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2022年2月13日日曜日

ティグレ戦争:エチオピアに展開した秘密のUAE空軍機(短編記事)

著:Gerjon 氏が収集したデータを基にステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ が執筆 (編訳:Tarao Goo

 2021年11月、アラブ首長国連邦(UAE)はティグレ防衛軍との戦いで追い詰められたエチオピア政府を支援するため、同国のハラールメダ空軍基地に少なくとも6機の「翼竜Ⅰ」無人戦闘航空機(UCAV)を展開させました。[1]

 UAEの「翼竜Ⅰ」については2020年11月の時点でエチオピア上空での使用に関する噂が出ていましたが、この展開がUAEの武装ドローンがエチオピアでの作戦を開始したことが最初に確認された実例となります。[2]

 新たにリリースされたデータは、これらのUCAVがティグレ戦争でエチオピアに展開した最初のUAE機でないことを示唆しています。なぜならば、航空機トラッカーであるGerjon氏によって明らかにされた情報が、2021年8月からハラールメダ空軍基地に常駐している秘密めいたUAE空軍(UAEAF)機の存在を明らかにしたからです。[3]

 この機体は「ビーチクラフト」製「スーパーキングエア350」であり、同機はハラールメダに55日間も展開した後に別の同型機と交代されました。[4]

 とても偶然とは思えないことに、この機体はUAEがエチオピアへの空輸を開始したのと同じ日にハラールメダへの展開を開始しました。[5]

 この空輸はエチオピア軍に装備させる武器などを供与し続けることを目的としていましたが、最終的には2021年12月に119回の飛行の後からは停止しています。[6]

UAEの「スーパーキングエア350」(コード「UAF801」と「UAF802」)のエチオピアへの展開期間を示す年表

 UAEAFは「スーパーキングエア350」を5機保有しており、訓練や連絡用途で運用していると考えられています。

 一見すると無害な用途の機体にもかかわらず、そのキャリアを通じて目撃されたことはほとんどありません。したがって、数機がシギントやエリントといった任務に転用されていたとしても、実際に信じられない話ではないようです。

 これらの用途では、この機体はティグレ防衛軍の幹部の通信を傍受してエチオピア空軍(ETAF)に情報を提供したり、地上作戦を支援するために空爆の目標を指示するといった役割を担っていた可能性があります。

 もう一つ考えられるものについては、「UAF801」と「UAF802」がUAEAFによってUAE各地にいる専門家を運ぶために使用されていた可能性が挙げられます。

 UAEが空輸を通じて供与した装備類に関する正確な種類はほとんど知られていませんが、エチオピアはUAEが供与したVTOL型UCAVを運用していることが知られています。[7]

 これらのUCAVやほかにUAEから提供された兵器類は、それ自体を運用したり、使用方法についてエチオピア兵に訓練するための要員を必要とします。つまり、供与した兵器類のエキスパートの存在が必然的に必要不可欠となることから、問題の機体が彼らの輸送に用いられた可能性があるわけです。

 自国軍の機体を使用することはエチオピア機を使用するよりも大柔軟性が多いに高まりますが、航空機トラッカーによって発見されるリスクが生じるという代償も伴います。

ハラールメダ空軍基地の駐機場を撮影した衛星画像(2021年11月2日撮影)。右側の「スーパーキングエア350」と2機の「Il-76」輸送機に注目。この「Il-76」ちょうどUAEから飛来したばかりです。画像:Gerjon

 ティグレ戦争でエチオピア政府がどの程度外国から支援を受けたかについては、その大部分が依然として不明のままです。しかし、この支援が現在記録されているものよりはるかに大きいということだけは確実と言えます。

 ティグレ軍によるほぼ確実視された敗北からエチオピア政府を救ったUAEとイランの真の役割を明らかにする情報がさらに出てくるのか、歴史に埋もれたままになるのかは現時点では不明です。

「スーパーキングエア350(コード:UAF802)」。エチオピアへ派遣される前に所属国を示すマークやナンバーが消された可能性があります。

ヘッダー画像: Stelios Loannou(敬称略)

