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2025年4月13日日曜日

【復刻記事】鋼鉄の野獣: シリア軍のT-55戦車


著:シュタイン・ミッツアーとヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo

 この記事は、2014年11月27日に「Oryx」本国版(英語)とベリングキャットで公開された記事を日本語にしたものです。10年前の記事ですので当然ながら現在と状況が大きく異なっていたり、情報が誤っている可能性があります(本国版ブログは情報が古くなったとして削除)。ただし、その内容な大いに参考となるために邦訳化しました。

 (この記事の執筆時点で)約4年に及ぶ内戦は、シリアの戦車部隊とその運用方法に影響を与え続けています。今や、彼らはシリア各地に点在しており、数多くの友軍に火力支援を提供しているのです。

 この新シリーズでは、シリア軍が運用する鋼鉄の野獣にスポットライトを当てます。

 シリア国内でアサド政権の戦車を実際に運用しているのは誰なのか、やや曖昧なままです:多くの人はシリア国内における全ての戦闘任務をシリア・アラブ軍(SAA)が担い続けていると考えていますが、SAAはその人員と装備の多くを国民防衛隊(NDF)やその他の民兵組織に移管しています。

 しかしながら、シリア軍は依然として多数の旅団とシリア各地に点在する無数の駐屯地を維持しています。つまり、そこで発見された戦車は、その全てがシリア軍の指揮下に置かれたものというわけです。

 戦車部隊で運用される戦車は大きく3種類に分類することができます:「T-55」と「T-62」、そして「T-72」です。さらに2種類:「T-54」と「PT-76」もかつてシリアで運用されていたものの、現存する「T-54」の大部分はレバノンに寄贈され、その他は保管状態にあります。今のところ、前者は多くが現役に戻されつつありますが、後者はこの10年間でスクラップにされたと考えられています。

 内戦が勃発する前のシリアは約5,000台の戦車を保有していたと推測されています:内訳としては、「T-54/55」が2,000台、「T-62」が1,000台、「T-72」が1,500台です。しかし、この数字はかなり歪められています:2010年代初頭でシリアが実際に運用していた戦車は2,500台に近いものであり、その内訳は「T-55」が約1,200台で「T-62」が約500台、「T-72」が約700台でした。もちろん、2,500台の戦車が同時に稼働していたわけではありません。「T-55」や「T-62」の大半は予備兵器扱いや保管状態にありました。

 2,500台の戦車のうち、1,000台以上が内戦で失われました。その大多数は「T-55」ですが、残存する戦車の多さがこうした損失をカバーしています。

 2014年末の時点で、シリア軍は推定700台の「T-55」が作戦能力を維持している一方で、この国を支配するべく戦っている多くの勢力も、さまざまな種類の「T-55」を運用し続けています。その中でも特筆すべき運用者はイスラム国です:彼らは第93旅団で数十台を鹵獲して、この戦車の主要なユーザーとなったのです。同旅団が保有していた戦車のほとんどは、後にイスラム国によるコバニへの攻勢に投入されました。


 シリアでの「T-55」は4種類に分けることができます:標準的なスタイルの「T-55A」、北朝鮮が改修した「T-55」、「T-55AM」、そして「T-55MV」です。これらのうち最も多く運用されているタイプは「T-55A」で、北朝鮮の改良型、「T-55MV」と「T-55AM」がそれに続きます。

 「T-55A」と北朝鮮の改修型はその大部分がNDFでも運用されている姿を目撃されていますが、「T-55AM」と「T-55MV」の運用はSAAだけです。

 北朝鮮の改修型は同国で設計されたレーザー測距儀(LRF)を搭載しているほか、一部は発煙弾発射機や「KPV」14.5mm機関砲さえ装備しています。シリア軍の「T-54/55」には、少なくとも2種類の北朝鮮製LRFが搭載されていることが判明しています。

 これらの戦車の改修は1973年の第四次中東戦争で得た戦訓に基づいたものであり、ソ連による「T-55」の改修:シリア軍の一部が受けた「T-55AM」規格への引き上げよりも安価な代替案として、1970年代初頭から80年代にかけて実施されたものです。

