2023年8月8日火曜日

ロシアの戦争:2008年南オセチア戦争でジョージアとロシアが損失した兵器類(一覧)


著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ

 2008年8月、(ジョージア領内における分離独立地域の南オセチアとアブハジアの軍隊を含む)ロシア軍とジョージアとの間で5日間という短さの戦争がありました。

 1992年の停戦合意があるにもかかわらず、8月1日に南オセチア軍がジョージアへの砲撃を開始したことを受けたジョージアが8月7日に軍を南オセチアの支配領域に投入し、その州都であるツヒンヴァリ市の大部分を制圧したのです(注:8月7日の戦争勃発の契機となったのは南オセチアによる砲撃とされているが、ロシア軍の侵攻を引き起こしたのはジョージア軍の攻撃によるもの)。

 この制圧を受け、ロシアは南オセチアに代わって参戦する口実としてジョージアによる「ジェノサイド」を非難し、8月8日にジョージアへの陸・空・海の全面的な侵攻を開始しました。

 ロシアの侵攻は混沌としていたものの、何とかしてジョージア軍を完全に圧倒することに成功しました。なぜならば、大部分のジョージア軍部隊は2022年に侵攻を受けた際のウクライナ軍の戦いぶりとは大きく異なり、数多くの車両や兵器を無傷のまま放置してロシアの進撃より先に逃走してしまったからです。

 この軍事的な敗北は、自国領内の分離独立地域をめぐるロシアとの紛争を見越したミヘイル・サーカシビリ大統領が、2004年から大金を投じてジョージア軍に近代的な装備を導入した後のことだったことは注目に値するべきものと言えるでしょう。近代化に伴って導入した装備には、イスラエルの「スパイダー」地対空ミサイルシステムや「LAR-160」多連装ロケット砲、「ヘルメス450」UAVが含まれていました。

 (今では悪名高い重巡洋艦「モスクワ」も投入された)ロシア海軍によるジョージアに面する黒海沿岸の封鎖と港湾都市であるポチの占領が、ロシア軍部隊がジョージア海軍の艦艇を港で沈められて海軍自体の壊滅に至らせることに成功したことはよく知られています。
 
 ジョージアの空軍基地が爆撃されながらも同軍の「Su-25」と「Mi-24」は、温存する目的で隠匿される前に何度かの出撃に成功しましたが、「Mi-24」2機と「Mi-14」1機がロシア軍に鹵獲・無力化されたことに加え、ジョージアは戦争に至るまでの数か月間で「An-2」3機と「ヘルメス450」UAV3機も喪失しています。

 8月12日の停戦合意に至るまでの間に、ロシア軍とアブハジア軍はコドリ峡谷に攻撃を仕掛けて第二戦線を展開し、支配地域を拡大したことも忘れてはいけません。ちなみに、南オセチア人が占領地でジョージア人の民族浄化を始めたため、ロシア軍は一時的にジョージアの数都市を占領したことも見過ごされがちです。

 最終的にロシアはアブハジアと南オセチアの独立を承認し、10月8日にジョージアにおける係争地域からの軍の撤退を完了させました。

 戦闘停止後、鹵獲した兵器の大半は南オセチアとアブハジアの軍隊に引き渡されました。ただし、ゴリ市近郊のジョージア軍守備隊から「T-72B」 戦車15台と「BMP-2」歩兵戦闘車2台は、ジョージアに返還されるのではなく、ロシア軍によって爆破されてしまいました。

 多大な物的損害を被ったものの、ジョージア軍は「LAR-160」MRLや「スパイダー」SAMシステムといった最新システムを温存することには成功しました。とはいえ、ジョージアは残置された4基の「ブーク」SAMシステムと5台の「2S7 "ピオン"」 203mm自走榴弾砲の回収について、断念を余儀なくされるという手痛い損失を被ったのです。

 ジョージアの「スパイダー」と「ブーク-M1」SAMシステムは「Tu-22M3」戦略爆撃機1機を含む3機の撃墜に寄与しましたが、それ以外について、ロシアはこの戦争での損失は比較的軽微な損失にとどまりました。

  1. 以下に列挙した一覧では、損失が確認されたロシアとジョージアの兵器を掲載しています。
  2. この一覧では、利用できる画像や映像などの視覚的証拠に基づいて損失が確認された兵器類のみを掲載しています。したがって、実際の損失はここに記録されたものより多いと思われます。
  3. 対戦車ミサイル、携帯式地対空ミサイルシステム、ピックアップトラックはこの一覧に含まれていません。
  4. 1991年以前に製造されたタイプの兵器については、名称の前のソ連国旗を表示しています。
  5. 各兵器の名称に続く数字をクリックすると、損失した当該兵器の画像が表示されます。
  6. 画像に記された日付については必ずしも損失した正確な日付を示すものではありません。あくまでその目安となる時期を示すものとご理解ください。

