2023年5月27日土曜日

新時代の幕開け:チェコが導入を計画したイスラエル製UAV


著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ

※ 2023年5月、チェコ軍はイスラエルから「ヘロンⅠ」3機の購入をキャンセルして小型無人機200機を調達する方針を公表しましたしたがってこの記事の情報が現状とそぐわなくなりますことをご承知ください(ただし、チェコ軍は同時に将来的には大型機導入の方針も示しているため、今後の参考となるかもしれません)。

 チェコ軍は、冷戦時代から生き残っている装備の大部分を最終的に現代的な西側製装備に置き換えるという大規模な変革を実施する予定となっています。

 この構想には「レオパルト2A7」戦車 や「CV90 MkIV」歩兵戦闘車、「カエサル 8x8」自走砲 、「スパイダーMR」地対空ミサイルシステム、「AH-1Z」攻撃ヘリコプター、そして最大24機の「F-35」ステルス戦闘機などの兵器の導入が含まれており、その結果として、チェコ共和国は極めて有能で十分に装備が調えられた軍隊を保有することになるでしょう。

 最近報じられたイスラエルからチェコ空軍用に3機の「ヘロンI」 U(C)AVを導入する件は、前述のすでに高度な能力をさらに発展させることになるでしょう。もちろん、これら全てに相当なコストが伴うことは言うまでもありません。

 チェコがイスラエルの「ヘロン」を選んだことは、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、ルーマニアといった近隣諸国とは大きく異なっています。

 ポーランドは2021年5月に合計で24機の「バイラクタルTB2」を発注し、最初の引き渡しは今年の末になると予想されています。同様に、ルーマニアも近いうちに18機のTB2を発注する予定であり、スロバキアもTB2導入の意向を示しています。[1][2] 

 ハンガリーは2021年11月にトルコのレンタテク製「カライェル-SU」トライアルを実施しましたが、その後にTB2の導入にも関心を示すようになりました。[3] 

 その一方で、ドイツは長年にわたって武装ドローンの使用を拒み続けてきた後、2022年に保有する「ヘロン」UAVの能力を強化して対地攻撃能力を付与することを決定しました。[4]

 チェコ空軍はドイツと同じように「ヘロン」の武装化に専念しているようですが、計画されている3機のUAVの導入だけでは持続的な軍事作戦には不十分です。また、提示された1億1000万ドル(約160億円)という調達価格についても、たった3機のUAVが実現できる機能でその高価さを正当化することは厳しいでしょう。[5] 

 これに対し、ポーランドは2021年5月にTB2を24機を、地上管制ステーション、武装、予備部品込みで2億7000万ドル(約390億円)で購入しました。[1] 

 TB2の輸出価格は1機あたり500万ドル(約7.2億円)と推定されています。パッケージ価格が1000万ドル(約14.4億円)だと仮定した場合、「バイラクタルTB2」 1機はチェコ国防省が(売買契約が成立した際に)「ヘロン」に支払うことになる金額より3.5倍以上も安いことになるのです。 

 チェコ国防省は、「イスラエル航空宇宙産業(IAI)」の「ヘロンI」に決定する以前に、多くの国のいくつかのメーカーに打診したことを明らかにしています。[5]

 「ヘロン」導入の決定には、同機のCOMINT(通信情報収集)及びELINT(電子情報収集)のペイロード能力が極めて重要な役割を果たした可能性がありますが、チェコ国防省はイスラエルとの契約について、「IAIが最低でも契約した事業の30%をチェコの防衛産業に関与させる案を提示した場合にのみ締結される」と付け加えたのです。[5] 

 IAIがどのようにしてこれを実現しようとするのかは不明ですが、チェコの防衛産業がたった3機のUAVの生産に30%も関与することは、結論から言えば、少々馬鹿げた提案としか言いようがありません。


 現在、チェコはアメリカから導入した小型のエアロバイロメント製「RQ-11B "レイブン"」及び「RQ-12 "ワスプAE"」、そしてボーイング・インシツ製「スキャンイーグル」無人偵察機を運用しています。

