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2026年6月2日火曜日

【復刻記事】T4要塞:戦乱で変貌した空軍基地


著:シュタイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ 
collaboration with Luftwaffe A.S.・衛星画像: finriswolf.(編訳:Tarao Goo)

 この記事は、2015年6月29日に本ブログのオリジナル(本国版)である「Oryx-Blog(英語)」とBellingcatで公開された記事を翻訳したものです。 意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しが異なっている箇所があります。

 シリア中部におけるイスラム国(ISIL)の攻勢は、戦闘員がこれまで手の届かなかった地域へ活動範囲を拡大することを可能にしただけでなく、今やアサド政権のガス供給網や複数の戦線におけるプレゼンス、そして最重要拠点にしてシリア最大の空軍基地であるT4空軍基地と同基地へ通じる唯一の道路までも脅かしています。

 近隣にあるポンプ場と同じ名称であるT4については、より一般的には(正確ではないが)「ティヤス」を含む数多くの通称で知られています。タドムル空軍基地陥落後の現在では、シリア空軍(SyAAF)が実効支配する16の作戦基地の一つとなり、その防衛は空軍がシリア領空を掌握する上で必要不可欠なものとなりました。

 現在、T4基地では少なくとも3個の戦闘爆撃機飛行隊と1個のヘリコプター飛行隊が運用されており、運用機にはシリア空軍の誇る「Su-24M2」もあります。また、同基地には、過去10年間で大部分が段階的に退役した「MiG-25」飛行隊の拠点でもありました。シリア最大の空軍基地であるにもかかわらず、T4には滑走路がたった1本しかないため、この唯一の滑走路が破壊された場合、この基地は極めて脆弱な状態に陥るでしょう。

 2014年半ばから後半にかけてシリア中部と東部の全域で電撃的な進撃を続けたISILによるT4基地への攻撃を予期して、同基地の戦力は、制圧される前のタブカ空軍基地から避難してきた「L-39」練習機の暫定的な飛行隊と少なくとも4機の「Mi-8/17」ヘリコプターから構成される分遣隊の配備によって増強されました。

 T4基地の高い軍事的価値を深く認識しているアサド政権が基地防衛に多大な努力を尽くしたことで、今では難攻不落の要塞同然と言えるものとなっています。「要塞T4」は、現時点におけるISIL支配下のタドムルとアサド政権支配下のホムスを隔てる障壁としても機能していることから、その重要性が一層高まっているのです。

 T4基地守備隊は過去1年間を通じてISIL部隊と幾度も衝突しており、最新の攻勢では将校用宿舎T4ポンプ場付近まで迫ったようです。ISIL関連のツイッターアカウントによる複数の報告によれば、2015年5月下旬にT4基地は砲撃を受けたものの、これが基地に損害を与えたかどうかは現時点でも確認されていません。

 基地自体はISILの手に落ちるという差し迫った危険には晒されていないものの、T4へ通じる唯一の道路の支配権が争われている状況です。したがって、ISILがホムス方面への進撃を続けた場合、この道路は完全にISILに制圧される可能性が高いと思われます。そうなればT4基地は孤立し、道路によるアクセスが不可能となるため、いずれ重大な問題を引き起こすでしょう。

 T4基地への補給は空軍の輸送機とヘリコプターに頼らざるを得なくなるでしょうが、この空輸戦術では重火器や燃料を搬入できないという深刻な欠点があります(編訳者注:空軍の機体では燃料すら十分な量を輸送できない)。もちろん、アサド政権にとって貴重なリソースを大量に消費することになるという事実があることは言うまでもありません。


 T4に配備されている航空機とヘリコプター飛行隊はISIL戦闘員にとって大きな悩みの種となり得るだけでなく、ホムス県で将来行われるあらゆるISILの攻勢を阻止する能力を有しています。ただし、空軍は現実の情勢に十分に対応できない状態が続いており、地上戦が終わった後にようやく参戦する事例が少なくありません。したがって、T4基地で運用可能な戦力を最大限に活用するためには、地上部隊と空軍機・ヘリコプターとの連携強化が不可欠です。そして、空軍が最近失った町に対して行った自暴自棄の報復攻撃についても止める必要があります。これらの出撃で殺害された数多くの罪なき民間人の命だけでなく、無用な出撃に投入された貴重な航空機自体も救うことができるからです。浪費された飛行時間は、代わりにアサド政権の地上部隊を支援する任務に割り当てられるべきでしょう。

 例えば、Hulayhilah守備隊を支援するためにT4から出撃した申し訳程度の任務はたった1回だけであり、最近ISIL戦闘員によって占領されたガス田やアル・スクナ、アル・ハイル、アラクといった数多くの町を守る部隊には航空支援が皆無だったのです。空軍はタドムル陥落時もほぼ静観しており、地上部隊の士気を高めるための意味のない出撃を繰り返しただけでした。この町がISILに占領された後にやっと激しい空爆が開始されたものの、使用された爆弾が住宅地へ無差別に投下されたことは周知のとおりです。

