2017年9月22日金曜日

DIYに走るリビア・ドーン: 地対地ロケットとして使用されるS-125地対空ミサイルがT-62戦車に搭載された


著 Stijn Mitzer と Joost Oliemans (編訳:ぐう・たらお)

これまでにリビアの戦場における過酷な戦闘環境は、各勢力の部隊に対して以前に放棄された装備の新しい利用方法を見つけるため、各々の創造性を活用して策を講じることを強いており、既にそのようにして、リビア軍(LNA)とリビア・ドーン(注:「リビアの夜明け」)がAK-230エリコン GDF艦載機関砲をトラックに搭載するといった興味深い多くの工夫を生み出している。

内戦が依然として終結に至るまでには遠いようだが、そのようなDIYはリビア・ドーンによる別の急造の移動式地対地ミサイルシステムの誕生が目撃されているように、未だに日の目を見続けている。
今年4月(注:2015年)に、S-125 SAMを地対地ミサイルとして牽引式発射機から発射するべく改修に取り組んだリビア・ドーンは、これらのシステムの能力で良好な結果をほとんど得られなかったにもかかわらず、これらを発展させる方針を続けてきたようだ。
新しい移動式発射システムはT-62(1972年型)を移動式発射台(TEL)のベースとして使用し、単発の改良型S-125を主要な兵装として砲塔の上に搭載した。  

リビアの首都であるトリポリと同様にミスラタを支配するリビア・ドーンは、リビアにおけるT-62の最大の運用者であり、トリポリ近郊を含む様々な場所での戦闘で同車を使用していた。
リビアのT-62部隊の主力は革命前にミスラタのハムザ大隊によって運用されていたが、革命の間に運用拠点がNATO主導の連合軍に攻撃された。
現在、リビア・ドーンには数十台のT-62が稼働状態にあるが、他の多くは様々な要因で使用不可の状態にあり、スペアパーツのために共食い整備の対象にされる可能性がある。

リビア・ドーンのS-125を地対地用途に改修するという以前のプロジェクトの画像から観察できるように、無誘導で飛行中の安定性を向上を試みるためにミサイル前部のフィンが取り外された。
同様にノーズコーンは延長され、ペイロード(本来はわずか60kg)を増やしたか、航空機を破壊するために設計された本来の爆発性破片弾頭を、従来型の高性能爆薬を載せた弾頭(注:砲弾や地対地ロケット用)に交換した。
新しい画像では簡単に識別できないが、標準の近接信管は、地対地用途のために設計されたものに置き換えられている可能性がある。

他の用途のために地対空ミサイルを改修することに携わったのは、リビア・ドーンが最初ではない。
バーシスト・イラクもイラン・イラク戦争の終盤近くに同じコンセプトで実験を行ったが、満足のいく結果を得ることができなかった。
このプロジェクトの詳細はこちらで読むことができる。

S-125を対地用途に改修することは、移動式発射台に搭載されているにもかかわらず僅かな価値のままである。
むしろ戦術的な目的よりも心理的な目的で役目を果たすだろう。

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 ※ この翻訳元の記事は、2015年7月13日に投稿されたものです。
   当記事は意訳などにより、本来のものと意味や言い回しが異なる箇所があります。
   正確な表現などについては、元記事をご一読願います。   

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2017年9月1日金曜日

DIYに走るリビア・ドーン: 2K12地対空ミサイルがイタリアのプーマ 6x6 APCに搭載された

著 Stijn Mitzer と Joost Oliemans (編訳:ぐう・たらお)

リビア・ドーン(注:「リビアの夜明け」)によって、いくつかのS-125地対空ミサイル(SAM)が地対地ミサイルへ改造されるという驚くべき動きがあったが、これがリビアにおけるそういった改造の全てではない。   
実際、リビア・ドーンはほぼ同じ時期に2K12(SA-6)SAMをより機動的なランチャーへ搭載するために改造する作業にも取り組み始めた。
最初の案は、上に見られるようにイタリア製のプーマ 6x6 APCとソ連が設計した2K12 SAMの発射機構を組み合わせたものだ。

