2023年6月17日土曜日

無残な結末:短命に終わったヨルダンの「CH-4B」UCAV飛行隊


著:ステイン・ミッツアーとヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo

 無人戦闘航空機(UCAV)を運用する国が年々増加している中で、ヨルダンは保有する全UCAVを運用開始から約2年で退役させてしまったことは知られていません。

 この劇的な動きの原因にあったのは、同国の6機から成る中国製「CH-4B」武装ドローン飛行隊の性能でした。このUCAVは信頼性が低く、ほかのヨルダン空軍(RJAF)が有するアセットと互換性がなく、さらに(ジャミングなどの)厳しい電子戦環境下で運用できないことが明らかであったため、RJAFでほとんど運用されずに売りに出されてしまったのです。[1]

 ヨルダンは2016年に最初の「CH-4B」を導入し、6機はザルカ空軍基地H4ルワイシェッド空軍基地に分遣隊を置くアブドッラー2世空軍基地の第9飛行隊に配備されました。[2]

 当初、ヨルダンは(「CH-4B」を調達する以前に)イタリア製の武装型「ファルコ-EVO」に注目していましたが、最終的にその生産の実現が結実することはありませんでした。 また、アメリカはヨルダンに非武装型の「MQ-1 "プレデター"」や「プレデターXP」を提供する意思を示したものの、武装可能ないかなる種類のUAVの引き渡しについては拒否しました。[3]

 ほかにUCAVを獲得する機会(販売国)が全くなかったため、ヨルダンはその時点で武装ドローンを販売してくれる唯一の国:中国に目を向ける結果に至りました。

 2015年にイラクが導入した「CH-4B」と異なり、ヨルダンが得たタイプは1,500kmを超える距離での運用を可能にさせる衛星通信装置(SATCOM)が装備されていました。[1]

 また、UCAVと一緒に大量の「AR-1」空対地ミサイル(AGM)や「FT-9」誘導爆弾も調達されており、後者はヘッダー画像で「CH-4B」の主翼パイロンに取り付けられている姿を見ることができます。

 すでに2018年11月の時点でヨルダン空軍は「CH-4B」の性能に不満であり、退役を検討していることを露わにしました。結局、このUCAVは2019年前半に退役させられた後に売りに出されるという結果を迎えました。[1]

  当初は6機全てがヨルダンから多大な支援を受けているハリーファ・ハフタル将軍率いるリビア国民軍(LNA)に売却されたと報じられましたが、ドローンが迎えた本当の運命はいまだ謎に包まれています。[4] 

 もっとも現実的なシナリオとしては、(LNAと違って)すでに大規模な「CH-4B」飛行隊を運用しているサウジアラビアに売却された可能性が挙げられます。

 ヨルダンと同様に、サウジアラビアも「CH-4B」の運用で問題に直面したようです。伝えられるところによれば、よく出くわす問題として、修理や整備に関する資料が不足していたり、スペアパーツの在庫や発注システムが無いといったことが含まれています。[5]

 同型機を2015年に導入したイラクでも同じ結果であり、全20機のうち8機は僅か数年の間に墜落し、残りの12機はスペアパーツが不足しているために、現在は格納庫で放置され続けているようです(注:2022年8月に最初の「CH-4B」が運用に復帰したと報じられました)。[6] [7]

 別の「CH-4B」ユーザーであるアルジェリアは、数か月のうちに3機を事故で失ってしまいました。[8]


 「CH-4B」が退役した後のRJAFは、偵察や標的の捜索・指示、さらには精密打撃用に有人機を使用する状態に逆戻りしています。

 現在のヨルダン軍で運用されている唯一のUAVは「シーベル」「S-100 "カムコプター"」VTOL型無人航空システム(UAS)であり、10機未満の数が現役にあると考えられています。[9]

 また、ヨルダンは2010年代前半から中盤にかけて導入した4機から成るイタリアの「セレックス(注:現在はレオナルド社)」製「ファルコ」UAV飛行隊も運用していました。ヨルダン軍の「ファルコ」は少なくとも2機がシリア南部での作戦中に撃墜され、残った2機も2017年後半から翌年前半にかけて密かに退役したと伝えられています。 [10] [2]

