2025年3月23日日曜日

勢力圏の拡大:イラン製無人機の輸出先(一覧)


著:シュタイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo

 
 イラン製UAVを運用する国の数が増加しつつあるため、この国が開発した無人機の成功は自身の勢力圏を拡大させる契機となっているようです。

 国外の運用者には、レバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ派、イラクの人民動員隊(PMF)といった無数の非国家主体だけでなく、(導入当初の苦労を経て2021年後半に「モハジェル-6」UCAVの運用を開始した)エチオピア、ロシア、タジキスタン、スーダンといった国も含まれています。
 
 特にイランの無人機産業とU(C)AVの海外輸出を標的とした外国による制裁が課されているにもかかわらず、この国が持つU(C)AVの開発能力が急速に進化しているため、イラン製無人機を運用する国家が今後も増加すると思われると同時に、フーシ派のような非国家主体も同様に新しいイランの無人機を入手し続けていくでしょう。

  1. 以下に列挙した一覧の目的は、イランの無人機を引き渡された国家及び非国家主体を網羅することにあります。
  2. 一覧には、イラン以外の国家または非国家主体で運用されていることが確認されたU(C)AVのみが含まれています。また、シリアなどでイラン人によって運用されているものは含まれていません。
  3. 各U(C)AVの名称に続く角括弧に記載された年は、当該機体が最初に目撃された年です(通常は引き渡された年を指します)。
  4. この一覧については、イラン製無人機の新たな運用者が確認された場合に更新される予定です(2023年10月時点で暫定的に終了)。
  5. イランの U(C)AVの全貌については、こちらをご一読ください
  6. 各機体をクリックすると、輸出先で運用されている当該機体を見ることができます。
  7. 用語について...UAV=無人偵察機、UCAV=無人戦闘航空機、徘徊兵器(自爆突入型無人機の総称)

アフリカ

エチオピア

リビア国民軍(リビア)

スーダン


中央アジア

中東

ハマス (パレスチナ)

フーシ派 /アンサール・アッラー(イエメン)

2025年3月14日金曜日

トルコから愛をこめて:トルコが各国に供与した兵器類(一覧)


著:シュタイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo

 この記事は、2021年12月18日に「Oryx」本国版 (英語)に投稿された記事を翻訳したものです。意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所があります。この一覧は2023年10月以降で更新を終了しています。

 1970年代と1980年代には軍用装備を部分的に外国からの供与に依存していたトルコは、2010年代と2020年代には供与する側へと変化しており、世界中の友邦に軍用装備を贈っています。

 トルコは早くも1990年代後半から近隣諸国に対する軍用装備の供与を始めていましたが、この政策はトルコが世界的な影響力を増強し始めた2010年代から本格的なものとなりました。この供与には軍用装備だけでなく、救急車やバス、その他の物資なども含まれており、世界中の国々に届けられています。多くの場合、これらの供与は(本音はともかく建前上は)友邦を支援したいという望みと気前の良さから始められたものであり、そのほかはシリアやリビアへのトルコ軍(TSK)の展開に関連したものです。

 トルコが国軍の再建に主導的な役割を果たした後に、引き続いて援助を受けている国の1つがソマリアであり、これまでに数千人のソマリア兵がトルコとソマリアの首都モガディシュにある「キャンプ・TURKSOM」で訓練を受けました。トルコ軍の研究機関で外国の兵士や将校を訓練することも、無償の軍事援助を提供する1つの方法です。

 ほかの国々の場合では、トルコから資金援助を得て、それでトルコのメーカーから軍用装備を調達することがあります。例えば、2019年には、モンテネグロ軍はトルコ製オフロード車の調達のために1600万ユーロ(約21億円)の予算が配分されました。[1]

 また、トルコはソマリア、リビア、アルバニア、モンテネグロに何百もの「MPT-76」7.62mmアサルトライフルや「MPT-55」5.56mmアサルトライフルも供与しています。

 武器以外の装備品については、ガンビアに(全軍に装備させるには十分な量である)制服5,000着、ポーチとベルト1,359個、水筒5,000本、5人用テント50張、20人用テント50張が供与されたことがあります。[2]