そのプーマは、2013年にイタリアによって新生から間もないリビア軍に寄贈された20台の一部だったが、現在では新しい所有者によって完全に違う役割へと改修された。
オリジナルの2P25自走車両からプーマ 6x6に交換するため、同APCを新しい役割に適応させるには多くの変更が必要となった。





これらの9M39ミサイルが本来の役割として残されているのか、地対地ミサイルとして改造されたのかは不明のままだが、いずれの場合でもこのシステムがリビアの戦場に少しでも影響を与える見込みはないだろう。
 
リビア・ドーン「空軍」の主要な拠点である、ミスラタ空軍基地を防衛することを目的としたこの2K12 SAMの改修型は、間違いなく予想されうる侵入機を追い払うだろうが、本当の相手に直面したときにその機が撃墜されることはほとんどないだろう(注:対空用途として使えそうな見込みが無い)。
しかし、彼らはリビアでのDIYプロジェクトが増えていることを示しているため、これが最後のものではないと確信している。

 ※ この翻訳元の記事は、2015年4月27日に投稿されたものです。
   当記事は意訳などにより、本来のものと意味や言い回しが異なる箇所があります。
   正確な表現などについては、元記事をご一読願います。  

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2017年8月25日金曜日

シリアのUR-77は侮れない戦力になるのか



著 Stijn Mitzer と Joost Oliemans (編訳:ぐう・たらお)

2014年10月初旬に共和国防衛隊がダマスカス州ジョバルの反政府勢力の拠点を一掃を試みた際、シリアでは運用されているとは考えられていなかった車両を使用した状況が初めて目撃された。

UR-77 「メテオライト」攻撃に移る歩兵やAFVに道を開けるために2本の地雷除去導爆索で地雷原を処理する目的で設計され、チェチェンで反政府軍が拠点としている疑いのある家屋やアパートを爆破するなどして多用された。
限られた数の同車を入手したアンゴラでも、UNITA(アンゴラ全面独立民族同盟)との戦いで使用する姿が見られた。

この車両は基本的にソ連によって友好国に供与された装備には含まれていなかったので、アンゴラを除いてどんな国にも決して輸出されることがなかったと信じられていた。
UR-77が今や3年半(注:2014年当時)にわたる長い内戦の中で目撃されたことがなかったことは確実だ。
共和国防衛隊は反政府軍を匿っていると思われる住宅を攻撃するための適した車両を是が非でも必要としていた間にT-72AV戦車と2S3自走榴弾砲を使用しなければならず、結果として貴重なT-72AVの莫大で無用な損失に至った。


伝えられるところによればUR-77を搭載したIl-76メッゼまで飛行し、そこで同車が降ろされてジョバルの隣へ急行したという話があるが、既にシリアで運用状態にある同車と矛盾している。
2012年に遡ってみると、この時点で共和国防衛隊がダラヤで攻勢を開始しており、その経過で多くの戦車が失われたためにこの種の車両の必要性は既に2年前から明らかだった。
親アサド勢力の戦術について多くのことが言えるが、シリアの一部からダマスカスにこの重要な車両を移送するために2年間待つことは筋が通っていない。

最も可能性が高いのは、UR-77と弾薬がロシアか(おそらく)ベラルーシのどちらかによってシリアに売却され、その後にIl-76に積み込まれてメッゼに移送されたことだ。
UR-77は今までシリアで運用されたことがない可能性が最も高いので、実際には
外国人の要員が現在ジョバルで使用されているUR-77の運用に割り当てられている可能性がある。

ワッシム・イッサが公開した動画では、UR-77の操作員の姿が不鮮明にされている。
その一方で彼の周りにいる他の兵士のすべての顔は完全に見えたままだ。
あるショットでは遠くにある操作員の顔の一部を映しているが、カメラがズームインするとすぐにぼかされてしまう。