北朝鮮製LRFを装備した「T-55」(イスラム国が鹵獲したもの)

 「T-55AM」規格への改修には、「KTD-2」LRFとサイドスカート、発煙弾発射機の搭載が含まれていたものの、砲塔と車体前部への「BDD」追加装甲の装着については予算の制約から省略されてしまいました。下の画像は、ダラア県で活動する反政府軍:グラバー・ハッラーン大隊が運用するT-55AMです。


 「T-55MV」はシリア国内で使用されている「T-55」の中で最も近代的なものであり、その戦闘能力はシリアの「T-72」を上回るとさえ言えるかもしれません。「T-55」のMV規格への改修については、1997年に200台がウクライナによって実施されました。[1]

 シリアの「T-55AM」とは逆に、「T-55MV」は新型エンジンの搭載や対戦車ロケット弾(RPG)に対して装甲の防御力を強化する爆発反応装甲(ERA)ブロックの装備などで全面的に改修されました。

 シリアの「T-55MV」は、主砲である100mm砲から発射可能な「9M117M "バスチオン"」砲発射式対戦車ミサイルも装備しています。これまでシリアで「9M117M」が使用されていることは知られていませんでしたが、反政府勢力がクネイトラ県のテル・アフマル近郊で約10発を鹵獲したことで判明したのです。

 クネイトラは昔から「T-55MV」戦車隊の拠点であり、戦争になれば同ミサイルはイスラエルの戦車にとって厄介な奇襲の道具となったことでしょう。これらのミサイルは高価なため、各戦車は数発しか搭載していません。ミサイルの大多数は将来的にイスラエルの機甲部隊に使用される可能性があることから、ゴラン高原沿いのテル・アフマルのような弾薬集積地点に備蓄されたままです。


 一部の「T-55MV」はLRFの上に奇妙な装置を搭載しています。おそらく、この装置はある種のカメラとして機能すると思われます。というのも同様の装置がウクライナによって改修された「BMP-1」でも見られたからです。ただし、決定的な証拠は車内を映した映像でしか得られないので断定はできません。


 すでに共和国防衛隊の「T-72」で見られたものと同様に、「RPG」に対する防御力を向上させるため、「T-55」にも土嚢で防御力を向上させたスラット装甲が少しずつ導入されています。こうした装甲を装備した「T-55」を下の画像で見ることができます。ちなみに、改修された「T-55」の大半は砲塔の周囲にスラット装甲を施されただけでした。


 NDFは「T-55」を安全な距離から反政府勢力の拠点を攻撃するという積極的な用途で運用し続けている一方で、シリア軍は「T-55」のほとんどを固定式のトーチカとして使用しているため、敵が持つ対戦車ミサイルの格好の餌食となっています。

 シリアにおける戦車の損失の大部分は、地方の守備隊や検問所を強化するという(ほとんど)無駄な試みによる必然的な結果によるものです。


 「T-55」の数があまりにも多いため、シリア軍とNDFには兵士の火力支援に提供する戦車が不足するという差し迫った恐れはありません。

 シリアの戦車部隊にとって最大の脅威は悲惨な燃料不足です。入手可能な燃料のほとんどは、共和国防衛隊やスクーア・アル・サハラ(デザート・ファルコン)といった部隊で使われているからです。燃料不足はすでに戦車運搬車(トレーラー)の広範囲にわたる使用を強いています。なぜならば、戦車が自力で配備地まで走行するための十分な燃料が不足しているからです。この状況は、デリゾール周辺の油田が奪還されない限り改善されることはないでしょう。

2022年4月18日月曜日

蘇るAFV:タリバン軍が機甲戦力を復活させる(短編記事)



著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo

 2001年のアメリカによる侵攻をうけた後、アフガニスタンにおける機甲戦は劇的に減少しました。

 過去の政権や軍閥は火力支援プラットフォームとしての使用で装甲戦闘車両用(AFV)に大きく依存していましたが、米国主導の有志連合軍は重装甲戦力が新しいアフガン国民軍(ANA)にとって全く役に立たないものと考えていたようです。

