2022年12月11日日曜日

プレミア価格の対潜哨戒機:ギリシャが「MQ-9B "シーガーディアン"」UAVを調達する


著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo

 政府が引き起こした債務危機のために長年にわたって装備の新規調達を延期せざるを得なかったギリシャ空軍は、ここ近年で相次ぐ新たな装備の導入という恩恵を受けています。

 2018年、「ロッキード・マーティン」社はギリシャが運用している84機の「F-16C/D(ブロック52+)」を最新の「F-16V(ブロック70/72) "バイパー"」規格にアップグレードする契約を結び、その2年後には、ギリシャ政府によるフランスから18機の「ダッソー」製「ラファール」戦闘機を「SCALP」巡航ミサイルと「AM39 "エグゾゼ"」対艦ミサイルから成る高度な兵装パッケージとセットした発注が続きました(2021年にさらに6機が発注)。[1]

 そして2022年6月、ギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相は政府が2020年代後半に納入予定となっている「F-35」20機の購入要請をアメリカに打診したことを公表するまでに至りました。[2]

 ギリシャ空軍の復活はそれらだけにとどまらず、10機の「M-346」新型ジェット練習機の調達や、28機を運用中の「AH-64A/D」攻撃ヘリコプターを射程25kmの「スパイク-NLOS」対戦車ミサイル(ATGM)を発射できるように改修することも現在進められています。[3] 

 さらに、ギリシャはイスラエルの防衛企業「IAI」から(2020年代半ばのリース期間終了後に購入するオプション付きで)「ヘロンTP」無人航空機(UAV)の海上監視型を4機リースし、念願の中高度長時間滞空(MALE)型UAVの獲得を目指していました 。ところが、その後の2022年7月上旬に、ギリシャがアメリカから洋上監視に特化された「MQ-9B "シーガーディアン"」3機を4億ドル(約547億円)という驚異的な価格で調達することが発表されたのでした。[4][5]

 こうした新兵器の導入案は、近年エーゲ海におけるギリシャの島々の非軍事化を要求している隣国:トルコとの緊張が高まる中で、ギリシャ軍の能力をさらに増強することを目的とした大規模な調達計画の一部です。[6] 

 「シーガーディアン」はギリシャ軍に斬新な戦力をもたらすことになりますが、その価格は機体に付随する高度なレーダーやセンサーシステムを考慮しても法外なものと言わざるを得ません。価格の急騰が実際に搭載されているセンサー群に原因があることを示す証拠として、2015年にオランダが「MQ-9(ブロック5)」を3億3900万ドル(約464億円)で発注したことが挙げられます。[7]

 オランダへの売却案には無人戦闘航空機(UCAV)4機、地上管制ステーション4基、エンジン6基、「ゼネラルアトミクス」社製の海上広域捜索機能を備えた「リンクス」合成開口レーダー、照準システムなどが含まれていたものの、兵装は別とされました。この契約は結果として2020年まで延期され、今度は「リンクス」合成開口レーダーなしで、それを含む場合よりも2億1600万ドル(約295億円)も安い僅か1億2300万ドル(約168億円)で締結されたのです! [7]

 さらに比較すると、イギリスは2020年7月に「MQ-9B "スカイガーディアン"」3機と地上管制ステーション3基を総額で8200万ドル(約112億円)で調達しています。[8]


 「MQ-9B "シーガーディアン"」は定評のある「MQ-9B "リーパー"」UCAVの海上監視型で、もともと(最終的に「ノースロップ・グラマン」社の「RQ-4N/MQ-4C」が選ばれた)アメリカ海軍の広域海洋監視(BAMS)計画のために売り込んだコンセプトから生まれました。

 艦艇を含む水上目標や潜望鏡を探知可能な合成開口レーダーと対潜戦(ASW)用のソノブイ・ポッドを搭載できることが「シーガーディアン」最大のセールスポイントです。

 また、対潜魚雷や自衛用の「AIM-9 "サイドワインダー"」空対空ミサイル(AAM)の搭載及び運用能力の付与を含む将来的な改良だけにとどまらず、今では空母から運用するために翼を折りたたたみ式にしたタイプさえも検討されており、システムの将来性が拡大しつつあります。
 
「シーガーディアン」は、ギリシャが保有している「P-3B "オライオン"」洋上哨戒機や「AB-212」及び「S-70/B-6 "エジエンホーク"」対潜ヘリコプターで構成されているASW飛行隊を補完することになるでしょう。

 トルコの潜水艦の戦力が向上していることを踏まえ、ギリシャはASW用アセットの追加導入に大規模な投資を行い続けてきました。2016年にギリシャ海軍は5機の「P-3B "オライオン"」のオーバーホールと改修をする契約を結んでおり、2023年に完了する予定です。[9] 

