「ハロップ」の隣で撮影に応じるアゼルバイジャンのアリエフ大統領 |
イスラエルはアゼルバイジャンにとって武器・装備類の最大のサプライヤーであり、その規模は2016年から2020年までの期間におけるアゼルバイジャンの主要な武器輸入量の実に69%を占めています。[1] [2]
この数字は2020年のナゴルノ・カラバフ戦争が終結後、さらに増加したと思われます。なぜならば、アゼルバイジャンがこの戦争でかなりの部分を消費してしまった備蓄分の弾薬を戦中と戦後に補充する必要があったからです。[3]
トルコは頻繁にアゼルバイジャンに対する主要な軍需品の輸出国と思われていますが、2011年から2020年までのアゼルバイジャンの主要武器輸入量でトルコが占める割合は僅か2.9%でした。[4]
アゼルバイジャンのアルメニアに対する目を見張るような勝利を確実にする上で決定的な役割を果たしたにもかかわらず、イスラエルによるアゼルバイジャンへの武器売却については、アメリカ議会上院にいる忠実なアルメニア支持者たちによって都合よく無視されてきたようです。
これとは正反対に、アメリカ上院議員(ロバート・メネンデス氏)と下院議員(デイビッド・シシリーヌ氏、ガス・ビリラキス氏)は、トルコのアゼルバイジャンに対する軍事支援を積極的に批判しています。
彼らの努力によって、トルコによる武装ドローンの輸出が武器輸出管理法(AECA)に違反しているかどうかを明らかにし、「危険で、不安定化要因であり、平和と人権にとっての脅威」であるかどうかも評価するために、同国はアメリカ政府による調査の対象となるでしょう。[5] [6] [7]
なぜこれらの議員たちがナゴルノ・カラバフ掌握のためにアゼルバイジャン軍を支援したイスラエルの役割に対する調査の要求をしなかったのかという疑問については、おそらく、ビリラキス氏がアメリカ議会内のギリシャ・イスラエル同盟を創設した共同議長であり、シシリーニ氏のウェブサイトに掲載されている米・イスラエル関係に関するページが同国に対する氏の温かい感情を明確に表現しているという事実がその答えとなるでしょう。[8]
この数字は2020年のナゴルノ・カラバフ戦争が終結後、さらに増加したと思われます。なぜならば、アゼルバイジャンがこの戦争でかなりの部分を消費してしまった備蓄分の弾薬を戦中と戦後に補充する必要があったからです。[3]
トルコは頻繁にアゼルバイジャンに対する主要な軍需品の輸出国と思われていますが、2011年から2020年までのアゼルバイジャンの主要武器輸入量でトルコが占める割合は僅か2.9%でした。[4]
アゼルバイジャンのアルメニアに対する目を見張るような勝利を確実にする上で決定的な役割を果たしたにもかかわらず、イスラエルによるアゼルバイジャンへの武器売却については、アメリカ議会上院にいる忠実なアルメニア支持者たちによって都合よく無視されてきたようです。
これとは正反対に、アメリカ上院議員(ロバート・メネンデス氏)と下院議員(デイビッド・シシリーヌ氏、ガス・ビリラキス氏)は、トルコのアゼルバイジャンに対する軍事支援を積極的に批判しています。
彼らの努力によって、トルコによる武装ドローンの輸出が武器輸出管理法(AECA)に違反しているかどうかを明らかにし、「危険で、不安定化要因であり、平和と人権にとっての脅威」であるかどうかも評価するために、同国はアメリカ政府による調査の対象となるでしょう。[5] [6] [7]
なぜこれらの議員たちがナゴルノ・カラバフ掌握のためにアゼルバイジャン軍を支援したイスラエルの役割に対する調査の要求をしなかったのかという疑問については、おそらく、ビリラキス氏がアメリカ議会内のギリシャ・イスラエル同盟を創設した共同議長であり、シシリーニ氏のウェブサイトに掲載されている米・イスラエル関係に関するページが同国に対する氏の温かい感情を明確に表現しているという事実がその答えとなるでしょう。[8]
そして、ロバート・メネンデス氏は「おそらく上院で最も熱心なイスラエル支持者である民主党議員」と呼ばれています。[9]
(紛争の介入といった)暴力行為や武器輸出を独占している国は存在しないため、この問題からは政治的・(イスラエルへの)優遇措置的な匂いが感じられます。
イスラエルによるアゼルバイジャンへの武器輸出には、徘徊兵器から長射程の「スパイク」対戦車ミサイル(ATGM)、ミサイルを搭載した哨戒艇(OPV)、さらには「LORA」弾道ミサイルまでのあらゆる武器が含まれています。[10]
また、イスラエルはEU諸国から注文された兵器の荷受人として動くことで、OSCEからアゼルバイジャンに課せられた武器禁輸措置を回避するために同国を何度か手助けもしました。イスラエルが受け取った兵器は、後に外交特権の下で活動する「シルクウェイ・ウエスト航空(注:アゼルバイジャンの航空会社)」の「IL-76」や「ボーイング747」貨物機に積載されてアゼルバイジャンに空輸されたのです。[11]
アゼルバイジャン軍において、UAVほどイスラエル製兵器の存在が明白になっている種類の兵器は無いでしょう。同国で運用されている20種類のUAVのうち、18種類(90%)がイスラエルのものであり、トルコ製は僅か2種類(10%)です。
また、イスラエル製UAVの6種類は、弾頭を備えて標的に突入する徘徊兵器です。
(紛争の介入といった)暴力行為や武器輸出を独占している国は存在しないため、この問題からは政治的・(イスラエルへの)優遇措置的な匂いが感じられます。
イスラエルによるアゼルバイジャンへの武器輸出には、徘徊兵器から長射程の「スパイク」対戦車ミサイル(ATGM)、ミサイルを搭載した哨戒艇(OPV)、さらには「LORA」弾道ミサイルまでのあらゆる武器が含まれています。[10]
また、イスラエルはEU諸国から注文された兵器の荷受人として動くことで、OSCEからアゼルバイジャンに課せられた武器禁輸措置を回避するために同国を何度か手助けもしました。イスラエルが受け取った兵器は、後に外交特権の下で活動する「シルクウェイ・ウエスト航空(注:アゼルバイジャンの航空会社)」の「IL-76」や「ボーイング747」貨物機に積載されてアゼルバイジャンに空輸されたのです。[11]
アゼルバイジャン軍において、UAVほどイスラエル製兵器の存在が明白になっている種類の兵器は無いでしょう。同国で運用されている20種類のUAVのうち、18種類(90%)がイスラエルのものであり、トルコ製は僅か2種類(10%)です。
