2023年2月21日火曜日

ささやかな戦力:モルドバの重火器・軍用車両(一覧)


著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)

 モルドバ軍はヨーロッパで最も情報が少ない軍隊の一つです。

 ヨーロッパ大陸の最貧国であることから、モルドバは1991年にソ連から独立してから一度も軍備を調達したことがないという誇らしくない経歴の持ち主でもあります。その代わりとして、1990年代にはルーマニア、2000年代から2010年代にかけてアメリカからの軍事援助を受けており、近年は数多くの装甲戦闘車両(AFV)の改修プロジェクトを立ち上げて、自国軍の戦闘力を向上させようと試みてきました。

 規模は地味ですが、こうした改修は「BMD-1」歩兵戦闘車、「9P149 "シュトゥルム-S"」自走式対戦車ミサイルシステム、「BM-27 "ウラガン"」多連装ロケット砲を含む旧ソ連由来の兵器群に、国内で独自改修を施した「BTR」やアメリカ製「ハンヴィー」などをもたらしました。

 モルドバ軍はソ連から膨大な数の工兵車両を受け継いだにもかかわらず、戦車だけでなくBMPや自走榴弾砲さえも保有していません。ただし、唯一の潜在的な敵はモルドバから分離独立した沿ドニエストル共和国であるため、将来的にそのような兵器の導入に向けた投資をする可能性は極めて低いと思われます。

  1. この一覧は、現在のモルドバ軍で使用されている全種類のAFVをリストアップ化を試みたものです。
  2. この一覧には利用可能な画像・映像などの視覚的エビデンスに基づいて確認されたものだけを掲載しています。
  3. 対戦車ミサイル、携帯式地対空ミサイルシステム、トラックやジープ類はこのリストの対象外です。
  4. 兵器の名前をクリックするとモルドバで運用中の当該兵器の画像を見ることができます。
  5. 沿ドニエストルが保有する重火器・軍用車両の一覧はこちらで読むことができます

装甲戦闘車両

自走式対戦車ミサイルシステム

指揮通信車両

工兵・支援車両

砲兵トラクター

砲兵支援車両または装備類

牽引砲

自走砲

多連装ロケット砲

牽引式対空砲
  • S-125 (キシナウ防衛用に1陣地が存在)

レーダー
特別協力:Buschlaid

※  当記事は、2022年11月24日に本国版「Oryx」に投稿されたものを翻訳した記事です。
   当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しが異なっている箇所があ
  ります。


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