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2023年8月30日水曜日

小さな国の偉業:北マケドニアによるウクライナへの軍事支援(一覧)


著:ステイン・ミッツアーとヨースト・オリーマンズ 
  1. 以下に列挙した一覧は、2022年からのロシアによるウクライナ侵攻の最中に北マケドニアがウクライナに供与した、あるいは提供を約束した軍事装備等の追跡調査を試みたものです。
  2. 一覧の項目は武器の種類ごとに分類されています(各装備名の前には原産国を示す国旗が表示されており、末尾には供与された月などが記載されています)。
  3. 機密性の関係上、北マケドニアによる武器などの寄贈について表示している数量は、あくまでも最低限の数となっています。
  4. この一覧はさらなる軍事支援の表明や判明に伴って更新される予定です。
  5. 各兵器類の名称をクリックすると、当該兵器類などの画像を見ることができます。

ジェット機 (4)
  • 4 Su-25 対地攻撃機 [2022年8月]

攻撃ヘリコプター (12)
  • 10 Mi-24V [予定] (数機は部品取り用)
  • 2 Mi-24K [同上] (同上)

戦車 (31)
  • 31 T-72A [2022年7月 または 8月]

砲兵戦力
  • ''砲兵装備'' [2022年]

対空兵器
  • ''対空兵器システム'' [2022年]

空対空ミサイル
  • R-60MK 短距離AAM (「Su-25」用) [2022年8月]

空対地兵器
  • UB-32 ロケット弾ポッド(「 Su-25」,「Mi-8/17」,「Mi-24」用) [2022年8月]
  • B-8 ロケット弾ポッド(同上) [同上]
  • S-13 ロケット弾ポッド (同上) [同上]
  • SPPU-22-1 ガンポッド (「Su-25」用) [同上]
  • 航空爆弾 (「FAB-100/250」または 「OFAB-250」) (同上) [同上]

対戦車兵器

小火器

弾薬

  • 「S-5」57mmロケット弾 [「UB-32」用](「 Su-25」,「Mi-8/17」,「Mi-24」用) [2022年8月]
  • 「S-8」80mmロケット弾[「B-8」用] (同上) [同上]
  • 「S-13」122mmロケット弾[「B-13」用] (同上) [同上]
  • 「S-24」240mmロケット弾(同上) [同上]
  • 30mm機関砲弾 (「Su-25」用) [同上]
  • 125mm戦車砲弾 (「T-72」用) [2022年7月 または 8月]
  • 小火器用銃弾 [2023年3月以前に供与]

その他の装備品
  • 「Su-25」用予備部品及び支援資機材 [2022年8月]
  • 「Mi-24」用予備部品及び支援資機材 [予定]
  • 「T-72」用予備部品及び支援資機材[2022年7月 または 8月]

※ この記事は2023年6月15日に本国版「Oryx」(英語)に投稿された記事を翻訳したもの
 です。


おすすめの記事

2023年6月10日土曜日

未だ完全に至らず:アフガニスタン・イスラム首長国空軍


著:ステイン・ミッツアールーカス・ミュラーヨースト・オリーマンズ

 アフガニスタン・イスラム首長国空軍(IEAF)は、正常に機能する空軍として存続しているだけでなく、損傷を受けた機体や既に退役した航空機のオーバーホールを行って運用可能な機数を継続的に拡大させ、敵味方双方を驚かせています。

 有志連合国軍が支援した旧アフガン空軍の規模に比べると僅かな規模しかないものの、IEAFの現有戦力は攻撃ヘリ約10機と輸送ヘリ約20機、そして輸送機が約6機です。

 タリバンは「UH-60A+"ブラックホーク"」ヘリコプターを数か月以上は運用できないだろうと多くの人から予想されていましたが、最近でも最低6機の「ブラックホーク」が運用され続けているのが実態です。

 固定翼機の輸送部隊を再建しようとする試みにおいて、IEAFは(旧アフガン空軍が西側製の機体に更新した後に退役させた)多数の旧ソ連製の機体に依存しています。

 現時点における輸送機部隊では3機の「An-32B」と1機の「An-26」が運用されており、将来的には他の機体も加わる見込みです。これらのアントノフ機は、旧アフガン空軍から受け継いだ少なくとも4機の「(A)C-208」と一緒に運用されています。また、IEAFは受け継いだ4機の(損傷が軽微な)「C-130H」の運用再開を試み、そのうちの1機は2022年6月にエンジンを始動させることに成功しました。[1]