 チェコ軍は、アフガニスタンにおけるNATO主導の多国籍軍の任務に対する貢献の一環として、「RQ-11B」と「スキャンイーグル」の両方をアフガニスタンに配備したことがあります。

 チェコが「ヘロン」を自国の防衛を強化するのではなく、将来的に同様の国際的な任務に用いることを思い描いていると考えられなくもないでしょう。

 実際にチェコ陸軍は、「選定されたシステム(ヘロン)は陸軍内で想定される用途に最も密接に調和しており、訓練の一環としてのチェコ領土内で、または海外での作戦における支援部隊の一部として投入される可能性があるものの、その双方の本格的な使用で将来的に必要とされる要件を満たしています。」と明言しているのです。[6]



 イスラエルから3機の「ヘロン」システムを導入することはチェコにおける無人機運用史に新たな章の始まりを告げることになるもしれませんが、総額で1億1,000万ドルの価格を考慮すると、この章は書かれるその各1文字が非常に高価なものになるのは間違いないでしょう。

 近隣諸国が小型ではあるものの運用面で類似したUCAVの大量調達をする動きを強めていることから、チェコの防衛産業を関与させるという同様の買収目標を通じて(同国のUCAV運用が)より現実的に達成することが可能である一方で、望ましいレベルのNATO統合化を達成が可能と主張することができます(注:近隣諸国と同様にTB2などの安価かつ自由度の高いUCAVを導入することは格段に安いコストで国内産業を関与しつつNATO諸国のUCAVをある程度共通化することに寄与するということ)。

 イスラエルとの契約が無事に完了するかどうかにかかわらず、チェコの軍隊がこの先の10年で、これまでとは全く異なる存在になることを疑う余地はありません。



[1] Looking behind Poland's purchase of Turkish drones https://learngerman.dw.com/en/poland-continues-to-draw-eu-nato-ire-over-turkish-drone-purchases/a-57775109
[2] Slovakia considers Bayraktar buy from Turkey https://www.janes.com/defence-news/news-detail/slovakia-considers-bayraktar-buy-from-turkey
[3] Brutálisan ütőképes Bayraktar harci drónok beszerzését fontolgatja a kormány https://index.hu/belfold/2022/08/19/palkovics-laszlo-torokorszag-dron-bayraktar-magyar-kormany-technologiai-es-ipari-miniszterium
[4] German Coalition Agrees on $166 Million Budget to Arm Drones https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-04-06/german-coalition-agrees-166-million-budget-for-arming-drones
[5] Cena dronů z Izraele nebude 1,5, ale 2,7 miliardy korun https://www.novinky.cz/clanek/domaci-cena-dronu-z-izraele-nebude-15-ale-27-miliardy-korun-40407332
[6] Czech Republic to Purchase Three Heron Drones From Israel https://www.thedefensepost.com/2022/08/09/czech-heron-drones-israel/

※  当記事は、2022年9月15日に本国版「Oryx」(英語)に投稿された記事を翻訳したも
 のです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所が
 あります。

2023年5月23日火曜日

バトル・オブ・ベルゴロド:2023年の在宇ロシア人部隊によるロシア侵攻で両陣営が喪失した兵器類(一覧)


著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ

 2023年5月22日、ウクライナ軍と連携するロシアの反乱部隊である「自由ロシア軍団」が、国境を越えてロシアのベルゴロド州に侵入したことが注目を集めています。

 ロシア人義勇兵のみで構成される部隊であるロシア自由軍団は、その後に(3月にブリャンスク州に侵入したとされる別の部隊である)ロシア義勇軍団とともにベルゴロド州のコジンカ村を確保し、その前衛部隊がグレイヴォロンの町に入ったと発表しました。

 ウクライナ政府の高官は、自由ロシア軍団がこの地域で国境を越えて侵入を図ったことを認めたものの、彼らが(ウクライナから)独立して行動していたことを強調しています。[1]