 タドムルに存在する巨大な兵器貯蔵庫と空軍基地はISIL戦闘員に大量の武器弾薬を提供していたため、高度な精密誘導兵器を装備できる空軍の戦闘爆撃機にとって当然の標的となりました。ところが、どの貯蔵庫もシリア空軍の攻撃目標とはならず、タドムルで鹵獲された6門の対空砲を撃破するため動いたのはアメリカ主導の有志連合軍でした[1]。精密誘導兵器を搭載可能な機体の大半がタドムルから僅か60kmしか離れていないT4基地に配備されているにもかかわらず、です。

 種類が豊富なシリアの空対地精密誘導ミサイルは、数は限られている上に内戦では全く使用されていません。このことから、その大半は将来起こるかもしれないアメリカやイスラエルとの武力衝突に備えて温存されている可能性が高いと考えられます。しかし、戦争が4年目に突入した今、こうした兵器をこの内戦で活用する方が賢明ではないかという疑問が生じます。現時点におけるシリア空軍の精密誘導兵器のストックは急速に枯渇するでしょうが、ロシアによって迅速に補充される可能性があります。ロシア製兵器が定期的にシリアに供給され続けている事実が、まさにその証左です。


 最新の(公開されている)衛星画像でT4をチェックすると、基地周辺に運用不能と思われる多数の航空機が点在して様子が確認できます。2014年10月には退役した「MiG-25」が32機もありました。確かに壮観ではあるものの、かつて強大だった「フォックスバット」飛行隊の時代の終焉を告げる光景です。「MiG-25」飛行隊は過去10年間にわたり徐々に退役が進められ、世紀の変わり目までに運用可能な機体は僅か数機となっていました。

 シリアが導入した「MiG-25」の数は約40機です。これらには、(後に「MiG-25PDS」に改修された)「MiG-25P/PD」迎撃機や「MiG-25R/RB」偵察機、「MiG-25PU」複座練習機が含まれると見られています。「MiG-25」飛行隊の退役理由については、機体の老朽化とそれに伴う運用維持費の増加のみならず、この機種がイスラエルのジャミングに対して脆弱だった点にもあるかもしれません。

 シリア内戦では一部の「MiG-25」の運用が複数回にわたって再開された模様です。最後に確認された出撃は2014年3月と4月に行われ、その際に「MiG-25PD(S)」が地上目標に向けて「R-40」空対空ミサイルを発射しました。当然ながら、これらの出撃は実りある結果をもたらしませんでした。

 最後に「MiG-25」を運用したのはタドムルの詳細不明な飛行隊であり、2013年末まで3機の「MiG-25PD(S)」と1機の「MiG-25PU」を配備していました。その後、これらはT4基地へ移送され、既に保管状態にある「MiG-25」飛行隊の残存機と合流したと思われます。



 シリア空軍の「Su-24M2」を含むT4基地から運用される現用機の大半は、同基地内に58基設けられた航空機用強化シェルター(HAS)に格納されています。T4は古くからシリアの「Su-24」の拠点であり、その大半は基地南東部に配置されていますが、常に数機がジーン基地に派遣されています。「Su-24」は間違いなくシリア空軍にとって最重要戦力であり、過去4年間で多用されてきた存在です。

 T4基地はISIL支配地域に近接しているにもかかわらず、「Su-24」を運用する第819飛行隊がISIL攻撃に参加することは稀です。その代わり、「Su-24」飛行隊は、主にシリア全土の村落を攻撃対象としている長距離攻撃部隊として機能しています。デリゾールからクネイトラに至るまでの攻撃どころかキプロスのアクロティリ基地に駐留するイギリス空軍のリアクションタイムをテストすることさえ成し遂げてきたのです。

 以前の報告とは反対に、1990年代半ばにリビアからシリアへの「Su-24MK」1機と「Su-24MR」1機の移送は実際には行われなかった可能性があるようです。実際、複数のシリア空軍パイロット及びT4基地の元司令官によって否定されています。これはシリアが入手した「Su-24」の数が僅か20機であることを意味します。しかしながら、これらの「Su-24MK」のうち19機は2010年から2013年にかけてロシア・ルジェフの第514ARZ航空機修理工場によりM2規格に改修されました。そして、内戦への参加に間に合うかのように、全機が比較的注目されることなくシリアへ帰還したのです。



