著:シュタイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)
当記事は、2022年10月18日に「Oryx」本国版(英語)に投稿された記事を翻訳したも
のです。意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所があります。
 トルクメニスタンは、世界中のありとあらゆる国から調達した多種多様な装甲戦闘車両(AFV)群を有しています。
 面白いことに、こうした兵器類の少なくとも一部については実際にその種の兵器に対する本当の軍事的需要を満たすためというよりも、特定の国との関係を強化する意図から調達しているようです。
 この「武器を通じた友好」政策は兵站システムをますます複雑にするという犠牲を伴っており、この国は今や歩兵機動車(IMV)の分野だけでも9か国からスペアパーツを調達する必要になってしまいました!
 トルクメニスタンでは、軍、国境警備隊、国家安全保障省、内務省が数多くの国から入手した大量の重火器、ヘリコプター、艦艇を運用しています。
 当初は多数の「T-72」戦車と「BMP-1」歩兵戦闘車を近代化改修するために2000年代にウクライナと契約し、その後はロシアから装備を調達していましたが、近年のトルクメニスタンは西側諸国、中国、トルコ、イスラエルから武器や装備の調達を図る傾向が強まってきています。[1] [2]
- この一覧は、現在のトルクメニスタン陸軍および別の軍種や準軍事組織で使用されている全種類のAFVをリストアップ化を試みたものです。
 - この一覧には利用可能な画像・映像などの視覚的エビデンスに基づいて確認されたものだけを掲載しています。
 - 対戦車ミサイル、携帯式地対空ミサイルシステム、トラックやジープ類はこのリストの対象外です。
 - 陸軍以外の軍種などで運用されている車両や装備については、当該軍種などを括弧書きで示しています。
 - トルクメニスタンが保有するUAV戦力の全容はここで読むことができます。
 - 兵器の名前をクリックするとトルクメニスタンで運用中の当該兵器の画像を見ることができます。
 
戦車
装甲戦闘車両
歩兵戦闘車
装甲兵員輸送車
MRAP:耐地雷・伏撃防護車両
 カマズ-63968「タイフーン」
 BMC「キルピ」 2種類: (2) [陸軍・国境警備隊]
 BMC「ヴラン」 [国境警備隊]
歩兵機動車
戦術車両・テクニカル
 オトカ「ウラル」 [内務省]
 オトカ「コブラ」 2種類: (2) [国境警備隊]
 BMC「アマゾン」 [同上
 インカス「タイタン-DS」 [陸軍・国境警備隊]
 ニムル「アジヴァン440A」 2種類: (2)
 ニムル「アジヴァンLRSOV」
 アル・シビル2
 プラサン「ストームライダー [国家保安省]
 IMI「コンバットガード」 2種類: (2)
 バルス
 イヴェコ「LMV」 [国家保安省]
 PMV「サヴァイバーⅡ」 [国境警備隊・内務省]
 起亜「KLTV」 2種類: (2) [国境警備隊]
 東風汽車「EQ2050」 2種類: (2)
戦術車両・テクニカル
 ポラリス「ダガー」
 ポラリス「MRZR」
 ポラリス「MV850 ATV "4x4"」
 ポラリス「MV850 ATV "6x6"」
 名称不明の戦術車両 (1)
 名称不明の戦術車両  (2)
 トヨタ「ランドクルーザー」
工兵・支援車両
自走式対戦車ミサイルシステム
牽引砲
多連装ロケット砲(MRL)
 9P122「グラート-P'」122mm MRL
 BM-21「グラート」122mm MRL 2種類: (2)
 BM-21A「ベルグラート」122mm MRL [陸軍・国境警備隊]
 RM-70 122mm MRL
 BM-27「ウラガン」220mm MRL
 BM-30「スメルチ」300mm MRL
戦術ロケット
-  
 R-17「スカッド-B」 (退役した可能性あり) 
(自走式を含む) 対空機関砲
 「ZU-23」23mm機関砲(トラック搭載型) [陸軍・国境警備隊]
 ZSU-23-4「シルカ」23mm自走対空砲
固定式地対空ミサイルシステム
自走式地対空ミサイルシステム
 9K35「ストレラ-10M」 [射程距離: 5km]
 9K33「オーサ」 [射程距離: 15km]
 FM-90 [射程距離: 15km]
 S-125-2BM ''PF 50 アレバルダ'' [射程距離: 22km]
 S-125「ペチョーラ-2M」 [射程距離: 22km]
 2K12「クーブ」 [射程距離: 25km]
 KS-1A [射程距離: 50km]
 2K11「クルーグ」 [射程距離: 55km]
 FD-2000 [射程距離: 125km]
電子戦システム
 P-14「トール・キング」
 P-18「スプーン・レストD」
 P-35/37「バー・ロック」