 「CH-4B」が行っていた精密打撃の任務は、2013年にUAEから贈与された6機の「AT-802U」によって引き継がれています。

 当初イエメンによって発注されていた4機の同型機も(内戦などの原因でキャンセルされた結果として)、2016年にRJAFが導入しました。

 10機の「AT-802U」は「ウェスカムMX15」前方監視型赤外線装置(FLIR)を装備しており、「AGM-114 "ヘルファイア"」AGMや「GBU-12」、「GBU-58」レーザー誘導爆弾で武装することが可能です。

  約10時間という長い滞空時間や装備された高度なセンサー類、そして最新の精密誘導兵器の運用能力を考慮すると、ヨルダンは結果的に「AT-802U」を運用した方がより都合が良いと判断したと断言することができるでしょう。

レーザー誘導爆弾を搭載しているヨルダン空軍の「AT-802U」

 ヨルダンが「CH-4B」の運用を続けるよりも処分することを好んだという事実=保有する中高度・長時間滞空(MALE)型UAVを全廃したことは、この中国製UCAVが抱えていた問題を解決するには、あまりにも厳しすぎたことを示しているのかもしれません。

 中国製UCAVは多くの国々で実戦投入されていますが、特にリビア、ナイジェリア、イエメンにおける作戦では、常にその性能に不十分な点が多くあったようです。[5] [6] 

 かつて中国製UCAVを導入した数か国は近年になってトルコ製UCAV、特に「バイラクタルTB2」の調達に切り替えています。

 ヨルダン空軍はFLIR装置や精密誘導兵器を装備した数種類の航空機の導入によって「CH-4B」の退役で生じた空白を何とか補完してきましたが、この国がいつの日か再び武装ドローンの導入を試みることは決して考えられないことではないでしょう。

 「CH-4B」で大失敗した後にヨルダンがUCAVの導入で再び中国に目を向けることは起こりえそうになく、アメリカがこれまで武装ドローンを販売することに消極的だったことを踏まえると、UAEやトルコが新たなサプライヤーとなる可能性が考えられます。



[1] Jordan Sells Off Chinese UAVs https://www.uasvision.com/2019/06/06/jordan-sells-off-chinese-uavs/
[2] Jordan modernises https://www.keymilitary.com/article/jordan-modernises
[3] FORCE REPORT Royal Jordanian Air Force https://www.4aviation.nl/wp-content/uploads/2016/12/Jordan-feb16-AirForces-Monthly-PatrickRoegies-Marco-Dijkshoorn.pdf
[4] Jordanian UAVs apparently sold to Libya https://www.defenceweb.co.za/aerospace/unmanned-aerial-vehicles/jordanian-uavs-apparently-sold-to-libya/
[5] Chinese CH-4B Drones Keep Crashing In Algeria For Technical Fault https://www.globaldefensecorp.com/2021/03/11/chinese-ch-4b-drones-keep-crashing-in-algeria-for-technical-fault/
[6] OPERATION INHERENT RESOLVE LEAD INSPECTOR GENERAL REPORT TO THE UNITED STATES CONGRESS https://media.defense.gov/2021/May/04/2002633829/-1/-1/1/LEAD%20INSPECTOR%20GENERAL%20FOR%20OPERATION%20INHERENT%20RESOLVE.PDF
[7] Iraq’s Air Force Is At A Crossroads https://www.forbes.com/sites/pauliddon/2021/05/11/iraqs-air-force-is-at-a-crossroads
[8] Tracking Worldwide Losses Of Chinese-Made UAVs https://www.oryxspioenkop.com/2021/11/tracking-worldwide-losses-of-chinese.html
[9] Royal Jordanian Air Force: Fit for the Fight https://aviationphotodigest.com/royal-jordanian-air-force/
[10] Drones Are Dropping Like Flies From the Sky Over Syria https://warisboring.com/drones-are-dropping-like-flies-from-the-sky-over-syria/

※  当記事は、2022年1月17日に「Oryx」本国版(英語)に投稿された記事を翻訳したも
    のです。意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所がありま   
  す。



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2023年6月14日水曜日

久しぶりのロシア製:トルクメニスタンの「タイフーン」MRAP


著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo

 2000年代後半、ロシアの兵器メーカーにとって今後のトルクメニスタンとのビジネスの見通しが有望視されていたに違いありません。なぜならば、当時はトルクメニスタンから装甲戦闘車両(AFV)やヘリコプター、艦船などの受注が絶え間なく舞い込んできたからです。