[1] The UAE Joins The Tigray War: Emirati Wing Loong I UCAVs Deploy To Ethiopia https://www.oryxspioenkop.com/2021/12/the-uae-joins-tigray-war-emirati-wing.html
[2] Are Emirati Armed Drones Supporting Ethiopia from an Eritrean Air Base? https://www.bellingcat.com/news/rest-of-world/2020/11/19/are-emirati-armed-drones-supporting-ethiopia-from-an-eritrean-air-base/
[3] https://twitter.com/Gerjon_/status/1475933414666772482
[4] https://twitter.com/Gerjon_/status/1475933421390241798
[5] UAE Air Bridge To Ethiopia Continues Unabated - Surpassing 100 Flights https://www.oryxspioenkop.com/2021/11/uae-air-bridge-to-ethiopia-continues.html
[6] Iran Is Still Resupplying The Ethiopian Military https://www.oryxspioenkop.com/2021/12/iran-is-still-resupplying-ethiopian.html
[7] UAE Combat Drones Break Cover In Ethiopia https://www.oryxspioenkop.com/2021/10/uae-combat-drones-break-cover-in.html

2022年2月2日水曜日

ティグレ戦争:エチオピアでイラン製UCAV用誘導弾の部品が発見された(独占・短編記事)



著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo

 UAEがティグライ上空に展開させた「翼竜Ⅰ」無人戦闘航空機(UCAV)が数十人の民間人を死亡させたアラマタへの一連の空爆に関与した可能性について、私たちがそれを暴露してからまだ1週間も経っていませんが、現時点でイラン製UCAVが同じ空爆に関与した可能性が新たに判明しました。[1]

 新たに撮影された画像は、エチオピア・オロミア州のギダミ近郊で発見されたイラン製「ガーエム-5」精密誘導爆弾(PGM)の残骸を映し出しています。ドローンによる攻撃は民間施設の破壊や民間人の殺害をもたらしたと報告されていますが、これらは独立して検証されたものではありません。[2]

 エチオピア空軍(ETAF)は2021年8月に少なくとも2機の「モハジェル-6」UCAVをイランから導入して運用しています。[3]

 当時の追い詰められたエチオピア軍にとって不運なことに、この機種には制御システムに問題があったようで、「モハジェル-6」がようやく通常の戦闘任務を開始できるようになったのは2021年10月下旬になってからのことでした。[4]

 当初、これらはエチオピア北東部のセマラ空港に配備されていましたが、最近になって現在9機の中国製「翼竜Ⅰ」UCAVが配備されているハラールメダ空軍基地で少なくとも1機の「モハジェル-6」が目撃されました。[5]

 「モハジェル-6」は最大で40kgの兵装を搭載することが可能であり、2~4発の「ガーエム-5」PGMもUCAV用の兵装として含まれています。

 「モハジェル-6」の滞空性能は12時間で最大飛行高度は約5,500mとされており、このUCAVのメーカーは戦闘行動範囲(最大航続距離か行動半径なのかは不明)が200キロメートルに及ぶと主張しています。[6]

 この航続距離ではハラールメダ空軍基地やセメラ空港からギダミに到達できないため、「モハジェル-6」はより近い地域にある飛行場に前進配置されている可能性があります。

イランで展示された「ガーエム-5」(下段)。挿入されている2つの画像はティグライで発見された「ガーエム-5」の残骸。

 アビー・アハメド政権と紛争中であるオロミア州の一部で、「モハジェル-6」が明らかに活動的になっているようです。2021年8月に、オロモ解放軍(OLA)はティグレ人民解放戦線(TPLF)と同盟を結び、エチオピア政府に対抗する統一戦線を形成しています。

 現在も続くエチオピアの紛争については、一般的にエチオピア政府とTPLFの間で起きているものと考えられていますが、実際のところは国内各地に存在するさまざまな勢力が互いに争っているのです。

 国内各地での争いは総合的な状況を複雑化し、和平合意が実現する可能性を低くすることに多大な悪影響を与えることは火を見るよりも明らかでしょう。

ギダミ近郊で発見された「ガーエム-5」の部品

 ティグレ防衛軍がアムハラ州とアファール州から全兵力を撤退させた今こそが、まさに和平交渉の絶好の機会であるといえます。

 しかし、空爆の継続はエチオピアにおける和平プロセスの将来にとって良い前兆ではありません。空爆を即座に停止することは、エチオピアの平和に至る長い道のりの第一歩となるかもしれません。