 その3年後、海軍は旧式化した「AB-212」を更新するために7機の「MH-60R "シーホーク"」を調達する契約も交わされましたが、どうやら「MR-60R」導入の必要性が極めて高かったらしく、当初はアメリカ海軍向けであった機体がそのままギリシャに引き渡されました。[10]

ギリシャ海軍に引き渡された最初の「MH-60R」(2021年12月)

 プラットフォーム機としての洋上監視能力を披露するため、メーカーの「GA-ASI(ゼネラルアトミクス・エアロノーティカルシステムズ)」は2019年12月にギリシャのラリサ空軍基地から「MQ-9 "ガーディアン"」を用いた一連の実証飛行を終えています。[11] 

 この飛行はギリシャ空軍と沿岸警備隊によって後援されたものであり、NATO諸国の軍人や議員たちの前で披露されました。[11] 

 現状を踏まえると、これらの実証飛行で示した性能は、その驚異的な高価格を大目に見るようにギリシャに納得させるには十分なほど見応えのあるものだったようです。 


 多種多様なセンサーシステムの搭載やソノブイの運用能力を持つ「シーガーディアン」は近い将来に対潜魚雷や「サイドワインダー」AAMを搭載することが可能となりますが、UCAVではないことから地上目標に対する使用には向いていません。

 その代わり、UCAVとしての任務については「MQ-9B(ブロック5)」または(イギリスで「プロテクター」という名称が付与された)「MQ-9B "スカイガーディアン"」によって遂行されることになっています。同機は最大で18発のMBDA「ブリムストーン2」空対地ミサイル、または12発の同ミサイルと2発の「ペイブウェイ IV」GPS/INS/レーザー誘導爆弾(各230kg)を搭載可能という素晴らしい兵装のペイロードを有した機体です。

 ただし、近い将来にギリシャがこのUCAVや他機種を導入するかどうかはまだ分かっていません。

「GA-ASI」社の「MQ-9 "ガーディアン"」実証機とギリシャ空軍の「F-16C(ブロック52+)」

 3機の「MQ-9B "シーガーディアン"」の導入は、ギリシャ軍にとって新しい時代を形成する最も重要な指標の1つとなることは言うまでもありません。

 高度なセンサーシステムを用いることによって遠く離れた場所にいる敵の位置を特定したり、エーゲ海における濁った海域に潜む潜水艦の探知など、この新型機は国土の広さの割に他国よりも多くの海岸線を持つギリシャに長年欠けていた力をもたらすることになるでしょう。

 ASWという任務上、確かに「シーガーディアン」は敵からの攻撃に対して脆弱です。しかし、いかなるASW機も該当すると特徴のため、致命的な弱点ではありませんし、この機体が装備している強力なセンサー群と見事な(無人)飛行特性は多く存在するほかの選択肢よりも適していると主張することができます。

 ただし、ギリシャ軍が老朽化した装備の近代化と更新の困難に直面している現在、こうした斬新な戦力の導入が多額の代償を伴うことは否定できません(注:つまり「シーガーディアン」などの導入でほかの装備の更新などに遅れが生じるデメリットがもたらされるということ)。


[1] MBDA awarded two contracts by Greece for naval and aircraft weaponry https://www.mbda-systems.com/press-releases/mbda-awarded-two-contracts-by-greece-for-naval-and-aircraft-weaponry/
[2] Greece formally requests to buy F-35 fighter jets from US https://apnews.com/article/nato-middle-east-turkey-e984784e39df527ba58731b51092995b
[3] Σοκ στην Άγκυρα: Έρχονται και «κλειδώνουν» το Αιγαίο τα «φονικά» Ισραηλινά SPIKE NLOS - Εφιάλτης για την Τουρκία - Ανίκητη «ασπίδα» σε Έβρο και νησιά https://newpost.gr/amyna/615c7dcc8fd4386408a451f8/sok-stin-agkyra-erhontai-kai-kleidonoyn-to-aigaio-ta-fonika-israilina-spike-nlos-efialtis-gia-tin-toyrkia-anikiti-aspida-se-evro-kai-nisia
[4] Greek armed forces to get new missiles, upgrade systems https://www.ekathimerini.com/news/1169287/greek-armed-forces-to-get-new-missiles-upgrade-systems/
[5] Greece to purchase SeaGuardian MQ-9B UAV amid tensions with Turkey https://www.navyrecognition.com/index.php/naval-news/naval-news-archive/2022/july/11887-greece-to-purchase-seaguardian-mq-9b-uav-amid-tensions-with-turkey.html
[6] Stop militarising Aegean islands, Turkey’s Erdogan tells Greece https://www.aljazeera.com/news/2022/6/9/stop-demilitarising-aegean-islands-turkeys-erdogan-tells-greece
[7] General Atomics awarded $123 million Netherlands MQ-9 Reaper drone contract https://www.thedefensepost.com/2019/03/22/netherlands-general-atomics-mq-9-reaper-drone-123-million/
[8] UK signs for first three Protector UAVs https://www.janes.com/defence-news/industry-headlines/latest/uk-signs-for-first-three-protector-uavs
[9] Greece Takes Delivery of First Upgraded P-3B Orion https://dsm.forecastinternational.com/wordpress/2019/05/20/greece-takes-delivery-of-first-upgraded-p-3b-orion/
[10] First MH-60R for Greece https://www.scramble.nl/military-news/first-mh-60r-for-greece
[11] GA-ASI Concludes Successful Series of MQ-9 Demonstrations in Greece https://www.ga.com/ga-asi-concludes-successful-series-of-mq-9-demonstrations-in-greece