また、イスラエル製UAVの6種類は、弾頭を備えて標的に突入する徘徊兵器です。
アゼルバイジャン国内(「アザド・システムズ」と呼ばれる合弁会社)で生産されているイスラエルのドローン5機種を別にしても、トルコの機種はアゼルバイジャンが保有するドローンの15%にしか過ぎません。
装甲戦闘車両(AFV)
(対戦車) ミサイル
無人偵察機
徘徊兵器
自走砲
(無誘導型) 多連装ロケット砲
(誘導型) 多連装ロケット砲
弾道ミサイル
地対空ミサイルシステム(SAM)
レーダー
[1] Did Azerbaijan’s use of Israeli weapons make the war worse or better? https://www.jpost.com/international/did-azerbaijans-use-of-israeli-weapons-make-the-war-worse-or-better-662442
[2] Arms transfers to conflict zones: The case of Nagorno-Karabakh https://www.sipri.org/commentary/topical-backgrounder/2021/arms-transfers-conflict-zones-case-nagorno-karabakh
[3] Israel sending weapons to Azerbaijan as fight with Armenia rages on: Sources https://english.alarabiya.net/News/world/2020/10/01/Israel-sending-weapons-to-Azerbaijan-as-fight-with-Armenia-rages-on-Sources
[4] Arms transfers to conflict zones: The case of Nagorno-Karabakh https://www.sipri.org/commentary/topical-backgrounder/2021/arms-transfers-conflict-zones-case-nagorno-karabakh
[5] An Analyst’s Perspective: Cicilline and Bilirakis’ Turkish Drone Letter Rebuked https://www.oryxspioenkop.com/2021/08/an-analysts-perspective-cicilline-and.html
[6] US Senators file amendments to hold Azerbaijan and Turkey accountable https://en.armradio.am/2021/11/04/us-senators-file-amendments-to-hold-azerbaijan-and-turkey-accountable/
[7] Top US senator introduces amendment to track US drone parts to Turkey https://www.middleeasteye.net/news/top-us-senator-introduces-legislation-track-us-drone-parts-turkey
[8] Foreign Affairs https://bilirakis.house.gov/issues/foreign-affairs
[9] Pro-Israel Senator Menendez Issues Rare Rebuke Over Gaza Media Offices Strike https://www.haaretz.com/us-news/.premium-pro-israel-senator-menendez-issues-rare-rebuke-over-gaza-media-offices-strike-1.9811952
[10] Azerbaijan’s Emerging Arsenal Of Deterrent https://www.oryxspioenkop.com/2021/10/azerbaijans-emerging-arsenal-of.html
[11] Czech Weapons in Azerbaijan: How a Chassis Turned into a Howitzer https://www.investigace.eu/czech-weapons-in-azerbaijan-how-a-chassis-turned-into-a-howitzer/
おすすめの記事
アゼルバイジャン陸軍で運用されている「LOLA」弾道ミサイル |
- この一覧を作成した目的は、現時点でアゼルバイジャン軍が運用しているイスラエルの武器類をリスト化することにあります。
- 各武器類の名前をクリックすると、アゼルバイジャンで運用されている当該武器の画像を見ることができます。
小火器
(対戦車) ミサイル
- 「スパイク-LR」 [射程: 4km] 2種類の発射母体: (2)
- 「スパイク-ER」 [射程: 8km] 3種類の発射母体: (2) (3) (「シャルダグMk V」級高速哨戒艇にも搭載)
- 「LAHAT」 [射程: 13km] (「Mi-17」ヘリコプター用)
- 「スパイク-NLOS」 [射程: 25km] 2種類の発射母体: (2) (「Mi-17」ヘリコプターや「サール62」級哨戒艇用)
無人偵察機
- エルビット「スカイラーク」
- エルビット「ヘルメス200」 (退役したと思われる)
- エルビット「ヘルメス450」
- エルビット「ヘルメス900」
- IAI「ヘロンTP」
- ブルーバード・エアロ「サンダーB」
- エアロノーティクス「エアロスター」
- エアロノーティクス「オービター2」
- エアロノーティクス「オービター3」
- エアロノーティクス「オービター4」
- 「シャヒン」 (アゼルバイジャン国内で製造された「エアロスター」)