 しかし、さらなる進展は資格を持ったパイロットの不足によって阻まれているように見えます。この問題はIEAFの「C-130H」だけに限ったことではありません。事実、タリバン軍はマザーリシャリーフ空軍基地で2機の「A-29」軽攻撃機を無傷で鹵獲したにもかかわらず、同機の操縦資格を持つパイロットは全員が国外に逃亡したか、あるいは潜伏状態にあるように思われるからです。

 国内に残留してIEAFに加わった旧空軍の人員らと合流することに願いをかけたタリバンは、彼らに(脱出に用いた乗機と一緒に)帰国するよう何度も懇願してきました。[2]

 そうしている間に、IEAFは修復した4機の「Mi-35」と少なくとも10機の「MD530F」攻撃ヘリコプターを現役に戻し、空軍内の攻撃部隊を形成させることに成功しています。また、異なる種類の航空機も運用自体は可能であっても、資格を持ったパイロットの不足で飛行していない場合があるかもしれません。
 
 以上のことから、将来的なIEAFの編成は彼らが修復して運用を維持できる航空機の数だけでなく、これらの機体を飛ばすために採用あるいは訓練できたパイロットの数にも左右されることになるでしょう。

 現在のIEAFは、練習機も「A-29」や「C-130」のような新しい機体にパイロットを転換させるための専門的な能力も持ち合わせていません。それでも、彼らが将来的に(例えば海外から教官を採用するなどして)課題の克服を試みることは考えられないわけではないでしょう。その試みの最終的な結果がどうなるにせよ、「アリアナ・アフガン航空」がエアバス「A330-200」長距離旅客機・貨物機の購入さえ模索していることもあることから、今のアフガニスタンにおける軍用・民間航空はまだ完成には程遠いレベルにあると言えます。[3]

一列に並べられている「UH-60A+ "ブラックホーク"」:これらはアメリカ軍がアフガニスタンを離れる直前に破壊工作を受けた

 アメリカ軍はカブールで極めて多くの航空機のアビオニクスに損傷を与えた一方で、空港の設備や整備施設はほとんど無傷でタリバン軍の手に落ちてしまいました。

 現在、IEAFはカブールとマザーリシャリーフとカンダハルを主要作戦基地(MOB)として活用しており、山がちな国土の各地にある小さな空港への前方展開が頻繁に行われています。IEAFはフライトの合間に整備する必要がほとんどない頑丈な輸送機とヘリコプターを軸に運用しているため、整備されていない滑走路でも容易に運用することができるというわけです。

 仮にIEAFが「C-130」と「A-29」の運用を再開できた場合、その運用に必要なインフラもそのまま残されていることも注目する必要があるでしょう。

バグラム空軍基地に残されたアメリカの「HEMTT A4」航空機用タンクローリー

  1. 以下に列挙した一覧は、アフガニスタン・イスラム首長国空軍(IEAF)が運用する作戦機を包括的に網羅することを目的としています。
  2. この一覧には、運用されていることが視覚的証拠に基づいて確認された航空機・ヘリコプターのみが掲載されています。
  3. したがって、現在修理中や将来の修理に備えて保管されている機体と、資格のあるパイロットが不在のために駐機状態を余儀なくされている「A-29」のような航空機は、運用されているという証拠が出るまでこの一覧には掲載されません。
  4. この一覧は、運用機の追加や損失が判明した場合に随時更新される予定です。
  5. 各機体の後に続く番号をクリックすると、IEAFで運用されている当該機体の画像が表示されます

アフガニスタン・イスラム首長国空軍で運用されている機体一覧(2023年8月現在)

輸送機 (10)

攻撃ヘリコプター (16)

輸送・汎用ヘリコプター (25)

無人航空機 (UAV)
  •  ? ボーイング・インシツ「スキャンイーグル2」: (~)
  •  ? 民生用VTOL型UAV(偵察用)
  •  ? 民生用VTOL型UAV(迫撃砲弾で武装したもの)

  のです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所が

2022年12月23日金曜日

ロシアのアフリカ攻勢:ロシアがマリ空軍の増強を図る(一覧)


著:シュタイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)

 トゥアレグ紛争がイスラム過激派勢力の反乱を波及させ、遠くないうちに国土全体がアルカイダの支配下に置かれるという恐れが出てきた2012年以来、 マリはほぼ一貫して紛争状態に置かれています。