※  当記事は、2022年8月19日に本国版「Oryx」(英語)に投稿された記事を翻訳した
 ものです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所
 があります。


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2022年12月8日木曜日

レッドスター・ライジング:ベトナムの武装ドローン・プロジェクト



著:ステイン・ミッツアーとヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo)

 ベトナムは、第二次世界大戦時代のソ連製小銃から1960年代のアメリカ製主力戦車までのあらゆる兵器を装備した大規模な予備軍によって迅速に動員できる、主にソ連時代の兵器を装備した巨大な軍事機構を守備することによって、その安全保証上の要求に対応しようと務めてきました。

 ベトナム人民軍(VPA)における現代的な装備は比較的不足していますが、その代わりにベトナムは既存の兵器をアップグレードして21世紀の戦闘に適切なものにすることを好んでいるようです。その代表的な例が「T-54M3」戦車へのアップグレード計画でしょう。

 この独特な手法は、ベトナムのような大規模な軍隊で一般的に見られる種類の装備類が不足していたり、比較的後れて導入されていることを意味しています。

 過去10年間、南シナ海で強引さを強める中国に対する抑止力を高めるために、ベトナムは自国の資金の大部分を防空、沿岸防衛システム(CDS)、そして海軍力の近代化・拡大に投じてきました。

 この観点から見ると、無人戦闘航空機(UCAV)の導入がベトナムの最優先事項でないことはほぼ間違いないでしょう。しかし、別の視点からアプローチしてみると、ベトナムが手ごろな価格のUCAVを導入する理由は確かに生じ得ます。

 ベトナム人民空軍(VPAF)は専用の対地攻撃機をほとんど保有しておらず、将来に中国と武力衝突が発生した場合は「Su-27」や「Su-30」飛行隊が数において優勢な中国の飛行隊と戦うことになり、それは地上部隊への近接航空支援に用いることが可能なアセットがほぼ皆無になることを意味しています。

 ちなみに、ベトナム軍の「Mi-24A」攻撃ヘリコプターは、2000年代後半に後継機が存在しない状態で最後の1機が退役してしまいました。

 ベトナムが無人攻撃機の導入を前進させる可能性があるという具体的な兆候が最初に表面化したのは、2020年9月のVPA第11回党大会(注:ベトナム共産党第11回大会とは別)の記念展示会で、双胴機型UCAVのモックアップが登場したときのことでした。[1]

 ベトナム製UAVの大半を担当している「ベトテル・グループ」系企業が設計・開発したと考えられているこのUCAVは、主翼の下に2発の空対地ミサイル(AGM)のモックアップを搭載していました。このドローンやこれまでのUAVプロジェクトがどこまで進んだのかについては、このほかには全く知られていません。


 現段階ではまだモックアップですが、展示された機体のデザインはトルコ航空宇宙産業(TAI)の「アンカ」UCAVと類似しています。もちろん、トルコとの軍事協力が行われている情報が皆無であることから、このような類似性は純粋な偶然である可能性が極めて高いでしょう。

 設計面でさらに興味深いものとしては、機首上部にある衛星通信(SATCOM)アンテナ収容用の盛り上がった部分と胴体下の合成開口レーダー(SAR)用と思しき突出部があり、このUCAVが情報・監視・偵察(ISR)任務を負うように設計されていることを示唆しています。



 この新型UCAVはベトナムで誕生した最初の大型UAVではありません。なぜならば、2015年の時点でに(当時では)最大級のUAVを発表したことがあったからです。[2] [3]

 この「HS-6L」と命名された全幅22mの中高度・長時間滞空型(MALE)UAVは、ベラルーシと共同開発されたものと考えられています。2016年には非武装型の飛行試験が実施されることになっていましたが、2015年にこのプロジェクトが公開されて以来、何の音沙汰もありません。「HS-6L」については、南シナ海の広範囲な部分をパトロールするのに理想的な約4,000kmの航続距離と35時間の滞空時間を誇ると主張されていました。[2]

 その後のベトナムの動向を踏まえると、国産MALE型UAVに対する関心については、どうやら外国製UAVの導入を優先することに取って代わられたようです。

 2018年6月に、2つのイスラエル企業:「エアロノーティクス」「イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ(IAI)」がベトナムが求める大型UAVの必要条件を満たす機種を売り込んでいたことが公表され、続く同年12月には、ベトナムが1億6,000万ドル(約182億円)で3機のIAI「ヘロン」の調達する契約を締結したと報じられました。[4][5]