 ところが、トルクメニスタンは軍の近代化をロシアにかなり依存していましたものの、ほどなくして同国からロシア製兵器の発注がすぐに途絶え始めました。その代わり、トルクメニスタンはロシアやウクライナの武器メーカーを犠牲にして、他国の数多くある兵器メーカーを含むように兵器類のサプライヤーの多角化を図りました。

 この突然の調達方針の転換によって、機械化部隊にあるソ連時代の装備類をロシアの「T-90S」戦車と「BMP-3」歩兵戦闘車(IFV)で部分的に置き換えて近代化を図るというトルクメニスタンの計画はほぼ終止符を打たれてしまったようです。

 一見して装輪式AFVを好むこの国の新たな防衛ドクトリンのおかげで、前述のロシア製AFVは最終的にごく少数の導入で終わりました。前者は歩兵機動車が中核となっており、トルコ、サウジアラビア、イスラエル、UAE、韓国、オーストリア、イタリア、そしてベラルーシなどの国々から調達されました。

 それにもかかわらず、2021年9月に実施されたトルクメニスタン独立30周年記念の軍事パレードで、トルクメニスタンが兵器類の供給に関して再度ロシアに目を向けたことが明らかとなりました。驚くべきことに、「カマズ-63968 "タイフーン" 」耐地雷・伏撃防護車両(MRAP)が初めて軍事パレードに登場・初披露されたのです。[1]

 残念ながら、実際にこのMRAPが調達された数の情報が皆無に近いため、現時点では運用テストのための少数の導入にとどまっている可能性があります(注:たった1台という情報がある)。

 「カマズ-63968」は2016年にシリアで同国に展開したロシア軍によって戦闘デビューを果たしており、今回のパレードでトルクメニスタンがその初の輸出先として判明したということです。

 世界中の他のMRAPとは異なって、「タイフーン」は固有の武装を備えていませんが、顧客の要求に応じて12.7mm銃機関銃を備えた遠隔操作式銃架(RWS)を装備することが可能となっています。[2]

 それでもなお、ロシア軍もトルクメニスタン軍も今のところ「タイフーン」用にRWSを調達したことはないようです。

00年代後半に引き渡された数少ない「BMP-3」IFVの1台(00年代後半か10年代前半の軍事パレードにて)

 「タイフーン」はカマズ社とウラル社が設計したMRAPシリーズであり、兵員の輸送だけでなく、より特殊な任務のためのベース車両として用いられることを意図して開発されました。

 このMRAPは底部のV字型モノコック構造は車体や乗員を爆風から遠ざけることによって、地雷に対する高い防護性能を確保しているほか、車内には2名の乗員と最大16名人の兵員用に耐衝撃・衝撃吸収座席が設けられています。

 全周囲に14.5mm徹甲弾に耐える装甲を施されていることから、「カマズ-63968」はこのクラスで最も優れた防護性能を持つ車両の1つとなっています。



 以前のロシア製AFVと比較すると、「カマズ-63968」の人間工学は著しく改善されています。例えば、このMRAPの前面、背面、両側面にはビデオカメラが搭載されているため、車内にいながら周囲を視察したり、フロントガラスに銃弾が撃ち込まれて視界不良になった場合でも車両を操縦することを可能にしています。

 16人の兵員は車両後部のランプ・ドアで乗降するほか、天井に設置されている合計で7つのハッチからも緊急時に脱出することができます。

1台のイスラエル製「コンバットガード 4x4」 IMVに続き、3台の中国製「EQ2050」と1台の「カマズ-63968 」MRAPが行進しています。

 トルクメニスタンによる兵器類の爆買いは長期間続く可能性が高く、すでに毎年の多数の新型車両や航空機、そして艦艇の披露で国際的なアナリストを驚かせています。

 これがロシアからの新たな兵器類の調達に含まれることになるのかはまだ不明ですが、最近になってトルクメニスタンが国内全域で救急搬送任務を行うために救急搬送仕様の「Mi-17」と「アンサット」ヘリコプターを発注したことは、ロシアが手頃な価格の軍事・航空技術の供給源として忘れられていないことを裏付けています。[3]

