2021年8月30日月曜日

無人機戦における新たな章:「バイラクラル・アクンジュ」が就役した




 「İstikbal göklerdedir. Göklerini koruyamayan uluslar, yarınlarından asla emin olamazlar - 未来は空にあります。自分の空を守れない国々は、決して自身の未来を確信できないからです。(ムスタファ・ケマル・アタテュルク)」


 8月29日にトルコ空軍に就役した「バイラクタル・Akıncı(アクンジュ)」は、無人機戦の分野に多くの斬新な機能を導入しています。

 これらには、世界中の既存のいかなるUAVにも備わっていなかったいくつかの機能:特に、250km以上の射程を持つ高精度の巡航ミサイルやBVRAAM(視界外射程空対空ミサイル)を100km先の標的に向けて発射する能力が含まれています。

 これらの能力は「アクンジュ」を世界初の量産型マルチロール無人戦闘航空機に変え、無人のカウンターパートによってレガシーの航空アセット(の役割)をますます効果的に再現するきっかけとなります。

 すでに著しく多種多様な兵装プラットフォームですが、「アクンジュ」の 1,350kgという大きな兵装搭載量、搭載可能なさまざまな種類の兵装、そして24時間以上の滞空性は、現在トルコ空軍の240機のF-16飛行隊に付与されている対地攻撃任務の多くを引き継ぐのにも最適であることを意味しています。[1] 

 「アクンジュ」がF-16の対地攻撃任務を継ぐことは、少なくともこれらの任務から解放された貴重な機体が空対空戦闘に専念できるようになるため、トルコがロシアの「S-400」地対空ミサイルシステム(SAM)の購入を決定した結果としてF-35プロジェクトから除外されたことで生じた戦力ギャップを一応は部分的に減少させることができるでしょう。

 このユニークな一連の能力を世に送り出すことを別として、「アクンジュ」は「バイラクタルTB2」やTAI「アンカ」といったシステムに比べてペイロードも大幅に増やすことによって、トルコの既存の無人戦能力を大幅に拡大させます。

 これらのUAVでは重すぎて搭載できなかった誘導爆弾を「アクンジュ」では搭載できるようになったことに加えて 、この機の増加したペイロード容量は「MAM-L」のような小型爆弾をはるかに多く搭載することも可能にします。

 実際、TB2では4発だけだった「MAM-L」を「アクンジュ」では最大で24発を搭載することができることもあって、この新型機はたった1回の出撃で敵の装甲車列全体を壊滅させたり、前進する地上部隊のために敵を狙い撃ちすることで友軍の攻勢を支援するための完璧なシステムとして位置づけられています。後者の役割では、24時間以上の滞空性能のおかげで敵にとっては「アクンジュ」が忍耐強い潜在的な脅威となるでしょう。

    
 バイカル・ディフェンス社は「アクンジュ」が持つ兵装システムの統合を進めており、現在では数種類の誘導爆弾がこの新しいプラットフォームでの使用を検証するためにテストされています。

 これには、2021年4月に最初の試験が行われたスマート爆弾の「MAM」シリーズの新しい派生型である、40km弱の射程距離を誇る「MAM-T」が含まれています(「MAM-L」と比較すると14km以上も長いのです)。

 「MAM-T」は「アクンジュ」で使用されることになっている「テバー(TEBER)」「LGK(レーザー誘導キット装着爆弾)」「KGK(射程延長用の折りたたみ式主翼・GPS/INS誘導キット装着爆弾)」「(L)HGK(レーザー及びGPS/INS誘導キット装着爆弾)」などの精密誘導爆弾ファミリーと共に役立つものになるでしょう。

 これらの誘導爆弾は、自国で設計された誘導キットと国内生産された「Mark-82」、「Mark-83」と「Mark-84」無誘導爆弾を組み合わせたものから構成されています。

 急速に成長しているこの誘導爆弾ファミリーからも分かるように、トルコの精密誘導弾はそれを搭載することになっている無人機と同様に迅速に導入されています。

 とりわけ約900kgの重量を誇る「Mark-84」は非常に手強い武装であり、無人機に搭載される最重量級の爆弾でもあります。GPS/INS誘導キットを装着した場合、この爆弾は「HGK-84」と呼称されます。

 「HGK-84」は最大28km(低空から投下した場合は22km)の射程距離に到達できる一方で、「LHGK-84」呼ばれる別の派生型には精度を向上させるためにレーザー誘導キットが装着されています。[2]

 また、別の派生型である「NEB-84」は、橋やバンカーなどの硬い目標や地下の目標に使用するために設計された(誘導)貫通爆弾です。

 「アクンジュ」以外で「Mark-84」(米国では「GBU-31 JDAM」)を搭載できる無人機は、ジェットエンジンを搭載したジェネラル・アトミックス社の「アヴェンジャー」だけです。


 一見すると無限な種類があると思える兵装を搭載するために、「アクンジュ」は合計で9基のハードポイントを備えており、その位置は主翼の下部に8基、胴体下に1基となっています。後者には、「HGK-84」や「SOM」巡航ミサイルを含む、この無人機に搭載可能な最重量級の兵装が搭載される予定です。