 しかし、最終的にこの契約は実現しませんでした。このことは、ベトナム側が依然としてMALE型UAVの導入について躊躇していることを示唆しています。

ベトナム科学技術院とベラルーシで共同開発された「HS-6L」UAV

 実現したのは、「ベトテル」社による「エアロノーティクス」製「オービター3」のライセンス生産でした。2017年、同社はすでに「オービター3」に酷似した新型UAV「VT-スイフト」を公開しています。[6]

 ベトナムはすでに「オービター2」を運用しており、2015年に関連する技術移転と共に「オービター3」の導入に関心を表明していたのです。[7] [8]

 「VT-スイフト」は搭載されたGPS装置を用いて複数の通過地点に基づいて予めプログラムされたルートを飛行し、機首のEOセンサーを使用して偵察や砲撃目標の指示を行う能力を有しています。

イスラエルの「オービター3」のライセンス生産モデルの派生型である「VT-スイフト」

 ベトナムは独自の方法で防衛面での需要に対応し続けるでしょうから、もしかすると同国がUCAVを導入する状況を目にする日がいつかは来るかもしれません。

 ベトナムは偵察手段や「Su-30」といったジェット戦闘機を代替する安価な攻撃機としてのUAVのベストな使用法や、これらを自国の防衛戦略にいかにして上手に取り入れるかを見出すことに尽力していることは確かです。

 近年におけるベトナムの防衛産業がUCAVと専用の兵装を開発する能力を有しているかは不明ですが、技術移転や外国機の製造ライセンスを獲得することによって数年以内にそうした能力を勝ち取り、武装ドローン運用国のリストに新たに自国を加える可能性があります。

※ この記事の作成にあたり、 Lee Ann Quann氏と0bserver4氏に感謝を申し上げます。

[1] https://twitter.com/AnnQuann/status/1309425978892939264
[2] https://twitter.com/0bserver4/status/1484551453620715520
[3] Vietnam Reveals New Drone for Patrolling the South China Sea https://thediplomat.com/2015/12/vietnam-reveals-new-drone-for-patrolling-the-south-china-sea/
[4] UAV tầm xa Việt Nam: Giao hội ý tưởng và công nghệ Đông-Tây https://soha.vn/quan-su/uav-tam-xa-viet-nam-giao-hoi-y-tuong-va-cong-nghe-dong-tay-2015121411442494.htm
[5] Drone race underway in Vietnam https://www.intelligenceonline.com/cor- porate-intelligence/2018/06/27/drone-race-underway-in-vietnam,108314927-art
[6] A New Vietnam-Israel Drone Deal? https://thediplomat.com/2018/12/a-new-vietnam-israel-drone-deal/
[7] VT-Swift http://www.vtx.vn/content/vt-swift-1
[8] Vietnam ups interest in unmanned Orbiter 3 https://www.flightglobal.com/military-uavs/vietnam-ups-interest-in-unmanned-orbiter-3/116093.article
[9] A Perspective on Vietnam http://drones.cnas.org/reports/a-perspective-on-vietnam/

 ものです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所
 があります。


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2022年12月5日月曜日

トルコの虎:インドネシアの「カプランMT」戦車


著:ステイン・ミッツアー(編訳:Tarao Goo

 インドネシアは現在でも軽戦車を大量に運用し続けている国として知られています。それらの中で最も古いものは陸軍と海兵隊がそれぞれ運用している「AMX-13/75」「PT-76」軽戦車であり、もともとは1960年代に導入されたものです。

 少なくとも何らかの方法で戦闘能力を維持するべく、その運用期間を通じてアップグレードをされてきたにもかかわらず、上記の両戦車は今や火力や装甲防御力、そして射撃統制システムで現代のAFVに大きく後れを取っていることから、更新が予定されています。

 インドネシア海兵隊は全ての「PT-76」を「BMP-3」歩兵戦闘車(IFV)で更新する方向であるのに対し、陸軍は旧式化した「AMX-13」の後継としてトルコ製の「カプランMT」中戦車を選定しました。

 インドネシアでは、「カプラン」は「ハリマウ(虎)」と呼称されています。

 新たに導入される「カプランMT」の重量は約35トンなので、置き換える15トン級の「AMX-13/75」よりも大幅に重い戦車となります(注:したがって、「軽戦車」ではなくなるわけです)。

 それでも、「カプランMT」の重量は、同じくインドネシア軍で運用されている「レオパルド2A4」や「レオパルド2RI」主力戦車(MBT)よりも相当に軽量な戦車であるということは言うまでもありません。なぜならば、前者は55トン、後者は62,5トンという途方もない重量を誇っているからです。