 その結果として、唯一残っていたANAの機甲部隊にM60A3戦車を再装備する計画については最終的に棚上げされたため、ANAは純真な献身によってのみ1個の戦車大隊を何とかして維持することができたのです。[1]

 BMPシリーズの歩兵戦闘車やZSU-23自走対空砲のような他のAFVはさらに幸運に恵まれず、2000年代半ばの至るところでますます多くの車両が退役に直面していました。

 それにもかかわらず、アメリカは約200台のM113装甲兵員輸送車(APC)をANAに供与しました。しかし、M113のIEDに対する脆弱性と貧相な武装は対反乱戦には不向きであったため、その大部分がすぐに国内各地にあるANAの基地で放置されてしまいました。[2]

 全国の遠隔地にある基地では、いくつかのT-55とT-62がトーチカとして活用されていました。これらの戦車の活用については、その多くは自力で動くことができなくなっているため、大抵の場合は全国的な規模で戦車を移動式のトーチカとして転用することに取り組んだというよりは現地の指揮官が主導して行われたようです。[3]

 戦車がまだ自走できた場合は単に基地の周囲を走り回る際のときに動くだけであって、作戦への投入で動くことはありませんでした。

 しかし、2021年11月中旬に公開された画像は、アフガニスタンの新たなイスラム首長国(タリバン政権)が再び大規模な機甲戦力を使用に転じる可能性を示唆しているように見えます。カリ・ファシフディン陸軍参謀長がカブール近郊の基地を視察した際に、少なくとも各1台ずつのT-62M、T-55、BMP-2を使用していると思われる部隊を訪問したのです。[4]

 さらに、この画像(ヘッダー画像)の後ろには2台のM1117装甲警備車(ASV)も見えます。ASVはタリバン軍が国内で急速に進撃している際に、膨大な数が無傷のまま彼らに鹵獲されています。

カブールでの軍事パレードに登場したBMP-2(ヘッダー画像と同一の車両)

 タリバンの指導下にある新しいアフガニスタン軍が、今でも全国各地の基地で依然として放置され続けているより多くの重火器を復活させようと試みるであろうことは考えられないことではありません。これには戦車から「BM-27」220mm多連装ロケット砲のみならず弾道ミサイルまでもが含まれています。[5] [6] [7]

 しかし、後者の場合は何年も屋外で(野ざらしで)保管されていたので再使用はできそうもなく、カブールの新政府はほぼ間違いなくこのような兵器を全く必要としていないと思われます。

特別協力: NatsecjeffLukas Muller(敬称略)

[1] Afghanistan’s tank battalion is melting away https://www.stripes.com/afghanistan-s-tank-battalion-is-melting-away-1.543030
[2] SIPRI Trade Registers https://armstrade.sipri.org/armstrade/page/trade_register.php
[3] Disaster At Hand: Documenting Afghan Military Equipment Losses Since June 2021 until August 14, 2021 https://www.oryxspioenkop.com/2021/06/disaster-at-hand-documenting-afghan.html
[4] https://twitter.com/Natsecjeff/status/1459921989225877506
[5] https://twitter.com/oryxspioenkop/status/1432401256086188032
[6] https://twitter.com/oryxspioenkop/status/1438829457528213510
[7] https://twitter.com/AlHadath/status/1438566027663593484

※  当記事は、2021年11月15日に本国版「Oryx」ブログに投稿された記事を翻訳した
 ものです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所
 があります。




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目の前の大災難: 失われたアフガニスタンの軍用装備の記録 2021年6月~8月15日(一覧)



著:ステイン・ミッツアーとヨースト・オリーマンズ in collaboration with COIN と Jakub Janovsky(編訳:Tarao Goo)

