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2023年9月30日土曜日

ウクライナの隠れた武器庫:ブルガリアによるウクライナへの軍事支援(一覧)


 ロシアとの戦争で武器庫としての役割を果たしているブルガリアは、ウクライナにとって極めて重要なライフラインとして、その存在を際立たせています。

 この国の防衛企業は前例のない役割を担っています。ウクライナによるロシアへの対抗を支援するために、同国が必要とする旧ソ連規格の弾薬を24時間体制で提供するために活動しているほどです。

 ただし、ブルガリアの工場がウクライナ支援に辛抱強く努めているにもかかわらず、ブルガリア自身は国内で生じた矛盾に直面しています。親ロシアの大統領がロシアの侵攻はキーウに責任があると主張し、ブルガリアの戦争への間接的な関与に猛烈に反対している彼の姿勢は、親ウクライナの国防相がウクライナへの援助を拡大することを目指す姿勢とは明らかに正反対です。

 結局のところ、ブルガリア指導部内では対立陣営の中間地点に結論を見いだしたようです。これには、支援に必要とされる弾薬や兵器をNATO加盟国に売却し、最終的にそれらのウクライナへの移送を手助けするという戦略的決定が含まれています。

 この入り組んだ協定の中で、ブルガリアは微妙なバランスを保っています。つまり、公式にはウクライナを非軍事的に支援する姿勢を支持する一方、ウクライナの防衛に関する取り組みには密かに貢献しているというわけです。

 このような取引から創出される収益は喜ばしい財政強化をもたらし 、ブルガリアがウクライナを支援しながら自国の経済的安定を強化するという、両国の関係を共生的なものへと効果的に変化させていくでしょう。

 ブルガリアの大統領はウクライナへの武器供与に断固として反対しているにもかかわらず、政府自体は慎重に支援を拡大しています。こうした関与の証の一つが、ウクライナに100台の「BTR-60PB」装甲兵員輸送車の供与の約束を表明したことです。こうした取り組みは単なるウクライナの防衛力強化の域を越えたものであり、戦略的な目標に支えられています: 支援の見返りとして、ブルガリアはアメリカ製兵器の導入を確実なものにしたいと切望しているのです。

 ドイツの循環的交換政策への参加を逃したブルガリアは、同様の協定を通じてアメリカの兵器システムを導入する機会を得たと考えているようです。

 アメリカの余剰兵器と"交換"することと引き換えに、その大半が旧ソ連時代のものである軍備をウクライナへ提供することで、ブルガリアは全ての(ウクライナ側の)当事者に利益をもたらす潜在的なWin-Winのシナリオへ発展させる力を秘めているかもしれません。

  1. 以下に列挙した一覧は、ロシアによるウクライナ侵攻を受けてブルガリアがウクライナに供与した、あるいは提供を約束した軍事装備等の追跡調査を試みたものです。
  2. 一覧の項目は武器の種類ごとに分類されています(各装備名の前には原産国を示す国旗が表示されており、末尾には供与された月などが記載されています)。
  3. 一部の寄贈された武器の詳細情報は機密性を帯びていることから、表示している数量はあくまでも最低限の数となっています。
  4. この一覧はさらなる軍事支援の表明や判明に伴って更新される予定です。
  5. * はウクライナ、アメリカやEU諸国がブルガリア企業から調達したものを指します。
  6. 各兵器類の名称をクリックすると、当該兵器類などの画像を見ることができます。

ジェット機
  • 14 Su-25 対地攻撃機* [2022年4月] (NATO加盟国がブルガリアから調達後、ウクライナへ引き渡し)
戦車
  • T-72M1* [2022年5月以前] (チェコがブルガリアから調達後、ウクライナへ引き渡し)

多連装ロケット砲

自走砲

牽引砲
  • D-20 152mm榴弾砲 * [2022年4月] (チェコがブルガリアから調達後、ウクライナへ引き渡し)