 インドネシアは約100台の「レオパルド2A6」 の購入についてオランダとの取引を進めていた過去がありますが、同国が同戦車を西ニューギニアの民間人に使用する可能性があるというオランダの反対勢力による懸念のおかげで購入は失敗に終わりました。結局、インドネシアは2013年にドイツからほぼ同数の「レオパルド2」を調達することに成功しています。[1]

 熱帯雨林で覆われたパプアで民間人を狙うためにMBTを用いるという疑問の余地がある意見は別として、実際のところ、インドネシアの民間人に対して戦車を投入した国はオランダ自身以外の何者でもありませんでした。

 1945年の日本の敗戦後、インドネシアの再植民地化を目指したオランダ軍は人道に対する数々の犯罪を犯しました。その残虐性を上回ることができるのは、犯された犯罪に関する10年に及ぶオランダ側の政治的否定だけでしょう。

 1947年12月、住民がインドネシア独立闘士の隠れ家を明かすことを拒絶したため、オランダ軍がラワゲデ村(注:現バロンサリ村)の男性431人全員を虐殺しました。その1年後の1949年1月には、オランダのコマンド部隊兵士らが支配に置いたレンガットの住民を1日がかりでレイプと即刻処刑の狂乱状態にさらした後、 近くの川に遺体を投げ捨てたのです。[2][3] 

 インドネシアにおける他のオランダ軍の作戦では、民間人の巻き添え被害をほとんど考慮せずに戦車が頻繁に使用されました。[4]

 オランダとは全く対照的に、オスマン帝国は1565年にマラッカでポルトガル海上帝国と戦うアチェ王国の味方に付き、大砲の製造に関する知識を提供しました。このようにして国産に成功した大砲は、後にポルトガルやオランダの外征軍に対して使用されました。[5]

 2015年には、両国の末裔であるトルコとインドネシアが、再びインドネシア軍の防衛プロジェクトに共同で取り組むことになりました: この「最新型中戦車(MMWT)」プロジェクトは、(トルコ語で虎を意味する)「カプランMT」やインドネシアでは「ハリマウ」と呼称されていることでよく知られています。

 16世紀の大砲と同様に、トルコの「FNSS」社が「MMWT」の設計の大部分を担当し、インドネシアの「PTピンダッド」社がインドネシア国内でこの中戦車の量産を開始する予定です。


 「MMWT」計画の試作車両は、イスタンブールで開催された武器展示会「IDEF2017」で初披露されました。[6]

 この試作段階では、「カプランMT」はベルギーの「コッカリル(旧CMI)」社製「XC-8」105mm砲塔が搭載されていましたが、後にこの砲塔は同社が開発した「コッカリル3105」に交換されました。

 「コッカリル3105」は「CT-CV 105HP」105mmライフル砲用の自動装填装置に加えて、 自動目標追尾システムや次の目標を捜索・補足するためのハンターキラーモード、そして特殊な赤外線装置でしかキャッチできない信号の検知や送信できる敵味方識別装置から構成された高度な射撃管制システムも装備しています。 [7] 

 自動装填装置には最大で16発までの砲弾を装弾可能であり、それ以上の砲弾は砲塔内に格納される構造となっています。[8]

「コッカリル」製「XC-8」105mm砲塔を搭載した「カプランMT」の試作1号車

 最初の生産契約は、インドネシア軍用に18台の「カプランMT」の製造するというものでした。最初の10台はトルコの「FNSS」が、残りの8台はインドネシアの「PTピンダッド」が生産する予定となっています。[9] 

 2018年9月5日、「FNSS」は「カプランMT」の製造数は合計で200から400台の間を見込めると主張しました。[10]

 これまでに「MMWT」プロジェクトの導入を検討した国が2つありました:バングラデシュとフィリピンです。最終的に「カプランMT」は、バングラデシュの入札では中国の「VT-5」に、フィリピンではイスラエルの「ASCOD2 "サブラ"」を中心とした他国の競合相手に敗れてしまいました。[11] [12] 

 「カプランMT」に興味を示す別の国には、「FV101 ”スコーピオン”」の代替を検討しているブルネイやガーナなどが伝えられています。[13] [14] 

 現在のところ、トルコ陸軍が「カプランMT」を必要としているとは考えられていません。


 試作モデルの公開からちょうど4年後の「IDEF2021(注:イスタンブールで開催)」で、ついに「カプランMT」の量産モデルが公開されました。

 この新型中戦車の徹底的なトライアルを行ったインドネシア軍の意見をフィードバックした結果、「カプランMT」は当初の設計にいくつかの改良が加えられました。

 この改良には、視認性を大幅に向上させるといった操縦手に関する人間工学的な問題の改善も含まれています。そのほかには、サスペンションやトランスミッション、冷却システムなどにも改良が施されています。[15] 

 インドネシア軍への「カプランMT」の納入は2021年の末に始まり、2022年まで続く見通しです。[15]