※8月15日22時の時点でアフガニスタン政府軍・治安部隊の組織的抵抗が終了し、民主体制が事実上崩壊したため、オリジナルの記事(英語版)の更新が終了しました英語版の最終更新日は2021年8月15日午後9時55分。そのため、A-29などの鹵獲兵器については現時点で掲載する予定はありません。また、この記事の内容について現状とそぐわない内容がありますが、「崩壊」前の考察ということでご理解ください。
 英語版の更新が終了したことに伴い、この日本語版でもこの日をもって更新を終了とします(最終更新:2021年8月16日午後8時40分)
※必要に応じて更新される可能性はあります。

 物議を醸している米国のアフガニスタンからの撤退は、全国規模のタリバンの復活に直面しているカブールを奈落の底への瀬戸際に立たせています。国内の大部分で治安情勢が次第に悪化している中、タリバンが間もなくアフガニスタン全体を制圧する可能性という懸念が現実となりつつあり、長期的には現地の状況が2001年の米国侵攻以前に戻ってしまう可能性があります。

 米軍とそのNATO同盟国の撤退は一部の人々からは賞賛され、別の人々からは激しく批判されていますが、一見して全ての人が同意できることが1つあります。それは、タリバンを打倒するという20年間にわたる米国主導の作戦が大失敗だったということです。

 米軍やNATO軍が不在の中で、アフガニスタン政府がこれまで以上に国内の大部分を支配し続ける(バイデン政権からの無反応によって自信を鼓舞された)敵に対して、いつまでその立場を死守できるのかは現時点ではまだ分かりません。米軍による直航空支援、情報アセットや後方支援をすぐに得られないアフガニスタン軍が、タリバン軍を現在の支配地域に閉じ込めておくことは限りなく困難です。

 依然としてアフガニスタンの軍属である米国の請負業者が撤収する可能性は状況を悪化させるだけであり、退却して数週間以内にアフガニスタン空軍機の多くが運用不可能になる可能性があります。

 2011年のイラク撤退と同様に、米国は数百億ドルを投資したにもかかわらず、与えられた任務に対処する準備が不十分な衰弱した軍事組織をこの国にも残しました。過去20年間でアフガニスタン治安部隊に提供された膨大な量の装備を大げさに言うことことは難しく、HMMWV「ハンヴィー」だけでも約25,000台にも達します(注:供与された量があまりにも膨大なため、数を膨らまして適当な数を言っても間違いではない可能性があると言うこと)。それ自体は見事な数ですが、 HMMWVの簡易爆発装置(IED)に対する防御不足は、それらにはアフガニスタンでNATO軍が使用している耐地雷・伏撃防護車両(MRAP)のような防御能力がほとんど無いことを意味しています。驚くべきことに、そのようなMRAPをアメリカ全土の警察で容易に利用できるようになった一方で、アフガニスタンの治安部隊にはそれ無しで任務を遂行しなければならない状況にあるのです。

 米軍の撤退後にアフガニスタンが直面する状況については、米国の近現代史の中では決して稀な出来事ではありません。1970年代に同盟国である南ベトナムを実質的に見捨てた後、2011年には麻痺したイラクを置き去りにし、今度はアフガニスタンから撤退...帰国祝賀会は今後数十年にもわたってアフガニスタンでの戦争の結果に苦しむ人々の悲観的な見通しによって汚されることになるでしょう。

 このような軍事介入を始める熱心さは(紛争の現実があまりにも不愉快なものになったときに)その後の国の運命に対する無関心の度合いと一致しているため、結果としてこのような介入による悲劇が繰り返されています。その一方で、現地の住民は何世代にもわたってアメリカの政治の気まぐれに望まぬ犠牲を負うことになります。皮肉にも、この犠牲はアメリカの納税者が軍需産業に何兆ドルも不本意ながら投資したことによって生じたものなのです。

 (今のところアフガン治安部隊には力不足である)カブール国際空港(IAP)の管理を誰がすることになるのかという合意がなされていないことは、米国がアフガニスタンから撤退する際の無計画さを大いに示しています。この事態を収拾できる可能性がある国の一つはトルコです。この国はは2015年からカブールIAPの運営を行っており、十分な後方支援と資金援助があれば将来的にも同空港の運営・保護することを申し出ています。カブールIAPとその周辺の安全を確保することは国内外での航空業務を維持するために不可欠です。もしそうでなければ外交使節団や開発機関は追い詰められた国を避けてしまうからです。

