2022年4月11日月曜日

【独占】ウクライナで別の「バイラクタル」の投入が確認された


著:ヨースト・オリーマンズ と ステイン・ミッツアー (編訳:Tarao Goo)

 現代において最も激しく、そして急速に展開しつつある戦争の1つで、無人機はますます重要な役割を果たすようになり、最終的な戦局を左右する重要な要因の1つとなる可能性があります。

 したがって、戦前のウクライナが保有していた18機に加え、開戦後に少なくとも16機の「バイラクタルTB2」無人戦闘航空機(UCAV)が追加で納入されたことは、ウクライナの窮状に対する支援として最も重要な事例の1つと言えるでしょう。[1] 

 最近、私たちはトルコによるドローンの貢献がTB2だけにとどまらないという証拠が出たことを把握しました。「バイカル・テクノロジー」社の「バイラクタル・ミニ」UAVがウクライナで撮影した映像が公開されたことで、この機種が同国へ納入されたことが初めて確認されたのです。[2]

 「バイラクタル・ミニ」は、見た目は大型のUCAVと比較するとかなり華やかさに欠けてはいますが、捜索や偵察任務に最適化された手投げ式の小型機であり、 まさにこのタイプの無人機が 一般的な歩兵部隊の戦闘効率を高める点において極めて重要であることが実証されています。

 さらに、このUAVは誕生から絶えず改良が続けられており、最新のD型は30kmの通信距離、約120分以上の滞空時間、約1200mの最大高度を備えるまでに能力が向上しました。[3]

 この能力向上は、「バイラクタルTB2」の成功にも貢献し、「バイカル・テクノロジー」社をおそらく全世界で最も成功した唯一のUAV輸出企業であることを決定づけた、同社による継続的な改良という方針にこのUAVにも適用されていることがわかります。

 「バイラクタル・ミニ」のようなUAVが持つ最大のメリットは、 戦場で普通の兵士が簡単に持ち運ぶことが可能で、発進や回収のために滑走路(などの専用の設備)を必要としないことです。

 そして、このような無人機は、対戦車ミサイル(ATGM)や(迫撃砲を含む)その他の軽装備、またはより典型的な砲兵部隊が攻撃すべき目標を発見するために活用することができるのは言うまでもありません。

 こうした運用で、(より初歩的な民生品のクアッドコプター型を含む)小型UAVはすでにキーウ周辺のロシア軍に驚くほどの損害を与えることに寄与しています。正確に発見さえしてしまえば、彼らは実質的にウクライナ軍の砲兵戦力の格好の餌食となってしまったのです。

 最近にSNS上に投稿されたウクライナからの映像では、1人のロシア兵が自分の部隊に戻るまで追跡され、その後に彼の部隊がウクライナの砲兵部隊から攻撃される様子が映し出されていましたが、その画面から「バイラクタル・ミニ」の特徴的なインターフェイスが明確に識別することができました。(注:兵士を追跡したUAVは映像の特徴から、別の機体である可能性があります)。[4] 

 結果として、この砲撃を受けたロシア軍の「BMP-2」の損傷状況を評定することはできませんが、どうやら放棄されたようです。

 この戦闘は、「バイラクタル・ミニ」の想定していた使用例と、高画質なジンバル装置付きカメラの有用性を見事に実証しました。

 簡易パラシュートと胴体着陸・回収システムは現地の地上部隊による簡易かつ迅速な運用も可能にさせるため、このUAVが持つ強固な耐妨害性と優れた耐久性は、ウクライナの広大な野原や森林でも重宝されるでしょう。[5] 

左:「バイラクタル・ミニ」がロシア軍の陣地が砲撃を受ける様子を撮影した画面
右:トルコで「バイラクタル・ミニ」がFLIRカメラを使用した際の画面(比較用)

 これまで「バイラクタル・ミニ」の運用が確認されている国はカタールとリビアだけでした。前者は早くも2011年にこのUAVに導入する価値があることを見出し、「バイカル・テクノロジー」社初の輸出先となったのです。[6] 

 この機体はまだカタールで公開されていませんが、2011年にイスタンブールで開催された国際防衛産業フェア(IDEF)で締結された契約に基づいて、10機が納入されことが知られています。[7]

 今までのところ、トルコは戦争中のウクライナに無人偵察機を提供する最初の供給国であり、それによって自身が(重装備を引き渡すことをコミットしている数少ない国の1つという面でも)ウクライナの最も重要なパートナーと主張してきましたが、「バイラクタル・ミニ」のようなUAV飛行隊には、近いうちにその他の多くの外国製小型無人機が仲間入りすることになるでしょう。

 特筆すべきは、アメリカが軍事支援の一環として、ウクライナに(「バイラクタル・ミニと似たようなデザインである)「RQ-20 "ピューマ"」無人偵察機と多数の「スイッチブレード300」徘徊兵器を供与すること約束したのです。「スイッチブレード300」は、ウクライナ軍に非常に有能で斬新な能力をもたらすことが期待されており、1000発が送られたと報じられています。[8]

 こういった兵器の供与は、ウクライナ軍が数で圧倒的に勝る敵に対して優位に立たせるための極めて重要なファクターとなる可能性があります。

 小火器や装甲戦闘車両(AFV)といった通常兵器のほかに、「バイラクタル・ミニ」のような無人兵器は、同じ地域に配備されているほかの全ての兵器類の効用を高める乗数的戦力増強要素(フォースマルチプライヤー)として機能します。

 必要とされる所に質の高い十分な乗数的戦力増強要素があれば、両陣営の損失比率はすでに驚くほどアンバランスになっている状態がさらに歪められることになり、最終的にロシアの軍事作戦の立案者たちは攻勢を続けることの利点を再考せざるを得なくなるかもしれません。

 この目標を達成するための手段を提供する任務が実行されるかについては海外のウクライナの友好国次第であり、それによって、現代で最も重要な戦争におけるヨーロッパの運命が決するでしょう。


[1] Ukraine's defence imports from Turkey jumped 30-fold in Q1 - Turkish data https://www.reuters.com/world/ukraines-defence-imports-turkey-jumped-30-fold-q1-turkish-data-2022-04-06/
[2] https://twitter.com/NotWoofers/status/1512131462627270676/photo/1
[3] https://twitter.com/BaykarTech/status/1373569420526813186
[4] https://twitter.com/NotWoofers/status/1512131462627270676/photo/1
[5] GELİŞMİŞ ÖZELLİKLERİYLE BAYRAKTAR MİNİ İHA D https://youtu.be/uFyQrg2E800?t=117
[6] Turkey sells mini drones to Qatar https://www.hurriyetdailynews.com/turkey-sells-mini-drones-to-qatar-15862
[7] Procurement: Turkey Exports UAVs https://www.strategypage.com/htmw/htproc/articles/20120319.aspx
[8] U.S. sending Switchblade drones to Ukraine in $800 million package https://www.politico.com/news/2022/03/16/us-sends-switchblade-drones-to-ukraine-00017836

 ものです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所
 があります。


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