 典型的な兵装の搭載例としては、下のイメージで示されているように、折りたたみ式の主翼キットを搭載した「KGK-82」滑空誘導爆弾2発、「テバー82」精密誘導爆弾2発、そして「MAM-L」小型誘導爆弾8発で構成されたものがあります。この組み合わせは、遠距離にある高価値な硬化目標を攻撃するために出発した「アクンジュ」に、その道中で敵車両の隊列に遭遇してもそれらを即座に撃破させ、そのまま任務を継続・完了させることを可能にします。



 「アクンジュ」が持つ、ほぼ間違いなく最も革新的な特徴は、国産の「ボズドアン」赤外線誘導式AAMとソリッドステート化されたアクティブレーダーシーカーを用いて自身を目標に向けて誘導する(撃ち放し式の)「ゴクドアン」BVRAAM(目視外射程空対空ミサイル)から構成される、空対空ミサイル(AAM)の運用能力があることです。

 「アクンジュ」が搭載しているAESAレーダーは、遠距離の目標を自律的に見つけ出し、低速飛行している的の固定翼機、無人機やヘリコプターを撃墜するために交戦したり、味方の無人機を護衛するために使用することができるはずです。

 (世界にはBVRAAMを保有していない空軍も多数存在するため)BVRAAMを搭載した「アクンジュ」はほとんどの空軍が直面することのできない大きな課題です。さらに、(オフボアサイト照準能力を持つ)「ボズドアン」のような中距離AAMも高速で機動性が高い上に電子妨害にも強いため、相手の戦闘機にとっても脅威となる可能性があります。

 これらのミサイルはいずれも現時点で依然として開発の途上にあり、「アクンジュ」に完全にインテグレートされるまでには数年を要すると思われます。

 この機体が持つもう一つの特徴は、敵の指揮所やSAMサイト、艦艇や230kgの高性能炸薬弾頭での精密打撃を必要とする他の標的に使用するために設計された「SOM」巡航ミサイル・シリーズを搭載する能力があることです。

 このシリーズの2つの派生型は特に艦艇に対して使用するように設計されたものですが、はるかに小型の「MAM-T」の射程距離は、すでに(トルコの仮想敵国である)ギリシャ海軍の4隻を除く全艦艇の防空システムの有効射程距離を凌駕しています。

 それらがその役割で用いられそうにはありませんが、この事実は、過去数十年でUCAVとそれらが搭載できる精密誘導弾の性能がいかに急速に成長したかを示しています。



 一旦現役に入れば「バイラクタル・アクンジュ」は無人戦の新たな章を告げることになります – 味方の領空内から敵のターゲットに巡航ミサイルを発射したり、「NEB-84」貫通爆弾で地下のバンカーを破壊したり、最大24発の「MAM-L」で装甲車列を停止させたり、敵の防空システムをその射程外から狙ったり、敵の航空機・UAVやヘリコプターを撃墜したり...。

 兵装の種類が豊富なことは、「アクンジュ」にある作戦飛行の途中で別の任務へ容易に転用することが可能であることを意味しており、既存のいかなる無人機よりも運用面で柔軟性が大きなものとなります。

 「アクンジュ」の購入に関心を持っている国にとっては、これらの任務に使用される全ての兵装(及びその誘導キット)をトルコからダイレクトに調達できるという事実が高く評価されることでしょう。さらに、この新型UCAVがNATO規格の兵装に適合しているということは、NATO諸国が他の兵装や各国で製造された兵装を「アクンジュ」にインテグレートできることを意味しています。

 これはNATO諸国だけに及ぶものではなく、アゼルバイジャンやパキスタンのような独自の精密誘導爆弾を開発している国では、比較的簡単に「アクンジュ」とのインテグレート(あるいはそうするためのトルコの支援)が期待できます。

 海外の顧客にとって魅力的であることが「アクンジュ」の成功を確かなものにしており、最終的にごく僅かしか生産されなかった世界中の多くの有望なUCAVの運命から逃れられるかもしれません。

 そのため、この新型機は無人機戦の歴史の中で最も重要な大激変の一つとしての役割をすぐに獲得するか可能性があります。



[1] https://twitter.com/ssysfakb/status/1431632334969790465
[2] Precision Guidance Kit (HGK) - TÜBİTAK https://www.sage.tubitak.gov.tr/en/urunler/precision-guidance-kit-hgk

※  この翻訳元の記事は、2021年8月29日に投稿されたものです。当記事は意訳など 
  により、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所があります。
   正確な表現などについては、元記事をご一読ください。


2021年8月26日木曜日

ヌロル・マキナ「エジデル 6×6」:トルコ初の装輪式装甲兵員輸送車



著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)

 オマーンの不毛の砂漠からマレーシアの密林まで...現代では、トルコ製の装輪式装甲兵員輸送車は世界中で運用されています。

 トルコ製装甲兵員輸送車(APC)がこれらの国やバーレーンで活躍していることに加えて、現時点でほかの国々でも6x6や8x8の新型APCの調達を選定中であり、オトカ「ARMA」FNSS 「パース」がその有力な候補にしばしば挙げられています。

 それでも、トルコで初めて真に成功した装輪式APCのプロジェクトについては、それがトルコ製装輪式APCの最初の顧客であるジョージア(グルジア)へ輸出された事実があるにもかかわらず、多くの人に知られていないままです。