 2013年初頭には、首都バマコへ向かうイスラム過激派の進軍を阻止してマリ北部を政府の統治下に戻すためにフランス軍が介入し、マリ共和国軍の支援を得ながら敵の進出を迅速に覆してアルカイダ(後のイスラム国)が撤退したキダル地方を除く国土の大部分を奪回するという成功を収めました。

 近年のアルカイダやイスラム国はさらなる勢力圏の拡大を試みており、マリ軍や同国に展開したままの国連部隊への攻撃を数多く行っています。国連部隊の主な目的は、この地域における治安部隊が将来的にこれらの過激派組織という脅威と戦い、その供給路を遮断し、隠れ家の構築を防ぐといった対処を可能にするための訓練をすることにあります。 

 2012年にマリ北部で勃発した反乱に直面した際、マリ空軍(Armée De L'Air Du Mali)は敵の前進を阻むどころか友軍を支援することも完全に不可能であることが判明しました。

 明らかにマリに展開する外国軍部隊の影響を受け、その後のマリ空軍は自国の安全保障問題により現実的なアプローチをとることを始めました。「MiG-21」戦闘機や「S-125」地対空ミサイル(SAM)といった旧式の残存戦力の大半を迅速に退役させたのです。[1]

 それ以降のマリ空軍は2015年にブラジルから「A-29B "スーパーツカノ"」4機(2018年納入)、ロシアから「Mi-35M」攻撃ヘリ4機(2017年及び2021年納入)を導入するなどして、ゼロからの再建を進めています。

 2019年には、マリはEUから寄贈された情報収集・警戒監視・偵察(ISR)用に特化された「セスナ208」の引き渡しを受けました。前方監視型赤外線装置(FLIR)が装備されているこの飛行機は、3機の「Mi-24D」攻撃ヘリコプター、2機の「H215 " シュペルピューマ"」輸送ヘリコプター、1機の「C-295W」輸送機と共に、マリ空軍の中核を担う機体と言えるでしょう。[2] 

 このようにして、小さな戦力ではあるものの、結果的にこの地域で最も近代的で有能な空軍が誕生したのです。

 「A-29B」は幅広い種類の精密誘導兵器を搭載可能ですが、マリには導入されていません。その代わり、現存している3機はガンポッドや無誘導ロケット弾、そして無誘導爆弾で武装しています(注:「TZ-04C」は2020年に事故で失われました)。 [3] 

 この飛行機は胴体下部にFLIR装置を備え付けることも可能ですが、アメリカが供給に関する合意に消極的だったため、結果としてマリへ引き渡されることはなかったと思われます。[4]

 おそらくは「A29B "スーパーツカノ"」の有効性を高めるための手段が存在しないことに刺激を受けたせいか、マリはトルコや中国から精密誘導爆弾(PGM)を搭載できる無人戦闘航空機(UCAV)の導入を視野に入れているとみられます。

 2021年5月にアッシミ・ゴイタ大佐が10年ぶり3度目の軍事クーデターで政権を握った時点までこの交渉はまだ継続しているように見受けられましたが、彼の政権はロシアとの関係強化を選択して西側諸国との関係をさらに悪化させています。


マリ空軍が保有する「A-29B " スーパーツカノ"」のうちの1機

 アッシミ・ゴイタ大佐による権力奪取のほぼ直後に、マリはロシアから新たな兵器類を調達したり、寄贈を受けました。

 特にマリ空軍は両国の関係改善による恩恵を受けるに至りました。1年前の調印された契約に基づいて2021年12月に納入された4機の「Mi-171Sh」に加えて2機の「Mi-24P」攻撃ヘリコプターが引き渡されたのです。[5]

 2021年12月には、現地の治安部隊を訓練するためにロシアのPMC「ワグネル」も自身の「オルラン-10」無人偵察機と防空システムを伴ってマリに公式に展開しています。[6] 

 「ワグネル」は治安部隊の訓練のみならず、フランスを陥れるためにマリの旧フランス軍基地の近くに集団墓地を設けたことや、約300人のマリ市民が犠牲になった「ムラの大虐殺」に関与していたことが現在までに判明しています。[7] [8]