 トルコにとって、アフガニスタンへの関与を強めることは、S-400ミサイルの購入をめぐって課された米国の制裁措置が緩和か解除に結びつく可能性があります。NATOで唯一ムスリム国家で中東の加盟国でもあるトルコは、最終的に永続的なアフガンの平和を実現するため、全ての政治的当事者に合意をするよう働きかけるのに最も適した立場にあるかもしれません。トルコの支援はアフガニスタンをビジネスの場として開放し続けるために不可欠であると同時に、タリバンにカブール地区が簡単に手の届くものではないという強い警告を送ることになるでしょう。

 それを実行できる方法の一つとして、トルコの非常に効率的な無人機の使用がありますが、同時に彼らはそれを活用した全く新しい外交政策「バイラクタル外交」を形成しました。低い経済的・人道的なコストで政治的・軍事的な影響の最大化を追求した、小規模な介入を基本とする「バイラクタル外交」は、現代の紛争の特徴に比類なく適した新しいタイプの戦いを本質的に構成します。それを担う「バイラクタルTB2」無人機は比較的安価なものですが、バイラクタル外交は実際には国家の運命を決めたと言えるほど効果的でした:「バイラクタルTB2」がなければ、国際的に承認されたリビア政府(GNA)は2019年か2020年に全滅していた可能性が十分にあり得たからです(この文章が意味すること:仮にバイラクタル外交がリビアやナゴルノ・カラバフのように国家の運命を左右したとしても、この外交で使われるTB2は安価で発展性がある無人機であり、決して驚異的な武器ではありません)。

 アフガン政府を支えていた米国の軍事力の代わりを務めることは厳しい挑戦となるでしょうが、「バイラクタル外交」は少なくとも首都カブールとその周辺の安全を確保するために展開することが可能でしょう。

 

 2021年6月以降に破壊や捕獲されたアフガン国軍および国家警察の装備に関する詳細なリストは以下のとおりです。このリストは、追加の映像や画像が公開されるごとに随時更新されます。

 このリストでは、破壊や捕獲された車両や装備のうち、写真や映像による証拠が得られるものだけを掲載しています。
タリバンの戦闘員の大多数は高性能の携帯電話を持っておらず、その宣伝部門は装備の捕獲状況を写真や映像で公表することはありません。したがって、破壊された装備の量は間違いなくここに記録されている以上のものとなります。

 無傷で捕獲された全ての装備がその時点で稼働状態にあるわけではなく、多くのHMMWVやフォード・レンジャーはほかの車両を稼働させ続けるためのスペアパーツの供給源として使用されています。共食い整備で使用されている度合いが大きく、大規模なオーバーホールのみによって運用状態に復帰できる捕獲車両については、このリストでは「損傷・捕獲」と分類しています。そのため、タリバンによって捕獲された車両が、そのまま彼らの同規模の作戦車両群とはなりません(注:捕獲車両数と今後タリバンが運用するであろう車両数は一致しないということ)。

 また、小火器、弾薬、トレーラー、民生車両や遺棄されたトラックはこのリストには含まれていません。
全ての項目は日付順に並べられています。

 (表示されている番号をクリックすると破壊・捕獲された装備の画像が表示されます)



アフガニスタン国軍 / アフガニスタン国家警察


戦車 (12, このうち捕獲: 12)


装甲戦闘車両 (60, このうち破壊: 9, 捕獲: 51)


牽引砲・迫撃砲 (61, このうち捕獲: 61)


対空砲 (8, このうち捕獲: 8)


航空機・ヘリコプター (23 このうち破壊: 7, 捕獲:16)


トラック・各種車両・ジープ (2086, このうち破壊: 106, 捕獲: 1980)

   私たちが執筆した北朝鮮軍隊に関する本が好評発売中です!

          
このリストを作成するために次の方のツイートを参考にさせていただきました:Farooq Bhai, Higurashi, Calibre Obscura と Dan.


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