 それではヌロル・マキナ「エジデル 6x6」を詳しく紹介しましょう。

 トルコ語で龍を意味する「エジデル」は、これまでに世界7カ国で運用されている「エジデル・ヤルチュン」4x4 MRAPや、現時点ではカタールでのみ運用されている「NMS(ヨリュク)」4x4歩兵機動車(IMV)の製造でよく知られているヌロル・マキナ社が設計・製造しました。
 
 「エジデル」が最終的に具体化されるまでのプロセスはおそらくこの車両の最も興味深いものですが、本質的にはソ連のBTRシリーズを(非常に)漸進的に発展させたものです。

 1990年代初頭、ヌロル・マキナ社はルーマニアのROMARM社と共同で立ち上げたプロジェクト:「RN-94 6x6APC」(下の画像)の開発を通じて、防衛分野に初めて参入しました。後者はすでにAPCの設計に豊富な経験を持っており、特にソ連のBTR-60、70や80をベースにした「TAB」シリーズが有名です。

 最初の「RN-94」はまだルーマニアで製造されていましたが、2台目はすでにトルコで組み立てられており、その後にもう5台の試作車両の製造が続き、1999年までにさまざまなテストを受けました。

 「RN-94」には数種類の(砲塔タイプの)武器ステーションや、4発のマリュートカ対戦車誘導ミサイル(ATGM)を搭載することも可能でした。



 当初はトルコ国防省からの発注が予想されていましたが、軍内部からの要求が変化し、1999年までには、もはやトルコ陸軍で「RN-94」を導入する必要性がなくなってしまいました。

結局はバングラデシュがこの「RN-94」の唯一の顧客となり、2005年に救急車型のRN-94を9台購入しました。[1]

 「RN-94」の開発で得られた技術的なノウハウを活用したヌロル社による全く新しいAPCの開発がほぼ同時に開始され、そのプロジェクトの成果が最終的に「エジデル 6x6」となりました。[2]

 ROMARM社はRN-94プロジェクトから得られた経験を「Saur」シリーズのAPCに活かしましたが、結果としてどの車両も買い手がつきませんでした(注:ルーマニア軍自体はモワグ社製のピラーニャⅢを導入しています)。

        

 一方の隣国のジョージアでは、ミハイル・サーカシビリ大統領がアブハジアと南オセチアの分離独立地域に関してロシアと衝突する可能性を見越して、2004年以降、グルジア軍に最新の装備をさせるために巨額の資金を投入し始めました。
 
 この中にはイスラエルの「スパイダー」SAMLAR-160多連装ロケット砲、「ヘルメス450」UAVのみならずトルコの「コブラ」IMVも100台ほどが含まれていました。

 それにもかかわらず、2008年8月にロシア軍が侵攻を開始した際には、これらのシステムはその猛攻撃を止めることに少しも役に立ちませんでした。

 敗北した直後、ジョージアは12日間の戦争で損失した装備を補填し、将来の脅威に対処する能力を向上させるために、改めて軍の再装備を開始しました。

 この期間で導入された最も重要な装備が約72台のヌロル製「エジデル 6x6」APCであり、これはジョージア陸軍と内務省で使用されているBTR-70とBTR-80装輪式APCを補完し、後に置き換えるためのものでした。 [3]

 機動性の高い「エジデル」はジョージアの機動戦のドクトリンに非常に適しており、国産の「ディドゴリ」IMVと一緒に運用されています。




(重量が僅かに13トンを超過するBTR-80と比較すると)「エジデル 6x6」 TTZA (Taktik Tekerlekli Zırhlı Araç:戦術装輪式装甲車両 )の重量は18トンであり、舗装路での最高速度は110km/hで航続距離は約800kmです。[4]

 操舵については6x6のために前4輪だけがステアリングされる方式となっています。

 「エジデル」の車体は装甲板で構成されているため、小火器からの射撃や砲弾の破片に対して全方位的な防御力を備えています(より高度な防御力を実現するための増加装甲も装備可能ですが、ジョージアは導入していません)。[4]
 
 車体の底部はV字型であり、自体やIEDの爆風から2名の乗員と最大で10名の搭乗兵を保護します。

 (車体の両側面に3基ずつ装備されている)6基の発煙弾発射機は、使用すると自車の位置を一時的に隠すことができることから、追加的な防御手段としての機能を備えています。

 さらに、「エジデル」には車体後部に2基のウォータージェットが装備されているため、水上を時速9kmで推進することが可能です。[4]



 「エジデル 6x6」の武装はこのクラスのAPCとしては比較的標準的なものであり、遠隔操作式の7.62mmや12.7mm重機関銃、または40mm自動擲弾銃を装備しています(後者はジョージアで運用されている車両に装備されています)。また、「エジデル」は最大で口径90mmまでの砲を装備した、多種類にわたる遠隔操作式(砲塔型の)兵装ステーションも搭載することが可能です。

 (RN-94に搭載された砲塔と同型である)25mm機関砲を装備したフランスのドラガー砲塔を搭載した歩兵戦闘車(IFV)型も顧客(ジョージア?)に提案されましたが、受注されることはありませんでした。

 さらには偵察型、対戦車ミサイル搭載型、自走迫撃砲型、90mm砲を装備した火力支援車両型、救急車両型、指揮車両型、回収・工兵車両型を含むさまざまな派生型が開発されました。