迫撃砲

装甲兵員輸送車

対戦車ミサイル

携帯式対戦車兵器

小火器

弾薬

個人装備
  • 2,000 ヘルメット [2022年]
  • 2,000 防弾ベスト [同上]
  • 5,000 防寒服 [2022年後半]
  • 5,000 防寒ブーツ [同上]
  • 350 医療キット [350]

その他の装備品類

技術支援
  • ウクライナの装甲車両及び装備の修理 [2022年5月から]

訓練
  • ブルガリア陸軍将兵50人の展開(ウクライナ兵の訓練用) [2023年]
  • 毎年実施する60人のウクライナ軍衛生兵への訓練 [2023年から]

特別協力: War_NoirUkraine Weapons Tracker (敬称略)

※ この記事は2023年8月13日に本国版「Oryx」(英語)に投稿された記事を翻訳したもの
 です。


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2022年11月8日火曜日

創意工夫とDIYでの戦い:アルメニアの「N-2」多連装ロケット砲



著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)

 アルメニアでは自国の現代史を通して、比較的少ないコストで新たな戦闘能力を軍隊に提供するべく独自兵器の設計が頻繁に考案されてきました。そのプロジェクトの1つである、塹壕内で使用するために設計されたリモート・ウエポン・システムについては、すでに当ブログで取り上げられています。

 もう1つの比較的あまり知られていないプロジェクトとして、12門の「RPG-7」対戦車擲弾発射器を牽引車やトラックに搭載した短射程のサーモバリック弾発射型多連装ロケット砲(MRL)があります。リモート・ウエポン・システムと同様に、このMRLもナゴルノ・カラバフ周辺のアゼルバイジャン軍との塹壕戦を念頭に置いて設計された可能性があります。

 「N-2」として知られるこのMRLは、おそらく1990年代から2000年代のどこかの時点で「Garni-ler・アームズ・カンパニー」によって設計・製造されました。[1]

 この発射機には12発の「TBG-7V」サーモバリック弾(またはアルメニアのコピー品である「TB-1」)を使用しますが、理論上は通常の「RPG-7」から発射できる弾頭であれば、どれでも使用可能です。12発の弾頭は、一度に単発か数発が遠隔操作で発射されます。ただし、「TB-1/BG-7V」の有効射程距離が短いため(数百メートルから1キロメートルと推定)、このシステムを有効に活用できる状況は比較的少ないと思われます。

 敵の陣地を狙うためには「N-2」を危険なほど近くに配置させる必要があるため、このシステムを防衛目的以外で適切に使用することは困難です。特に思い浮かぶシナリオの1つとしては、味方の陣地を敵の歩兵から防御する際での使用があります。敵兵に「N-2」の12発のサーモバリック弾頭を使えば、相当な効果を発揮するに違いありません。



 時々「N-2」MRLがアルメニア陸軍の装備リストに入ったと推測されることがありますが、これは2011年のアルメニアの独立記念日の軍事パレードに登場したことに由来しているようです。[2]

 (実際の運用を含めて)再び姿を見ることがなかったため、「N-2」がパレードに登場したのは一度限りの宣伝目的での使用にあったと思われます。実際、パレードに登場した4門のシステムは「N-2」の全生産量に相当する可能性すらあります。

 このシステムは安価で軽量なMRLとしてある程度の見込みがあるものの、問題はより正確に使用できる12門の「RPG-7」発射機と同量の弾頭を犠牲にすることが、「N-2」の控えめな接近阻止・領域拒否能力に値するかどうかです。



 「N-2」の性能は、どうやらアルメニア軍に大量生産を開始するには不十分なものと見なされたようです。

 とは言うものの、「N-2」はアルメニアの防衛部門に創造力が欠けているわけではないということを思い出させてくれます。らにある程度の財源が与えられるならば、「N-2」をベースにしたシステムが低レベルでの火力を増強する費用対効果の高い手段をもたらすかもしれません。