動画の後半でぼやけていないカットと映像があり、そこでは操作員のコーカサスルック(注:白人)を示しているが、操作員の出自について我々にあまり教えてはくれない。
彼は後に共和国防衛隊の兵士と直接会話している状況が見られており、ハンドサインを多用しているにもかかわらず兵士は彼のことを完全に理解しているようだ。















アサド政権は新たな装備の導入によって外貨を奪われるが、UR-77の能力はそのコストを上回っている。
UR-77の地雷除去導爆索は、いくつかのタイプの(ボルケーノとして知られている)IRAM(急造ロケット推進弾・迫撃砲)と国防軍(NDF)やヒズボラなどの親アサド勢力で使用されているイラン製ファラク(Falagh)ロケットよりも間違いなくはるかに進歩している。
UR-77はわずかしか入手されていないと思われるが、今後その活躍はダマスカス周辺の親アサド勢力の攻勢ではありふれた光景になるだろう。

 ※ この翻訳元の記事は、2014年10月16日に投稿されたものです。
   当記事は意訳などにより、本来のものと意味や言い回しが異なる箇所があります。
   正確な表現などについては、元記事をご一読願います。  

2017年8月22日火曜日

忘れられた軍隊:トランスニストリア(沿ドニエストル)の自作APC



著 Stijn Mitzer と Joost Oliemans (編訳:ぐう・たらお)

トランスニストリア, 正式には沿ドニエストル・モルドバ共和国(以下、沿ドニエストルと記載)は東ヨーロッパに存在する分離独立国家で、1990年に沿ドニエストル・ソビエト社会主義共和国として独立宣言をし、その後1992年にモルドバ(モルドバ共和国)から離脱して以来、影の存在となっている。
沿ドニエストルはウクライナとモルドバの間に位置しており、現在のところ、いずれも自身が未承認国家であるアブハジア共和国、南オセチア共和国、ナゴルノ・カラバフ共和国のみから承認されている。
それにもかかわらず、沿ドニエストルは、自らの陸・空軍、さらには独自の兵器産業さえ保有する事実上の国家として機能している。

この兵器産業が生産してきた非常に興味深い多くの装備が、過去20年以上にわたって、沿ドニエストルの軍隊における運用に就いてきた。
この国の兵器産業は、トランスニストリア戦争の間に非常に盛んであり、モルドバ軍に対して使用するための様々な自作の装甲戦闘車両(APC)や自家製の多連装ロケット砲(MRL)を生産した。
休戦後、沿ドニエストルの兵器産業は、同国の軍隊の運用状況を維持する上で極めて重要な役割を果たしてきただろうが、1991年に設立されて以来、旧式のソ連製兵器のストックを置き換えることができないままであった。

同国の兵器産業が製造した装備の1つが、ソ連製GMZ-3地雷敷設車をベースにした独特な装甲兵員輸送車(APC)である。
このAPCは、2015年にエフゲニー・シェフチュク前大統領とアレクサンドル・ルカネンコ国防大臣によって初めて発表され、これらの少なくとも8台は、同年に沿ドニエストル軍に就役したと見られている。
これらの車両のうち、少なくとも2台はその1か月後に演習に参加する状況が見られ、運用状態にあることが確認されている。




沿ドニエストルは、地域内や海外への武器密売国として悪名が高い。
ソ連地上軍第14軍からの大量の武器と弾薬は、沿ドニエストルの地元住民によって引き継がれ、沿ドニエストルに忠実であった第14軍の兵士と外国の義勇兵が、モルドバ政府によれば、依然としてモルドバの領土と主張していた沿ドニエストルに入ったとき、1992年に両者の間で紛争が生じた(注:多くの第14軍の兵士や外国の義勇兵が沿ドニエストル軍に加わった)。
紛失した大量の兵器や弾薬が確保された後、これらは新たに設立された沿ドニエストル共和国軍に引き継がれたか、在モルドバ共和国沿ドニエストル地域ロシア軍作戦集団の監督下でロシアに移送されて戻ったものの、沿ドニエストル由来の武器が限られた量ではあるが、依然として海外へ密輸されている。
それにもかかわらず、武器密輸国としての地位は確実に誇張されている。

