2017年1月17日火曜日

フォトレポート:シリア・アラブ陸軍(1)


著:シュタイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo) 
 
 当記事は、2016年11月6日に本国版「Oryxブログ」(英語)に投稿されたものを翻訳した記事です。 意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しが異なっている箇所があります。
 
 今回紹介する画像については、シリア全軍が参加した2012年の大規模演習を含む、過去数年間に実施されたシリア陸軍の演習を撮影したものです。2012年の演習は治安情勢の悪化がますます深刻化している最中に実施されました。この時期は国際社会からリビアに対するような介入の呼びかけにまで至っていたわけですが、シリアはこれに反応して軍に数日間の演習を実施させ、「外の世界」に自国軍の強さを見せつけて牽制したのでした。

 下の画像は、ダマスカス郊外県での演習中に撮影された(シリアでは「T-82」としても知られている)「T-72AV」です。

 シリアでは「T-82」群が対戦車ロケット(RPG)や対戦車ミサイル(ATGM)の大規模な拡散により大きく苦戦しているものの、いまだに相当の量が運用され続けています。下の画像に見られるような、爆発反応装甲(ERA)ブロックの全てを装着した完全無傷の「T-72AV」は今ではますます珍しい光景となりました。




 下の画像は、「T-72AV」と共に運用されている「T-72 "ウラル"」が走っている様子です。同戦車は内戦の開始前にシリアが入手した最初かつ最も量が少ない「T-72」であり、画像の個体には主砲の上に訓練用のレーザー交戦装置が装備されています。

 「T-72 "ウラル"」は「TPD-2-49」ステレオ式測遠機が砲塔から突き出ているほか、サイドスカートも後の派生型がゴム製のサイドスカートであるのに対してヒレ型の装甲パネルを装備しているため、容易に識別可能です。
 


 下の画像は、2012年の演習にて標的を狙う「M-46」130mm野砲の砲列です。

 異なる形式の牽引砲が外国から届けられたり、内戦の間に保管状態から引き出されたとはいえ、「M-46」130mm野砲と「D-30」122mm榴弾砲はシリア軍の主要な牽引砲のままです。

 一部の「M-46」はその機動性と有効性の向上を目的としたプログラムの下で、メルセデス・ベンツのトラックに搭載されています。そして、中国の「BEE4」130mmロケット補助推進弾(RAP)がこのプラットフォームで使用するために特別に調達され、この野砲の運用能力を大幅に向上させたのです。

 このトラック搭載型については、多数の砲の改修が計画されていたにもかかわらず、内戦の開始が本格的な生産の開始を妨げてしまいました。それに従って、この車載型は比較的珍しい派生型のままにとどまっています。
 



下の画像は、2010年の演習における3台の「T-55(A)MV」と1台の「BMP-1」の車列です。

 シリア軍の膨大な戦車及びBMP群はかつてはイスラエルが占領していたゴラン高原上において共同で運用される予定ではあったものの、今ではその多くがシリアを平定すべく戦うさまざまな部隊や民兵に付随した運用をされています。

 第4機甲師団及び共和国防衛隊の部隊だけが組織化されたやり方と、(時には)歩兵の支援を受けながらAFVを運用し続けているのが現状です。
 


 シリア軍の「T-55(A)MV」群は伝統的にゴラン高原沿いに集中して配置されていており、現在使用されているイスラエルの戦車と比べて旧式ではありますが、戦闘効率は「T-72 "ウラル"」及び「T-72M1」を上回ると言っても過言ではありません。

 「T-55(A)MV」は「コンタークト-1」爆発反応装甲(ERA)、「KTD-2」レーザーレンジファインダー、発煙弾発射機、アップグレードされたエンジン、そして「9M117M "バスチオン"」対戦車ミサイルを発射する能力を備えています。