[1] Light multiple grenade launcher developed in Armenia http://articles.janes.com/articles/Janes-Missiles-And-Rockets-2010/Light-multiple-grenade-launcher-developed-in-Armenia.html
[2] Independence Day. Armenia. Parade on September 21 https://youtu.be/ggGo-BzNBEw

 ものです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所
 があります。




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2021年5月20日木曜日

ガザ紛争:ハマスが保有する北朝鮮の武器


著:ステイン・ミッツアーとヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)


 国際法上ではパレスチナの一部である東エルサレム近隣のシェイク・ジャラ地区で、イスラエル人入植者を優先してパレスチナ人住民を立ち退かせる決定がなされたことについて、2021年5月6日にエルサレムで抗議活動が勃発しました。

 イスラエル当局はこの抗議活動を厳しく取り締まって多数のパレスチナ人が負傷したことなどから、両陣営は武力衝突の寸前に直面しました。抗議がさらに多くの負傷者を出しながら続く中で、ハマスはイスラエルに対し最後通牒を突きつけ、5月10日までにエルサレムにある宗教的に敏感なアルアクサ・モスクから軍を撤退させることを要求しました。

 イスラエルを最後通牒に応じさせることができなかったため、ハマスは(過去数十年にわたって同様の多くの衝突が起きている)ガザ地区からイスラエルの入植地に向けてロケット弾攻撃を開始しました。

 ロケット弾による攻撃に対応して、イスラエルは同じ日から戦闘機や無人航空機(UAV)から投下される精密誘導弾や地上から発射される砲弾を使用して、ガザ地区内に存在する多数のハマス関連の標的を攻撃しました。

 これらの攻撃によって、数人のハマス高官のみならず多くの民間人を含む200人近くのパレスチナ人が死亡したと考えられています(その中には少なくとも58人の子供も含まれていると報じられています)。そして、イスラエル側では今までに10名の死傷者が報告されており、その大多数がハマスによるロケット弾攻撃によって死亡しました。[1]

 ハマスが使用する武器の選択は – その軍事部門であるエゼディン・アル・カッサム旅団を通じて用いられており – これまでのところは主に独自生産の無誘導ロケット弾の発射という方法が多用されているようです。今回では、それらを迎撃する任務を課されたイスラエルのアイアンドーム防空システムを飽和させて圧倒するために大規模かつ同時多発的な斉射が実施されています。

 暴力行為がさらにエスカレートするにつれ、ハマスは対戦車ミサイル(ATGM)や徘徊兵器を含むいくつかの(ロケット弾以外の)兵器システムも初公開しました。これらは双方ともにその使用が激化するにつれ、世間に広く知られるようになりました。


 特に、ハマスによるATGMの使用は過小評価できない脅威となっています。ATGMはイスラエル国防軍(IDF)で運用されているほとんどの車両の装甲を高い精度で貫通することができ、1発でも命中を成功させた場合は数日分のロケット弾攻撃よりも多くの死傷者をもたらす可能性があります。

 今回の戦闘でハマスは少なくとも2回ATGMを使用してガザの境界線沿いに展開していたIDFの車両を攻撃し、イスラエル兵1名の死亡と3名の負傷をもたらしました。[2]

 そのお返しとして、IDFはミサイルが発射される前にハマスのATGM部隊を抹殺することを決め、これまでに7つのATGM部隊が標的にされたと伝えられています。[3]


 ハマスは無誘導ロケット弾や携帯対戦車擲弾発射器(RPG)、さらには(一部、海外から密輸されたコンポーネントを使用してはいるものの)無人機の国産化にも成功していますが、ATGMの入手については膨大な武器密輸ネットワークとイランからの軍事援助に依存しています。

 近年にハマスが保有しているATGMのストックは、9M14「マリュートカ」、9M111「ファゴット」、9M113「コンクールス」、手強い9M133「コルネット」などのシステムで構成されており、これらはハマスが内戦で疲弊したリビアやイランからなんとか密輸して入手したものですが、少数の北朝鮮の「Bulsae-2(火の鳥)」も含まれてます(注:Bulsaeは日本語で直訳すると「火の鳥」ですが、最近の北朝鮮の武器カタログでは英語でPhoenixと表示されていたケースがあったため、単に「不死鳥」や「フェニックス」と表記することも可能です。ただし、この記事では従来の「火の鳥」を使用します)。