1992年に武力紛争が終結したにもかかわらず、沿ドニエストルの状況は非常に複雑であり、ロシア連邦への編入を望んでいるが、経済生産の面では、モルドバへの限られた作物の輸出に大いに依存し続けている。
沿ドニエストルは、外の世界への透明性を高めるための小さな措置を講じているにもかかわらず、実態は依然としてソビエト社会主義共和国当時のままであり、国旗にはハンマーと鎌を使用し続け、さらにKGBを主要な治安機関として維持している。
ロシア軍は沿ドニエストルに限られた数であるがいまだに駐留し続けており、公式に平和維持活動を行っている。

ソ連が崩壊したとき、かつてソ連軍を構成していた人員や関連する兵器類の多くは、所在する地の新しく誕生した国に属することとなった。
このプロセスは、旧ソ連の外に駐留していた多くの民族的ロシア人の離脱(注・分離独立や脱走)によってしばしば問題となったが、これはモルドバが遭った唯一の問題ではなかった。
第14軍は実際にはウクライナ、モルドバ、そして分離独立国家であるトランスニストリア(沿ドニエストル)に属し、同軍の様々な部隊は、ウクライナ、モルドバ、ロシアのいずれかに属したり、新たに形成された沿ドニエストル共和国に合流した。
明らかに、これは非常に複雑で過敏なプロセスの下で行われたものである。








沿ドニエストル側は支配した領域に存在する武器保管庫ほとんどを引き継いだとき、大量の高度な特種車輌を受け継いだ一方、多くのIFVと自走砲を保有することができなかった。
実際、この地域に存在していた、いくらかの2S1グヴォズジーカ122mm自走榴弾砲と2S3アカーツィア152mm自走榴弾砲(これらはロシアへ移送された可能性が極めて高い)のほか、沿ドニエストル軍の兵器保有リストには自走砲は無い。
その代わり、間接射撃の火力支援には、武器庫の牽引式野砲と122mm「プリブール」多連装ロケット砲(BM-21)に依存している。

沿ドニエストルが引き継いだ特種車輌には、大量のGMZ-2とGMZ-3地雷敷設車が含まれていた。
トランスニストリア戦争の間に、この車輌の本来の役割は不要となり、いくつかのGMZが急造のAPCとして沿ドニエストル側で使用され、少なくともその1台が後に戦闘で破壊された
沿ドニエストルは、内戦後でも本来の役割でいくつかのGMZを引き続き使用したであろうが、そのような大規模な地雷敷設車群を必要とされず、ほとんどの車両は少なくとも8台のGMZ-3をAPCに転用することが決定されるまでは保管庫に置かれていた。
沿ドニエストルが利用可能なGMZの量は不明のままであるが、その数は、はるかに多くのGMZをAPCに転換するにはおそらく不十分である。





GMZ-3はAPCという新しい役割に従い、歩兵を輸送できる能力を得るために、搭載されていたすべての機雷敷設装置が撤去された。
地雷敷設用のアーム及びその操縦用の区画は後部ドアの位置を確保するために撤去され、兵員区画を設けるために地雷が格納されていた空間も取り除かれ、内部空間が拡張された。
変化の著しい改修を受けたGMZ-3の本来の形状は、ここで見ることができる。

GMZ-3はAPCの運用者によって、取り扱いが容易になるように広範囲にわたって改修され、新たに装備された単装の14.5mmKPV重機関銃及びその機関銃手のために、操縦席と兵員区画の間に新たな空間が設けられた。
単装の銃機関銃に加えて、車両に設けられた5つの銃眼からライフルと軽機関銃を射撃することができる。
この改修が、本来小火器の銃弾や砲爆撃の破片から自身を防護していた、GMZ-3の装甲に悪影響を与えたかどうかは不明である。