インドネシアにおける「カプランMT」の試作車両のうちの1台

量産型「カプランMT」:車体全面上部(操縦手席周辺)の形状が変化していることに注目

 「MMWT」プロジェクトへの参加という選択に落ち着く前に、インドネシア陸軍は「AMX-13/75」軽戦車用の近代化パッケージを開発することで、少なくとも10年は運用寿命を延長させる可能性を試みたことがあります。[16]

 一般に知られているのは(就役した第2騎兵大隊:Batalyon-Kavaleri 2にちなんで命名された)「Yonkav(ヨンカヴ)2」であり、もともと75mm砲を搭載していた「AMX-13」に「ネクスター」製の105mm砲を搭載して火力の増強を図るプランでした。

 砲塔自体も増加装甲やレーザー測距装置(LRF)、サーマルサイトなどでアップグレードされ、重量の増加に伴う「ヨンカヴ2」の機動性の低下については、400馬力を誇る「デトロイト」社製のディーゼルエンジンと新型トランスミッションの搭載によって対処されました。

 結果的にほとんど新型戦車と呼べるような設計となったものの、残念なことに少数が第2騎兵大隊で運用されるにとどまったようです。[17]

「ヨンカヴ2」:砲塔への増加装甲については、結果的にどの車両にも装備されることはなかったようです

 「カプランMT」の設計者は、同戦車の装甲防御力について、置き換えられる対象である「AMX-13」よりも大幅に改善することも追求しました。

 「MMWT」は14.5mm徹甲弾に対するNATO共通防御規格である「STANAG4569」レベル4基準の防御力を備えているほか、モジュラー式装甲パネルの装着によって(25mm装弾筒付徹甲弾に耐える)レベル5の防御力に引き上げることが可能となっています。[18]

 このほか、この車体底部はV字型となっており、車体下部の中央や履帯の下で爆発する10kg対戦車地雷から戦車と乗員の生存率を向上させています。

  また、「アセルサン」社と「TÜBİTAK SAGE(トルコ科学技術研究会議・防衛産業研究開発機関)」が共同開発した「PULAT」アクティブ防御システム(APS)を搭載することで、「MMWT」の生存能力をさらに強化することが可能です。

 「PULAT」APSモジュール・システムは、脅威を検出する探知レーダーと迎撃飛翔体で構成されています。同モジュールを車体の周囲に配置することで、全方位的な防御を確実なものとします。

「Pulat」APSモジュールを装備した「カプランMT」の試作車両

 「カプランMT」は、過去数十年の間に開発された中でも数少ない、成功した中戦車プロジェクトです。

 その素晴らしい特性とモジュール性、そして低価格によって、この新型中戦車は現在保有している軽戦車の更新を検討している国にとって魅力的な選択肢となるでしょう。これは、インドネシアやエクアドルといった現時点で「AMX-13」を運用している国のみならず、「FV101 "スコーピオン"」を未だ運用しているトーゴ、ブルネイ、ナイジェリアなどの国々も含まれます。