 ヌロル・マキナ社は中東からの需要を予期してアラビアの砂漠で「エジデル 6x6」の試験を実施しましたが、結局はそれ以上の発注を受けることはありませんでした。その結果、今日ではジョージアがこのAPCの唯一の運用国となっています。




 「RN-94」と「エジデル 6x6」は最終的にトルコ軍に採用されませんでしたが、これらの開発から得られた経験は、オトカ「ARMA」、FNSS「パース」やBMC「ZMA」といった装輪式APCを生み出した新生トルコの防衛産業にほぼ確実に大きな恩恵をもたらしたことでしょう。
 
 今日では、トルコは陸軍と特殊作戦コマンド用に初の6x6 APCとしてFNSS「パースIII 」を受領する予定になっています。

 その一方でジョージアで運用されている「エジデル 6x6」は忘れられがちな存在ですが、決して能力が劣っているわけではありません。

 2009年に2隻のOnuk製「MRTP-33」警備艇がジョージア沿岸警備隊用に調達されたこと以外では、トルコからの大規模な武器調達は実現していません。

 それでもなお、ロシアの軍事行動の脅威が常にこの地域に迫っている中で、「バイラクタルTB2」のようなトルコ製の兵器がジョージア軍のウィッシュリストの上位に入っていることは間違いないでしょう。

 おそらくいつの日か、進化した兄弟たちが全ての始まりとなった車両:「エジデル 6x6」と一緒に活躍するかもしれません。
私たちの本の日本語版は9月3日に大日本絵画社様から発売予定です!

 ※  この翻訳元の記事は、2021年4月26日に投稿されたものです。当記事は意訳など 
   により、僅かに本来のものと意味や言い回しが異なっている箇所があります。
      正確な表現などについては、元記事をご一読ください。


2021年8月24日火曜日

イランの「モハジェル-6」UCAVがエチオピアで目撃された

この画像は「モハジェル-6」のイメージ画像です(エチオピアとは無関係です)

著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo

 エチオピア北部のティグレ地方で突然に激しく勃発した内戦は、この国を混乱に陥れています。北の隣国との数年にわたる不安定な平和の後、エチオピアは突如としてエリトリアとの通常戦に備えて備蓄していたものと同じ武装をした予期せぬ敵との戦争に直面したのです。

 ティグレ人民解放戦線(TPLF)着実に成長を遂げつつある一方で、政府軍はその動きをせき止めることができないことから、この国は今や自らの運命を変えるための何かを必死に探しています。そうすることで、彼らは最も盟友となる機会がありそうもなかった国からの支援を見つけ出しました。ごく最近、エチオピアはどうにかしてイランとの間で多数の「モハジェル-6」無人戦闘航空機(UCAV)の引き渡しを受けるという契約を迅速に結んだようです。

 この国はイスラエルと密接な関係を維持しており、イスラエルの兵器や訓練といったほかの軍事サービスを頻繁に輸入しているため、イランのUCAVが明らかにエチオピアへ納入されたことは非常に注目に値します。

 実際、エチオピアが保有する無人機については、以前はほぼ完全にエアロノーティクス「エアロスター」やブルーバード「ワンダーBミニ」 無人航空システム(UAS)といったイスラエル製のシステムで占められていました。[1]

 しかし、これらのUAVの現在の運用状況は不明であり、どれもが武装することができない機体であるという事実は、エチオピアがUCAVを入手するためにほかの供給源を探す原因となった可能性があります。

 一般的な予想に反して、この供給源はトルコや中国ではなくイランだったようです。

 見たところでは(「モハジェル-6」は)8月1日にエチオピア北東部のセマラ飛行場に到着し、それから2日以内にアビー・アハメド首相が同空港を訪問した際にUAVの地上管制ステーション(GCS)が撮影されました。[2] [3]

 衛星画像は少なくとも2機のUAVとそれに関連するGCSが引き渡されたことを明らかにしています。これらのシステムは大規模な調達をする前の評価用に導入した可能性があります。[4]

 あるいは、今までに確認された数の少なさは、納入が短期間で行われたことと、すぐに入手可能な「モハジェル-6」UAVの数が比較的少なかった結果だったかもしれません。もちろん、すでに多くのUAVが引き渡されている可能性は残っていますが、その場合は単に「モハジェル-6」が複数の基地に分散配置されているということでしょう。



 この問題となっているUAVの特定はいくらかの難題をもたらしました。

 当初の報告では、UAEが隣国のエリトリアに配備したものと同じ中国の「ハリアーホークII・エアスナイパー(鹞鹰II)」や「翼龍II」である可能性が提起されていましたが、衛星画像に写った機体の寸法や独特の形状からその可能性は大幅に狭まり、決定的に除外されました。しかし、地上から撮影された画像がまだ入手できないという事実と、考え得る(無人機の)供給源のマーケットが幅広く多様になっていることが問題を複雑にしました。

 衛星画像を通じてこのUAVが「モハジェル-6」が」その最有力候補であることが確認されましたが、機体より鮮明に撮影された専用のGCSがその特定に至る要因となりました。



 外面的には、この車両の構造は各部のレイアウトとアンテナの両方が他のイラン製GCSと明らかに一致しています(もし正確に一致していない場合は、イランのGCSが繰り返し改良を受けているためと推測されます)。