沿ドニエストルの大きさと経済的手段に対して、この車輌は確かに印象的かつ専門的な特徴を誇示し、利用可能なあらゆる手段を可能な限り活用できるという明確なケースを示している。
その点で、沿ドニエストルは、独自の兵器産業の製品によって、外国のオブサーバーの「小さな観客」を驚かせ続けるに違いない。

 ※ この翻訳元の記事は、2017年2月25日に投稿されたものです。
    当記事は意訳などにより、本来のものと意味や言い回しが異なる箇所があります。
    正確な表現などについては、元記事をご一読願います。      

2017年8月18日金曜日

ロシアより愛をこめて:シリアのVepr-12

著 Stijn Mitzer と Joost Oliemans(編訳:ぐう・たらお)

過去20年間に、シリアで民間人が所持する武器の完全な復活が見られた。
1982年のハマの虐殺後、銃の所持が蜂起に繋がる恐れが生じたために民間人が武器を所有し、取り扱う流れは急速に減退した。
失敗した蜂起の直後に施行された厳格な銃規制法は、武器の入手と所有をより困難なものにした。
蜂起への恐怖は80年代に徐々に消えていき、政権によって容認された散弾銃は90年代の農村地帯において狩猟道具として次第に人気が高まっていった。
その大半は有利な価格(注:比較的安価)に関係していたからだ。

こうした事情にもかかわらず、アサルトライフルの所有は1982年の後には厳格に禁じれれていた。
政治的に信頼できる農家や牧羊者は、1982年以前にアサルトライフルを所有することを許可された機密の資格を得ることができたものの、この資格は一般の農家とってはあまりにも高価過ぎた。
違法にアサルトライフルを所有した場合、一般に2〜6年の懲役と革命前の2000〜10.000USドルの間の単位で罰金が科せられた。
しかし、これはピスタチオの木を襲った泥棒を撃退するためにAKMSを握ることを妨げるものではなかった(注:不法所持を根絶できなかったということ)。

話題を散弾銃に戻すと、シリア陸軍(SyAA)国民防衛軍(NDF)内での使用は限られたたままだ。シリアの軍事ドクトリンは今まで市街戦に焦点を当てていなかったため、そのような状況に対応する特殊な武器は少しも導入されていなかった。
しかし、ここ数年の間にイタリアのスパス-15といった限られた数の軍用クラスの散弾銃がシリア沿岸の一般人のもとにたどり着いた。

シリア内戦と比較的よく戦われる広範囲に及ぶ市街戦は近接戦闘に最適な武器の必要性をもたらし、そのような武器を購入するためにシリア軍の代表団がロシアに送られた。
ВПО-205-03は、AK-104とともに2012年のロシアの武器博覧会の際にシリア軍の代表団が視察した武器に含まれていた考えられ、これが限られた数量のVepr-12の軍用版であるВПО-205-03セミオートマチック式散弾銃の導入につながった。




Vepr-12シリーズの散弾銃はAK-74MAK-100シリーズに酷似しており、特に従来の弾倉を使用したアサルトライフルと間違える可能性がある。
AKシリーズに見られる標準的なサイドマウントとは対照的に、装備されているピカティニーレールには、さまざまな種類の光学照準器、フォアグリップ、IRポインターやフラッシュライトの装着を可能にした。

すでにコンパクトなВПО-205-03は横折りたたみ式の銃床によってさらに短縮されることで、近接戦闘のための理想的な武器となる。
この銃は世界中の散弾銃の大半のように、標準的な12ゲージの散弾を発射する。

これらの散弾銃は、どれもがシリアへの高性能な武器の供与で一般的見られるような、戦場に行き着いた姿を見つけられることはなかった。
その代わりに、すべてが直ちに沿岸地域の様々な重要人物やその関係者に支給された。
ВПО-205-03は、例えばデリゾールなどで戦闘する政府軍のための天の賜物になるだろうが、汚職は最も必要とされる場所でのそういった武器の使用を妨げる(注:軍隊ではなく有力者などに支給したこと)。
もちろん、このケースは新型散弾銃の使用だけが関係しているが、このような政策(注:汚職のこと)は最終的に戦時体制の損失に終わる可能性がある(注:現体制を不安定にさせるということ)。