 ロシアのベルゴロド州知事である ヴャチェスラフ・グラトコフは、月曜日に「ウクライナ軍の破壊工作・偵察グループ」が同州のグライヴォロンスキー地区に侵入したと発表しました。そして、彼はテレグラム上で「ロシア軍はもとより、国境警備隊、国家親衛軍、連邦保安庁(FSB)は、敵を排除するために必要な措置を講じています」とも明言しています。[2]

  1. この一連の戦闘で撃破されたり、鹵獲された両陣営の兵器類の詳細な一覧を以下で見ることができます。
  2. この一覧は、写真や映像によって証明可能な撃破または鹵獲された兵器類だけを掲載しています。
  3. 民生車両はこの一覧には含まれていません。 
  4. 新たな損失が確認され次第、この一覧は更新される予定です。
  5. 各兵器類の名称に続く数字をクリックすると、破壊や鹵獲された当該兵器類の画像を見ることができます。
  6. 最終更新日:2023年5月24日(本国版は同日午後7時15分ころ)

ロシア (4, このうち撃破:3, 鹵獲: 1)

歩兵戦闘車 (1, このうち鹵獲: 1)

牽引砲 (1, このうち撃破: 1)

各種車両 (2, このうち撃破: 2)


自由ロシア軍団 (8, このうち撃破:2, 鹵獲: 6)

MRAP:耐地雷・伏撃防護車両 (2, このうち鹵獲: 2)


歩兵機動車 (5, このうち撃破: 1, 鹵獲: 4)

各種車両 (1, このうち撃破: 1)
  • 1 いすゞ「TF」ピックアップトラック: (1, 撃破)

[1] Russia accuses Ukraine of mounting ‘sabotage’ attack across border https://edition.cnn.com/2023/05/22/europe/belgorod-ukrainian-forces-russian-territory-intl/index.html
[2] https://twitter.com/Liveuamap/status/1660664784830734338

※  当記事は、2023年5月22日に「Oryx」本国版(英語)に投稿された記事を翻訳したも
 のです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所が
 あります。


2023年5月17日水曜日

中国海軍の新たな宿敵:台湾が「MQ-9B "シーガーディアン"」導入へ


著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ

 一般的に「台湾」と呼称される中華民国は、研究開発と生産能力を保護するために国内の兵器産業へ数十億ドル規模の投資を続けています。

 台湾はすでに大概の兵器システムの設計と生産を自前で行っているか、あるいはそのような能力を確立する方向に順調に進んでいるものの、この国は最大の武器・兵器供給国であるアメリカから依然として定期的に調達をしていることは言うまでもないでしょう。

 最近にアメリカから調達した兵器には、108台の「M1A2T」戦車、29台の「M142 "HIMARS"」高機動ロケット砲システム 、84台の「ATACMS」 戦術地対地ミサイルシステムと864発のミサイル、そして「ハープーン」沿岸防衛システムなどが含まれています(後者の2つは、台湾で設計された同等のシステムと一緒に運用される予定です)。[1] [2]

 2022年8月下旬に、台湾は4機の「MQ-9B "シーガーディアン"」を5億5500万ドル(約834億円)という驚異的な費用で調達する別の契約をアメリカと結びました。[3]

 導入に要する総コストは最終的に約7億ドル(約1052億円)となる見込みであり、機体分を除いたコストは台湾で必要なインフラの整備や「MQ-9B」用の地上管制ステーションを収容する施設の新設、支援機材や訓練に費やされます。[3]

 台湾による「MQ-9B "シーガーディアン"」の購入は、ギリシャが同様に4億ドル(約600億円)という巨額の費用をかけて3機を購入した僅か2か月後のことでした。[4]
 
 台湾は現時点で独自の中高度長時間滞空(MALE)型 UAV計画も進めており、その最新版である「騰雲二型(クラウドライダー2)」は2019年に公開され、当記事が執筆されている2022年10月現在は運用デビュー前の試験が実施されています。

 「クラウドライダー2」と「MQ-9B "シーガーディアン"」のレイアウトは似ていますが、完全に別のクラスの機体です。前者は「MQ-9B "リーパー"」無人戦闘航空機(UCAV)に相当するものですが、後者は「リーパー」をヨーロッパのNATO諸国の要求に合うように設計された「MQ-9B "スカイガーディアン"」の洋上監視/対潜水艦戦(ASW)型なのです。

