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2023年4月20日木曜日

ハルツーム崩壊: 「2023年スーダン紛争」で失われた航空機一覧


著:ステイン・ミッツアーとヨースト・オリーマンズ in collaboration with Gerjon

  1. この記事に掲載された一覧のねらいは、"(仮称)2023年スーダン紛争" で撃破または損傷した航空機及びヘリコプターの損失を包括的に網羅することにあります。
  2. 鹵獲された機体だけでなく、(今回の武力衝突以前から)放棄されていた機体の損失については、当一覧には含まれていません。
  3. この一覧は、新たな損失が確認され次第に更新される予定です。
  4. この武力衝突で損失が確認された重火器及び軍用車両の損失一覧については、こちらで掲載しています。
  5. 各航空機類の名称に続く数字をクリックすると、撃破や損傷を受けた当該航空機類の画像を見ることができます。


スーダン空軍 (28, このうち撃破・墜落: 25, 損傷: 3)


作戦機 (9)

大統領専用機 (2)


エジプト空軍 (4, このうち撃破: 1, 損傷: 3)

作戦機 (3)

ヘリコプター (1)

民間機 (8, このうち撃破: 8)

固定翼機 (6)

※  当記事は、2023年4月19日に本国版「Oryx」ブログ(英語)に投稿された記事を翻訳   
  したものです。


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2022年4月27日水曜日

自由主義諸国の盟友:スロバキアがウクライナへ「MiG-29」の供与を検討する


著:ステイン・ミッツァー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo

 スロバキアはNATO加盟国の中で最も小さな軍事力を持つ国の1つですが、それでもロシアの侵攻を阻止するために必要な種類の兵器をウクライナに供与するという重要な役割を担っています。

 供与された兵器には、12,000発の120mm迫撃砲弾、携帯式地対空ミサイルシステム(MANPADS)や対戦車ミサイル(ATGM)のみならず、国内で一式しか存在しない「S-300PMU」地対空ミサイル(SAM)システムも含まれています。[1] [2] 

 このSAMは本質的にこの国で唯一敵機に通用する地上配備型の抑止力を構成していましたが、ウクライナの劣悪な防空戦力を増強するため、スロバキアはその貴重な戦力を自ら手放すことを受け入れたのです。

 結果として生じた戦力の空白について、短期的にはスロバキアに配備されたアメリカ軍の「パトリオット」SAMシステムで補うことになりますが、長期的には失われた戦力を補うべく自国軍用のSAMを導入するか、そうでなければ完全に断念しなければならないでしょう。[3]

 現在、スロバキアは自国空軍の「MiG-29」戦闘機の全機をウクライナに供与することも検討しています。これはゼレンスキー大統領からの長きにわたる追加の戦闘機を求める声にようやく耳を傾けた動きと思われます。[4] [5] 

 ウクライナに追加の戦闘機を供与することで生じる実際のメリットについては(ゼレンスキー大統領が数多く求めている別の重火器群と同様に)議論の余地があるものの、ウクライナに「MiG-29」を引き渡すことが市民と軍の士気を高め、2月24日にロシアが侵攻を開始して以来、この国が最も声を上げてきた要望に応えることになるのは確実であることは言うまでもありません。

 スロバキア空軍は、同国中部に位置するスリアチ空軍基地で、単座の「MiG-29AS」戦闘機9機と復座の「MiG-29UBS」練習機2機を運用しています。領空警備における必要最小限の要件に応じるため、現時点では僅か5機の「MiG-29AS」と1機の「MiG-29UBS」だけが稼働状態にあると考えられており、空軍は2023年の単座12機、複座2機の「F-16V(ブロック70/72)」への更新を待ち望んでいる状態にあります。

 スロバキアが保有する全ての「MiG-29」は、2005年から2008年にかけて「RSK ミグ」社によってNATO規格に改修され、「MiG-29AS」と「MiG-29UBS」(注:SはスロバキアのSを意味します)と新た呼称されるようになりましたが、その戦闘能力自体は、1980年代後半にチェコスロバキアに初めて納入された時のレベルを維持しています。