 新たな機甲戦力を求める一方で高価なMBTを調達するのに必要な資金が不足している国も、同様に「カプランMT」に魅力を感じるかもしれません。

 おそらく、そう遠くないうちにより多くの国々で「ハリマウ」の咆吼を耳にすることになるでしょう。



[1] Indonesische leger verkiest Duitse tanks boven Nederlandse https://www.trouw.nl/nieuws/indonesische-leger-verkiest-duitse-tanks-boven-nederlandse~b7f3d32d/?referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.com%2F
[2] Dutch Foreign Minister apologizes for 1947 Indonesian massacre https://www.dw.com/en/dutch-foreign-minister-apologizes-for-1947-indonesian-massacre/a-19143315
[3] Rengat, 1949 (Part 1) https://www.insideindonesia.org/rengat-1949-part-1
[4] Extreem Nederlands militair geweld tijdens de Indonesische onafhankelijkheidsoorlog 1945-1949 https://www.militairespectator.nl/thema/geschiedenis-operaties/artikel/extreem-nederlands-militair-geweld-tijdens-de-indonesische
[5] Ottoman expedition to Aceh https://en.wikipedia.org/wiki/Ottoman_expedition_to_Aceh
[6] Turkish-Indonesian made battle tank unveiled in Istanbul https://www.dailysabah.com/defense/2017/05/10/turkish-indonesian-made-battle-tank-unveiled-in-istanbul
[7] John Cockerill Defense to Supply AGUERIS Tank Training Simulators to Indonesian Army https://militaryleak.com/2021/11/19/john-cockerill-defense-to-supply-agueris-tank-training-simulators-to-indonesian-army/
[8] CMI Defence Cockerill CT-CV 105HP Weapon System (105 mm) https://www.armyrecognition.com/belgium_belgian_light_heavy_weapons_uk/ct-cv_weapon_system_105_120_mm_turret_armoured_armored_cockerill_gun_vehicle_design_development_prod.html
[9] FNSS from Turkey to deliver 18 Kaplan MT Medium Tanks to Indonesian army https://www.armyrecognition.com/defense_news_september_2021_global_security_army_industry/fnss_from_turkey_to_deliver_18_kaplan_mt_medium_tanks_to_indonesian_army.html
[10] Turkish, Indonesian tank ready for mass production https://www.aa.com.tr/en/asia-pacific/turkish-indonesian-tank-ready-for-mass-production/1247122
[11] Bangladesh receives VT5 tanks plus other equipment https://www.shephardmedia.com/news/landwarfareintl/bangladesh-receives-vt5-tanks-plus-other-equipment/
[12] Philippines selects new tracked and wheeled armour https://www.shephardmedia.com/news/landwarfareintl/premium-philippines-selects-new-tracked-and-wheele/
[13] Harimau medium tanks for Brunei and The Philippines https://www.armyrecognition.com/november_2018_global_defense_security_army_news_industry/harimau_medium_tanks_for_brunei_and_the_philippines.html
[14] Ghanaian military interested in equipment from Indonesia’s PT Pindad https://www.defenceweb.co.za/featured/ghanaian-military-interested-in-equipment-from-indonesias-pt-pindad/
[15] Seri üretimdeki Kaplan tankı IDEF'te boy gösterecek https://www.aa.com.tr/tr/bilim-teknoloji/seri-uretimdeki-kaplan-tanki-idefte-boy-gosterecek/2335202
[16] https://i.postimg.cc/KjQKWYTT/25.jpg
[17] https://www.facebook.com/1821116584843831/posts/batalyon-kavaleri-2turangga-ceta-menggelar-latihan-tingkat-pleton-lattis-ton-di-/2729233974032083/
[18] KAPLAN MT Modern Medium-Weight Tank https://www.army-technology.com/projects/kaplan-mt-modern-medium-weight-tank/

 たものです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した
 箇所があります。


2022年12月2日金曜日

勝利を実現させるために:カナダによるウクライナへの軍事支援(一覧)


著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ 

 2022年2月にロシアがウクライナへ侵攻した後、カナダは多くのNATO加盟国と同様にウクライナの防衛力の構築に大きく貢献しました。

 カナダによる軍事援助には、これまでに真新しい「ASCV」装甲戦闘支援車39台、新型のロシェル「セネター」歩兵機動車(IMV)8台、「M777」155mm牽引式榴弾砲4門、対戦車兵器4600基が含まれています。

 また、西側諸国から供与された155mm榴弾砲に使用するために「M982 "エクスカリバー"」GPS誘導弾を(数量不明ながらも)送ったこと、カナダはウクライナに初めて誘導砲弾を供給した国でもあることは注目すべきでしょう。
 
 ウクライナに新型の装甲戦闘車両(AFV)を供与するという決定は、ウクライナに重火器を贈呈してきた他の多くの国とは明らかに一線を画しています。カナダは、2022年後半を通して39台のGDELS製「LAV 6.0」装甲戦闘支援車両(ACSV)を供与する予定です(注:2022年12月には現地に到着)。

 「ACSV」にはいくつかのバージョンが存在しますが、ウクライナは装甲兵員輸送車(APC)型を受け取ることになると推測されています。

 ちなみに、戦争初期の段階で「LAV/ACSV」のベースとなったモワク製「ピラーニャ」APC25台をウクライナに供与する試みがあったものの、スイスがデンマークから同型車をウクライナへ供与することについて承認を求められた際に却下したことを受けて頓挫してしまいました(注:スイスは自国製兵器を第三者に移転する際は許可が必要など厳格な管理を行っています)。[1]

 もう一つ見落とされている支援としては、カナダがウクライナ向けの「バイラクタルTB2」無人戦闘航空機(UCAV)用にウェスカム製「MX-15D」前方監視赤外線(FLIR)装置を相当数寄贈していることが挙げられます。

 トルコ製の「バイラクタルTB2」に装備するために「MX-15D」をウクライナに寄贈するという決定は、おそらく皮肉としか言いようがありません。なぜならば、トルコはアゼルバイジャンに「MX-15D」を装備したTB2を販売して制裁を受けているからです(注:本当に新規にカナダから寄贈されたものか、それとも制裁前にメーカーのバイカル社が「MX-15D」を相当数ストックしていたものかを考慮する必要がありますが、現時点におけるTB2の生産機数を考えるとストックは若干考えにくいかもしれません)。

 トルコに対する制裁が発動されたにもかかわらず、カナダではウクライナに代わってTB2を購入するために独自のクラウドファンディングも行われていることは注目に値する動きと言えるでしょう。[2]

 今後、ウクライナに対するカナダのさらなる軍事援助がどうなるかについては、現時点では依然として不明となっています。

 ウクライナにTB2を安定的に供給されるようになれば、カナダはさらに多くの「MX-15D」を寄贈ができるでしょう。また、確立された国内におけるAFV産業の存在は、カナダは自国の戦力を損なうことなく「ACSV」や「セネター」といった車両の供与を可能にさせます。また、カナダはアップグレードした「M113」APCのストックを保有していることから、いつかウクライナに送られる可能性も残されています。