 (種類によっては)砲発車式対戦車ミサイルは「T-55」自体の価格より高いため、内戦での使用例はシリアのクネイトラ県での作戦中でしか見られていません。



 下の画像では、間違いなく現在の戦場で最も恐れられている対戦車兵器である「RPG-29」で兵士が照準を合わせています。

 このRPGの「PG-29V」105mmタンデム弾頭はこれまでにシリア陸軍の戦車群、特に「T-72」に対して莫大な損失をもたらしています。

 「T-55(A)MV」及び「T-72AV」の両方は、戦車自身の生存性を向上することを目的としたERAを装備していますが、このタンデム弾頭はそのような装甲に対抗するように特別に設計されているため、ERAの防御力を何ら支障なく突破してしまうのです。


 現用の「AK(M)」と他の(外国の)派生型を大量の「AK-74M」の調達で更新する計画でしたが、内戦がこの大規模な再装備プログラムを中止に至らせました。

 伝えられるところによれば、「AK-74M」はトライアルでイランの「KH-2002」を含むいくつかの他の競争相手と競合して勝利を収めたとのことです。後者はトライアルで用いられた10挺のうちの8挺が故障したという話があります。

 更新計画が頓挫した後、内戦が推移する間にシリアは(他の現代的なロシア製兵器とともに)一定数の「AK-74M」の供給を受けたようです。

 それでもなお、「AK(M)-47」や「PKM」といった武器はアサドの軍隊の中では最も一般的な小火器であり続けています。



下の画像では、「BMP-1」歩兵戦闘車が作戦区域内を隊列を組んで進んでいます。

 内戦中に大きな損失を被っている「BMP-1」は、シリアの至る所に広がる各派閥で運用されている姿を見ることができます。この車両は多くのDIY改造のベースとして活用されており、最近になって第4機甲師団で「BMP-1」をベースにした多連装ロケット発射機が運用されている姿が目撃されました。



 今日の戦場で「T-34/85」の実戦への再投入が期待されていましたが、この伝説的な戦車のシリアにおける最近の目撃はわずか5件に限られたままとなっています。そのうち2件は「T-34/85」を「D-30」122mm榴弾砲で武装した「T-34」122mm自走榴弾砲に改修されたものですが、いずれも内戦のはるか以前に退役したものでした。

 他の2両の「T-34/85」は、シリアのクネイトラ県にて(オリジナルの姿で)イスラエルに直面するトーチカとして配置・使用されている状態が見られました。様子からすると、これらの戦車はつい最近まで運用可能だったと思われます。

 下の画像は、内戦の勃発直前に演習中に見られた「T-34/85の様子です。「T-34/85」または「T-34/76」について言えば、全世界にわたりその優れた作戦能力で使用され続けてはいますが、今日までに現存しているのはイエメンと北朝鮮に留まっています。



 下の画像は、2012年の演習における「M-160」160mm迫撃砲です。

 こうした迫撃砲は内戦初期の段階で大量に使用されました。人びとの抗議と武装蜂起がまだ都市に限定されていた時点で、これらと他の重迫撃砲は反乱を起こした地域を砲撃するため、たびたび都市郊外の周囲に配備されたのです。

 近年になって、シリア陸軍は「M-160」のほかにロケット弾発射体を搭載した追加の「M-240」240mm迫撃砲が補充されたと考えられています。





 下の画像では、最近の演習で、2台の「BMP-1」が歩兵と協同した敵陣地への襲撃を想定した訓練を実施している様子が映し出されています。これは素晴らしい宣伝映像としては役立つでしょうが、このように調整された襲撃は、今日の内戦では僅かな数の親アサドの部隊だけによって(正確に)実行されているのが実情です。

 その反対陣営では、(最近になってタハリール・アル=シャームまたはレバント征服戦線と改名された)アル=ヌスラ戦線が、アレッポのアサド政権が維持する地域を襲撃する際に「T-72」と「BMP-1」での協同運用を多用しています。



 下の画像では、シリア陸軍の兵士達が演習中に「BMP-1」の兵員区画の出入口に向かって駆け込んでいます。画像の兵士たちは、現在のごちゃ混ぜした軍服や装備をした同軍兵士と比較すると相対的に良好な装備をしているように見えます。

