想における北朝鮮の役割は武器の製造に限定されているようですが、北朝鮮は輸出した武器の最終目的地を完全に把握していると推測することができます。

 しかし、このような武器取引について北朝鮮の体制が持つ唯一の関心はそれらがもたらす外貨であり、(制裁強化による)自暴自棄の度合いの高まりがハマスたちをこれまで以上に存在しそうもない顧客にせざるを得ない状況となっているため、(売却した武器を手にする相手が)誰になっても問題にはしないでしょう。

 もちろん、ハマスは平壌と重要な交友関係を持っていないことを踏まえると、このような難解な武器供給者の選択は驚くべきことかもしれません(ただし、後者はこの地域でのイスラエルの行動を一貫して非難していますが)。

 実際、イランは北朝鮮に装備の供給を請け負わせることで、自らのパレスチナへの関与を隠蔽しようとした可能性があります。そうすることで、問題の武器がハマスの部隊で運用されていることが露見しても、イランはもっともらしい否認をし続けることができるからです。

 北朝鮮自身も外国で使用されている自国の武器の起源が明らかになることを望んでいないため、頻繁に同等の外国製装備の名前(英語)を用いながら武器を販売しています。リビアでは、発射機に「PLA-017」、ミサイルに「PLA-197」と書かれた「火の鳥-2」が目撃されていますが、おそらくこれは中国由来の武器であると誤認させるための名称でしょう。

より多くの「火の鳥-2」のミサイルと発射機が(政治的対立の後にハマスから分離独立した)アル・ナセル・サラディーン旅団の保有兵器として登場しました。 

 カッサム旅団で使用されているもう1種類の北朝鮮製の弾薬はF-7ロケット推進擲弾であり、これはRPG-7用のソ連製PG-7を北朝鮮がコピーしたものです(注:F-7はハマスの現地生産型発射機にも適合している可能性があります)。F-7は弾頭の周りに赤いラインが引かれているため、ほかのPG-7のコピー弾と見分けることが容易です。

 この擲弾はシリアやエジプトを含む世界中でその姿が見られています。2017年に、エジプトはスエズ運河の付近を航行している北朝鮮の貨物船が違法な貨物を積載している可能性があるという米国の警告を受け、後にその船から30.000発のF-7弾を押収しました。困ったことに、このケースでは不正な貨物の目的地は押収した国:エジプトであることが判明したのです。[5]


 オリジナルの設計では、9M111有線誘導式ミサイルは半自動指令照準線一致誘導方式(SACLOS)を用いて標的に向かって飛行し、約460mmの均質圧延鋼装甲(RHA)を貫通することができます。また、アップグレードされたミサイルも一般的には同じ発射機から発射することが可能です。

北朝鮮は1980年代後半にソ連から9K111(AT-4)を入手したことが知られています。

 北朝鮮製のシステムはいくつかの重要な点でオリジナルと異なっています。特に注目するべき点として、オリジナルのミサイルが有線誘導式であったためにワイヤーが途中で切断されたり水上を飛行する際にショートしてしまうリスクがあったのに対し、「火の鳥-2」はレーザー誘導方式を採用しています。この誘導方式では、ミサイルの飛行経路を修正は単にオペレーターが照準器のレチクルと標的を重なるように維持すればよいだけなので、高い命中精度をもたらす可能性を秘めています。

 誘導方式以外では、一般的な「火の鳥-2」は射程距離の延長や弾頭の貫通力の向上、異なった運用モードを運用者に提供しませんが、北朝鮮ではさらにアップグレードされたミサイルが存在することが知られています(注:これは2016年に北朝鮮が試験したレーザー誘導式新型対戦車ミサイルを指すと思われます。これと同一のミサイルシステムが「Phoenix-4M」として武器輸出カタログに掲載されています。)また、北朝鮮は独自の形状をした専用の熱電池も製造しているようですが、これはシステムの品質には影響しないと思われます。

1人の兵士が発射機全体を携行して仲間の部隊員がそれぞれ2本の発射管を持ち運ぶことを可能にさせる、このATGMシステムのコンパクトで持ち運びに便利なデザインがハマスに特に重宝されているようです(下の画像を参照)。


 これまで、北朝鮮は(体制の支配力の維持を手助けする)武器の販売を通じた外貨の供給を外交関係に依存してきました。その結果として、エジプト、シリア、イラン、ミャンマーなどの国への弾道ミサイルや核技術の輸出さえも頻繁に報じられており、国際的な監視者から大きな注目を集めています。

 しかし、(制裁などで)顧客層が狭くなるにつれて非国家主体との取引に対する不安も薄れてきており、もし北朝鮮が(おそらくイランを通じて)ハマスとの新たな取引関係を確保できるのであれば、ほぼ間違いなくそうするでしょう。

 ハマスにとって、北朝鮮製のATGMやRPG弾頭がもたらす恩恵はその在庫が続く限り続くでしょう。これらの武器が戦闘に関与する数が比較的少なく、ガザ地区での紛争状態が長期間継続する可能性が低いためです。
   

 武器の密輸ルートは絶えず進化しており、今やイランはいくつかの分野のATGMを生産しており、イエメンやイラクの代理勢力に輸出する準備をしています。これを踏まえると、次にガザ地区に到着するATGMやRPGのパッケージがイラン製のもので構成されている可能性が非常に高いと思われます。これには(9M133「コルネット」のコピーである)デフラヴィエ ATGMだけでなく、代理勢力の部隊用に特別に設計された(簡略化された)RPG-29のイラン製コピーも含まれます。

 イスラエルが運用している最新型の機甲戦力に脅威を与える可能性すらある高性能なイラン製システムの前では、ハマスが保有する北朝鮮製兵器は単なる歴史的な遺物のように見えるかもしれません。

 それにもかかわらず、彼らの存在は違法な武器がどのような方法で地球上を駆け巡っているのかを示す致命的な注意喚起として機能しますが、ときには予想外の場所に出現することもあります(注:そのためにはあらゆる紛争地域に登場する軍事装備を注視していく必要が不可欠です)。





※  この翻訳元の記事は、2021年5月18日に投稿されたものです。当記事は意訳など 
 により、僅かに本来のものと意味や言い回しが異なっている箇所があります。
   正確な表現などについては、元記事をご一読ください。


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