 GCSの機動性は、イランの定番である独特の塗装が施されたメルセデス・ベンツのトラックによって確保されており、それぞれ分離された管制室に至る2つのドアも(軍事ウォッチャーから見れば)おなじみの光景です。

 外観では、全てのイラン製GCSに備えられている特徴的な白いアンテナがおそらく最も重要なポイントでしょう。通信用のパラボラ・アンテナは新型のようです。




 内部を見ると、このGCSがイラン起源の車両であることがより明らかとなります。

 管制室にある画面の一つには無人機のFLIR(前方監視型赤外線装置)からの映像が表示されており、情報の表示方法やレイアウトは最新のイラン製UAVで知られているものとほぼ同じです。特に機体の向きを示す2つのインジケーター(矢印)は、紛れもなく一致しています。



 おまけに、室内の各液晶画面はイランで撮影された「モハジェル-6」のGCSの映像に写り込んだものと同じボタンとダイヤルが備えられたコントロールパネルに組み込まれています(注:よく見ると画像の右側には液晶画面が縦2列・横3列に配置されており、後者は「モハジェル-6」のGCSと特徴が概ね一致しています。※この映像の7秒あたりに注目)。

 下の画像ではコンピューター画面が厚い筐体に組み込まれているため、「モハジェル-6」のGCSとは少し違うように見えるかもしれませんが、実際には他のイラン製GCSは全く同じ筐体を備えています(注:下の画像内の赤い画像が「モハジェル-6」のGCS内ですが、画面を組み込んだ筐体の形状がエチオピアに引き渡されてものと異なっていますが、先述の映像のとおり、同一の筐体を使用したGCSも存在しているようです)。

 このコンピュータがWindows 7をOSにしているように見えるという驚くべき事実でさえ、イランに目を向けさせてくれる手がかりとなります。なぜならば、「モハジェル-4」のGCSのコンピューターが同様にWindows XPを使用していたことが知られているからです。[5]



 イランの技術的特徴と明らかに類似していることから、これまで供給源として提起されてきたさまざまな国は除外されていますが、イランの無人機技術の一部は中国の無人機から発展されたため、エチオピアに引き渡されたのが中国製無人機である可能性が残されていることに注意する必要がありました。

 (砂漠迷彩のメルセデス・トラックを含む) 多くの事実が別の答えを示していますが、おそらくこの選択肢が除外される最も決定的な理由は、知られている中国のGCSは実際には(各種設備が)エチオピアのGCSとは全く異なる配置となっており、問題となっているUAVの衛星画像の寸法と形状の両方に一致する中国の無人機が存在しないという事実です。

左がエチオピアのUAV、右が「モハジェル-6」の画像を重ねたもの。画像提供:Planet Labs

 「モハジェル-6」UCAV自体は「モハジェル」系UAVの最新型です。

 2017年に初公開されたこのUAVは、その1年後に量産を開始したと同時にイラン革命防衛隊の3つの部門で就役し、さらには数機がイラクの人民動員隊(PMF)に供与されました。[6]

 製造者であるコッズ航空産業社は「モハジェル-6」の航続距離は200kmであり、兵装に関しては最大で40kgのペイロード:「ガーエム-1」「ガーエム-5」「ガーエム-9」精密誘導爆弾(PGM)をそれぞれ2発から4発を搭載可能と主張しています。これらのPGMの軽量性が、このUAVの最大飛行高度約5,500mや12時間の滞空性能を実現させています。(注:軽いPGMの搭載は機体の性能に大きな悪影響を及ぼさないということ)。[7]

 また、「モハジェル-6」は標的探知・獲得と偵察用として、「EOAS-I-18A」FLIR装置を装備しています。[8]



 現在では、入手可能なUCAVプラットフォームが幅広く存在していることを考えると、「モハジェル-6」を選択したというエチオピアの決定は好奇心をそそるものがあります。

 運用可能な高度が低いために地上からの対空砲火に脆弱であり、FLIRの品質が低いことや「モハジェル-6」自体の戦闘における実績が皆無に近いという事実から、実戦では乏しい効果をもたらす可能性があります。さらには、これまでに把握されている生産数が少ないため、イランが悪化するエチオピアでの紛争の流れを変えるのに十分な量のUAVシステムを供給できるかどうかは現時点では不明です。

 このような欠点が無い競合する選択肢としては、トルコの「バイラクタルTB2」のようなUCAVシステムがあります。このUCAVはここ最近にあった複数の紛争:最も注目すべきものとして、2020年2月のシリアにおける「春の盾」作戦、リビアにおけるロシアとUAEが支援するリビア国民軍(LNA)との戦い、2020年のナゴルノ・カラバフ戦争の際に流れを変えたことで知られています。

 もしセマラ飛行場で目撃された「モハジェル-6」が評価用に導入したことが判明した場合や、入手した数が実際に限られたものだったのであれば、このようなUCAVの導入は依然としてエチオピアが選択し得るオプションの一つとなっているでしょう。

特別協力: Wim Zwijnenburg.