 ※ この翻訳元の記事は、2015年6月8日に投稿されたものです。
   当記事は意訳などにより、本来のものと意味や言い回しが異なる箇所がありま  
  す。   
   正確な表現などについては、元記をご一読願います。  

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2017年8月11日金曜日

4年にわたる内戦の成果:第4機甲師団の装甲強化計画


著 Stijn Mitzer と Joost Oliemans (編訳:ぐう・たらお)

T-72AV及びBMP-2へのスラット・アーマーと空間装甲を用いた部分的な実験に続いて、第4機甲師団は2014年の夏に装甲強化に関する小規模な改修計画を開始した。
数両のT-72M1とブルドーザーを増加装甲で改修した後、現在(2015年時点)、第4機甲師団は同じ方法で改修されたZSU-23-4「シルカ」自走式対空機関砲(SPAAG)も少なくとも1両を運用している。

この計画の目的は、金属製のチェーンでさらに強化されたスラット・アーマー及び空間装甲から成る増加装甲を追加することによってAFVの生存性の確率を向上させることにあった。
全体的に見て、それは通常のRPG弾頭に対して360度にわたる範囲で優れた防御力を備えるものだ。
しかしながら、RPG-29M79オサや後の世代のRPG-7の弾頭(注:PG-7VRタンデム弾頭など)のような強化されたRPGは、そのような装甲を侵徹することについて問題が少ない。

この計画の一環として改修された最初の車両は数量のT-72M1であり、その後、新しい装甲パッケージの実際の戦闘力をテストするためにジョバルに配備された。
これらの最初の作戦では、改修されたT-72M1のうちの1両がスタックしてその後に乗員によって放棄され、さらに別の車両がジョバルに入った後に完全に破壊されたために、この試験を成功に終わらせることができなかった:これが野心的な計画の悲劇的なスタートとなった。[1] [2]

しかし、この状況は第4機甲師団が改修計画を推し進めることを阻んでおらず、改修された数両のT-72M1はその後もジョバルや東ゴータ、さらにはアレッポの部隊に従事し続けた。
この改修を担当する工場はダマスカス北部のアドラにある。














同工場で開発・製造された同様の装甲パッケージは、第4機甲師団で使用されるブルドーザーにも適用された。

そのブルドーザーは、ダマスカスと東ゴータの近隣で行われている攻勢のほとんどで重要な地位を獲得した。
そこでは、 それらが兵士を最前線に輸送し、障害物を除去し、歩兵や戦車を防護するための砂の障壁を高め、地雷原と思しき地点をクリアにするために使用されている。
彼らが装甲パッケージの無い状態でこれらを運用していたとき、局所的なDIY装甲を装備していたとしても、反政府軍の対戦車チームや対物ライフル、さらには機関銃の射撃の簡単な餌食となっていた。

小さな工場の違いや軽微な戦場での改修以外にも、2つのバリエーションが存在することが知られている。


これらのバリエーションは、装甲パッケージの設計と製造がいかにして時間の経過とともに進歩してきたのかを明確に示している。
下の車両はジョバルで活動しており、そこでは主に兵士の輸送や地雷原の処理に使用された。

その車両は2014年12月の後半、おそらく地雷原を処理しようとしている際に、ラフマン軍団としても知られているフェイラク・アル・ラフマンの戦闘員によって野外で捕獲された後に破壊された。
そのブルドーザーはRPG-7と対物ライフルによる複数の命中弾を受けた後にやっと停止した。
その後、ラフマン軍団の戦闘員は放棄されたブルドーザーへ至るトンネルを掘り、車両の回収を妨害するため、その下に梱包爆薬を置いた。
続いて起こった爆発は車体を破壊して炎上し、将来の再使用を不可能にした。