 この戦争が転換期を迎えていることは確かであり、友好国から寄贈されて集まった兵器類が戦場でその影響力を発揮していることから、カナダはますます失われた領土を回復しつつあるウクライナを支援し続けるための他の方法を見出すに違いないでしょう。

ロシェル製「セネター」歩兵機動車:8台がカナダからウクライナへ供与された

  1. 以下に列挙した一覧は、2022年のロシアによるウクライナ侵攻の直前と最中にカナダがウクライナに供与した、あるいは提供を約束した軍事装備等の追跡調査を試みたものです。
  2. このリストは、主にカナダ政府が発表した情報に基づいて作成されています。[3] 
  3. 一覧の項目は武器の種類ごとに分類されています(各装備名の前には原産国を示す国旗が表示されています)。
  4. この一覧はさらなる軍事支援の表明や判明に伴って更新される予定です。
  5. 各兵器類の名称をクリックすると、当該兵器類などの画像を見ることができます

地対空ミサイルシステム
  • 1 NASAMS(1個中隊分を1と計上) [予定]
  • 12 AIM-120 "AMRAAM" (「NASAMS II」用) [2023年3月]

空対空ミサイル

戦車

工兵・支援車両

牽引砲
  • 4+ M777 155mm榴弾砲 [2022年4月] (数量不明の「M982 "エクスカリバー"」GPS誘導砲弾を含む)

装甲兵員輸送車 (APC)

歩兵機動車(IMV)
  •  330 ロシェル「セネター」 [8台は2022年5月に供与済みで追加の78台が2023年6月に供与、残りはそれ以降に供与予定] 

前方監視赤外線 (FLIR) 装置

対戦車兵器
  • 100 カールグスタフM2 無反動砲 [2022年3月]
  • 4,500 M72 使い捨て式対戦車ロケット砲 [同上]

小火器
  • C8 カービン [2022年2月か3月]
  • 200+ C6 汎用機関銃 及び C9 軽機関銃 [同上]
  • 78 中口径・大口径狙撃銃 [2022年3月]
  •  600 グロック17 [2022年2月か3月]
  • 40 ''プレーリー・ガン・ワークス''製狙撃銃 [予定]
  • 38 7.62mm 軽機関銃 [2023年1月以降に供与]
  • 21.000 5.56mm アサルトライフル [2023年1月以降に供与]

弾薬類
  • M982「エクスカリバー」GPS誘導砲弾(「M777」榴弾砲用) [2022年4月]
  • 27,000 155mm砲弾(「M777」榴弾砲用) [2022年4月,5月,10月]
  • 2,000 84mm無反動砲弾(「カールグスタフM2」用) [2022年3月]
  •  7,500 C13 手榴弾 [同上]
  •  3,900,000 口径不明の弾薬 [2022年2月か3月]
  • 120mm砲弾「レオパルト2A4用] [予定]
  • 10,000 105mm砲弾 [予定]

個人装備
  • CG634 ヘルメット [2022年3月]
  • ボディアーマー [同上]
  • 1,600 防弾チョッキ [同上]
  • 防毒マスク [同上]
  • 暗視ゴーグル [同上]
  • 個人用防護・運搬装備  [2022年2月か3月]
  •  500,000 防寒着 [2022年10月と12月]

その他の装備品類
  • 10 155mm砲身 (「M777」榴弾砲用) [2022年6月]
  • 16 通信装置(「レオパルト2A4」用) [予定]
  • 監視・検知装置 [2022年2月か3月]
  • 7,000万ドル(約70億円)相当の衛星画像サービスの提供 [2022年10月以降]
  •  640,000 レーション (MRE) [2022年3月]
  •  携行式暖房器具 [2022年11月以降]
  •  保温ブランケット [同上]
  • 寝袋 [同上]
  •  防寒服 [同上]

リトアニアでのクラウドファンディングで得た「バイラクタルTB2」には、カナダから譲渡されたウェスカム製「MX-15D」FLIR装置が装備されている

[1] Swiss veto Danish request to send armoured vehicles to Ukraine https://www.reuters.com/world/europe/swiss-veto-danish-request-send-ukraine-armoured-vehicles-tv-2022-06-01/
[2] Canadian Crowdfund aims to buy Turkish combat drone for Ukraine https://www.aa.com.tr/en/economy/canadian-crowdfund-aims-to-buy-turkish-combat-drone-for-ukraine/2640135
[3] Canadian military support to Ukraine https://www.canada.ca/en/department-national-defence/campaigns/canadian-military-support-to-ukraine.html

※  当記事は、2022年9月12日に本国版「Oryx」(英語)に投稿された記事を翻訳したも
 のです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所が
 あります。


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