 2022年8月、マリ空軍はロシアから「Su-25」対地攻撃機1機、「L-39C」ジェット練習機・軽攻撃機6機、「Mi-24P」攻撃ヘリコプター2機、「Mi-8T」輸送ヘリコプター1機、そしてスペインから「C-295W」輸送機1機の引き渡しを受け、さらに強化されました(ただし、「Su-25」は10月4日に墜落事故で失われてしましました。代わりに納入された機体も2023年9月に撃墜され、保有機がゼロとなりました)。

 「Su-25」と「L-39」の引き渡しについては、マリの近隣諸国の大部分がトルコから「バイラクタルTB2」UCAVを導入、またはその予定であることが要因となった可能性があります。実際、ニジェール、ブルキナファソ、トーゴ、ナイジェリアがすでに同UCAVを運用中か発注していますし、結果としてマリには2022年12月に3機のTB2が納入されました。[9]

 自国の軍隊の需要を満たせるほどのUCAVを生産できないロシアは、マリ空軍にUCAVや関連技術を提供することができないというわけです。


 「Su-25」と「Mi-24P」は、マリ軍のパイロットが十分に熟練するまで「ワグネル」によって運用される可能性がないわけではありません。しかしながら、厳しいパイロットの訓練で「Su-25」や「L-39」が欠いている誘導兵器の運用能力や高度な照準システム、そして危険なサヘル地域で必要とされる生存能力をカバーすることは不可能と言わざるを得ません。

 政治的影響力を受けているかどうかは別として、減少しつつある軍備の蓄えを補う兵器類をロシアからまだ購入できるかもしれません。しかし、購入国はロシアの武器が21世紀の戦いに通用しないという現実に遅かれ早かれ直面することを余儀なくされるでしょう(2023ン年1月20日、マリ大統領府は新たに「Su-25」攻撃機1機、「L-39C」練習機5機、「Mi-8」汎用ヘリコプター2機が空軍に引き渡されたことを公表しました)[10]。

マリ空軍は合計4機の「Mi-35M」を2017年と2021年の引き渡しを受けました:これらはマリでFLIR装置が備え付けられた僅か2機種のうちの1つであり、誘導兵器(最大で8発の「9M120 "アタカ"」対戦車ミサイル)を運用可能な唯一の戦力です


  1. このリストは、マリ空軍で運用されている航空機の総合的なデータ化を目的としたものです。
  2. 現時点で運用されていない機体はこのリストには含まれていません。
  3. このリストは、新たな飛行機やヘリコプターの導入に関する発表や発覚に伴って随時更新されます。


マリ空軍の運用兵器一覧


無人戦闘航空機(9)


対地攻撃機及び練習機(18)


攻撃兼輸送ヘリコプター (16)


輸送兼汎用ヘリコプター (4)


練習兼汎用機 (8)


輸送兼汎用機 (6)


VIP専用機 (1)


無人偵察機 (少数)


レーダー(1)


[1] Goas In The Savanna: Mali’s S-125 SAM Systems https://www.oryxspioenkop.com/2022/02/goas-in-savanna-s-125-sam-systems-in.html
[2] New ISR Cessna 208 Caravan for Mali https://www.keymilitary.com/article/new-isr-cessna-208-caravan-mali
[3] Crash Mali Air Force Super Tucano https://www.facebook.com/Scramblemagazine/posts/3538112936215215
[4] Mali receives Super Tucanos https://www.defenceweb.co.za/aerospace/aerospace-aerospace/mali-receives-super-tucanos/
[5] Mali officially takes delivery of Mi-171 helicopters https://www.defenceweb.co.za/aerospace/aerospace-aerospace/mali-officially-takes-delivery-of-mi-171-helicopters/
[6] Townsend: Russia Added to Instability in Africa With New Air Defenses in Mali https://www.airforcemag.com/townsend-russia-added-to-instability-in-africa-with-new-air-defenses-in-mali/
[7] French accuse Russian mercenaries of staging burials in Mali https://apnews.com/article/russia-ukraine-ouagadougou-burkina-faso-europe-africa-af0965b3bd459f90c9cf930625aa4590
[8] ‘The Killings Didn’t Stop.’ In Mali, a Massacre With a Russian Footprint https://www.nytimes.com/2022/05/31/world/africa/mali-massacre-investigation.html
[10] https://twitter.com/PresidenceMali/status/1616111932238356482?s=20&t=49UjxsXzXv4qxLtGhv1AQA

※  当記事は、2022年8月16日に「Oryx」本国版(英語)に投稿された記事を翻訳したも
  のです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所が
  あります。


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