 この改修では機体の古い制御システムを新型に入れ替えることによって、改良された照準能力・航法および火器管制システムがもたらされました。また、MK2はより新しい搭載装備である「KAB-500/1500(精密誘導爆弾、数字は爆弾の重量を示す)」、「Kh-31A/P」、「Kh-59」、「R-73」との互換性も得ています。つまり、既存の「FAB(無誘導爆弾)」、「OFAB(破砕爆弾)」、「RBK(クラスター爆弾)」、「Kh-25」、「Kh-28」、「Kh-29L」、「Kh-29T」、「Kh-58」空対地ミサイル、「KAB-500」及び「KAB-1500」誘導爆弾、「S-24/25」空対地ロケット弾やロケットポッド、「R-60」空対空ミサイルといった搭載兵器群に新しいものが追加されたわけです。

 シリアでは、「R-73」を除く全兵装が「Su-24M2」で運用可能となっていますが、この空対空ミサイルは「MiG-29SM」専用となっています。



 シリア空軍が入手した20機の「Su-24」のうち、2015年6月時点で11機が運用可能な状態にあります。このうち内戦前に事故で全損した1機を除く全機が内戦中に何らかの損失を被りました。

 1機は2012年11月28日にダーラト・イッザ上空で自由シリア軍のMANPADS(携帯式地対空ミサイル)によって、別の1機は2014年9月23日に占領下のゴラン高原上空に迷い込んだ後、イスラエル軍の「パトリオット」地対空ミサイルによって撃墜されました。さらに別の1機は2015年6月11日にNahtah 近郊に墜落しましたが、これはおそらく搭載していた爆弾の早期爆発が原因とみられています。 

 2015年5月、1機の「Su-24M2」が対空砲火で深刻な損傷を受けた後、パイロットは機体の状態にもかかわらず、何とかT4基地まで辿り着かせることに成功しました。しかし、損傷が安全な着陸に支障をきたすことが明らかな状態になり、最終的に滑走路へのアプローチ中に墜落しました。パイロットと航法士はともに無事脱出したと伝えられています。

2015年5月28日には、さらに2機が事故で失われたとみられています。両機が次の出撃に向けて再武装中だった際に爆発が発生し、少なくとも5名の死亡と十数名の負傷者をもたらしたとのことです。

そして、地上砲火を受けてもう2機が運用不能となってしまいました。両機の損傷は軽微で修理可能ではあるものの、現在のシリア空軍には必要なリソースが不足しているために何もできていません。こうした損失で運用可能な「Su-24MK2」はほぼ半減し、1機ごとの損失がシリア空軍にとって大きな痛手となっています。


 T4基地に駐留する2番目の戦闘爆撃飛行隊は「Su-22M4」を運用しており、全機が同基地の北西部及び南西部に配置されています。第827飛行隊は過去1年間でISIL戦闘員に対する攻撃任務に頻繁に投入され、主にシリアの砂漠地帯をパトロールする「スクーア・アル・サハラ(砂漠の鷹)」旅団の支援任務に従事してきました。

 「Su-22M4」は、「S-24/25」空対地ロケット弾、無誘導ロケット弾ポッド、「FAB」、「OFAB」、「RBK」の各種爆弾、「KMGU-2」ディスペンサー、「Kh-25」、「Kh-28」、「Kh-29L」、「Kh-29T」、「Kh-58」空対地ミサイル、そして「R-60」空対空ミサイルを搭載可能です。ただし、シリア内戦における「Su-22M4」はほぼ完全に無誘導兵器のプラットホームとして使用されています(誘導兵器を運用可能という能力は無視され続けています)。


 ISILの対空砲火に頻繁に狙われる「Su-22」を運用する第827飛行隊ですが、過去4年間の損失は比較的軽微であり、2014年11月30日にシャエルのガス田付近でISIL戦闘員に撃墜された「Su-22M4」が1機のみです。「Su-24M2」と同様に、戦闘による損傷を受けた数機が修理待ちの状態にあります。

 2014年中盤から年末にかけて、T4空軍基地の航空戦力は「L-39」分遣隊の配備によってさらに強化されました。今ではシリア上空で目撃されることは稀ですが、シリア空軍が保有する「L-39」機の残存機はほぼ全戦線で作戦飛行を続けており、「L-39ZO/ZA」はアレッポ及びダマスカス地域において、ほぼ夜間の出撃に限定して運用されています。

 T4基地に配備されている「L-39」は、ナイラブ/アレッポ国際空港にあるシリア空軍修理整備センター(通称「工廠」)でオーバーホールされた機体の一部です。こうした機体は、2014年8月24日にISILに制圧される前のタブカ基地を含む、シリア国内で生き残っている作戦基地に配備されました。現在T4に配備されている「L-39」自体は、以前はタブカに配備されていたとみられています。これらは、ISILがシリアで攻勢を展開するに中で、その戦闘員たちを追うように移動してきたのです。

