シリアではよく知られている「Tシリーズ」の戦車と「BMP」歩兵戦闘車の他に、シリア内外の紛争で使用されるあまり知られていない数多くの車両も運用されています。今回紹介するのは、その1種に含まれる「SPR-1」機動電子妨害システムです。
今日の世界では「SPR-1」の出現は非常に稀なので、このキャッチされにくい車両については殆ど知られていません。チェコスロバキア、東ドイツ、ハンガリー、ロシアのみがこのAFVを運用していることが知られていたものの、東ドイツはたった2両しか装備していなかったのです!
シリアはソ連・ロシアとの間に電子戦や電子妨害システムに関する特別な関係を常に有していたので、非常に少数ではあるものの、これらの車両が80年代後半または90年代初頭に供与された可能性は極めて高いと思われます。
画像では、2台のSPR-1のうち1台はアンテナを展開しています。おそらくはこの2台がシリアの「SPR-1」部隊の大部分を占めている可能性があるでしょう(注:2台しか保有していない可能性があるということ)。
※ この記事は、2014年12月15日に「Oryx」本国版(英語)投稿されたものを翻訳した
「GT-MU」多目的装甲車の車体をベースにした「SPR-1」は、近接信管を電子信号によって妨害して迫撃砲弾と砲弾を無力化することが任務です。その電子妨害は2基の強力なアンテナによって実行されるものであり、そこから迫撃砲弾と野砲弾の近接信管の妨害を生成するパルスが送信され、砲弾が狙った標的に命中する直前に空中で爆発させるという仕組みとなっています。
両方の車両が典型的なシリア仕様の迷彩が施されている |
シリアはソ連・ロシアとの間に電子戦や電子妨害システムに関する特別な関係を常に有していたので、非常に少数ではあるものの、これらの車両が80年代後半または90年代初頭に供与された可能性は極めて高いと思われます。
画像では、2台のSPR-1のうち1台はアンテナを展開しています。おそらくはこの2台がシリアの「SPR-1」部隊の大部分を占めている可能性があるでしょう(注:2台しか保有していない可能性があるということ)。
シリア内戦の初期には迫撃砲による照準射撃が数多くあったため、ダマスカス近くのカシオン山の大統領宮殿の近くでいくつかの作戦行動が実施された可能性はありますが、彼らの現在の展開する戦域は今でも不明のままです。
※ この記事は、2014年12月15日に「Oryx」本国版(英語)投稿されたものを翻訳した
ものです(本国版はリンク切れ)。
当記事は意訳などにより、本来のものと意味や言い回しが異なる箇所があります。
おすすめの記事