ロシア (93, このうち撃破: 86, 損傷: 4, 鹵獲: 3)

戦車 (4, このうち撃破: 4)

装甲戦闘車両(4, このうち撃破: 3, 鹵獲: 1)

歩兵戦闘車 (20, このうち撃破: 19, 損傷: 2)

砲兵支援車両または装備類(1, このうち撃破: 1)

自走砲 (1, このうち撃破: 1)

航空機 (8, このうち撃墜破: 8)

ヘリコプター(2, このうち墜落: 2)

トラック・ジープ・各種車両 (46, このうち撃破: 44, 損傷: 1, 鹵獲: 1)


ジョージア (194, このうち撃破: 90, 損傷: 3, 鹵獲: 101)

戦車(44, このうち撃破: 27, 損傷: 1, 鹵獲: 17)

装甲戦闘車両 (2, このうち撃破: 1, 鹵獲: 1)

歩兵戦闘車(25, このうち撃破: 19, 鹵獲: 6)

歩兵機動車 (3, このうち鹵獲: 3)

指揮通信車両 (1, このうち鹵獲: 1)
  • 1 9S470M 指揮車両(「ブーク-M1」用): (1, 鹵獲)

工兵車両及び装備類 (6, kのうち撃破: 1, 鹵獲: 5)

牽引砲 (25, このうち撃破: 1, 鹵獲: 24)

自走砲 (9, このうち撃破: 6, 鹵獲: 3)

対空砲 (2, このうち鹵獲: 2)

地対空ミサイルシステム (6, このうち鹵獲: 6)

レーダー (2, このうち撃破: 2)
  • 1 P-18「スプーン・レストD」VHF二次元対空捜索レーダー: (1, 撃破)
  • 1 ST86U/36D6-M「ティン・シールド」対空レーダー: (1, 撃破)

航空機 (3, このうち地上撃破: 3)

ヘリコプター (4, 地上撃破: 3, 損傷: 1)

艦艇 (9, of which destroyed: 7, captured: 2)

トラック・ジープ・各種車両 (49, このうち撃破: 18, 損傷: 1, 鹵獲: 30)

特別協力:Lost Armour(敬称略)
  のです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所が

2023年8月4日金曜日

エチオピアのイスラエル製小火器:「TAR-21 " タボール"」アサルトライフル


著:ステイン・ミッツアーとヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)

※  当記事は、2021年12月4日に本国版「Oryx」(英語)に投稿された記事を翻訳したものです。当記事は意 
    訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所があります。

 エチオピア国防軍(ENDF)は、ロシアやウクライナ、そして中国といった国々から調達した武器を主に運用しています。しかし、このエチオピアは時折、武器や装備の入手で他国に目を向けることがあります。これにはドイツ、UAE、イスラエルといった国々の武器メーカーも含まれており、その製品はENDFに広く導入されています。[2]
 
 そのような製品の1つが「IWI」製「TAR-21 "タボール" 」5.56mm口径ブルパップ式アサルトライフルであり、かなりの数が2000年代後半からエチオピアの治安組織の精鋭部隊で使用されています。

 イスラエルはアパルトヘイト体制下の南アフリカに核抑止力の確立すら援助するなど、終始にわたって強力な支援国でありましたが、同国はほかの多くのアフリカ諸国にとっても人気のある武器類の供給者であることが実証されています。

 エチオピアはハイレ・セラシエ1世が統治していた1950年代に初めてイスラエルとの軍事的な連携を構築し、1974年から1991年までエチオピアに存在した共産・社会主義政権下でもイスラエルとの軍事面での協力関係が続けられました。この時代、メンギスツ政権はアラブ諸国とイスラエルの双方と緊密な関係を保っていましたが、後者についてはほぼ秘匿されていました。

 エチオピアとイスラエルの協力な結びつきが軍備の引き渡しという形でも明らかとなったのは、つい最近になってからのことです。

 これには「エアロスター」「ワンダーB」無人航空機(UAV)が含まれており、どちらも今ではエチオピア北部で戦いを繰り広げているティグライの反乱軍に対してほぼ確実に実戦投入されています。[1]

 ENDFで運用されているもう1つのイスラエル製兵器は「サンダー」歩兵機動車(IMV)ですが、これまでのところティグレ戦争では公に目撃されたことはありません。

 エチオピア軍で運用されているイスラエル製の武器で最も知られているのが、「TAR-21」アサルトライフルであることに疑いの余地はありません。

 これは特に、共和国防衛隊の隊員が「TAR-21」を持ちながら自身の筋肉を誇示するポーズをとっている画像がソーシャルメディア上に多数存在していることから、同部隊で「TAR-21」とステロイドの両方が使用されていることが確認されたことによります(注:この文章には冗談も混じっていますが、実際に強烈な印象与えるためにイメージに残りやすい点も否定はできないでしょう)。

