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2023年2月23日木曜日

戦力維持で悪戦苦闘:沿ドニエストルの重火器・軍用車両(一覧)


著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ

 公式には沿ドニエストル・モルドバ共和国(PMR)と呼ばれる沿ドニエストル(トランスニストリア)はモルドバとウクライナの間に位置する分断国家であり、1990年にソビエト社会主義共和国として独立を宣言した後の1992年にモルドバから流血を伴った離脱をして以来、世界からの注目を避け続けています。

 沿ドニエストルが領土内の武器保管庫の大部分を掌握した際には大量の高度な特殊車両を受け継ぎましたが、(自走)砲や歩兵戦闘車両(IFV)は僅かな数しか残されていませんでした。

 かつて存在していた限られた量のIFVなどもモルドバとの内戦終結後にロシアに返還されたため、PMRには世界の数カ国でしか使用されていない工兵車両の豊富なストックが残された一方で、大砲やIFVのような装備はほとんど完全に取り上げられた状態となってるのです。

 それ以降、この未承認国家は自国で開発した多数の車両で戦力のギャップを補おうと試み続けています。こうした独自開発の兵器の大部分は、全く新しい用途に適合させるために既存のAFVを改造したものです。 その最も良い例を挙げるならば、ほぼ間違いなく「BTRG-127 "バンブルビー"」装甲兵員輸送車(APC)、自走対空砲型「MT-LB」汎用軽装甲牽引車「トランスヴィー」歩兵機動車(IMV)、そして「プリボール-2」多連装ロケット砲(MRL)でしょう。[1] [2] [3] [4]

 牽引砲や自走砲のストックが不足しているため、沿ドニエストルは旧式の「KS-19」100mm高射砲を通常の火砲として再利用することも余儀なくされています。新しい装備を獲得する選択肢がほとんど無い沿ドニエストルは適切な戦闘力を維持するために悪戦苦闘していることから、今後も好奇心をそそるデザインのAFVを発表していくことは間違いありません。
  1. この一覧は、現在の沿ドニエストル軍で使用されている全種類のAFVをリストアップ化を試みたものです。
  2. この一覧には利用可能な画像・映像などの視覚的エビデンスに基づいて確認されたものだけを掲載しています。
  3. 対戦車ミサイル、携帯式地対空ミサイルシステム、トラックやジープ類はこのリストの対象外です。
  4. 兵器の名前をクリックすると沿ドニエストルで運用中の当該兵器の画像を見ることができます。
  5. モルドバが保有する重火器・軍用車両の一覧はこちらで読むことができます

戦車

装甲戦闘車両

自走式対戦車ミサイルシステム

歩兵戦闘車

装甲兵員輸送車

歩兵機動車

テクニカル・高速攻撃車両

指揮通信車両

工兵・支援車両

牽引砲

多連装ロケット砲
  • ZPU-1 14.5mm対空機関砲
  • ZPU-2 14.5mm対空機関砲
  • ZPU-4 14.5mm対空機関砲
  • ZU-23 23mm対空機関砲 2種類: (2)
  • AZP S-60 57mm対空機関砲

自走対空砲

レーダー

[1] A Forgotten Army: Transnistria’s BTRG-127 ’Bumblebee’ APCs https://www.oryxspioenkop.com/2017/02/a-forgotten-army-transnistrias-btrg-127.html
[2] DIY On The Dniester: Russia’s Transnistrian SPAAG https://www.oryxspioenkop.com/2020/09/a-poor-mans-anti-aircraft-vehicle.html
[3] Ingenuity In Isolation: Transnistria’s Humvee Copy https://www.oryxspioenkop.com/2022/06/ingenuity-in-isolation-transnistrias.html
[4] A Forgotten Army: Transnistria Unveils New Type Of Multiple Rocket Launcher https://www.oryxspioenkop.com/2018/09/a-forgotten-army-transnistria-unveils.html

 ※  この記事は、2022年11月25日に本国版「Oryx」に投稿された記事を翻訳したもので
   す。当記事は意訳などにより、本来のものと意味や言い回しが異なっている箇所があり
   ます。



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2023年2月21日火曜日

ささやかな戦力:モルドバの重火器・軍用車両(一覧)


著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)

 モルドバ軍はヨーロッパで最も情報が少ない軍隊の一つです。

 ヨーロッパ大陸の最貧国であることから、モルドバは1991年にソ連から独立してから一度も軍備を調達したことがないという誇らしくない経歴の持ち主でもあります。その代わりとして、1990年代にはルーマニア、2000年代から2010年代にかけてアメリカからの軍事援助を受けており、近年は数多くの装甲戦闘車両(AFV)の改修プロジェクトを立ち上げて、自国軍の戦闘力を向上させようと試みてきました。

 規模は地味ですが、こうした改修は「BMD-1」歩兵戦闘車、「9P149 "シュトゥルム-S"」自走式対戦車ミサイルシステム、「BM-27 "ウラガン"」多連装ロケット砲を含む旧ソ連由来の兵器群に、国内で独自改修を施した「BTR」やアメリカ製「ハンヴィー」などをもたらしました。

 モルドバ軍はソ連から膨大な数の工兵車両を受け継いだにもかかわらず、戦車だけでなくBMPや自走榴弾砲さえも保有していません。ただし、唯一の潜在的な敵はモルドバから分離独立した沿ドニエストル共和国であるため、将来的にそのような兵器の導入に向けた投資をする可能性は極めて低いと思われます。

  1. この一覧は、現在のモルドバ軍で使用されている全種類のAFVをリストアップ化を試みたものです。
  2. この一覧には利用可能な画像・映像などの視覚的エビデンスに基づいて確認されたものだけを掲載しています。
  3. 対戦車ミサイル、携帯式地対空ミサイルシステム、トラックやジープ類はこのリストの対象外です。
  4. 兵器の名前をクリックするとモルドバで運用中の当該兵器の画像を見ることができます。
  5. 沿ドニエストルが保有する重火器・軍用車両の一覧はこちらで読むことができます

装甲戦闘車両

自走式対戦車ミサイルシステム

指揮通信車両

工兵・支援車両

砲兵トラクター

砲兵支援車両または装備類

牽引砲

自走砲

多連装ロケット砲

牽引式対空砲
  • S-125 (キシナウ防衛用に1陣地が存在)

レーダー
特別協力:Buschlaid

※  当記事は、2022年11月24日に本国版「Oryx」に投稿されたものを翻訳した記事です。
   当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しが異なっている箇所があ
  ります。


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