  残念なことに、そのことは「MiG-29AS」が、2022年のロシアによる侵攻における戦闘にて(視覚的に確認されたもので)少なくとも4機の損失を出している、ウクライナ軍が保有している60機の「MiG-29 "製品9.13"」とその改良型である「MiG-29MU1」より性能が劣っていることを意味しています(注:スロバキア軍の「MiG-29AS」は「製品9.12」という初期型の規格です)。[6] [7]

 ウクライナはロシアの飛行機やヘリコプターから都市や地上部隊を防衛するために追加の戦闘機が必要だと断固として主張していますが、そうした任務については、移動式のSAMシステムの増強によってより適切に対処されることは間違いないでしょう。

 一般的な見方に反して、これまでにウクライナの戦闘機がロシア空軍の日常的な作戦を著しく阻害したことを示唆するような兆候はほとんど見られません。

 以前に、アメリカはウクライナに対する「MiG-29」の供与を引き受ける見込みがある国としてポーランドとブルガリアに目を向けていましたが、興味深いことに「MiG-29」はウクライナが提示したウィッシュリストには入っていませんでした。

 私たち筆者らが入手したウクライナ軍の要求を提示した文書では、望ましいとされる援助の中に、驚くべきことに真新しい「F-15EX」戦闘機、「F-15SE」戦闘爆撃機、「A-10 "サンダーボルトII"」対地攻撃機が含まれていたのです。

 「 F-15SE "サイレント・イーグル"」が単なる提案モデルで終わって実機が1機も製造されなかったことや、アメリカ空軍が「F-15EX "イーグルII" 」の最初の1機を受領したばかりであることを別にすれば、このような要求は、ウクライナ空軍の要員がこれらの機種を効果的に使用するための戦術を習得するどころか、機体の習熟自体に何ヶ月も要する事実すら完全に無視していることは明らかです。

スロバキアの「MiG-29」は魅力的なピクセル・パターンの制空迷彩が施されていることで知られています

 結局、ポーランドとブルガリアの「MiG-29」をウクライナに供与するという試みが実現することはありませんでした。おそらく、ATGMやMANPADSといった、よりシンプルな(そして政治的に安全な)携行型の兵器と比較した場合、 その供与が(政治的な)リスクが高すぎて厄介なものになると判断されたからでしょう。

 同様に、ポーランドはウクライナへの「MiG-29」の供与について、ウクライナが実際に必要とする防衛上のニーズを超えるものとみなしている可能性もあります。ロシアとの緊張が常に高くなっている中で、ポーランド空軍はMiG-29を譲渡することによって失われる防空戦力を担う代替機をすぐに見つけなければならないという事実もあったことから、この供与が実現しなかったのは決して驚くようなことではありません(注:ポーランドは保有する「MiG-29」全機をアメリカを介してウクライナへ供与する意向を表明しましたが、アメリカが難色を示したため、最終的に頓挫してしまったことは日本でもよく知られています)。

 同じ結果がスロバキアに影響を及ぼす可能性があります。同国は(少なくとも2023年まで)保有する全戦闘機を失った後でも自国の領空を防衛できるという保証が得られる場合に限って、ウクライナへの「MiG-29」の譲渡が可能だと以前から表明していましたからです。

 このような保証は、ポーランドやチェコ空軍がスロバキアの緊急発進待機任務(QRA)を引き継ぐか、NATO軍機を一時的にスロバキアに駐留させて領空警備の任務を遂行させることで実現できるかもしれません。

 仮に「MIG-29」の供与が実現すれば、これらの機体はウクライナ西部にある空軍基地に駐留することになるでしょう。空軍基地周辺での分散配置と頻繁に移動させることは機体の生存率を大幅に向上させる可能性に寄与し、それによってロシアはウクライナ空軍の壊滅に向けて現在も取り組んでいる作戦の強化を余儀なくされるのです。

