2022年1月15日土曜日

ティグレ戦争:イラン製「モハジェル-6」UCAVがハラールメダ空軍基地に配備された(短編ニュース記事)

ハラールメダ空軍基地の「モハジェル-6」(PAX For Peace ・Wim Zwijnenburg からの引用)

著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo

 2021年12月上旬の衛星画像から、エチオピア空軍(ETAF)がエチオピアの首都アディスアベバ近郊にあるハラールメダ空軍基地に「モハジェル-6」無人戦闘航空機(UCAV)を配備していることが判明しました。[1]

 ETAFは8月上旬にイランから2機の「モハジェル-6」を調達し、続いてエチオピア北東部のセマラ空港に配備したことが知られていましたが、今回ハラールメダで目撃された「モハジェル-6」が8月に引き渡された2機のうちの1機なのか、それとも現在も続いているイランからの貨物便で(最近に)届けられた新納機なのかは不明です。[2][3]

 後者は、イランの影響力と周辺地域への武器輸出を制限しようと試みているアメリカを大いに怒らせることになるでしょう。ニューヨーク・タイムズの調査によると、すでにアディスアベバのアメリカ政府関係者はエチオピアのアビー・アハメド首相にイランからの支援と同国への貨物便について非公開で抗議し、打ち切るよう促しているとのことです。[4]

 「モハジェル-6」はエチオピア側の大きな期待を胸に受けて導入されたものの、2021年8月に引き渡されてからほぼ同時にこの国における運用キャリアを一度は終えてしまったようです。なぜならば、導入された2機は制御システムの問題で実際にエチオピア上空での飛行することが阻害されたため、すぐに駐機(放置)状態にされてしまったからです。[5]

 この失態は間違いなくETAFを大いに幻滅させたことでしょう。次に彼らのUCAVの導入が確認されたのは、中国から「翼竜Ⅰ」が届けられた2021年9月中旬のことでした。[6]

 「モハジェル-6」が抱える問題がやっと解決されたと思われるには2021年10月下旬までの時間がかかったようです。つまり、エチオピアに到着してから約2ヶ月半も後になってのことだったのです!

 2021年11月初旬にかけて、2機の「モハジェル-6」がセマラ空港の滑走路や駐機場で定期的に確認されており、この状況は、今やこれらがティグレの軍隊に対して定期的な飛行任務を実施するようになったことを示しています。 [7]

イランにおける「モハジェル-6」UCAV(エチオピアとは無関係の画像です)

ヘッダー画像は、PAX For Peace の Wim Zwijnenburg(敬称略)から引用したものです。  

[1] https://twitter.com/wammezz/status/1477399049342967810
[2] Iranian Mohajer-6 Drones Spotted In Ethiopia https://www.oryxspioenkop.com/2021/08/iranian-mohajer-6-drones-spotted-in.html
[3] Iran Is Still Resupplying The Ethiopian Military https://www.oryxspioenkop.com/2021/12/iran-is-still-resupplying-ethiopian.html
[4] Foreign Drones Tip the Balance in Ethiopia’s Civil War https://www.nytimes.com/2021/12/20/world/africa/drones-ethiopia-war-turkey-emirates.html
[5] Unfit For Service: Ethiopia’s Troublesome Iranian Mohajer-6 UCAVs https://www.oryxspioenkop.com/2021/11/unfit-for-service-ethiopias-troublesome.html
[6] Wing Loong Is Over Ethiopia: Chinese UCAVs Join The Battle For Tigray https://www.oryxspioenkop.com/2021/10/wing-loong-is-over-ethiopia-chinese.html
[7] Ethiopia now confirmed to fly Chinese armed drones https://paxforpeace.nl/news/blogs/ethiopia-now-confirmed-to-fly-chinese-armed-drones

※  この翻訳元の記事は、2022年1月2日に本家Oryxブログ(英語版)に投稿された記事
  翻訳したものです。意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所
    があります。



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