セマラ空港の「モハジェル-6」用地上管制ステーションの前に立つアビー・アハメド首相

この記事の作成にあたり、Saba Tsen'at Mah'derom 氏に感謝を申し上げます。

[1] UAE Implicated In Lethal Drone Strikes In Tigray https://www.oryxspioenkop.com/2022/01/uae-implicated-in-lethal-drone-strikes.html
[2] https://twitter.com/Habtamu30820631/status/1479083838215274502
[3] Iranian Mohajer-6 Drones Spotted In Ethiopia https://www.oryxspioenkop.com/2021/08/iranian-mohajer-6-drones-spotted-in.html
[4] Unfit For Service: Ethiopia’s Troublesome Iranian Mohajer-6 UCAVs https://www.oryxspioenkop.com/2021/11/unfit-for-service-ethiopias-troublesome.html
[5] Iranian Mohajer-6 UCAVs Deploy To Harar Meda Air Base In Ethiopia #Shorts https://www.oryxspioenkop.com/2022/01/iranian-mohajer-6-ucavs-deploy-to-harar.html
[6] https://twitter.com/brokly990/status/1256994704568258562

※  この翻訳元の記事は、2022年1月7日に本家Oryxブログ(英語版)に投稿された記事
  を翻訳したものです。意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇    
  所があります。




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ティグレ戦争:UAEが非人道的なドローン攻撃に関与した(独占記事)

2022年1月30日日曜日

ティグレ戦争:いまだにエチオピア軍への物資輸送を続けるイラン機


著:Gerjon 氏が収集したデータを基にステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ が執筆 (編訳:Tarao Goo

 (6機の「翼竜Ⅰ」UCAVを輸送した後で)エチオピアへ武器や装備類を運ぶUAEの貨物便が停止したように見えるにもかかわらず、同種の貨物を運んでいると思しきイランの航空便はこの国に到着し続けています。[1] [2]

 過去1ヶ月で、「ファルス・エア・ケシュム」社の「ボーイング747-200FSCD」貨物機が5回もアディスアベバ・ボレ国際空港に着陸しました。「ボーイング747」の積載物の詳細については現時点では推測することしかできませんが、先述のフライトが2021年8月からセマラ空港に配備された2機のイラン製「モハジェル-6」UCAVに関連していることは考えられなくもないようです。[3] [4]

 ティグ戦争の流れを変えるために武装ドローン戦力を必死に求めたエチオピアは、期待を胸にして2機の「モハジェル-6」を入手することに成功しました。とはいえ、エチオピアでの運用には大きな問題があり、制御システムの問題で実際に用いることが阻害されたため、両機はすぐに駐機(放置)状態にされてしまいました。[3]

 「モハジェル-6」が抱える問題がやっと解決されたと思われるには2021年10月下旬まで時間を要したようです。2021年11月中には両機はセマラ空港の滑走路などで定期的に目撃されており、 ある程度は飛行していることが推測されています。 [5]

 「ファルス・エア・ケシュム」社は、2機の「ボーイング747-200」貨物機を世界中に数多く存在する送り先に飛ばしています。この航空会社はイラン革命防衛隊(IRGC)の傘下にある会社で、シリアに展開したイラン民兵に対する兵器類の輸送で2019年にアメリカから制裁を受けており、レバノンのヒズボラへの武器輸送にも関与していることが知られています。[6] [7]

 「ボーイング747」だけがエチオピアを頻繁に訪れるイランの航空便ではありません。「ポウヤ航空」も同様のフライトで「Il-76TD」を往来させています。この航空会社もIRGCが所有している企業であり、同様にエチオピアへの武器輸送に使用されたと考えられています。[8][9]

 私たち著者はエチオピア国防軍(ENDF)で使用されているイラン製兵器の痕跡を徹底的に調査しましたが、現時点では2機の「モハジェル-6」とその支援資機材及び弾薬だけがエチオピアで存在が確認されている唯一のイラン製兵器となっています。ENDFが空輸されたロケット砲といったほかのイラン製兵器を用いて作戦に活用していると考えるのも妥当な見方ですが、「モハジェル-6」が使用する「ガーエム」誘導爆弾の追加分を、まさにこれらの「ボーイング747」を用いて定期的に引き渡しているのでしょう。

 この数はティグレ戦争が勃発する前のイランからエチオピアへのフライト数と比較すると100%増加していますが、UAEからの119便と比較すると存在感が極めて薄いものとなっています(注:内戦前にはイランからの貨物便が全くなかった事を意味しています)。