 ロシアは戦争が2ヶ月を経過しても依然として敵空軍の壊滅ができていないことを踏まえると、航空基地への攻撃を強化したところで、それが近いうちに成功する兆しはほとんどありません。

 敵機の撃墜や地上兵器の撃破という観点からすると、「MiG-29」の増加がもたらす具体的な貢献は大したことはないかもしれませんが、ロシア側が損失を防ぐために作戦を修正する必要が出てくるという事実だけでも、現地の戦況にかなりの影響を与えることができます。

 ロジスティックスと既存の知見の観点からすると、可能性があるスロバキアからの「MiG-29」の供与は、これまでのところ、ウクライナに航空戦力を引き渡す計画としては最も現実的なものと思われます。すでにパイロットは同機種の訓練も済んでおり、兵装や関連するインフラも共通であるため、ウクライナ空軍へのスムーズな移行が見込まれるという理由があるためです。

 これは少なからず真実と言えるでしょう。なぜならば、供与に関係する戦闘機はごく僅かの数にすぎないと予想されており、ウクライナ空軍への統合は容易なものの、戦局における潜在的な影響は限定的なものに限られるからです。

 その意味で、これらの戦闘機がもたらす象徴性や心強さは、実際の戦闘力をはるかに凌駕するかもしれません。

ウクライナへ向かう「S-300PMU」SAMシステム(2022年4月8日)

 スロバキアは、有意義な物的支援をするために、必ずしも相当規模の軍隊を有する大国である必要がないことをすでに実証しています。

 現段階でドイツやフランスといった主要なNATO諸国がウクライナに装甲戦闘車両や大砲などの重火器を提供するのを見合わせているため、スロバキアやポーランド、そしてチェコなどの中欧諸国がその不足を補ってウクライナの戦闘の維持に貢献しているのです(注:フランスは「カエサル」155mm自走榴弾砲の供与を表明しました)。

 スロバキアの「MiG-29AS」が近いうちにこの戦いに加わるかどうかはまだ不明ですが、仮に供与が実現しなかったとしても、スロバキアがヨーロッパの自由を大いに助けたという事実は変わらないでしょう(注:4月21日にアメリカ国防総省のジョン・カービー報道官はウクライナが同盟国から戦闘機の部品を供与された旨を公表しました。供与した国や数は伏せられていますが、それにスロバキアが含まれている可能性があることは言うまでもありません)。


[1] Slovakia to send artillery ammunition, fuel worth 11 mln euros to Ukraine https://www.reuters.com/world/europe/slovakia-send-military-material-worth-26-mln-euros-ukraine-media-2022-02-26/
[2] Slovakia sends its air defence system to Ukraine https://www.reuters.com/world/europe/slovakia-gives-s-300-air-defence-system-ukraine-prime-minister-2022-04-08/
[3] U.S. to place Patriot missile defense system in Slovakia to help with Ukraine swap https://www.npr.org/2022/04/08/1091711705/us-missile-defense-system-slovakia-ukraine
[4] Slovakia ready to donate MiG-29 fighter jets to Ukraine https://kafkadesk.org/2022/04/15/slovakia-ready-to-donate-mig-29-fighter-jets-to-ukraine/
[5] Slovakia in talks over possible transfer of MiG jets to Ukraine https://www.politico.eu/article/slovakia-mig-jets-to-ukraine-prime-minister-eduard-heger-bratislava/
[6] Guardians of the Ukraine: The Ukrainian Air Force Since 1992 https://books.google.com/books/about/Guardians_of_the_Ukraine.html
[7] List Of Aircraft Losses During The 2022 Russian Invasion Of Ukraine Slovakia in talks over possible transfer of MiG jets to Ukraine