 シリア陸軍は内戦の勃発直前にヘルメットや防弾ベストを含む中国で生産された戦闘装備を大量に入手しましたが、戦場での優位を獲得するためにますます多くの新兵が集まり始めると簡単に在庫が尽きてしまいました。



 下の画像では、「BM-21」が40連装の122mmロケット弾のうちの1発を目標に向けて発射しています。

 「BM-21」はシリア軍で最も多く運用されている多連装ロケット砲(MRL)です。以前にシリアが保管していた「T-54」及び古い「T-55」と共にレバノンへ供与されるまで、このMRLは相当数の北朝鮮製「BM-11」122mmMRLと一緒に運用されていました。

 シリア軍は保有する「ボルケーノ(DIYロケット弾)」及び220mm、300mm、302mmといった口径の多連装ロケット砲の数を増加させ、質的な火力を相当に増加させることによって「BM-21」の多数の損失をいくらかカバーしているようです。

 最近になってシリア北部で行動している反政府勢力が某湾岸諸国によって東欧から調達した「BM-21」を入手するなど、シリアにおける同MRLの拡散が敵対陣営にも普及が進んでいます。


2025年前半に改訂・分冊版が発売予定です

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2017年1月16日月曜日

フォトレポート:シリア・アラブ防空軍


著:シュタイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo) 
 
 当記事は、2016年8月16日に本国版「Oryxブログ」(英語)に投稿されたものを翻訳した記事です。 意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しが異なっている箇所があります。 

 シリア・アラブ防空軍はかつてはシリア軍の誇り高い独立軍種でしたが、5年にわたる長い内戦で甚大な被害に遭ってしまいました。

 シリア防空軍が保有する多くの地対空ミサイル及びレーダー基地が(シリアを支配すべく戦うさまざまな勢力のために)失われたおかげで防空軍はすでに深刻な打撃を受けていたものの、貧しい財政状況と陸軍及び国防軍(NDF:政権の民兵組織)への人員の転換は致命傷を与えたのです。

 今回紹介する画像は、シリア全軍が参加した2012年の大規模演習の際に撮影されたものです。この演習は治安情勢の悪化がますます深刻化している最中に実施されました。この時期は国際社会からリビアに対するような介入の呼びかけにまで至っていたわけですが、シリアはこれに反応して軍に数日間の演習を実施させ、「外の世界」に自国軍の強さを見せつけて牽制したのでした。

 「パーンツィリ-S1」と共に運用されている「9K317E "ブーク-M2E"」は、かつてはシリア防空軍の誇りそのものでした。下の画像に見える「9A317」輸送車兼用起立式レーダ装備発射機(TELAR)は、「9S36」目標追跡・ミサイル誘導レーダーを装備しているおけげで独立した運用が可能となっています。

 これらの防空システムのいくつかは、ダマスカス周辺及びシリアの沿岸地域に配備されています。

 2007年にデリゾールにある原子炉と疑われる建造物へのイスラエルによる爆撃後、ロシアから最新の防空装備が到着したことは大いに期待されたものの、新しく到着した「ブーク-M2E」や「パーンツィリ-S1」、そして「ペチョーラ-2M」はイスラエル機を撃墜できないとして置き換えられた旧式の防空システムと大差ないと思われているようです(注:新装備の割には戦果がゼロということ)。


 下の画像では、「9M317」ミサイルが「9A316」輸送起立発射機(TEL)から射出され、勢いよく飛行を開始された状況が映し出されています。

 「9A316」にはレーダーの代わりに4発の再装填用ミサイルが搭載されているため、独立して運用することができません。

 通常の状況下では「ブーク」大隊は6両のTELARと3両のTEL、つまり3個中隊(各中隊に2両のTELARと1両のTEL)で構成されています。各大隊には標的獲得レーダー、指揮車両及びより多くの再装填用ミサイルを運ぶトラックも含まれています。