 「L-39」の火力向上を図るため、オーバーホールされた全機体には(そもそも同機種での使用が想定されていなかった)「B-8」80mmロケット弾ポッドの搭載用配線が施されました。下の画像には、現在T4空軍基地に配備されている「B-8」を装備した「L-39ZO」が写っています。このロケット弾ポッドの搭載のおかげで、従来は57mmロケット弾ポッドと爆弾だけを装備可能だった「L-39」の能力が大幅に強化されたのです。



 最近のT4基地の衛星画像では常に少なくとも5機の「L-39」が存在しており、その大半は「MiG-25」が以前に使用していたエプロンや現在は「L-39」の支援施設として機能している複合強化シェルターに駐機している様子が確認できます。




 現在T4に配備されている「Mi-8/17」分遣隊は、この地域に残存するアサド政権軍を支援するとともに、空軍基地とアサド政権支配下のシリア全土との連絡役を担っています。


 最近の衛星画像では、「L-39」のすぐ西側に4機の「Mi-8/17」が駐機している様子が確認できます。 



 「MiG-25」飛行隊の退役後、中身が空となった多くの強化シェルターは、兵舎や武器庫、さらにはトーチカに転用されています。衛星画像では基地の北東側に位置する2つのシェルター南東部に位置する一つのシェルター周辺では特に活発な動きを見せており、常に複数のトラックがシェルター内や付近に存在している状況です。




 T4の中央には1個戦車中隊が駐屯しており、この基地の防御体制をさらに強化しています。



 デリゾール周辺の油田を守備するために派遣されたスラブ軍団(PMC)のロシア人傭兵たちは、同市への到着前にT4基地に立ち寄ったことが確認されています。実際に戦闘するよりも写真撮影に多くの時間を費やしているように見えた彼らは、デリゾールへ向かう道中のアル・スクナ近郊で反政府勢力に待ち伏せ攻撃を受け総崩れとなり、速やかにロシアに帰国しました。その後、ロシア政府によってこの活動が違法と判断されたため、スラブ連隊の代表者たちは連邦保安庁(FSB)に拘束されてしまったことは言うまでもありません(編訳者注:ロシアではPMC自体が非合法の存在であるため)。

 下の画像は、5人の傭兵がSu-24M2 ‘2514’ の前で撮った記念写真です。


 空軍基地を囲むように配置された2基の「S-75(SA-2)」と3基の「S-125(SA-3)」地対空ミサイル(SAM)陣地は現在も稼働中であり、敵を混乱させるためか定期的に位置を変更しています。そもそも旧式装備である以上、これらが有志連合軍の空爆を迎え撃つのには全く役に立たないでしょうが、それでも空爆の初期段階で敵機の最低高度を押し上げたり、他の勢力による単独攻撃を牽制する効果は期待できるでしょう。

 これらのSAMを目標へ指向する任務を担うシステムは、「P-18 "スプーンレストD"」2次元VHF対空捜索レーダー(2基)と「P-35/37 "バーロック"」早期警戒レーダー(2基)です。これらはシリア中部を飛行するあらゆる航空機の探知を担当していますが、タドムル空軍基地と多数のレーダーがISILに占領された今では極めて重要な任務となっています。T4にはさらに1基ずつの「RSP-7」飛行場監視レーダーと「1L22 「パロル」」対空・識別(IFF)レーダーが配備されており、着陸を控えた航空機の誘導に用いられています。


 
 ISILによるこの重要な空軍基地への新たな攻撃は、またしても基地に到達前に阻止されました。ここ最近続く彼らの劣勢を考えると、これが基地を制圧できる最後の機会だったかもしれません。その規模と重要性の大きさゆえに、T4要塞は確かにシリア空軍の主要拠点としての機能を維持し続けるでしょう。


 お知らせ2025年7月に上記本の改訂・分冊版である「The Armed Forces of North Korea Volume 1: Part 1: Korean People's Army Ground Forces Organisation, Strategy and Infantry」が発売されました。残りの巻も完成次第発売される予定です(記載情報は2025年現在のものにアップデート済み)。
 お知らせ2:2025年10月に「Volume 1: Part 2(陸軍AFV)」が発売されました。 
 
お知らせ3:2025年12月に「Volume 2(空軍)」が発売されました。
 お知らせ4:2026年2月に「Volume 3(海軍) 」が発売されました

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2025年9月30日火曜日

【復刻記事】シリア介入の準備が進む: 「Su-34 "フルバック"」が到着した


著:シュタイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)

 この記事は、2015年9月29日に本ブログのオリジナル(本国版)である「Oryx-Blog(英語)」で公開された記事を翻訳したものです。 意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しが異なっている箇所があります。