[1] Ethiopia army buys UAVs from BlueBird https://bluebird-uav.com/ethiopia-army-buys-uavs-from-bluebird/
[2] https://twitter.com/FijianArmadillo/status/1423360509471039495
[3] https://twitter.com/MapEthiopia/status/1422579094957477892/
[4] https://twitter.com/wammezz/status/1423055991231467540
[5] Look inside the control point of the Iranian drone Mohajer-4 https://en.topwar.ru/84078-punkt-upravleniya-iranskim-bespilotnikom-mohajer-4.html
[6] Iraqi militias parade Iranian UAV https://www.janes.com/defence-news/news-detail/iraqi-militias-parade-iranian-uav
[7] https://twitter.com/brokly990/status/1256994704568258562
[8] https://twitter.com/L4RB1/status/1192650551814742016

※  この翻訳元の記事は、2021年8月11日に投稿されたものです。当記事は意訳など 
 により、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所があります。
   正確な表現などについては、元記事をご一読ください。



2021年8月20日金曜日

翼のあるオリックス:カタールの「バイラクタルTB2」とその他の無人機導入計画



著:ステイン・ミッツアーとヨースト・オリーマンズ (編訳:Tarao Goo)

 「バイカル・テクノロジー」社(以下、バイカル社と表記)の「バイラクタルTB2(以下、TB2と表記)」はリビア、ナゴルノ・カラバフ、シリアの空から国家や敵の攻勢の命運を決する役割を果たしたことで、非常に高い評価を得ています。TB2の着実な成功はこの世界に存在している他のいかなる種類の無人戦闘攻撃機(UCAV)で並ぶものがない程であり、大きな注目といくつかの国からの関心を集めています。

 かなりの数のTB2がウクライナやアゼルバイジャンに調達されたことは広く知られていますが、その一方でこのUAVを導入した最初の外国であるカタールが6機のTB2を運用していることは全く知られていません。

 アゼルバイジャンにとってTB2はアルメニアへの圧勝を最終的に保証した崇敬すべきアセットとなりましたが、カタールはUAVに関する運用・技術的な経験を積むという、より謙虚な初期目標のためにTB2を購入したようです。

 無人機の分野でカタールは近隣諸国に比べてやや後れを取っていましたが、「バイラクタルTB2」はこの国を無人機戦の時代へと推し進めるために指名されたシステムだったと思われます。しかし、その用途は単に無人機の運用経験を積むことをはるかに超えているため、偵察や攻撃アセットとしてのTB2の能力は大いに重宝されるでしょう。


 「バイラクタルTB2」の導入を決定する前に、カタールは長年にわたって必要としていたものに見合う欧米や中国のUAVを検討したと報じられています。[1]

 その後の(2020年初頭にシリアで実施された「春の盾作戦」に参加したことでTB2が世に知られるようになる約2年前の)2018年3月にドーハで開催された展示会「DIMDEX」で、カタールがTB2を6機、地上管制ステーションを3台、シミュレーターを1台発注することが公表されました。それらに加えて、バイカル社はカタール軍用にネットワーク・ベースのデータ追跡及びアーカイブ用ソフトウェアだけでなくUAVオペレーション・センターもセットアップしました。

 翌年に納入された後、TB2はRCS(偵察・監視センター)で運用に入りました。カタール国防省の一部であるRCSは、UAV部隊やセンサーベースのシステムを用いてカタールの国境を警備する任務を負っています。

カタールへの納入直前に撮影された6機の「バイラクタルTB2」と3台の地上管制ステーション

 就役後のTB2は、2020年3月にカタール軍と王室警護隊が例年実施している「アル・アドヒード」演習で初公開されました。公開された僅かなカットからは、いずれのTB2も兵装を搭載している姿を見ることはできませんでしたが、そのうちの1機が「MAM-L」誘導爆弾を使用して静止目標への精密爆撃を行ったことが暗示されています

 今年の「アル・アドヒード」演習の際には「バイラクタルTB2」が再び登場しましたが、今回はもっぱら偵察用途で使用されたようです。[2]

 これはカタールで運用されているトルコ製無人機が公開された最初の映像でしたが、実際にはTB2はカタールで2番目に就役したトルコ製無人機です。

 2012年3月には、カタールがTB2と同じバイカル・ディフェンス社が設計・製造した「バイラクタル・ガジュウ3 ミニUAV」の最初の輸出先になったことが公表されました。2011年にイスタンブールで開催された国際防衛産業フェア(IDEF)で署名された契約に基づいて合計で10機の「バイラクタル・ミニUAV」が納入されましたが、この機体はカタールではいまだに公開されていません。[3] [4]






 TB2がカタールで運用されている映像が希少であるにもかかわらず、6機全てがアル・シャマルと呼称されていると思われるカタール北部の地域に新しく建設された空軍基地を拠点にしていることが知られています。[5]
 
2018年に着工が開始されたこの基地は無人機の運用のために特別に建てられたようで、同じく近年に建てられた巨大な軍事施設に隣接しています。

 この基地を撮影した衛星画像は滑走路に隣接する「バイラクタルTB2」に関連する3台の地上管制ステーションを一貫して示しており、TB2の運用が進行中で非常に活発であることが確認されています。