トルクメニスタン陸軍の「BTR-80A」IFV

[1] Turkmenistan’s Parade Analysis: What’s New? https://www.oryxspioenkop.com/2021/10/turkmenistans-parade-analysis-whats-new.html
[2] https://i.postimg.cc/j2Sr8FLB/438.png
[3] Russian Company Delivers Ansat, Mi-17-1W Ambulance Helicopters to Turkmenistan https://business.com.tm/post/6900/russian-company-delivers-ansat-mi171w-ambulance-helicopters-to-turkmenistan

 ものです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所 
 があります。



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2023年6月10日土曜日

未だ完全に至らず:アフガニスタン・イスラム首長国空軍


著:ステイン・ミッツアールーカス・ミュラーヨースト・オリーマンズ

 アフガニスタン・イスラム首長国空軍(IEAF)は、正常に機能する空軍として存続しているだけでなく、損傷を受けた機体や既に退役した航空機のオーバーホールを行って運用可能な機数を継続的に拡大させ、敵味方双方を驚かせています。

 有志連合国軍が支援した旧アフガン空軍の規模に比べると僅かな規模しかないものの、IEAFの現有戦力は攻撃ヘリ約10機と輸送ヘリ約20機、そして輸送機が約6機です。

 タリバンは「UH-60A+"ブラックホーク"」ヘリコプターを数か月以上は運用できないだろうと多くの人から予想されていましたが、最近でも最低6機の「ブラックホーク」が運用され続けているのが実態です。

 固定翼機の輸送部隊を再建しようとする試みにおいて、IEAFは(旧アフガン空軍が西側製の機体に更新した後に退役させた)多数の旧ソ連製の機体に依存しています。

 現時点における輸送機部隊では3機の「An-32B」と1機の「An-26」が運用されており、将来的には他の機体も加わる見込みです。これらのアントノフ機は、旧アフガン空軍から受け継いだ少なくとも4機の「(A)C-208」と一緒に運用されています。また、IEAFは受け継いだ4機の(損傷が軽微な)「C-130H」の運用再開を試み、そのうちの1機は2022年6月にエンジンを始動させることに成功しました。[1]

 しかし、さらなる進展は資格を持ったパイロットの不足によって阻まれているように見えます。この問題はIEAFの「C-130H」だけに限ったことではありません。事実、タリバン軍はマザーリシャリーフ空軍基地で2機の「A-29」軽攻撃機を無傷で鹵獲したにもかかわらず、同機の操縦資格を持つパイロットは全員が国外に逃亡したか、あるいは潜伏状態にあるように思われるからです。

 国内に残留してIEAFに加わった旧空軍の人員らと合流することに願いをかけたタリバンは、彼らに(脱出に用いた乗機と一緒に)帰国するよう何度も懇願してきました。[2]

 そうしている間に、IEAFは修復した4機の「Mi-35」と少なくとも10機の「MD530F」攻撃ヘリコプターを現役に戻し、空軍内の攻撃部隊を形成させることに成功しています。また、異なる種類の航空機も運用自体は可能であっても、資格を持ったパイロットの不足で飛行していない場合があるかもしれません。
 
 以上のことから、将来的なIEAFの編成は彼らが修復して運用を維持できる航空機の数だけでなく、これらの機体を飛ばすために採用あるいは訓練できたパイロットの数にも左右されることになるでしょう。

 現在のIEAFは、練習機も「A-29」や「C-130」のような新しい機体にパイロットを転換させるための専門的な能力も持ち合わせていません。それでも、彼らが将来的に(例えば海外から教官を採用するなどして)課題の克服を試みることは考えられないわけではないでしょう。その試みの最終的な結果がどうなるにせよ、「アリアナ・アフガン航空」がエアバス「A330-200」長距離旅客機・貨物機の購入さえ模索していることもあることから、今のアフガニスタンにおける軍用・民間航空はまだ完成には程遠いレベルにあると言えます。[3]

一列に並べられている「UH-60A+ "ブラックホーク"」:これらはアメリカ軍がアフガニスタンを離れる直前に破壊工作を受けた

 アメリカ軍はカブールで極めて多くの航空機のアビオニクスに損傷を与えた一方で、空港の設備や整備施設はほとんど無傷でタリバン軍の手に落ちてしまいました。

 現在、IEAFはカブールとマザーリシャリーフとカンダハルを主要作戦基地(MOB)として活用しており、山がちな国土の各地にある小さな空港への前方展開が頻繁に行われています。IEAFはフライトの合間に整備する必要がほとんどない頑丈な輸送機とヘリコプターを軸に運用しているため、整備されていない滑走路でも容易に運用することができるというわけです。

