著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)
UAEがティグライ上空に展開させた「翼竜Ⅰ」無人戦闘航空機(UCAV)が数十人の民間人を死亡させたアラマタへの一連の空爆に関与した可能性について、私たちがそれを暴露してからまだ1週間も経っていませんが、現時点でイラン製UCAVが同じ空爆に関与した可能性が新たに判明しました。[1]
新たに撮影された画像は、エチオピア・オロミア州のギダミ近郊で発見されたイラン製「ガーエム-5」精密誘導爆弾(PGM)の残骸を映し出しています。ドローンによる攻撃は民間施設の破壊や民間人の殺害をもたらしたと報告されていますが、これらは独立して検証されたものではありません。[2]
エチオピア空軍(ETAF)は2021年8月に少なくとも2機の「モハジェル-6」UCAVをイランから導入して運用しています。[3]
当時の追い詰められたエチオピア軍にとって不運なことに、この機種には制御システムに問題があったようで、「モハジェル-6」がようやく通常の戦闘任務を開始できるようになったのは2021年10月下旬になってからのことでした。[4]
当初、これらはエチオピア北東部のセマラ空港に配備されていましたが、最近になって現在9機の中国製「翼竜Ⅰ」UCAVが配備されているハラールメダ空軍基地で少なくとも1機の「モハジェル-6」が目撃されました。[5]
「モハジェル-6」は最大で40kgの兵装を搭載することが可能であり、2~4発の「ガーエム-5」PGMもUCAV用の兵装として含まれています。
「モハジェル-6」の滞空性能は12時間で最大飛行高度は約5,500mとされており、このUCAVのメーカーは戦闘行動範囲(最大航続距離か行動半径なのかは不明)が200キロメートルに及ぶと主張しています。[6]
この航続距離ではハラールメダ空軍基地やセメラ空港からギダミに到達できないため、「モハジェル-6」はより近い地域にある飛行場に前進配置されている可能性があります。
イランで展示された「ガーエム-5」(下段)。挿入されている2つの画像はティグライで発見された「ガーエム-5」の残骸。 |
アビー・アハメド政権と紛争中であるオロミア州の一部で、「モハジェル-6」が明らかに活動的になっているようです。2021年8月に、オロモ解放軍(OLA)はティグレ人民解放戦線(TPLF)と同盟を結び、エチオピア政府に対抗する統一戦線を形成しています。
現在も続くエチオピアの紛争については、一般的にエチオピア政府とTPLFの間で起きているものと考えられていますが、実際のところは国内各地に存在するさまざまな勢力が互いに争っているのです。
国内各地での争いは総合的な状況を複雑化し、和平合意が実現する可能性を低くすることに多大な悪影響を与えることは火を見るよりも明らかでしょう。
しかし、空爆の継続はエチオピアにおける和平プロセスの将来にとって良い前兆ではありません。空爆を即座に停止することは、エチオピアの平和に至る長い道のりの第一歩となるかもしれません。
セマラ空港の「モハジェル-6」用地上管制ステーションの前に立つアビー・アハメド首相 |
この記事の作成にあたり、Saba Tsen'at Mah'derom 氏に感謝を申し上げます。
[1] UAE Implicated In Lethal Drone Strikes In Tigray https://www.oryxspioenkop.com/2022/01/uae-implicated-in-lethal-drone-strikes.html
[2] https://twitter.com/Habtamu30820631/status/1479083838215274502
[3] Iranian Mohajer-6 Drones Spotted In Ethiopia https://www.oryxspioenkop.com/2021/08/iranian-mohajer-6-drones-spotted-in.html
[4] Unfit For Service: Ethiopia’s Troublesome Iranian Mohajer-6 UCAVs https://www.oryxspioenkop.com/2021/11/unfit-for-service-ethiopias-troublesome.html
[5] Iranian Mohajer-6 UCAVs Deploy To Harar Meda Air Base In Ethiopia #Shorts https://www.oryxspioenkop.com/2022/01/iranian-mohajer-6-ucavs-deploy-to-harar.html
[6] https://twitter.com/brokly990/status/1256994704568258562
※ この翻訳元の記事は、2022年1月7日に本家Oryxブログ(英語版)に投稿された記事
を翻訳したものです。意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇
所があります。
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