 もともと(最終的に「ノースロップ・グラマン」社の「RQ-4N/MQ-4C」が選ばれた)アメリカ海軍の広域海洋監視(BAMS)計画ために売り込んだコンセプトから誕生した「シーガーディアン」最大のセールスポイントは、艦艇を含む水上目標や潜望鏡を探知可能な合成開口レーダーと対潜戦(ASW)用のソノブイ・ポッドを搭載できることにあります。

 「シーガーディアン」の将来的な改良としては対潜魚雷や自衛用の「AIM-9 "サイドワインダー"」空対空ミサイル(AAM)の搭載及び運用能力の付与を含む将来的な改良のみならず、今では空母や強襲揚陸艦から運用するために翼を折りたたたみ式にしたタイプさえも検討されています。

国家中山科学研究院(NCSIST)の「騰雲二型(クラウドライダー2)」無人(戦闘)航空機

 現在、中華民国海軍は最近に納入された12機の「P-3C」哨戒機(MPA)と24機程度の「S-70C(M)-1/2 "サンダーホーク"」及びヒューズ「500MD/ASW "ディフェンダー"」対潜ヘリコプターを運用しており、これらの航空アセットは、「康定」級「濟陽」級(旧「ノックス」級)と(「オリバー・ハザード・ペリー」級がベースの)「成功」級から成るフリゲート艦隊と共に、急速に近代化と拡大しつつある中国海軍潜水艦部隊に対抗する任務を負っています。

 中国の潜水艦による脅威は年々増大しており、(最新型の)攻撃型及び弾道ミサイル潜水艦が台湾周辺における海域への展開が次第に増えていいます。
 
 確かに多くの人は台湾への直接的な侵攻を最大の脅威とみなしていますが、空軍と海軍による封鎖は台湾を外界から遮断し、中国兵が本島に上陸せずとも台湾政府に将来の国家地位に関する北京の要求を受け入れるよう圧力をかける可能性は高いでしょう。

 その結果として、中華民国は長期にわたる海軍への投資を行っています:8隻の国産潜水艦の建造に加え、今後の10年で老朽化した(1971年に1番艦がアメリカ海軍に就役した)「成功」級フリゲートを置き換える新型の対潜・防空フリゲートを建造する予定です。

 興味深いことに、予算不足と台湾の実際の防衛上の需要に合致しているか否かをめぐる(台湾に非対称戦能力への投資を迫っている)アメリカとの意見の不一致が原因で、11.5億ドル(約1,730億円)で12機の「MH-60R」対潜ヘリコプターを購入する計画は2022年5月にキャンセルされました。[5] [6]

 したがって、最終的に約7.1億ドルの費用をかけて4機の「シーガーディアン」無人偵察機を調達することが台湾の防衛上の需要に沿ったものであるかどうかについて言及されることなくアメリカに承認されたことには、確かに好奇心をそそらされます。

 いずれにせよ、「シーガーディアン」の高度なセンサーシステムと40時間以上を誇る滞空時間が台湾の洋上監視とASW能力を強化することは間違いありません。



 中国海軍潜水艦部隊の脅威は、台湾に本島から遠く離れた海域で行動できる適切なASW戦力の獲得に大きなリソースを向けることを余儀なくさせています。

 先述のとおり、2022年5月に「MH-60R」12機の調達がキャンセルされたものの、「シーガーディアン」4機に関する取引は前進する見通しです。

 当然ながら、この新しい戦力には法外と呼べるほどのコストを要することになりますが、私たちが実際にその価値があるのか否かを決して知ることがないことを願うばかりです(注:中国の侵攻で価値が試されることがないように祈るということ)。