 仮にIEAFが「C-130」と「A-29」の運用を再開できた場合、その運用に必要なインフラもそのまま残されていることも注目する必要があるでしょう。

バグラム空軍基地に残されたアメリカの「HEMTT A4」航空機用タンクローリー

  1. 以下に列挙した一覧は、アフガニスタン・イスラム首長国空軍(IEAF)が運用する作戦機を包括的に網羅することを目的としています。
  2. この一覧には、運用されていることが視覚的証拠に基づいて確認された航空機・ヘリコプターのみが掲載されています。
  3. したがって、現在修理中や将来の修理に備えて保管されている機体と、資格のあるパイロットが不在のために駐機状態を余儀なくされている「A-29」のような航空機は、運用されているという証拠が出るまでこの一覧には掲載されません。
  4. この一覧は、運用機の追加や損失が判明した場合に随時更新される予定です。
  5. 各機体の後に続く番号をクリックすると、IEAFで運用されている当該機体の画像が表示されます

アフガニスタン・イスラム首長国空軍で運用されている機体一覧(2023年8月現在)

輸送機 (10)

攻撃ヘリコプター (16)

輸送・汎用ヘリコプター (25)

無人航空機 (UAV)
  •  ? ボーイング・インシツ「スキャンイーグル2」: (~)
  •  ? 民生用VTOL型UAV(偵察用)
  •  ? 民生用VTOL型UAV(迫撃砲弾で武装したもの)

  のです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所が

2023年6月8日木曜日

力強い味方:モンテネグロによるウクライナへの軍事支援(一覧)


著:ステイン・ミッツアーとヨースト・オリーマンズ
  1. 以下に列挙した一覧は、2022年からのロシアによるウクライナ侵攻の最中にモンテネグロがウクライナに供与した、あるいは提供を約束した軍事装備等の追跡調査を試みたものです。
  2. 一覧の項目は武器の種類ごとに分類されています(各装備名の前には原産国を示す国旗が表示されており、末尾には供与された月などが記載されています)。
  3. 一部の武器供与については機密扱いであるため、寄贈された武器などの数量はあくまでも最低限の数となっています。
  4. この一覧はさらなる軍事支援の表明や判明に伴って更新される予定です。
  5. 各兵器類の名称をクリックすると、当該兵器類などの画像を見ることができます。


携帯式地対空ミサイルシステム(MANPADS)
  • 226 9K32 "ストレラ-2M" [2022年3月から7月の間に供与]

弾薬類
  • 600 60mm及び82mm迫撃砲弾 [2022年7月以前に供与]
  • 7,964 57mmロケット弾(「UB-16」及び「UB-32」ロケット弾ポッド用) [2022年8月]
  • 8,036 57mm砲弾( 「AZP S-60」対空機関砲用) [2022年7月と8月]
  • 7,992 76mm砲弾(「AK-726」艦載砲用) [2022年8月]
  •  2,300,000 7.62×39mm弾 [同上]

被服及び個人装備
  • 500 ヘルメット [2022年3月]
  • 300 防弾ベスト [同上]

その他の装備品
  • Mi-8 ヘリコプター用スペアパーツ [2022年9月]
  •  7,000 レーション (MRE) [022年3月]

※ この記事は2023年5月20日に本国版「Oryx」(英語)に投稿された記事を翻訳した 
 ものです。


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任務報告:デンマークによるウクライナへの軍事支援(一覧)


著:シュタイン・ミッツアーとヨースト・オリーマンズ

  1. 以下に列挙した一覧は、2022年からのロシアによるウクライナ侵攻の最中にデンマークがウクライナに供与した、あるいは提供を約束した軍事装備等の追跡調査を試みたものです。
  2. 一覧の項目は武器の種類ごとに分類されています(各装備名の前には原産国を示す国旗が表示されており、末尾には供与された月などが記載されています)。
  3. 一部の武器供与については機密扱いであるため、寄贈された武器などの数量はあくまでも最低限の数となっています。
  4. この一覧はさらなる軍事支援の表明や判明に伴って更新される予定です。
  5. 各兵器類の名称をクリックすると、当該兵器類などの画像を見ることができます。