 25°45'52.26"N, 51°17'12.98"E

 技術評価・知識の獲得という役割に加えて、TB2の偵察・攻撃能力も間違いなく無視することはできません。カタールにとって、TB2のような安価なUCAVを大量に導入することは、敵対的な水域と化した際のペルシャ湾のパトロールに取り組む場合においてゲームチェンジャーとなる可能性があります。特に、イランが使用している高速攻撃艇やミサイル艇の群れは脅威となっていることから、機動性の高い「MAM-L」誘導爆弾は非常に適した対抗手段となるでしょう。

 手頃な価格で対空砲や携帯式地対空ミサイル(MANPADS)などの防空システムをその有効射程・射高からアウトレンジ攻撃できる「MAM-L」は、スウォーム攻撃に対する普遍的で費用対効果に優れた解決策であることを示しています。

 TB2の別の使い道としては、サウジアラビア主導によるイエメン介入におけるフーシ派の標的に対して実施された戦闘任務で投入される高速ジェット機を置き換えることも想定されます。大幅に少ないコストで運用され、敵領域の奥深くでパイロットを失うリスクもないことから、TB2は低い経済的・人道的コストで軍事的効果を最大化する小規模な介入(バイラクタル外交と呼ばれるドクトリン)におけるトルコの成功例の再現に活用することができます。




 しかし、カタールが関心を示した無人機は「バイラクタルTB2」だけではありません。2019年の独立記念日における軍事パレードでは、さらに2種類のUAV:テクストロン社「エアロゾンデ」「シャドーM2・ナイトワーデン」の存在が明らかになったからです。

 この軍事パレードでの展示からでは、両機種がすでにRCSで運用されているのか、それともカタールが購入する可能性がある無人機として選定されるためにトライアルを受けているものなのかは(当時は)不明でした。それ以来、防衛装備品の展示会でこれらが何度か目撃される機会がありましたが、最終的には2021年4月に、これらの無人機を製造する施設を建てるため、「バルザン・エアロノーティカル」社が米国サウスカロライナ州のチャールストンに注目していることが明らかにされました。[6]

 ※ 2022年3月にカタールで開催された武器展示会「DIMDEX」にて展示された、「ボー 
  イング」の関連会社「オーロラ・フライト・サイエンシズ社」が開発している「オリオ 
  ン(注:ロシアの同名のUCAVとは別物)」MALE型UCAVの機首には「ボーイング」と
  共に上記「バルザン・エアロノーティカル」社のロゴも描かれていました。このことは
  注目に値すべきものであることは言うまでもないでしょう。[10]

       
 
 カタールが導入を検討している3番目のUAVは、ドイツのライナー・シュテマ・ユーティリティ・エア・システムズ社がカタールの資金提供を受けて設計した「Q01」情報収集・警戒監視・偵察(ISR)プラットフォームです。
 
 「Q01」は2人の乗員による操縦か地上からUAVとして遠隔操作することで、1時間あたり僅か500ドルのコストで最大で48時間の監視飛行が可能であり、いかなる他の(有人)機を飛ばすよりも大幅に安価となっています。[7]

 また、この機体には胴体下のフェアリングにさまざまな種類の電子光学センサーや多目的監視レーダーを搭載する能力を有しています。

 2017年末までに17機の契約の調印が想定されていましたが、それ以降の続報は公開されていないため、このプロジェクトの現状は不明のままです(注:2022年3月にカタールで開催された武器展示会「DIMDEX」にて、「Q01」の改良型と思しき「Q02」が公開されました)。[11]

2019年12月にドーハで実施された軍事パレードで公開されたテクストロン製「エアロゾンデ(左)」 と「シャドーM2・ナイトワーデン (右) 」

ライナー・シュテマ「Q01」

 カタールにとって「バイラクタルTB2」や「アクンジュ」といった無人機技術への投資は、現時点では他の追随を許さない能力を湾岸地域に導入することを可能にするため、この点で隣国に対して明確な優位性をもたらします。ハードウェアを別としても、そのようなUAVの購入は他国に欠けている無人機運用の経験も提供してくれることに注目しなければなりません。

 実際、リビア、シリア、ナゴルノ・カラバフでの無人機の戦術と運用で得られた、中東各地で使用されている広範囲に及ぶ現代的なロシア製の防空システムにうまく対抗するための方法論を含む知識を共有することがあり得ます。

 明らかに無人機を含む兵器を開発・製造するための(国内における)技術基盤の確立を目指しているカタールは、バイカル社との有利な取引を確保することでこの目標をさらに前進させることができます。[8]

 将来的には、この取引にはTB2だけでなく、「バイラクタル・ミニ」の新バージョンや「VTOL UAV」、「アクンジュ」、もうすぐ登場するバイカル社初のジェットエンジン搭載型UCAVも含まれるかもしれません(注:後者は2022年4月に「バイラクタル・クズルエルマ」として機体が公開されました)。

 ほぼ全てのクラスの無人機を生産しているバイカル社の知識と技術基盤、政治的中立性(?)と手頃な価格は、最新のUAV能力に常に押し寄せてくる需要を満たすための最も優位性のある選択肢の一つとなることは確実でしょう。

「バイラクタルTB2」の前で記念撮影をするカタール軍のガネム・ビン・シャヒーン・アル・ガネム参謀本部議長(左)と息子たちとバイカル社を自動車関連会社から今日の無人機技術の巨人に変えることに成功したオズデミル・バイラクタル氏(右)

