以前、私たちはエチオピアに最低でも6機のUAEの「翼竜Ⅰ」無人戦闘航空機(UCAV)が配備されたことをお伝えしました。しかし、ごく最近になってハラールメダ空軍基地にUCAV運用のための追加インフラの整備作業が進行中であることが衛星画像によって判明しました。[1] [2]
2021年9月に中国から導入したエチオピア空軍(ETAF)の3機の「翼竜Ⅰ」UCAVが使用しているハンガーの隣で、新しいエプロンとハンガーが建てられているようです(編訳者注:11月14日から19日の間にエプロンの拡張が開始され、11月29日から12月4日の間にエプロン北側に「大きな黒い影」が登場しました。)[3]
これらの「翼竜Ⅰ」の1機はすでに11月中旬に撮影された衛星画像でその存在がキャッチされています[4]
作業が進められている場所については、以前はエチオピア空軍(ETAF)が設けた退役機の墓場であり、約30機の「MiG-21」戦闘機、8機の「Mi-24」攻撃ヘリコプター、5機の「An-12」輸送機、そして1機ずつの「Yak-40」旅客機と「Tu-154」旅客機が放置されていました。
これらのうち、大型機以外はまもなく建設されるであろう施設の邪魔とならないよう、基地内の別の場所に移動されました。「MiG-21」と「Mi-24」の移動作業は2021年10月には開始され、施設はその後12月初旬から整備作業が開始されたようです。
この施設が完成した後、このエリアはハラールメダ基地における全U(C)AVの運用拠点になると予想されます。
現在、ETAFはこの基地から数機のイスラエル製の「エアロスターUAS」と中国製の「翼竜Ⅰ」UCAVを運用しており、イラン製「モハジェル-6」UCAVについては依然としてエチオピア北東部にあるセマラ空港を拠点にしていると考えられています。[5]
ETAFがメケレ市上空で「Su-27」戦闘機の爆撃目標を指示するためにすでに「翼竜Ⅰ」を実戦投入したことで実証されているとおり、同UCAVはハラールメダ基地からティグレ州全域での任務を遂行するのに十分な航続距離を持っています。[6]
現在のU(C)AV関連インフラの拡張作業の動きは、ティグレ防衛軍(TDF)が過去1カ月間に獲得した領土の多くを喪失した時期と重なります(注:現在はENDFの攻勢でTDFは退却に追い込まれつつあります)。[7]
エチオピア北部のティグレ軍に対するエチオピア国防軍(ENDF)の攻撃が見事に期待外れに終わると、TDFは反攻を開始し、その猛威は一時的に首都アディスアベバの安全を脅かすまでに至りました。[8]
この施設が完成した後、このエリアはハラールメダ基地における全U(C)AVの運用拠点になると予想されます。
現在、ETAFはこの基地から数機のイスラエル製の「エアロスターUAS」と中国製の「翼竜Ⅰ」UCAVを運用しており、イラン製「モハジェル-6」UCAVについては依然としてエチオピア北東部にあるセマラ空港を拠点にしていると考えられています。[5]
ETAFがメケレ市上空で「Su-27」戦闘機の爆撃目標を指示するためにすでに「翼竜Ⅰ」を実戦投入したことで実証されているとおり、同UCAVはハラールメダ基地からティグレ州全域での任務を遂行するのに十分な航続距離を持っています。[6]
現在のU(C)AV関連インフラの拡張作業の動きは、ティグレ防衛軍(TDF)が過去1カ月間に獲得した領土の多くを喪失した時期と重なります(注:現在はENDFの攻勢でTDFは退却に追い込まれつつあります)。[7]
エチオピア北部のティグレ軍に対するエチオピア国防軍(ENDF)の攻撃が見事に期待外れに終わると、TDFは反攻を開始し、その猛威は一時的に首都アディスアベバの安全を脅かすまでに至りました。[8]
しかし、少なくとも11機以上のUCAVがもたらす絶え間なく続く損耗は、最前線にいるTDF部隊に心理的・物資的に重大な影響を与えたようです。
2021年2月中旬: このエリアはまだ「MiG-21」「Mi-24」や輸送機などで占められています。 |
2021年11月中旬:「MiG-21」 と「Mi-24」は新たなハンガーとエプロン用のスペースを確保するために移動させられました。 |
2021年12月9日: かつての「飛行機の墓場」前に最初のエプロンが設けられました。 |
幅広い種類のUCAVの導入が、結果として窮地に立たされたアビー・アハメド政権を救う最も決定的な要因となるかもしれません。
以前のTDFは退却して別の戦線で反撃の機会を試みることもできましたが、ETAFが投入できるUCAVの数が増えていることは、近いうちにティグレの部隊が標的にされずに逃げ隠れできる場所がどこにもなくなってしまうことを意味する可能性があります。
リビア内戦と2020年のナゴルノ・カラバフ戦争に続いて、おそらくティグレ戦争もUCAVの使用が決定的な勝因をもたらした、急速に増加しつつある紛争のリストに加わることになるでしょう。
「翼竜Ⅰ」(これはイメージ画像であり、エチオピアとは無関係です) |
特別協力: Gerjon (敬称略)
[1] The UAE Joins The Tigray War: Emirati Wing Loong I UCAVs Deploy To Ethiopia https://www.oryxspioenkop.com/2021/12/the-uae-joins-tigray-war-emirati-wing.html
[2] https://twitter.com/Gerjon_/status/1467183943237648392
[3] Wing Loong Is Over Ethiopia: Chinese UCAVs Join The Battle For Tigray https://www.oryxspioenkop.com/2021/10/wing-loong-is-over-ethiopia-chinese.html
[4] Satellite Images Show Ethiopia’s Expanding Drone Buildup https://www.oryxspioenkop.com/2021/11/satellite-images-show-ethiopias.html
[5] Ethiopia now confirmed to fly Chinese armed drones https://paxforpeace.nl/news/blogs/ethiopia-now-confirmed-to-fly-chinese-armed-drones
[6] Deadly Ineffective: Chinese-Made Wing Loong UAVs Designate Targets For Ethiopian Su-27 Bombers https://www.oryxspioenkop.com/2021/11/deadly-ineffective-chinese-made-wing.html
[7] https://twitter.com/MapEthiopia/status/1466841807569014787
[8] Ethiopia's Tigray crisis: Citizens urged to defend Addis Ababa against rebels https://www.bbc.com/news/world-africa-59134431
※ 当記事は、2021年12月13日に本家Oryxブログ(英語版)に投稿された記事を翻訳した
ものです。
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