 下の画像は、「パーンツィリ-S1」が12発も搭載する「57E6」地対空ミサイルの1発を発射した瞬間です(写真)。 

 このシステム
は「ブーク-M2E」や「ペチョーラ-2M」と同様に、主にダマスカス周辺及びシリアの沿岸地域に集中して配備されています。海岸沿いの環境により溶け込むために、多くの「パーンツィリ-S1」には沙漠の環境向けに仕上げられた迷彩パターンが導入されました。


 2012年の演習では、シリアが「9K35 "ストレラ-10"」を運用していることが初めて確認されました。

 他の多くの「ストレラ-10」運用国とは対照的に、シリアは機動地対空ミサイル(SAM)システムとして陸軍へ配備せずに空軍基地の周囲に配置しました。旧式の「9K31 "ストレラ-1"」の大部分が保管状態に置かれていますが、シリアにおける全「ストレラ-10」は未だに現役で運用中と思われています。
 


 シリアは今までにSAMシステムを全く退役させていません。「S-125」用の2連装・4連装発射機も運用し続けています。

 同システムの発射機については4装の派生型が一般的で、シリアの至る所で見つけることができます。2連装発射機は主にダマスカス周辺に集中して配置され、このうち1基のミサイル陣地が2012年にイスラーム軍によって制圧されました。 



 上述した「S-125」用発射機の運用に加えて、シリアは約10年ぶりにロシアから数個中隊分の「ペチョーラ-2M」を受領しました。

 このシステムはベラルーシの「MZKT-8022」に2連装の「S-125」発射機ランチャーを組み合わたものであり、敵の航空機や巡航ミサイルに対して大幅に生存性を向上させたものです。「ペチョーラ」-2Mを配備しているいくつかの陣地はダマスカス周辺及びシリアの沿岸地域で確認されていますが、敵に与える心理的効果(抑止)を維持するために異なる場所へ頻繁に転換しています。
 

 下の画像では、「9K33 "オーサ"」SAMシステムから2発の「9M33」ミサイルが煙を上げて発射されています(写真)。

 シリアはすでに80年代にレバノンで「9K33」を運用していたが、注目を浴びたのは2012年にイスラーム軍が東グータで数台を鹵獲した後のことでした。敵の手に落ちた「9K33」については、後にイスラーム軍の支配領域の上空を飛行するシリア空軍ヘリコプターと交戦するために使用されており、未だに運用が続いています(注:2018年4月の時点で全てを喪失したことが確認されました)。



 「2K12 "クーブ"」SAMシステムは1973年の10月戦争(ヨム・キプル戦争)の際にエジプトがイスラエル空軍に対して使用して大成功を収め、伝説の地位を得ました。

 実際、このシステムはすぐに「死の三本指」というニックネームを得て非常に恐れられたのです。ただし、シリア軍での運用では成功例は極めて限られています。それよりも、1982年のレバノンのベッカー高原における「モール・クリケット19」作戦と過去数年間のシリアへのイスラエル空軍の襲撃の際に、(防空軍と空軍と一緒に)イスラエル軍機に完全に敗北してしまったことの方が知られています。
 



2025年前半に改訂・分冊版が発売予定です

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2017年1月13日金曜日

フォトレポート:シリア・アラブ海軍


著:シュタイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)

 当記事は、2016年8月5日に本国版「Oryxブログ」(英語)に投稿されたものを翻訳した記事です。 意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しが異なっている箇所があります。
 
 シリア・アラブ海軍はシリア内戦で重要な役割を果たしていないことから、シリア軍の中では疑いも無く最も知名度の低い軍種と言えるでしょう。それでも、シリア海軍は世界中の他の海軍では既にかなり前に引退している艦船を興味深い組み合わせで運用し続けています。

 今回の記事は、シリア海軍の多種多様な艦船と部隊が参加した2012年の演習風景を中心に取り上げたものです。同演習はシリアが無視できない存在であることを「外の世界」へ見せ付けることを目的としたものであり、シリアの全軍種が参加しました。

 シリア海軍の「ペチャIII」級フリゲートは2隻が運用されています。同フリゲートはシリア海軍の中では最大の戦闘能力を備えた艦ではありますが、対潜用に特化して設計されたものです。その結果として、この艦の潜水艦以外に対する能力は微々たるものしかありません。