 高まっている評判と魅力的な特色のおかげで、TB2はかつて中国製無人機を購入したいと思っていた、パキスタン、インドネシア、カザフスタン、トルクメニスタンやウズベキスタンといった多くの国で確実に検討されることになるでしょう。実際、ある中央アジアの国が現在のところTB2を購入する過程にあることを示唆する証拠があるため、同国がバイカル社の(知られているものでは)4番目の輸出先となります(2021年9月にはトルクメニスタンが、2022年3月にはパキスタンがTB2を導入したことが確認されています)。

 その一方で、ヨーロッパと北アフリカの市場はその関心の高まりから決して免れているわけではありません。ブルガリアとモロッコは、それぞれ6機と12機の「バイラクタルTB2」に関心を示していると報じられています(注:モロッコは2021年10月時点で導入した事実が確認されました)。

 世界中の国々が先進的で何よりも費用対効果の高い無人機の製造あるいは購入に苦労していることから、政治的な理由でTB2を購入できないほかの国々はバイカル社の発展を必ず関心を持って注目していくでしょう。

[1] Turkey's Baykar to export armed UAVs to Qatar military https://www.dailysabah.com/defense/2018/03/14/turkeys-baykar-to-export-armed-uavs-to-qatar-military
[2] これはTB2が演習で誘導爆弾を使用しなかったということではなく、そのような映像が公開されなかったということを意味します。
[3] Turkey sells mini drones to Qatar https://www.hurriyetdailynews.com/turkey-sells-mini-drones-to-qatar-15862
[4] Procurement: Turkey Exports UAVs https://www.strategypage.com/htmw/htproc/articles/20120319.aspx
[5] https://twitter.com/ameliairheart/status/1395043419999948801
[6] Spy drone-maker eyes Charleston airport on Johns Island for aircraft plant https://www.postandcourier.com/business/spy-drone-maker-eyes-charleston-airport-on-johns-island-for-new-aircraft-assembly-plant/article_8948a618-9f97-11eb-bfc8-a3fdf093506d.html
[7] Qatar backing new 'eye in the sky' https://www.arabianaerospace.aero/qatar-backing-new-eye-in-the-sky-.html
[8] Texas A&M at Qatar, Reconnaissance and Surveillance Center sign agreement to explore drone technology research and training https://www.qatar.tamu.edu/news-and-events/news/Texas-A-M-at-Qatar-Reconnaissance-and-Surveillance-Center-sign-agreement-to-explore-drone-technology-research-and-training
[9] Avrupa sıraya girdi! Yunanistan'dan Türkiye itirafı https://ekonomi.haber7.com/ekonomi/haber/3057811-avrupa-siraya-girdi-yunanistandan-turkiye-itirafi
[10] https://twitter.com/agneshelou27/status/1506907536548679686?s=20&t=bo3GaGYzQg9SH8WW-Sspig
[11] https://twitter.com/agneshelou27/status/1505803587225624577?s=20&t=JtIf0EdQ1erAMR9de8tV1g

※  この記事は、2021年5月19日に本国版「Oryx」で投稿された記事を翻訳したもので
  す。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所があり
  ます。


おすすめの記事

2021年8月17日火曜日

タリバン空軍:保有装備の評定


著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo

 このリストは画像や映像によって証拠があると確認された、鹵獲された前アフガニスタン政府軍の保有機だけを掲載しています。したがって、実際に鹵獲された機体の数はここに記載されているものよりも多いことは間違いないでしょう。

 ただし、無傷の状態で鹵獲された機体の全てが、その時点で稼働状態にあったわけでないことに注意する必要があります。したがって、「タリバンに鹵獲された機体の数 = 同規模の運用可能な彼らの飛行隊」ということにはなりません。 


ほぼ無傷で鹵獲された機体

固定翼機 (13)
  • 1 A-29B 軽攻撃機: (1)
  • 1 セスナ 208 多目的機: (1)
  • 3 L-39 練習機: (1, 2 と 3) [この全機は(鹵獲された時点で)数年も稼働状態にはありませんでした]
  • 8 An-26/32 輸送機: (1, 2, 3, 4, 5, 6, 7 と 8) [同上]

ヘリコプター (44)

無人航空機 (7)



カブール国際空港にて鹵獲されたが米軍によって無力化された機体(米軍の公式発表では73機)

固定翼機 (28)

ヘリコプター (45)


※この一覧については、視覚的なエビデンスが得られた場合には更新していく予定です。
下の画像のキャプションに記載してある日付は鹵獲が確認された日です。
リストの最終更新日:2021年9月20日(Oryx英語版の元記事の最終更新日は2021年9月20日)



ほぼ無傷で鹵獲された機体の画像一覧


1x セスナ 208

8x An-26/32 輸送機

カブールにて鹵獲(2021年8月29日)

カブールにて鹵獲(2021年8月29日)

カブールにて鹵獲(2021年8月29日)


4x UH-60A「ブラックホーク」
ガズニにて鹵獲(2021年8月13日)※右奥

カンダハールにて鹵獲(2021年8月14日)

カンダハールにて鹵獲(2021年8月14日)


13x Mi-24/35「ハインド」
10x MD 530F攻撃ヘリコプター

ヘルマンドにて鹵獲(2021年8月15日)


7x 「スキャンイーグル」UAV