[1] Taiwan to buy 18 more HIMARS from US amid Ukrainian wins https://www.taiwannews.com.tw/en/news/4643514
[2] Taiwan Unveils Two-Phase Anti-Ship Missile Deployment Plan https://www.thedefensepost.com/2022/04/22/taiwan-anti-ship-missile-deployment-plan/
[3] Taiwan Signs $555M Deal With US to Buy Four Sea Guardian Drones https://www.thedefensepost.com/2022/09/08/taiwan-deal-sea-guardian-drones/
[4] ASW At A Premium: Greece Purchases MQ-9B SeaGuardian UAVs https://www.oryxspioenkop.com/2022/08/asw-at-premium-greece-purchases-mq-9b.html
[5] MH-60R chopper purchase likely to be canceled due to price https://focustaiwan.tw/politics/202205050009
[6] MH-60R反潛直升機太貴採購喊停!海軍尋找替代方案 https://www.nownews.com/news/5846978

※  当記事は、2022年10月11日に「Oryx」本国版(英語)に投稿された記事を翻訳した
 ものです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所 
 があります。



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2023年5月12日金曜日

終わりなき可能性:「バイラクタル・アクンジュ」の豊富な搭載兵装(一覧)


著:ステイン・ミッツアーとヨースト・オリーマンズ

 「バイラクタル・アクンジュ」は世界初の量産型多目的無人戦闘航空機(UCAV)です。

 この「アクンジュ」が持つ中で間違いなく最も革新的な特徴は、国産の「ボズドアン」IIR(赤外線画像誘導)式AAMと(撃ち放し式の)「ゴクドアン」BVRAAMといった空対空ミサイル(AAM)の運用能力があることです。

 もう1つの斬新な特徴としては、 敵の指揮所やSAMサイト、そして強化されたブンカーに入った船や精密打撃を要する標的に使用するために開発された、射程が275km以上もある「SOM」巡航ミサイルも運用できることが挙げられます。

 この「SOM」シリーズは、「MAM」、「クズガン」、「テベル」、「LGK(レーザー誘導キット装着爆弾」、「KGK(射程延長用の折りたたみ式主翼・GPS/INS誘導キット装着爆弾)」、「(L)HGK(レーザー及びGPS/INS誘導キット装着爆弾)」なといった精密誘導弾と共に役立つものとなるでしょう。

 これらの誘導爆弾の多くは、自国で設計された誘導キットと国内生産された「Mark-82」、「Mark-83」、そして「Mark-84」無誘導爆弾を組み合わせたものです。

 前述の兵装を搭載するために「アクンジュ」は合計9基のハードポイント:主翼の下に8基と胴体下部に1基が設けられており、後者には「HGK-84」、「NEB-84」、「SOM」巡航ミサイルなど、このUCAVに搭載可能な最重力級の兵装の搭載が想定されています。

注意点

  1. このリストに掲載している兵装のいくつかについては、本稿執筆時点でも開発と(機体との)インテグレートの試験が継続しています。したがって、このリストは各種検証を終えた後の「アクンジュ」が搭載できる兵装の概観と見るべきでしょう。
  2. 列挙している兵装については、①開発企業、②名前、③最大射程距離、④誘導方式、⑤その他参考事項の順に表記しています(省略しているものもあります)。
  3. リストに表示されている兵装名をクリックすると、当該兵装備の画像を見ることができます。
  4. 開発企業・メーカーは略称などがされていますが、制式名称は以下のとおりです。
      ・TÜBİTAK SAGE(トルコ科学技術研究会議・防衛産業研究開発機関)
      ・TAI(トルコ航空宇宙産業)
      ・STM(防衛技術エンジニアリング


空対空ミサイル


巡航ミサイル


徘徊兵器


精密誘導爆型地中貫通爆弾


空対地ミサイル

 「バイラクタル・アクンジュ」の購入に関心を持っている国にとって、これらの全兵装をトルコからダイレクトに調達できるという事実は間違いなく高く評価されることでしょう。

 さらに、このUCAVがNATO規格の兵装に適合しているという事実は、ウクライナ、アゼルバイジャン、パキスタンといった国々が独自に開発・製造された航空機用の兵装を「アクンジュ」とインテグレートすることも可能ということを意味しています。



 特別協力」SR_71TurkishWarNews(敬称略)

 ものです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所
 があります。



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