 トルコが対外的な影響力をさらに拡大し、多くのアフリカ諸国との関係を強化していることから、そう遠くないうちに、より多くの供与された装備が世界中の多くの国にたどり着くことも考えられなくはないでしょう。これらの供与される軍用装備は、新しく生産されるものか、トルコ軍で退役したばかりの装備で構成されるかもしれません。

 トルコ軍は、近い将来に退役が予定されていたり、あるいはすでに予備装備となっている相当な規模の軍用装備を運用しているため、数に困ることはないでしょう。当然ながら、これらの装備の一部は、(必要に応じて)おそらくオーバーホールを受けた後に友好国へ贈られる可能性があることにも注目する必要があることに留意する必要があります。

パキスタンに供与された「T-37C」復座ジェット練習機の1機(トルコから退役した直後の2015年に34機が供与)

  1. トルコが他国に供与したことが判明している重火器、軍用車両、その他の重装備に関する詳細なリストは、当記事の下半分で見ることができます。
  2. トルコ軍によってリビアに配備された一部の重火器の所有者(国)が現時点で不明なため、所有者を証明する証拠が出てくるまではこのリストからは除外されています。
  3. 小火器やテントといった多岐にわたる装備や、バス、バイクのような非軍事的なものについては、このリストに掲載されていません。
  4. 供与した装備の数や引き渡した時期が判明した時点で、その情報が追加されます。このリストは新たな供与があった場合には更新される予定です。
  5. 各装備名をクリックすると、新しい所有者に引き渡された後の当該装備の画像を見ることができます。
  6. 装備名の数字は確認された供与数、国旗は当該装備の生産国、後ろの年数は供与されたか確認された年を示しています。
  7. この一覧は2023年10月以降で更新を終了しています。

アフリカ


ソマリア

ガンビア

リビア(統一政府:GNA)


ヨーロッパ

コソボ

アルバニア

モンテネグロ

北マケドニア

北キプロス・トルコ共和国

リトアニア
  • 1 「バイラクタルTB2」 UCAV [2022] (ウクライナ向けにクラウドファインディングされたもので、後で「バイカル・テクノロジー」によって寄贈)

ウクライナ
  • 15+ 「バイラクタルTB2」 UCAV [2022年3月以降に引渡し] (「バイカル・テクノロジー」から寄贈)
  • 5 「バイラクタルTB2」 UCAV [2022年7月以降に引渡し] (ウクライナとポーランド市民によってクラウドファインディングされたもので、後で「バイカル・テクノロジー」によって寄贈したことで集められた3,200万ドル:41.5億円をウクライナ支援に転用することを可能にした)
  • 24 「バイラクタル・ミニ」UAV [2022] (「バイカル・テクノロジー」から寄贈)
  • 航空機用電子戦装置 (「バイラクタルTB2」用) [2022年夏に引き渡し] (「バイカル・テクノロジー」から寄贈)
  • 地上管制ステーション
  • ''いくつかの'' 地上管制ステーション(「バイラクタルTB2」用) [2022年中に引渡し] (「バイカル・テクノロジー」から寄贈)

コーカサス


アゼルバイジャン

ジョージア


中央アジア

カザフスタン
  • 2 「AB-25」哨戒艇 [1999 と 2001] (実物は未確認)

キルギス


南アジア

パキスタン

アフガニスタン(共和国時代)


中東

自由シリア軍

 画像の2つはRehan Waheed氏によって撮影されました。この記事の作成にあたり、 SomaliaWeaponsに感謝を申し上げます。

[1] Media: Ankara to Become Main Donor of Montenegro’s Army, Continues to Strengthen Presence in the Balkans https://betabriefing.com/archive/news/8609-media-ankara-to-become-main-donor-of-montenegros-army-continues-to-strengthen-presence-in-the-balkans
[2] Turkey donates military hardware to Gambia https://www.aa.com.tr/en/africa/turkey-donates-military-hardware-to-gambia/1263577

2025年に改訂・分冊版が発売予定です(英語版)

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