 P-80「バック・ネット」
 PRV-11「サイド・ネット」
 36D6「ティン・シールド」
 SNR-125「ロー・ブロー」 (「S-125」用)
 SNR-125-2BM (「S-125-2BM "PF 50 アレバルダ"」用)
 SNR-125-2M (「ペチョーラ-2M」用) (未確認)
 5N62「スクエア・ペア」 (「S-200」用)
 1S32「パット・ハンド」 (「2K11 "クルーグ"」用)
 SURN 1S91「ストレート・フラッシュ」 (「2K12 "クーブ"」用)
 コルチューガ
 YLC-2V (「FD-2000」用)
 HKJM2 (同上)
 HT-233 (同上) (未確認)
 H-200 (「KS-1A」用) (同上)
 YLC-18
 DWL-002
 「TS-504」見通し外(対流圏散乱)通信システム
無人偵察機
 エアロノーティクス・ディフェンス「オービター-2B」 2種類: (2)
 エルビット「スカイラーク」 (地上ベースの高速地雷散布システム と連携して使用)
 セレックスES「ファルコXN」 [2011]
 国家統一企業[ベラルーシ国立科学アカデミー・多目的無人システム科学・生産センター]「ブセル-M "アスダ・アスマン (穏やかな空)"」 [2015]
 国家統一企業[ベラルーシ国立科学アカデミー・多目的無人システム科学・生産センター]「ブセル-M40 "アスダ・アスマン (穏やかな空)"」 (トルクメニスタンでライセンス生産)
 ボーイング・インシツ「スキャンイーグル2」 [2022]
無人戦闘航空機
 中国航天科技集団「彩虹-3 "CH-3A"」 [2016] (最大で2発の「AR-1」 [射程10km] AGMを搭載可能)
 中国航天科工集团「WJ-600A/D」 [2016] (最大で2発の「CM-502KG」 [射程20km+] AGMを搭載可能)
 バイカル・テクノロジー「バイラクタルTB2」 [2021] (最大で4発の「MAM-C」 か 「MAM-L」 [射程15+km] PGMを搭載可能)
 国家統一企業「ベラルーシ国立科学アカデミー・多目的無人システム科学・生産センター」「ブセル-MB2」 (「F1」手榴弾 または「PTAB-2.5」か「PFAB-05」小型爆弾を搭載可能、トルクメニスタンでライセンス生産)
 形式不明のVTOL型UCAV (1) (4発のRPG用弾頭を搭載可能)
徘徊兵器
垂直離着陸型無人機
 エルビット「スカイストライカー」 [2021]
 国家統一企業[ベラルーシ国立科学アカデミー・多目的無人システム科学・生産センター]「ブセル-MB1」 (複数の資料で言及されるも、現物は未確認)
垂直離着陸型無人機
無人標的機
 ラボーチキン「La-17」 [1991] (退役した可能性あり)
 西安「ASN-9 ''Ba-9''」 [2016]
 S300 [2016]
[1] Esoteric Armour: Ukrainian T-72UMG Tanks In Turkmenistan https://www.oryxspioenkop.com/2021/08/esoteric-armour-turkmenistans-t-72umg.html
[2] Russia, Redux: Turkmenistan Acquires The Typhoon MRAP https://www.oryxspioenkop.com/2021/12/russia-redux-turkmenistan-acquires.html
特別協力: ファルーク・バヒー(敬称略)
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| 改訂・分冊版が2025年に発売予定です | 
- ドローン・パワー構築への道のり:トルクメニスタンのUAV飛行隊(一覧)
 - トルクメニスタンの風変わりなUCAV:中国製「WJ-600A/D」
 - 繰り返される商業的成功:トルクメニスタンが徘徊兵器「スカイストライカー」を導入した
 - ベルディムハメドフの荒鷲: トルクメニスタンのイタリア製「ファルコXN」UAV
 - ニューフェイス:トルクメニスタンが新たに導入した「バイラクタルTB2」を公開した
 - 最後の中国製無人機:トルクメニスタンの「CH-3A」UCAV
 - アシガバートの「ツカノ」:トルクメニスタンが「A-29B」攻撃機を公開した
 - アシガバートからのスナップショット:トルクメニスタンの軍事パレード2021
 - 小さくても命取りな存在:トルクメニスタンの高速攻撃艇
 - メイド・イン・アルメニア:トルクメニスタンで運用される「K6-92」短機関銃
 - 中央アジアの戦力:キルギスの重火器・軍用車両(一覧)
 - 中央アジアの戦力:タジキスタンの重火器・軍用車両(一覧)
 