 同ライフルのそれほど仰々しくはない使い道として、エチオピア首相の身辺警護要員(PPD)による使用があります。

 エチオピアでは、共和国防衛隊とPPDの軍人が唯一の「TAR-21」ユーザーとなっています。
      

 「TAR-21」は、左右のどちらが利き腕の人でも操作しやすいように排莢口を左右に備えた現代的なアサルトライフルです。このライフルは市街地での運用を想定して設計されており、その要件が最終的にブルパップ式を採用することに至らせました。

 「TAR-21」は世界30カ国以上で使用されており、その確かな特性と高い品質が証明されています。

 より小さな派生型の「タボールX95」は、イスラエル国防軍(IDF)の新制式小銃として採用されています(最近、IDFが「タボール」を「M4」カービンに置き換えるという報道がありましたが、その話は否定されました)。

 エチオピアで使用されている「TAR-21」には2種類の照準器のどちらかが装備されているのが一般的ですが、極めてまれなケースとして40mm擲弾発射器を装備したものも確認されています。注意すべきことは、擲弾発射機は共和国防衛隊が使用する「TAR-21」の一部に装備されているだけで、PPDの軍人はこのような追加装備をほとんど必要としていないことでしょう(注:任務の特性上、擲弾発射機を装備するのは共和国防衛隊に限られるということ)。

 その代わり、アビー・アハメド首相のPPDによって装備されている「TAR-21」では、戦闘中により素早くリロードできるようにダクトテープで2つに連結された弾倉が装填されている場合が一般的なスタイルのようです(注:よく見るとダクトテープではなく、専用のクリップなどで連結されている可能性があります)。

メレス・ゼナウィ首相(当時)のPPDが「TAR-21」を装備している(2010年)

 共和国防衛隊やPPDに現代的な装備が支給されている間にも、エチオピア軍は1950年代製のライフルやヘルメットがまだ残っている可能性がある国中の武器庫を探し求めることを余儀なくされています。そのことを考慮すると、「TAR-21」のような新型の小火器が、まもなくエチオピアの紛争で疲弊した地域にもたどり着くことは考えられないことではないでしょう(注:ENDFが共和国防衛隊から「TAR-21」を譲渡されたり、新たに支給される可能性があるということ)。

 首都アディスアベバを防御する共和国防衛隊の部隊による使用が(ティグレ防衛軍の敗退で)回避されたため、もはやENDFはどんな装備も秘密にしたり、出し惜しみする余裕がなくなるかもしれません。このことは、近いうちに「TAR-21」がENDFの手によってティグレ防衛軍に対して使用される可能性があることを意味します。

 その戦場で「タボール」は、中国、UAE、イランから新たに引き渡されたされた兵器も含む、どんどん多様化するENDFの保有兵器群の仲間入りをすることになるでしょう。

 ※2021年11月に前線地域を視察したアビー・アハメド首相を護衛した共和国防衛隊の隊員が、「TAR-21」だけでなく「X95-SBR」を携行している姿が初めて確認されました。

[1] The Israel Connection - Ethiopia’s Other UAVs https://www.oryxspioenkop.com/2021/08/the-israel-connection-ethiopias-other.html
[2] Israeli Arms In Ethiopia: The Thunder IMV https://www.oryxspioenkop.com/2021/09/israeli-arms-in-ethiopia-thunder-imv.html


おすすめの記事

2023年7月30日日曜日

老兵は今日も海をゆく:アゼルバイジャン海軍の「AB-25」級哨戒艇


著:ステイン・ミッツアー(編訳:Tarao Goo)

※  この記事は、2022年1月27日に「Oryx」本国版(英語版)に投稿された記事を翻訳したものです。意訳など
  により、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所があります。

 アゼルバイジャンが1991年に独立した以降、この国の海軍は主にソ連から引き継いだ寄せ集めの艦艇を運用しています。

 アゼルバイジャンの国境警備隊(SBS)が近年にイスラエル製の哨戒用艦艇を大量に導入している一方で、海軍はSBSから移管された多数のソ連時代の哨戒艇とタグボートを「新たに」導入しただけであり、結局は旧式艦艇の寄せ集めとしか関わりがありません。

 おそらく一見して保有する艦艇が乏しい結果として、アゼルバイジャン海軍に関連するものには全く注意が向けられていませんでした。

 とはいえ、この海軍を注意深く分析してみると、現在保有している老朽化した艦艇や装備を最大限に活用して、他国の海軍ではだいぶ前に退役した艦艇や艦載兵装を運用し続けることを意図しているような現状が明らかとなりました。