- 「Garangush(読み方不明)」 (アゼルバイジャン国内で製造された「オービター2」)
- アゼルバイジャン国内で製造された「オービター3」 (制式名称不明)
徘徊兵器
- エアロノーティクス「オービター1K」
- 「ザルバ-K」 (アゼルバイジャン国内で製造された「オービター1K」)
- 「イディ・クォヴァン」 (同上)
- エルビット「スカイストライカー(初期型)」
- エルビット「スカイストライカー(現行型)」
- IAI「ハロップ」
自走砲
- 「カルドム」120mm 自走迫撃砲 [射程: 8km]
- 「スピアー Mk2」120mm 自走迫撃砲 [射程: 10km]
- 「ATMOS 2000」155mm 自走迫撃砲 [射程: 24.5km (ロケットアシスト弾を使用した場合は41km] (複数で記録されているものの、実物は未確認)
(無誘導型) 多連装ロケット砲
- 「グラート "リンクス"」122mm MRL [射程: 40km]
- 「LAR-160 "リンクス"」160mm MRL [射程: 45km]
(誘導型) 多連装ロケット砲
- 「エクストラ」306mm MRL [射程: 150km] [CEP: 10m]
弾道ミサイル
- LORA [射程: 430km] [CEP: 10m]
地対空ミサイルシステム(SAM)
- 「バラク 8」 [射程:「バラク LRAD」ミサイル を用いた場合は75kmで 「バラク ER」ミサイル の場合は150km]
レーダー
- 「サール62」級哨戒艇 (「スパイク-ER」ATGM、イスラエルRWS、レーダー、FLIR装置を搭載)
- 「シャルダグMk V」級高速哨戒艇 (「スパイク-NLOS」ATGM、イスラエルRWS、レーダー、FLIR装置を搭載)
[1] Did Azerbaijan’s use of Israeli weapons make the war worse or better? https://www.jpost.com/international/did-azerbaijans-use-of-israeli-weapons-make-the-war-worse-or-better-662442
[2] Arms transfers to conflict zones: The case of Nagorno-Karabakh https://www.sipri.org/commentary/topical-backgrounder/2021/arms-transfers-conflict-zones-case-nagorno-karabakh
[3] Israel sending weapons to Azerbaijan as fight with Armenia rages on: Sources https://english.alarabiya.net/News/world/2020/10/01/Israel-sending-weapons-to-Azerbaijan-as-fight-with-Armenia-rages-on-Sources
[4] Arms transfers to conflict zones: The case of Nagorno-Karabakh https://www.sipri.org/commentary/topical-backgrounder/2021/arms-transfers-conflict-zones-case-nagorno-karabakh
[5] An Analyst’s Perspective: Cicilline and Bilirakis’ Turkish Drone Letter Rebuked https://www.oryxspioenkop.com/2021/08/an-analysts-perspective-cicilline-and.html
[6] US Senators file amendments to hold Azerbaijan and Turkey accountable https://en.armradio.am/2021/11/04/us-senators-file-amendments-to-hold-azerbaijan-and-turkey-accountable/
[7] Top US senator introduces amendment to track US drone parts to Turkey https://www.middleeasteye.net/news/top-us-senator-introduces-legislation-track-us-drone-parts-turkey
[8] Foreign Affairs https://bilirakis.house.gov/issues/foreign-affairs
[9] Pro-Israel Senator Menendez Issues Rare Rebuke Over Gaza Media Offices Strike https://www.haaretz.com/us-news/.premium-pro-israel-senator-menendez-issues-rare-rebuke-over-gaza-media-offices-strike-1.9811952
[10] Azerbaijan’s Emerging Arsenal Of Deterrent https://www.oryxspioenkop.com/2021/10/azerbaijans-emerging-arsenal-of.html
[11] Czech Weapons in Azerbaijan: How a Chassis Turned into a Howitzer https://www.investigace.eu/czech-weapons-in-azerbaijan-how-a-chassis-turned-into-a-howitzer/
※ この翻訳元の記事は、2022年1月9日に「Oryx」本国版(英語)に投稿された記事を
翻訳したものです。意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所
があります。
おすすめの記事
0 件のコメント:
コメントを投稿