 これらのATGMは、同様に発見されにくい北朝鮮のF-7ロケット推進擲弾と一緒に使用されています(注:F-7も少数がガザ地区にも辿り着いたようです)。


 カッサム旅団は、スーダンからガザ地区までに及ぶ裏ルートのチャンネルや密輸業者の精巧なネットワークを通じて、イランから北朝鮮の武器を入手していたと考えられています。
これはおそらく、ほかの輸送手段と同様の方法で密輸されたものと推測されます:武器がスーダンに運ばれた後、陸路でエジプトに移送され、そこから地下トンネルを通ってガザ地区へ密輸されたのでしょう。

 この説は2009年12月に発覚した事件によってさらに裏付けされています。このケースでは、北朝鮮の武器を積載したイリューシンIL-76貨物機がバンコクに着陸した直後にタイ当局によって武器が発見・押収されました。「石油掘削装置」と表示された貨物には、35トン分のロケット弾、携帯式地対空ミサイルシステム(MANPADS)、爆薬、ロケット推進擲弾などの武器が含まれていたのです。[4]

 また、その数ヶ月前(2009年7月)にもUAEで同様の(武器を積載した)貨物が押収されています。[4]

これらを踏まえると、ほかにもこのような大量の「貨物」が誰にも気づかれずにハマスと(レバノンの)ヒズボラに転送された可能性があると信じられています。
 
 

 どうやら、この密輸構想における北朝鮮の役割は武器の製造に限定されているようですが、北朝鮮は輸出した武器の最終目的地を完全に把握していると推測することができます。

 しかし、このような武器取引について北朝鮮の体制が持つ唯一の関心はそれらがもたらす外貨であり、(制裁強化による)自暴自棄の度合いの高まりがハマスたちをこれまで以上に存在しそうもない顧客にせざるを得ない状況となっているため、(売却した武器を手にする相手が)誰になっても問題にはしないでしょう。

 もちろん、ハマスは平壌と重要な交友関係を持っていないことを踏まえると、このような難解な武器供給者の選択は驚くべきことかもしれません(ただし、後者はこの地域でのイスラエルの行動を一貫して非難していますが)。

 実際、イランは北朝鮮に装備の供給を請け負わせることで、自らのパレスチナへの関与を隠蔽しようとした可能性があります。そうすることで、問題の武器がハマスの部隊で運用されていることが露見しても、イランはもっともらしい否認をし続けることができるからです。

 北朝鮮自身も外国で使用されている自国の武器の起源が明らかになることを望んでいないため、頻繁に同等の外国製装備の名前(英語)を用いながら武器を販売しています。リビアでは、発射機に「PLA-017」、ミサイルに「PLA-197」と書かれた「火の鳥-2」が目撃されていますが、おそらくこれは中国由来の武器であると誤認させるための名称でしょう。

より多くの「火の鳥-2」のミサイルと発射機が(政治的対立の後にハマスから分離独立した)アル・ナセル・サラディーン旅団の保有兵器として登場しました。 

 カッサム旅団で使用されているもう1種類の北朝鮮製の弾薬はF-7ロケット推進擲弾であり、これはRPG-7用のソ連製PG-7を北朝鮮がコピーしたものです(注:F-7はハマスの現地生産型発射機にも適合している可能性があります)。F-7は弾頭の周りに赤いラインが引かれているため、ほかのPG-7のコピー弾と見分けることが容易です。

 この擲弾はシリアやエジプトを含む世界中でその姿が見られています。2017年に、エジプトはスエズ運河の付近を航行している北朝鮮の貨物船が違法な貨物を積載している可能性があるという米国の警告を受け、後にその船から30.000発のF-7弾を押収しました。困ったことに、このケースでは不正な貨物の目的地は押収した国:エジプトであることが判明したのです。[5]