次に装甲の改修を受ける車両としてZSU-23-4が選ばれた。
ダラヤで得られた戦歴では、ほとんどの場合においてT-72では狙うことのできない、アパートや共同住宅といった高所に位置する反政府軍と交戦可能な車両が必要であることを示した。

過去における数ヶ国の先例に続いて、シリアは戦車や歩兵を支援するためにZSU-23-4の大部隊の投入を開始した。
この役割においてシルカの最大の弱点となるのは貧弱な装甲だ。
本来、シルカはヨーロッパ平野で戦車や歩兵戦闘車(IFV)の後方で航空機やヘリコプターと交戦するような運用を想定して設計されており、その装甲は敵の隠れ家に接近して交戦することに適しているとは程遠い。
シェイフ・マスキン近郊における第82旅団に所属していた車両の最近の映像は、この事実を非情に思い出させるものとして役立つ。[3]

装甲パッケージの装着は小火器とRPGの射撃に対するシルカの脆弱性に大きく対処し、車両が以前よりも近接な戦闘での火力支援を可能にした。
非常に高い射撃速度で、大口径を有し、あらゆる潜在的な目標をカバーする仰角と射撃範囲で、それは完璧に理想的な都市制圧型支援車両:シリアの戦場で4年近くにわたって作り上げられた過酷な環境に完全に適応した戦闘マシーンとなった。









T-72M1の正面にある金属製のチェーンがRPGの弾等を止めることが不可能と判明した後、改修されたT-72M1のほとんどはチェーンが増加式の空間装甲や単なる金属の断片に置き換えられた。
これらの改修はT-72の運用地域で行われており、装甲パッケージを担当する工場が不思議なことに、正面に金属製のチェーンを付けたT-72用にそれを未だに製造している。

紛争が活発になって以来、様々な種類の装備の長所や弱点に関する無数の戦闘報告が提供されるため、改良された装甲に続く派生型がこれらの問題に対処し、ますます有効なものになる可能性が高い。





ジョバルで改修されたT-72M1のうちの2両が破壊された後、装甲パッケージの戦闘力は最小限に抑えられたと考えられていた。
しかし、これは決して新しい装甲の実際の戦闘能力を表すものではない。
新しい装甲パッケージが乗員に無敵の感覚を与えて乗員が通常より大きなリスクを負うことにつながり、そして車両が破壊される結果をもたらす可能性がある(注:大胆な行動をとりやすくなるために撃破される率が高まるということ)。
東ゴータからの1枚の画像は戦闘においてその有効性を確認でき、改修されたT-72M1は何発かのRPGの命中を受けた後も無傷のままだ。

実際に未知の対戦車兵器の打撃を受けたこの一例では装甲パッケージの良い面と不都合な面に関して全く論証できないことが明らかだが、第4機甲師団が重要な資源をそれに割り当てることをついて十分に有効性があると判断していることは明らかだ。

これらの車両で行われた改修は、第4機甲師団がまだ息切れを起こしていないことを証明している。
ステレオ式測遠機の位置のためにT-72「ウラル」ではこの装甲パッケージの装着は不可能だが、同じ方法でますます多くのAFVが改修されることが予想される。

 ※ この翻訳元の記事は、2015年1月30日に投稿されたものです。
   当記事は意訳などにより、本来のものと意味や言い回しが異なる箇所があります。
   正確な表現などについては、元記事をご一読願います。  

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2017年8月4日金曜日

DIYに走るシリア軍: S-60 AZP 57mm対空機関砲が2K12 SAM発射車両に搭載された
















著 Stijn Mitzer と Joost Oliemans (編訳:ぐう・たらお)

