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2023年9月11日月曜日

メイド・イン・バクー:アゼルバイジャン国産の航空機搭載兵装(一覧)


著:シュタイン・ミッツアーとヨースト・オリーマンズ
 
 ほとんどの人々が知らないうちに、アゼルバイジャンは自国の空軍で用いるための膨大な種類の無誘導爆弾や誘導爆弾等を設計・開発してきました。

 これらの兵装のどの程度が実際に使用されているかは不明ですが、空対地兵装の設計・開発はアゼルバイジャンの新興兵器産業で有望な分野の1つであることは確実です。

 国産兵装にはソ連規格に基づく多数の無誘導爆弾に加えて、いくつかの誘導爆弾も存在しています。これらは最大で65km離れた標的に高精度で命中させるため、レーザー誘導、GPS/INS誘導、あるいは折りたたみ式翼を備えた誘導キットのいずれかが組み込まれています。

 誘導爆弾のいくつかは、「アセルサン」といったトルコ企業との協力で設計・開発されてきたものであり、トルコが開発した誘導キットとアゼルバイジャンで製造されたソ連規格の無誘導爆弾を融合させたものとなります。

 トルコの同種兵装とは違って、アゼルバイジャン製の誘導爆弾は「Su-25」や「MiG-29」といったソ連製の航空機に搭載できるように設計されています。簡単に言うならば、アゼルバイジャン製の無誘導爆弾は誘導機構や後部フィンはトルコ製と全く同じですが、アメリカが開発した「Mk.8x」汎用爆弾シリーズを自国産のソ連規格の無誘導爆弾に置き換えたものです。 

 結果として、実質的にトルコ製と同一の高い命中精度を誇る誘導爆弾が、約30機の「Su-25」飛行隊や、アゼルバイジャン空軍が近い将来購入すると思われる「バイラクタル・アクンジュ」無人戦闘航空機(UCAV)でも使用できるようになりました。

 トルコが独自開発した爆弾の種類が年々増加していることから、それに伴ってアゼルバイジャン製の種類が増えることも起こりえないわけではないと思われます。[1] 

 いつの日か、現代的な誘導爆弾の導入を通じてソ連時代の航空機の能力向上をさせようとしている外国へアゼルバイジャン製の爆弾が輸出されるケースを目にするかもしれません。 
   
※ 各兵装名をクリックすると当該兵装の画像を見ることができます。


無誘導ロケット弾


汎用爆弾


空対地誘導爆弾


[1] Deadly Advanced: A Complete Overview Of Turkish Designed Air-Launched Munitions https://www.oryxspioenkop.com/2022/01/deadly-advanced-complete-overview-of.html

※  当記事は、2022年1月18日にOryx本国版(英語)に投稿された記事を翻訳したもので 
  す。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所があり 
    ます。


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2023年5月12日金曜日

終わりなき可能性:「バイラクタル・アクンジュ」の豊富な搭載兵装(一覧)


著:ステイン・ミッツアーとヨースト・オリーマンズ

 「バイラクタル・アクンジュ」は世界初の量産型多目的無人戦闘航空機(UCAV)です。

 この「アクンジュ」が持つ中で間違いなく最も革新的な特徴は、国産の「ボズドアン」IIR(赤外線画像誘導)式AAMと(撃ち放し式の)「ゴクドアン」BVRAAMといった空対空ミサイル(AAM)の運用能力があることです。

 もう1つの斬新な特徴としては、 敵の指揮所やSAMサイト、そして強化されたブンカーに入った船や精密打撃を要する標的に使用するために開発された、射程が275km以上もある「SOM」巡航ミサイルも運用できることが挙げられます。

 この「SOM」シリーズは、「MAM」、「クズガン」、「テベル」、「LGK(レーザー誘導キット装着爆弾」、「KGK(射程延長用の折りたたみ式主翼・GPS/INS誘導キット装着爆弾)」、「(L)HGK(レーザー及びGPS/INS誘導キット装着爆弾)」なといった精密誘導弾と共に役立つものとなるでしょう。

 これらの誘導爆弾の多くは、自国で設計された誘導キットと国内生産された「Mark-82」、「Mark-83」、そして「Mark-84」無誘導爆弾を組み合わせたものです。

 前述の兵装を搭載するために「アクンジュ」は合計9基のハードポイント:主翼の下に8基と胴体下部に1基が設けられており、後者には「HGK-84」、「NEB-84」、「SOM」巡航ミサイルなど、このUCAVに搭載可能な最重力級の兵装の搭載が想定されています。

注意点

  1. このリストに掲載している兵装のいくつかについては、本稿執筆時点でも開発と(機体との)インテグレートの試験が継続しています。したがって、このリストは各種検証を終えた後の「アクンジュ」が搭載できる兵装の概観と見るべきでしょう。
  2. 列挙している兵装については、①開発企業、②名前、③最大射程距離、④誘導方式、⑤その他参考事項の順に表記しています(省略しているものもあります)。
  3. リストに表示されている兵装名をクリックすると、当該兵装備の画像を見ることができます。
  4. 開発企業・メーカーは略称などがされていますが、制式名称は以下のとおりです。
      ・TÜBİTAK SAGE(トルコ科学技術研究会議・防衛産業研究開発機関)
      ・TAI(トルコ航空宇宙産業)
      ・STM(防衛技術エンジニアリング


空対空ミサイル


巡航ミサイル


徘徊兵器


精密誘導爆型地中貫通爆弾


空対地ミサイル

 「バイラクタル・アクンジュ」の購入に関心を持っている国にとって、これらの全兵装をトルコからダイレクトに調達できるという事実は間違いなく高く評価されることでしょう。

 さらに、このUCAVがNATO規格の兵装に適合しているという事実は、ウクライナ、アゼルバイジャン、パキスタンといった国々が独自に開発・製造された航空機用の兵装を「アクンジュ」とインテグレートすることも可能ということを意味しています。



 特別協力」SR_71TurkishWarNews(敬称略)

 ものです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所
 があります。



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