 オリジナルの設計では、9M111有線誘導式ミサイルは半自動指令照準線一致誘導方式(SACLOS)を用いて標的に向かって飛行し、約460mmの均質圧延鋼装甲(RHA)を貫通することができます。また、アップグレードされたミサイルも一般的には同じ発射機から発射することが可能です。

北朝鮮は1980年代後半にソ連から9K111(AT-4)を入手したことが知られています。

 北朝鮮製のシステムはいくつかの重要な点でオリジナルと異なっています。特に注目するべき点として、オリジナルのミサイルが有線誘導式であったためにワイヤーが途中で切断されたり水上を飛行する際にショートしてしまうリスクがあったのに対し、「火の鳥-2」はレーザー誘導方式を採用しています。この誘導方式では、ミサイルの飛行経路を修正は単にオペレーターが照準器のレチクルと標的を重なるように維持すればよいだけなので、高い命中精度をもたらす可能性を秘めています。

 誘導方式以外では、一般的な「火の鳥-2」は射程距離の延長や弾頭の貫通力の向上、異なった運用モードを運用者に提供しませんが、北朝鮮ではさらにアップグレードされたミサイルが存在することが知られています(注:これは2016年に北朝鮮が試験したレーザー誘導式新型対戦車ミサイルを指すと思われます。これと同一のミサイルシステムが「Phoenix-4M」として武器輸出カタログに掲載されています。)また、北朝鮮は独自の形状をした専用の熱電池も製造しているようですが、これはシステムの品質には影響しないと思われます。

1人の兵士が発射機全体を携行して仲間の部隊員がそれぞれ2本の発射管を持ち運ぶことを可能にさせる、このATGMシステムのコンパクトで持ち運びに便利なデザインがハマスに特に重宝されているようです(下の画像を参照)。


 これまで、北朝鮮は(体制の支配力の維持を手助けする)武器の販売を通じた外貨の供給を外交関係に依存してきました。その結果として、エジプト、シリア、イラン、ミャンマーなどの国への弾道ミサイルや核技術の輸出さえも頻繁に報じられており、国際的な監視者から大きな注目を集めています。

 しかし、(制裁などで)顧客層が狭くなるにつれて非国家主体との取引に対する不安も薄れてきており、もし北朝鮮が(おそらくイランを通じて)ハマスとの新たな取引関係を確保できるのであれば、ほぼ間違いなくそうするでしょう。

 ハマスにとって、北朝鮮製のATGMやRPG弾頭がもたらす恩恵はその在庫が続く限り続くでしょう。これらの武器が戦闘に関与する数が比較的少なく、ガザ地区での紛争状態が長期間継続する可能性が低いためです。
   

 武器の密輸ルートは絶えず進化しており、今やイランはいくつかの分野のATGMを生産しており、イエメンやイラクの代理勢力に輸出する準備をしています。これを踏まえると、次にガザ地区に到着するATGMやRPGのパッケージがイラン製のもので構成されている可能性が非常に高いと思われます。これには(9M133「コルネット」のコピーである)デフラヴィエ ATGMだけでなく、代理勢力の部隊用に特別に設計された(簡略化された)RPG-29のイラン製コピーも含まれます。

 イスラエルが運用している最新型の機甲戦力に脅威を与える可能性すらある高性能なイラン製システムの前では、ハマスが保有する北朝鮮製兵器は単なる歴史的な遺物のように見えるかもしれません。

 それにもかかわらず、彼らの存在は違法な武器がどのような方法で地球上を駆け巡っているのかを示す致命的な注意喚起として機能しますが、ときには予想外の場所に出現することもあります(注:そのためにはあらゆる紛争地域に登場する軍事装備を注視していく必要が不可欠です)。





※  この翻訳元の記事は、2021年5月18日に投稿されたものです。当記事は意訳など 
 により、僅かに本来のものと意味や言い回しが異なっている箇所があります。
   正確な表現などについては、元記事をご一読ください。


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