※  当記事は、2022年4月19日に本家Oryxブログ(英語版)に投稿された記事を翻訳した
  ものです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所      があります。

2022年3月25日金曜日

ロシア・ウクライナ戦争で失われた航空戦力(一覧)


著:ヤクブ・ヤノフスキ, アロハダンケマル(翻訳:Tarao Goo)

  • 当記事は、2022年3月20日に当ブログの本国版である「Oryx-Blog(英語)」で公開された記事を翻訳したものです。
  • この戦争で撃墜や鹵獲されるなどした両軍の有人機や無人機、ヘリコプターの詳細な一覧を以下で見ることができます。
  • この一覧については、資料として使用可能な映像や動画等が追加され次第、更新されます。
  • この一覧は、写真や映像によって証明可能な撃墜または鹵獲されるなどしたものだけを掲載しています。したがって、実際に喪失した兵器類は、ここに記録されている数よりも多いことは間違いないでしょう。
  • この一覧は、各種情報を精査して確実と判断したものだけを掲載しています。したがって、後で誤りや重複が判明したものは適宜修正されます。
  • 明らかな「撃墜」でも、地上に落下したものは全て「墜落」と分類します。
  • 各兵器類の名称に続く数字をクリックすると、破壊や鹵獲された当該兵器類の画像を見ることができます。
  • 本国版「Oryx」ではこの一覧の更新が常時なされていますが、日本語版については翻訳作業だけでも非常に大変なため、特異なものがない限りは数か月に1回程度の更新とさせていただきます。
  • 当一覧の最終更新日:2024年2月27日(本国版は2月25日)

 


ロシア - 580, このうち墜落・地上撃破: 399, 損傷: 38, 鹵獲: 143

戦闘航空機 (83, このうち墜落または地上撃破: 79, 損傷:4)

戦略爆撃機(3, このうち地上撃破:1, 損傷:2)
 
指揮管制機 (5, このうち墜落:4, 損傷: 1)

輸送機(7, このうち墜落・地上撃破:4, 墜落:1, 損傷:2)

ヘリコプター (135, このうち墜落または地上撃破: 103, 損傷:30, 鹵獲:2)

無人戦闘航空機 (14, このうち墜落:11, 鹵獲:3)


無人偵察機 (327, このうち墜落:189, 鹵獲:138)


無人標的機 (4, このうち墜落:1, 鹵獲:3) ※2022年5月末をもって更新終了(損失から除外)
  • 3 E95M (ウクライナの防空システムの位置を探るための囮として投入された可能性あり): (1, 鹵獲) (2, 鹵獲) (3, 鹵獲)
  • 1 KBLA-IVT (ウクライナの防空システムの位置を探るための囮として投入された可能性あり): (1, 墜落)

徘徊兵器(7,このうち墜落:7)※2022年4月27日をもって更新終了(損失から除外)



ウクライナ - 394, このうち墜落: 301, 損傷:3,鹵獲: 90

戦闘航空機等 (73, このうち墜落・地上撃破: 72, 損傷:1)

練習機輸送機(3, このうち墜落:3)
 
輸送機(4, このうち墜落・地上撃破:3, 鹵獲:1)

ヘリコプター(38, このうち墜落:34, 損傷:1, 鹵獲:3)
 
無人戦闘航空機(26, このうち墜落:26)

無人航空機(250, このうち墜落:163, 損傷:1, 鹵獲:86)

無人標的機 (6, このうち墜落:6) ※2022年
5月末をもって更新終了(損失から除外)

徘徊兵器(2,このうち墜落:2)※4月27日をもって更新中止(損失から除外)


陣営不明機 - 2, このうち墜落・地上撃破: 2

戦闘航空機 (1, このうち墜落: 1)
 
ヘリコプター (1, このうち墜落:1)
  • 1 Mi-24/35「ハインド」攻撃ヘリコプター: (1,墜落)

特別協力 : J.J., Alex, The Military Watch, Gerjon(敬称略)


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