リビア軍(LNA)とリビア・ドーンは 一見して終わりの無い紛争に巻き込まれているが、双方ともに、互いに優位を得るために必要とされる最大限の火力を、自身の兵士たちに提供するための創造的な解決策の模索を強いられている。
リビアに存在する多くの武器庫は、現在リビアを支配するべく戦っている多くの勢力に目を見張るほどの量の高性能な武器を提供していたものの、スペアパーツの不足は、これらの兵器群の一部を稼動し続けさせるためにほとんどが共食い整備での対応となり、結局はこれらの一部だけしか運用されていないことを意味した。
その状況は、リビアに課された同国で戦う軍隊(LNA)へのための軍用装備の取得を妨げる武器禁輸措置によって、悪化していくことになる。
武器禁輸措置自体は、大抵がほとんど効力が無い紙の上の文字にしかすぎないことから、LNAとリビア・ドーンは国外の支援者から依然としていくらかの軍用装備を受け取ってはいるものの、その武器の流れは双方に決定的な優位を得させるにはあまりにも小さいままである。
この状況は、各勢力にリビアの武器庫や航空基地で発見され得る高度な兵器を何でもかき集めさせるという結果をもたらした。
その 最も注目に値する結果として、本来はリビアのSu-24で使用されるKh-29空対地ミサイルがリビア・ドーンによって無誘導ロケットとして使用されたこととLNAによってAK-230艦載用機関砲がトラックに装備されたことが挙げられる。
LNAが艦載砲を装備した最初のトラックを完成させたのと同じ頃、同じようなプロジェクトがリビア・ドーンによって始められた。
リビア・ドーンは、兵器が保管されていた保管庫を占領した後に、かつてはリビア海軍のフリゲート、コルベットや高速攻撃艇に装備されていた多数の兵装を何とか入手した。
リビアは90年代に武器禁輸のせいでこれらの艦艇を修理できず、結局は全てスクラップとなった。
4隻のアサド級コルベットは90年代にスクラップにされた艦艇であり、その全てが僅か10年あまりしか運用されなかった。
これらの艦に装備されていたオットー・メララ 76mm砲、エリコン GDF35mm機関砲、魚雷発射管、オトマート対艦ミサイルと関連する火器管制装置が全て保管された。
艦載用兵装が保管されていた巨大な保管庫には、幅広いソ連製兵装に加えて、オトマートMk.1/Mk.2やエグゾゼのような対艦ミサイルだけでなくオットー・メララ 76mm砲や35mm/40mm機関砲のような様々な種類の艦載砲が保管されていた。
この既に旧式であるソ連製兵装の多くは、未だに艦艇に搭載されているこれらの兵装が、運用を継続することを可能とするためのスペアパーツとして取り外された。
西側製の艦載砲は短い期間でほとんど使用されなかったため、依然として最良の状態を保っていたが、現在では明白な将来の使用が無いまま朽ち果てている。
カダフィ大佐のリビア海軍の調達計画には主にロシア製の艦船が含まれており、これは保管されていた西側製の兵装が搭載される可能性が無いことを意味し、彼らの運命は効果的に封印された。
しかし、2014年の後半に、リビア・ドーンはこれらの兵器をトラックに搭載するために保管庫から持ち出した。
これらの兵装に対する初期の改造は成功を証明し、より多くの艦載砲を地上用に転換する作業が開始された。
組み立て中のシステム(ヘッダー画像の車輌)は、90年代にスクラップになったイギリス製フリゲート「ダット・アサワリ」から取られた、双連のエリコンGDF 35mm艦載用機関砲を搭載した。
砲塔の半分は、照準や機関砲や弾薬へのアクセスを容易にするために切り取られた。
艦載砲の比較的大きい口径とトラックがそのような方法で使用されるように設計されていないという事実のために、長時間の射撃はおそらく不可能ではあるが、側面に向かっての射撃とは対照的に後方へ射撃するならば、その安定性は良く達成されるだろう。
完成したシステムには、35mm機関砲のマズルブレーキが含まれていましたが、砲塔カバー全体が取り外された。
そのシステムが提供した最小限の防護は、明らかに(部分的な)砲塔カバーを装備したときに得られる隠密姓と状況認識の増加に対して評価をしなかったことを意味する。
驚くべきことに、4月初め(注:2015年)にリビアを走り抜けるリビア・ドーンに所属するトラックが、1門のオット・メララー 76mm砲と空のオット・メララー 76mm砲の砲塔と空の40mm ダルド近接防空システム(CIWS)の砲塔を運んだ。
これらの特定の兵器システムが、地上での使用のために改造されるであろう方法を推測することしかできないが、それは紛争の当事者が、長期間にわたる戦いのために準備を整えていることを明確に示しており、武器のストックを増大させるためにどんな苦労も惜しまないだろう。
特別協力:Joseph Dempsey (注:元記事への協力であり、本件編訳とは無関係です)。
※ この翻訳元の記事は、2015年4月20日に投稿されたものです。
当記事は意訳などにより、本来のものと意味や言い回しが異なる箇所があります。
正確な表現などについては、元記事をご一読願います。
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