 最初のロシア機がシリアに配備された時点で「Su-34 「フルバック」戦闘爆撃機のシリア展開は近いと見られていましたが、ここ数日でようやく現実となったことが確認されました。これで、ラタキア県のフメイミム/バッシャール・アル・アサド国際空港(IAP)にすでに配備されている「Su-30SM」4機と「Su-24M/M2」12機、そして「Su-25」12機に、最大で6機の「Su-34」が加わったと見られます。

 最大34機の作戦機に加えて、現時点で最大20機の「Mi-17」と「Mi-24/35」ヘリコプター、2機の「Il-20M」情報収集機、そして少なくとも3種類の無人航空機(UAV)がシリアに配備されています。特にUAVはイドリブ県上空での偵察飛行に力を入れており、まだ電子情報収集(ELINT)に特化した「Il-20M」がこれに加わっていなかったとしても、その姿を近いうちに目にすることは確実でしょう。

 すでに「Su-24M/M2」はイドリブ上空で目撃されているものの、今までのところ反政府勢力との戦闘は控えているようです。12機の「Su-25」については、ちょうど1週間前に「An-124」戦略輸送機で到着した後、組立て作業と試験飛行に追われています。その一方で、「Su-34」は長い航続距離のおかげでフメイミム/バッシャール・アル・アサドIAPに自力で到着することができました。

 下の画像の2機は、いずれも胴体下部に増槽を搭載して航続距離を伸ばしています。おそらくはシリア派遣部隊の機体であったと考えられています。この画像については、カスピ海からイラン・イラク領空を経由してシリアに向かう途中のモズドクを飛行中に撮影されたものです。


 下の画像はシリアで撮影されたもので、イドリブかハマー県の上空で旅客機と編隊を組むように飛ぶ6機の戦闘爆撃機らしきものが映っています。この旅客機はロシア空軍所属の「Tu-154」と思われ、フメイミムに向かう「Su-34」の随伴用として使われたようです。


 誘導・非誘導を問わず幅広い種類の兵装を搭載できるように設計された「Su-34」の展開は、シリアのあらゆる場所を攻撃できる後続距離と能力を備えた強力な戦闘爆撃機をシリア派遣部隊に提供するものと言えます。

 フメイミムの拡張工事が続き、UAVと「Il-20M」がイドリブ県の反政府勢力の戦力と位置に関するデータ収集に追われる中、ロシア空軍の作戦機部隊が初出撃の準備中であることを考えると、シリアは派遣部隊の初陣は時間の問題のようです。



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2025年9月22日月曜日

【復刻記事】さらなる増援: 「Su-25 "フロッグフット"」がシリアに到着した


著:シュタイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)

 この記事は、2015年9月21日に本ブログのオリジナル(本国版)である「Oryx-Blog(英語)」で公開された記事を翻訳したものです。 意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しが異なっている箇所があります。

 数日前にシリア領空で「Su-30SM」と「Su-24M2」が目撃された後、StratforとAllSource Analysisが9月20日に入手した最新の衛星画像によって、フメイミム/バッシャール・アル・アサド国際空港(IAP)で組み立てられている12機の「Su-25 "フロッグフット」の存在が明らかになりました。これで、シリアへの展開が確認されたロシア軍作戦機の数は合計で(少なくとも)20機となりました。ほぼ同じ頃、アメリカ政府の当局者は、ロシア軍のシリアへの大規模な軍事介入の一環として戦闘機28機とヘリコプター20機がシリアに駐留していると述べています。

 現時点におけるシリア派遣部隊の航空戦力は、「Su-24M2」戦闘爆撃機12機と「Su-30SM」多用途戦闘4機、「Su-25」対地攻撃機12機に加え、主に「Mi-24/35」攻撃ヘリと数機の「Mi-17」輸送ヘリで構成されるヘリコプターが最大で20機、若干数の無人機(UAV)です。ただし、「Su-24M2」の姿はまだフメイミム/バッシャール・アル・アサドIAPの衛星画像で確認できていません。後日に撮影された画像に写っているか、別の場所に移動した可能性があります。すでにシリア軍の「Su-24」飛行隊がT4飛行場に駐留している点を踏まえると、「Su-24M2」の配備先も同じと考えるのが理にかなっているでしょう(編訳者注:実際はフメイミムに配備された)。

 フメイミムからUAVが飛んでいるという情報は、シリアに配備されているロシア軍部隊の規模を考えれば驚くことではありません。すでにロシアの小型UAVの存在は2015年7月21日に確認されており、今では彼らの作戦飛行がより大型のUAVで強化された可能性があります。