 いくつかのケースでは、レーダーシステムのアップグレードや新たに遠隔操作式銃架(RWS)の搭載がなされることがあり、その一例として、以前に当ブログで取り上げた、少なくとも1隻の「ステンカ」級哨戒艇に「アセルサン」社製の「SMASH」30mm RWSが搭載されていることが挙げられます。[1]

 アゼルバイジャン海軍で現役を続けているもう1つの注目すべき老朽艦は、2000年に供与された1隻のトルコ製「AB-25」級哨戒艇です。[2]

 アゼルバイジャン海軍自体の画像や情報が不足しているため、この哨戒艇の20年以上にわたる同国での運用歴については、その大部分が見落とされてきました。

 それでもなお、アゼルバイジャン国防省がソーシャルメディアの活用を始め、今ではYouTubeに海軍に関する動画を定期的にアップロードするようになったことから、綿密な調査をしたところ、ここ10年間の至る所でこの哨戒艇に関する多くの映像が撮影されていたことが判明しました。


 「AB-25」級哨戒艇は1960年代から70年代にかけて、イスタンブールのCamialtı造船所で12隻建造されました。

 トルコ海軍がより現代的で重武装の艦艇を導入した後、トルコは数隻の旧式艦艇を周辺地域の友邦に供与することが決定され、隣国のジョージアは1隻の「AB-25」級を1998年にもらい受け、別の2隻は1999年と2001年にカザフスタンへ譲渡されたと報じられています。[2]

   アゼルバイジャンは2000年に「AB-25(艦番号:P 134)」を供与されたと推測されています。これによって、「P 134」艇はアゼルバイジャン海軍に就役した初の非ソ連製艦艇という栄誉を得ました。


 2000年と2002年にトルコがさらに2隻の「AB-25」級を退役させましたが、その後の現在でも6隻がトルコ海軍で現役であると考えられています。

 トルコで就役している「AB-25」級には、前甲板に「エリコン(現ラインメタル)」社製20mm機関砲1門、中央部に「M2」12.7mm重機関銃(HMG)2門、後甲板に「ボフォース(現BAEボフォース)」社製「L/70」40mm機関砲1門が装備されています。

 現代の基準からすると迫力に欠ける武装かもしれませんが、「AB-25」級が1960年代に沿岸哨戒艇(IPV)として設計されたものであることを忘れてはいけません。

 興味深いことに、ジョージアとアゼルバイジャンに供与された「AB-25」級は、武装が撤去された状態で引き渡されたようです。

イスタンブールの第1ボスポラス海峡大橋(7月15日殉教者の橋)手前を航行するトルコ海軍の「AB-25」級哨戒艇(艦番号: P 129)

 したがって「P 134」艇が2000年にアゼルバイジャンに到着した後、海軍は即座に武装化に着手しました(現在では同哨戒艇に「P 223」の艦番号が付与されていることが判明しています)。アゼルバイジャンはソ連海軍からかなりの量の艦載兵装を受け継いだので、ソ連製の艦載砲を搭載していても何ら不思議はありません。

 「エリコン」社製20mm機関砲は「2M-3」25mm連装機関砲塔に、「ボフォース」社製40mm機関砲は「70K」37mm単装機関砲に置き換えられました。これによって、「P 223」艇はソ連製の艦載兵装を搭載して運用される、初のトルコ製軍用艦艇となりました。

 中央に装備される2門の重機関銃については、他のアゼルバイジャン艦艇でもよく見られる 「DShK」12.7mm重機関銃と思われます。


首都バクーの南に位置する海軍基地で係留作業中の「P 223」艇

 すぐに後継となる艦艇が導入される目処が立っていないため、たった1隻しかない孤独な「AB-25」級は、しばらくの間、仲間のソ連製哨戒艇と一緒に航海を続けることになるでしょう。

 しかし、2020年のナゴルノ・カラバフ紛争がアゼルバイジャンに有利な形でしっかり決着したことから、同国はカスピ海の軍事化の流れに対応するために海軍の戦力増強に向けた投資を遂に開始するかもしれません。

 アゼルバイジャンが現在運用している老朽化した艦艇の後継のメーカーとして、トルコの造船所が最有力候補となるだろうことには全く疑いの余地がありません。それを考慮すると、「AB-25」級はトルコで設計された別の艦艇に置き換えられる可能性は十分にあるはずです。


[1] New Meets Old: Aselsan’s 30mm SMASH RWS On Azerbaijani Stenka Patrol Boats https://www.oryxspioenkop.com/2021/12/new-meets-old-aselsans-30mm-smash-rws.html
[2] SIPRI Trade Registers https://armstrade.sipri.org/armstrade/page/trade_register.php



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