現在も進行しているシリアでの内戦は、関係する各勢力が自己の火力を高めるために多くのDIYプロジェクトに取り組むという結果をもたらしている。
悪名高い反政府軍のヘル・キャノン(Hell Cannon)や政府軍のIRAM(Improvised Rocket-Assisted Munition or Mortar:急造ロケット推進弾・迫撃砲、例としてボルケーノ・ロケット)と樽爆弾はそれらの完璧な例であり、かなりの数が生産されているほど十分に成功している。
後者の2つは共和国防衛隊の機甲部隊の一部に施された装甲の強化とともに実際には広く普及しているため、単なるDIYによる改造ではなく工業規格化された改修としてより適切に分類される可能性がある。

DIYプロジェクトは、利用可能な資源と各地の指揮官・兵士の独創性や意欲にたびたび左右される。
これらの条件はシリア各地で大きな差があって幾つかの勢力や地域には十分な武器や弾薬がある一方、他では敵から優位を得るか攻勢を阻むために使用できる十分な火力を確保するべくDIYを余儀なくされている。

S-60 AZP 57mm対空機関砲のトラックへの搭載はシリアで非常に普及しているDIY改造であり、長射程を有する速攻の火力支援を兵士に提供することが比較的容易なものだ。
この改造の唯一の欠点は、トラックのキャビンが障害となって正面がブロックされるために機関砲の射撃範囲が制限されることだ(注:正面に向けて射撃できない)。
こういった改造のためにベースとして選択されたトラックは、多くの場合はごみ収集車(注:文字どおり)であり、要員に小火器の射撃に対するある程度の防護を提供する。

同じ機関砲を2K12 クーブ移動式地対空ミサイルシステム(SAM)の車体であるGM-578(2P25)に取り付けることでこの問題が解決され、砲手が機関砲を完全に旋回させることを可能にした。
最近、限られた数のこのような改造がシリア・アラブ陸軍(SyAA)のために施されているので、近い将来により多くの車両が改造される可能性がある。

改造された2K12の少なくとも1台は現在(注:2015年当時)、ヒズボラとシリア政府軍によって共同で実施されている戦略的に位置づけられたカラマウン地区への攻勢に参加している。
SyAAと共和国防衛隊は、主にヒズボラの戦闘員で構成された歩兵部隊に火力支援の大部分を提供している。



シリア各地に散在する孤立したSAMサイトの脆弱性は、より安全でより強力な政府支配地域に最も脆弱な装備を移動させるという決定につながり、そこでほとんどのSAM中隊が復活させられたが、何らかの理由でその復活は短命に終わった。
スペアパーツの不足や要員を他の任務に配置する必要があるということは、SAM中隊は最小限の要員で運用されるか全部が放棄されたことを意味した。
いくつかの2K12中隊は下の画像のTELと同じ運命を迎えた。
この車両には「الجيش - ١٠٦٠٥٥٨ :陸軍-1060558」という文字が書かれている。
改造された2K12は放棄された車両の1つであり、これらに埃を被らせるのではなくて火力支援のプラットフォームに転換することは道理にかなっている。

この費用対効果の良い改造車両は機動性があり、それゆえに政権側の戦闘員と一緒に進むことができるが、小火器の射撃から乗員を防護する鉄鋼製の車体に搭載することができる弾薬の量が限られるため、火力支援プラットフォームとしての役割を限定する可能性がある。
しかし、リビア・ドーン(リビアの夜明け運動)によって開始された別のDIYプロジェクトでは、2K12を同じような他の用途(注:対地攻撃用)で使用できるように改修することが可能だということを示し
た。
比較的単純な改造をすれば、600kgの3M9ミサイルは非常に頼りにならない影響しか与えないにもかかわらず、地対地攻撃の用途に再利用することができる(注:対地ロケットとして開発されていない対空ミサイルでは、弾頭の種類や特性、それに弾道特性などから命中率も低いためにあまり戦果を期待できないということ)。
現時点では不明だが、まもなくシリアの戦場でもこのような改造車両が使用される姿を目にすることができるかもしれない。


 ※ この翻訳元の記事は、2015年7月11日に投稿されたものです。
    当記事は意訳などにより、本来のものと意味や言い回しが異なる箇所があります。
   正確な表現などについては、元記事をご一読願います。  

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