 ロシア軍の人員、装備、車両そして作戦機の大量配備の背後にある正確な狙いは依然として不明のままですが、ロシアが主導する奇襲攻撃は、アサド政権によって行われている攻撃とは全く異なる結果をもたらすかもしれません。もう一つ考えられる可能性は、ロシアが前線への大規模な兵力投入を控え、その代わりにまず航空戦力で内戦に介入することです。シリアに展開する作戦機とヘリコプターの規模は今後数日間で最大50機に達する可能性があります。


 (ヘッダー画像に見える)整然と並べられた「Su-25」は優れた近接航空攻支援(CAS)機です。その大きなペイロードを活用して、あらゆる攻撃時に地上部隊へ継続的な支援を提供することができます。特にロシアの最新誘導兵装を装備した場合、これらの攻撃機はロシア空軍自身の対地攻撃能力も大幅に向上させるでしょう。そして、ほぼ全ての反政府勢力が保有する対空兵器の大部分に耐えることができるほど頑丈です。

 ロシア軍のシリア派遣はアサド政権が権力の座を維持し続けることを意味しており、彼抜きでの新(統一)政権への移行はほぼあり得ないと言っても過言ではありません。単なる軍事作戦のように見えますが、この派兵は反政府勢力をはるかに不利な条件で交渉のテーブルに復帰させるものです。この事実は、この動きに対する今のところ静かな国際的反応に反映されています。

[翻訳に際しての参考資料]
Latest imagery shows 28 Russian aircraft (12 Su-24s, 12 Su-25s and 4 Su-30s) on the ground at airbase in Syria https://theaviationist.com/2015/09/22/latest-imagery-unveils-12-su24s/

2025年9月21日日曜日

【復刻記事】ロシア空軍の介入か:シリアで最新鋭機が目撃された


著:シュタイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳Tarao Goo)

 この記事は、2015年9月21日に本ブログのオリジナル(本国版)である「Oryx-Blog(英語)」で公開された記事を翻訳したものです。 意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しが異なっている箇所があります。

 シリアでの戦闘に投入されたロシア軍人や装備の目撃情報が相次ぐ中、数多くのロシア軍機や装甲戦闘車両(AFV)の投入が確認されたこともあって、シリア内戦におけるロシアの役割は急激に高まりつつあります。

 ロシア軍基地として活用するためのフメイミム/バッシャール・アル・アサド国際空港の改築と同時に、シリア上空で「Su-30SM」や「Su-24M/M2」などの軍用機を護衛する「Il-76」輸送機または「Il-78」空中給油機(注:おそらく後者の方が可能性が高いと思われる)が目撃されました。これらと共に目撃された「An-124」戦略輸送機については、多種多様な兵器と一緒に、少なくとも2機の「Mi-17」と2機の「Mi-24/35」ヘリコプターを空輸したとも報じられています。

 この飛行場には約12機もの「Mi-14」と「Ka-28」対潜ヘリコプターが配備されていましたが、この数週間で撤収が確認されました。そして、敷地内での新ヘリパッドと誘導路の建設で規模が急速に拡大されるとともに、ロシア軍機と装備の受け入れに応じて反政府勢力の攻撃から基地を防護するための防御体制も整備されつつあります(注:対潜ヘリはシリア空軍所属機)。基地の拡大は今までも多くのメディアによって指摘されていたものの、9月19日になって初めて、(衛星画像によって)滑走路に無防備に駐機されたロシア軍戦闘機の存在と専用のシェルターがまだ建築されていないことが確認されました。

 この時に撮影された4機の「Su-30SM」戦闘機のほかに、インターネット上で公開された動画では9月19日と20日にそれぞれ「Il-78」を護衛する4機の「Su-24」戦闘爆撃機と、(おそらく)さらに4機の「Su-27/30」がホムス北部上空を同様の編隊を組んで飛行しているように見えます。この映像は、ロシア軍機がラタキア近郊のフメイミムに向かっていた可能性が高いことを示しています。これとは別個に推測できる事項は、ロシア機がカスピ海上空を飛行した後にイランとイラク上空を通過したというものです。この説はホムス上空で彼らがとったアプローチを説明してくれるものの、現在のイラク及びシリア上空で活動している大量の外国機を考慮すると、リスクの高い方法ではあります。それでも、フメイミムに展開した最初の「Su-30SM」4機がギリシャ領空を通過したことは判明しているため、展開には双方のルートが使われていることも考えられるでしょう。

 先の動画と、ロシア空軍のスホーイ戦闘機4機のシリア配備に関するアメリカ政府当局者のコメントは、これまでに少なくとロシア機が3回に分けてシリアに飛来したことを示唆しています:まずは 「Su-30SM」が4機、次に「Su-24M/M2」が4機、そして「Su-30SM」と思われる形式不明機が4機です。