戦闘機 (19)
  • 19 F-16A/B [2024年から供与予定]

沿岸防衛システム(CDS) 及びミサイル

自走砲(24)

戦車(85)


歩兵戦闘車
  • ''歩兵戦闘車'' [予定]

装甲兵員輸送車 (APC)
  • 54 M113G3DK/G4DK [2022年7月と8月] (デンマークがストックしていたM113をドイツの資金でオーバーホールしたもの)

工兵・戦闘支援装備

車両
  • 2 トヨタ「ランドクルーザー」 [2022年/2023年]

重迫撃砲
  •  形式不明の迫撃砲 [2022年]


対空砲
  • ''対空砲'' [予定]

携帯式地対空ミサイルシステム (MANPADS)及びミサイル
  • 407 FIM-92 "スティンガー" 用ミサイル [2022年] (発射機330個とバッテリー810個と共に供与)

無人偵察機

無人潜水機(UUV)
  •  機雷探知用UUV [2022年/2023年]

レーダー
  • 対ドローン用レーダー [2022年/2023年]

対戦車兵器
  • サーブ「AT-4」 [2022年2月]
  • 2,700 M72 "LAW" 使い捨て式対戦車ロケット弾  [2022年]
  • 800 RPG-7 対戦車擲弾発射機 [2022年/2023年] (第三国から調達したものをウクライナへ供与)
  • Pansermine M/56 対戦車地雷 [2023年2月以前に供与]

小火器
  • 54 M2 重機関銃 [2022年7月と8月] (「M113G3DK/G4DK」用)
  • Missing flag.png 40mm 擲弾発射機 [予定]
  • 拳銃 [同上]

弾薬
  • 19,000+ 155mm砲弾 (榴弾砲用) [2022年/2023年](ノルウェーと協力して供与)
  • BGR M/50 120mm迫撃砲弾 [2022年月以前に供与]
  • 5,600 無反動砲弾(「カールグスタフ」用) [2022年後半 または 2023年初頭]
  • 29,000 対戦車擲弾(「RPG-7」用)) [2022年/2023年] (第三国から調達したものをウクライナへ供与)
  • 5.56mm弾(小火器用) [2022年]
  • 手榴弾 [予定]
  • 40mm擲弾(擲弾発射機用) [同上]
  • 大量 105mm戦車砲弾(「レオパルト1A5」用) [同上]
  • 大量 125mm戦車砲弾(「T-72EA」用) [同上]

被服及び個人装備
  • 暗視ゴーグル  [2022年/2023年]
  • サーマル双眼鏡 [予定]
  • 500 軽量型CBRN防護服 [2022年/2023年]
  • 3,000 防弾ベスト [同上]
  • 2,000 個人用防護具 [同上]
  • 300 寝袋 [同上]
  •  3,000 スリーピングマット [同上]
  • 232,500 レーション(MRE) [同上]
  • 2,200 救急バッグ [同上]
  • 11,000 弾性/弾力包帯 [同上]
  • 15,000 雨具 [同上]
  • 8,000 帽子 [同上]
  • 5,000 電熱グローブ [同上]

その他の装備品
  • 15 移動式修理設備(大型車両の修理用) [2022年/2023年]
  •   M109榴弾砲用スペアパーツ [同上]
  • 1 野戦病院 [同上]
  • 10 前線航空医療搬送キット [予定]
  • 1 テントキャンプ(320人用) [2022年/2023年]
  • 6 テント倉庫 [同上]
  • 偽装網 [予定]
  • 96 コンテナ式住居 [2022年/2023年]
  • 15 軍用 (携帯式) 発電機 [同上]
  • 12 発電機 [同上]
  • 3 無線送信機 (AM) [同上]
  • 4 消火モジュール [同上]
  • 2 漂白パック [同上]
  • 20 トーチ [同上]
  • 10 携帯式化学剤検知器 [同上]
  •  医療用品 [同上]
  • 各種燃料 [同上]

※ この記事は2023年5月17日に本国版「Oryx」(英語)に投稿された記事を翻訳した 
 ものです。


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