 この能力不足はイスラエル海軍が新型潜水艦を導入したことによって悪化しており、すでにこれらの艦は本来の役割を果たすことには役に立ちません。両艦は依然として正式に運用されてはいるものの、共にほとんどの時間をタルトゥース港の埠頭で朽ち果てながら過ごしています。

 2018年4月15日にロシア海軍の演習で「アル・アッサリ(1-508)」と思われる一隻が標的艦として沈められてしまいました。引き続き、「アル・ヒラサ(2-508)」も錆び付いた状態で再び動くことなく2019年11月から2020年1月の間に退役を迎えたようです(後者の時点で衛星画像上で姿を発見できなかったことから、これも標的艦となったか解体されたものと思われれる)。[1]





 下の画像では、(現在では事実上解体された)シリア海軍歩兵の兵士たちが練習艦「アル=アサド」の前でゴムボートで海岸へ移動している状況が見えます。

 この練習艦は、将来の海軍を担う人材の訓練とシリア海軍歩兵のための揚陸艦として行動するという二つの役割を有しています。




 下の画像では、シリア・アラブ空軍の「Ka-28」が海軍歩兵たちの上空を低空飛行しています。

 老朽化した「Ka-25」を置き換えるため、80年代後半に4機の「Ka-28」が空軍に導入されました。少なくともこのうちの2機は、シリア内戦の開始直前にウクライナでオーバーホールを受けたことが確認されています。

 シリアの「Ka-28」については、2015年9月にフメイミムに派遣されたロシア空軍部隊へ道を明けるために新ヘリポートへ配置転換される前まで、全4機がフメイミム/バーセル・アル=アサド国際空港を拠点としていました。



 下の画像は、「SPU-35V」沿岸防衛システムの発射機から発射される「4K44 "リドゥート" 地対艦ミサイルの様子です。

 シリアは現代的な「K-300P "バスチオン-P"」を含む沿岸防衛システムを運用しています。この種のシステムについては過去数十年間も新規導入がありませんでしたが、それでも「K-300P」は現在でもシリア海軍で最も現代的なシステムに入ります。



「オーサ」級ミサイル艇は、依然としてシリア海軍の中核であることを象徴しています。

 シリアは北朝鮮と共に「オーサI」級ミサイル艇を運用する残り僅かの国として知られています。下の画像の船はより先進的な「オーサII級」ですが、「オーサI」級に装備された「P-15」艦対艦ミサイル用の箱形発射機と比較すると、(前者は管状の発射機のため)容易に見分けることができます。

 追記:2024年12月のアサド政権崩壊に乗じて、イスラエル軍がシリア軍基地への攻撃を実施しました。この攻撃でラタキアに配備された「オーサII級」5隻が沈没・大破着底(事実上の撃破)が確認されています。[2]





 下の画像では、シリア海軍歩兵が直立不動の姿勢をとっています。

 当然のことながら、海軍将兵の平均年齢はシリア軍の他の軍種に比べて非常に高いものとなっています。この年齢の格差は、内戦が始まって以来の徴兵がほぼ独占的にシリア陸軍と国防軍(NDF:シリア政権の民兵組織)に集中していることで更に大きくなる可能性が否定できません。


 近年におけるシリア海軍への追加装備として、2006年に6隻のイラン製「TIR-II(IPS-18)」級ミサイル艇が導入されました。

 北朝鮮の設計に基づいたこれらのミサイル艇は、2発の「C-802(またはヌールという名前のイラン製コピー)」対艦ミサイルを装備することが可能で、通常はラタキアの北に位置するミナト・アル=バイダ海軍基地で運用されています(注:1隻はタルトゥースに配備されていることが確認されている)。




[1] http://www.hisutton.com/Russian-Navy-In-Tartus-Syria.html
[2] https://x.com/ZiratNews/status/1866439846736048203

2025年前半に改訂・分冊版が発売予定です

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