 「Su-30SM」はこれまでSyAAFが使えなかった能力をもたらすほか、ロシア空軍はあらゆる攻撃や防御ミッションを細かくフォローすることができるようになります。

 探知・収集した情報を地上部隊に中継できることから、この新鋭機は空中指揮プラットフォームとしても機能します。広範囲にわたる種類の誘導・無誘導兵器を運用可能であることから、「Su-30SM」はシリアの戦場に適した非常に汎用性の高い航空機と言えるでしょう。 しかしながら、これらの戦闘機がロシア空軍で使用されている最新鋭の戦闘機の一部で、対地攻撃だけでなく空対空戦闘も可能であるという事実は、空軍が配備にこの戦闘機を選んだ別の理由を暗示している可能性があります。というのも、これらの戦闘機が初めて目撃される直前に、ロシアはシリア内戦に関するアメリカ側との最初の協議を終えたばかりだったからです。こうした高性能な最新鋭機のシリア配備が世界に強力なメッセージとなることは言うまでもありません。

 「Su-30SM」より性能が劣る「Su-24M/M2」の配備については、シリア空軍も同じ機体(しかも全てが最近にロシアのルジェフでMK規格からM2規格にアップグレードされたもの)を運用していることを踏まえると、特に驚くようなことではありません。シリアで「Su-24M2」の運用を担う第819飛行隊は、シリア中部のT4基地を拠点にして11機を運用し続けています。予想され得るロシアの「Su-24M/M2」のT4展開はロジスティクス面での円滑化に役立つでしょうし、すでに利用可能な広大な基地を利用することになるので賢明な選択と言えるのではないでしょうか(編訳者注:結局はT4ではなくフメイミムに配備された)。

 シリアに展開する機体の量に左右されますが、ロシア・シリアの統合化された「Su-24」飛行隊は大規模な空爆によって地上の状況を迅速に変える能力を持っています。反政府勢力のあらゆる攻勢を阻止することもできるし、ロシアやアサド政権側の攻勢で彼らの防衛線が吹き飛ばされる可能性さえあるのです。

「Su-27」と表記されているが、カナード翼の存在で「Su-30SM」と識別できる

 飛行機以外の重装備も同時にシリアに空輸されていると報じられています。9月15日の衛星画像では、約26台の装甲兵員輸送車(APC)/歩兵戦闘車(IFV)、6台の戦車、4機のヘリコプター、大量のトラックやその他の装備が飛行場に点在しているのが確認されました。

 9月17日にノヴォシビルスクで撮影された写真には、2機の「Mi-24/35」攻撃ヘリコプターと少なくとも1機の「Mi-17」輸送ヘリコプターが「An-124(RA-82035)」輸送機に積み込まれている様子が写っています。その後、同機は18日にシリア上空でトラッキングされ、夕方に再びロシアのモズドクに着陸したことが確認されました。こうした状況や衛星画像は、現時点でロシア・シリアで大規模な空輸作戦が展開中であることを示唆しています。


26台のBTR系APCと6台の戦車が見える(ただし、BTR系はIFVである可能性がある)

 シリア内戦へのロシアの軍事的介入が強まるというニュースは、決して青天の霹靂ではありません: 7月下旬のロシア軍無人偵察機の撃墜から今月初めの(おそらくロシアが運用する)「パーンツィリ-S1」防空システムの納入に至るまでの相次ぐリポート全てが、アサド政権への支援が大幅に急増していることを証明しているからです。

 こうした流れから、ロシアが反政府勢力の攻勢でアサド政権が屈服することを許さないだろうことは明らかでしょう。そして、ロシアと反政府勢力の間で戦争がまだ始まっていないにもかかわらず、当面はアサドが権力の座を維持し続けるのが現実のようです。

改訂・分冊版が2025年に発売予定です(英語版)

  2025年現在の情報にアップデートした改訂・分冊版が発売されました(英語のみ)

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2024年10月20日日曜日

サバンナの「ゴア」:マリ軍の「S-125」地対空ミサイルシステム




 この記事は2022年2月19日に「Oryx」本国版(英語)に投稿された記事を翻訳したものです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所がある場合があります。

 「S-125」は、1967年と1973年の中東戦争で発揮した性能によって各国から好評を得た地対空ミサイル(SAM)システムです。

 当初、「S-125(NATO呼称:SA-3 "ゴア" )」は東欧・中東・北アフリカの国々に引き渡されたものの、やがてサハラ以南におけるアフリカ諸国へも大量に行き渡るようになりました。

 その一国がマリで、同国は1980年代前半から半ばの間に「S-125」を受領しましたが、同国における「S-125」の運用史や画像については、ほかのマリ軍装備と同様に見つけることが困難です。

 入手できた資料には、1980年代にソ連が6基の4連装発射機(合計で2つのSAM陣地用)を引き渡したことが記録されていました。[1] 

 アフリカにおけるソ連の従属国に配備された大部分の高度な兵器システムと同様に、マリにおける「S-125」のデリケートなコンポーネントは1980年代後半までソ連の軍事顧問によって、そのほとんどが維持されていたようです。[2] 
 
 マリ軍の「S-125」2セットについて、当初はガオモプティにある空軍基地に配備されたと考えられています。[3] 

 この2つの基地は、共に1985年末に短期間ながらも激しい国境紛争を繰り広たブルキナファソとの国境近くに位置しています。と言っても、ブルキナファソ空軍は1980年代に「MiG-17」戦闘機を1機だけしか運用していない上、その短い航続距離はブルキナファソに存在する2つの空軍基地から出撃させてもガオやモプティに到達できない不十分なものでした。
 
 1980年代後半から1990年代前半のある時点で「S-125」陣地はバマコ・セヌー空港に移され、そこで1つの陣地用のSAM一式が保管状態に置かれましたが、その各装備は後に運用が続けられたSAMの部品取り用として使われるようになってしまいました。

 生き残った「S-125」は空港の敷地内に配備されました。なぜならば、この空港は「第101空軍基地(Base Aérienne 101:BA101)」と呼ばれる軍事的な性格を併せ持っていたからです。

 ちなみに、BA101は昔も今もマリ空軍の主要な空軍基地として知られています。

マリの「S-125」発射機から1発のミサイルが発射態勢にある状況を捉えた貴重な画像

バマコ空港にある「S-125」陣地はすでに放棄されました。画像ではミサイルがまだ発射機に搭載されています。

 1990年代初頭にマリからソ連の軍事顧問が撤収した後、マリ空軍はまもなく「S-125」と「MiG-21」戦闘機を自ら維持管理するという難題に直面することとなりました。

 唯一残った「S-125」SAM陣地の運用は1990年代後半から2000年代前半の間に終えたようで、(ほかのサハラ以南のアフリカの「S-125」運用国の大半がそうであったように)システムのオーバーホールや新しい装備の調達は試みられませんでした。

 2010年代初頭における軍事パレードで「S-125」用「PR-14」弾薬輸送車兼装填車が何度か登場したことを考慮すると、マリはパレードの観衆を喜ばせるという怪しげな任務のために、少なくとも「S-125」のコンポーネントの一部を依然として維持(またはリファビッシュ)していると見られます。

「S-125」用ミサイルキャニスター2本を搭載した「ジル-131」トラック(1991年の軍事パレードにて)

バマコでのパレードに登場した「PR-14」弾薬輸送車兼装填車(2010年1月)

「S-125」用ミサイルキャニスター吊り上げ用の「ウラル-4320」クレーン車(2011年の軍事パレードにて)

 2012年のマリ北部紛争の勃発以降、マリ共和国軍が優先とする事項は一変しました。パレードで披露するためだけに車両や装備を維持する余裕はもはや存在せず、「PR-14」は最終的に放棄されてしまったのです。

 2022年時点で、退役した発射機や関連するレーダー、弾薬輸送車兼装填車などは、首都バマコのBA101で今も錆び続けています。

退役した「Mi-24D」攻撃ヘリの直近で、いくつかの「PR-14」弾薬輸送車兼装填車が放棄されている状況

 「S-125」用「V-601」地対空ミサイルは適切なメンテナンスなしでは長期間にわたって保管が不可能であることから、2013年末にマリ国防省はBA101に保管されたままの同ミサイル84発を安全に処分するため、UNMAS(国連地雷対策サービス部)に支援を求めました。 [4] [5] 

 2014年3月28日、UNMASの要員はマリ軍と協力してミサイルをバマコの南東約80kmに位置するクリコロ郊外の解体現場へ向けた移送を開始しました。



 約2か月の間に84発の「V-601」ミサイルが(ロケットブースターの撤去を含む)解体を受け、遠隔操作によって爆破処分されました。[4] [5] 

 こうして、マリにおけるSAMの運用は確実に終わりを告げたのです。



[1] THE SOVIET RESPONSE TO INSTABILITY IN WEST AFRICA https://www.cia.gov/readingroom/document/cia-rdp86t00591r000300440002-2
[2] SUB-SAHARAN AFRICA: A GROWING SOVIET MILITARY PRESENCE https://www.cia.gov/readingroom/document/cia-rdp91t01115r000100390002-1
[3] WEST AFRICA: THE SOCIALIST HARDCORE LOOKS WESTWARD https://www.cia.gov/readingroom/document/cia-rdp86t00589r000200200005-9
[4] Stockpile Destruction of Obsolete Surface-to-Air Missiles in Mali - Issuu
[5] Work in Mali a success – The Development Initiative https://thedevelopmentinitiative.com/work-in-mali-success/