 これまでに、UAEはエチオピアに最低でも6機に「翼竜Ⅰ」UCAVや迫撃砲弾で武装した大型のVTOL型UCAVをエチオピアに届けました。また、エチオピアも2021年10月にUAEから50台の救急車仕様のトヨタ・ランドクルーザーを供与されたことを公表しています。[11] [12][13]

エチオピア(ボレ国際空港とハラールメダ空軍基地)への貨物便の飛来回数

 この1ヶ月で現地の状況は劇的に逆転しました。衰えることなく続くドローン戦による圧力でティグレ軍部隊に首都アディスアベバへの侵攻を断念させ、拠点のティグレ州まで退却を余儀なくさせたのです。

 エチオピア側でのUCAVの配備と使用については依然として全くわかっていませんが、ティグレ戦争をUCAVが突破口を開いた紛争のリストに追加できることを示唆する理由は十分にあります。

 この偉業は少なからずエチオピア軍に(UCAVを含む)必要な武器や装備の供給を維持するため、UAEとイランによって行われた大規模な空輸を通じて達成されたものと言っても差し支えないでしょう。

 アフリカのこの地域におけるイランの武器と多岐にわたる支援の急激な拡散は、アメリカを大いに動揺させるかもしれません。イランから武器を調達した代償について、エチオピアは後でアメリカの制裁という形で支払うことになるのでしょうが、まだ目に見えてはいないようです。



[1] https://twitter.com/Gerjon_/status/1475778475663544321
[2] The UAE Joins The Tigray War: Emirati Wing Loong I UCAVs Deploy To Ethiopia https://www.oryxspioenkop.com/2021/12/the-uae-joins-tigray-war-emirati-wing.html
[3] Unfit For Service: Ethiopia’s Troublesome Iranian Mohajer-6 UCAVs https://www.oryxspioenkop.com/2021/11/unfit-for-service-ethiopias-troublesome.html
[4] Iranian Mohajer-6 Drones Spotted In Ethiopia https://www.oryxspioenkop.com/2021/08/iranian-mohajer-6-drones-spotted-in.html
[5] Ethiopia now confirmed to fly Chinese armed drones https://paxforpeace.nl/news/blogs/ethiopia-now-confirmed-to-fly-chinese-armed-drones
[6] U.S. lands sanctions on Iranian cargo airline https://www.freightwaves.com/news/u-s-lands-sanctions-on-iranian-cargo-airline
[7] Iran's secret weapons-smuggling air routes to Lebanon revealed by intel sources https://www.foxnews.com/world/irans-secret-weapons-smuggling-air-routes-to-lebanon-revealed-by-intel-sources
[8] https://twitter.com/search?q=%40gerjon_%20pouya&src=typed_query
[9] Pouya Air (Yas Air) https://www.iranwatch.org/iranian-entities/pouya-air-yas-air
[10] https://twitter.com/Gerjon_/status/1475778475663544321
[11] The UAE Joins The Tigray War: Emirati Wing Loong I UCAVs Deploy To Ethiopia https://www.oryxspioenkop.com/2021/12/the-uae-joins-tigray-war-emirati-wing.html
[12] UAE Combat Drones Break Cover In Ethiopia https://www.oryxspioenkop.com/2021/10/uae-combat-drones-break-cover-in.html
[13] The Cargo Cleared For Print: UAE Wartime Deliveries To Ethiopia https://www.oryxspioenkop.com/2021/10/the-cargo-cleared-for-print-uae-wartime.html

※  この翻訳元の記事は、2021年12月28日に本家Oryxブログ(英語版)に投稿された記事
  を翻訳したものです。意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇    
  所があります。



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2022年1月26日水曜日

ティグレ戦争:UAEがティグライ州での非人道的なドローン攻撃に関与した



著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo

 UAEの「翼竜Ⅰ」無人戦闘航空機(UCAV)6機とそのオペレーターがエチオピアに配備されてから僅か1カ月しか経過していませんが、彼らがすでにティグライ州の町アラマタの民間施設に対する一連の空爆に関与していることが明らかとなりました。

 この空爆では町の病院や市場に着弾し、民間人に42人の死者と少なくとも150人の負傷者をもたらしました。[1] [2]

 死者の大半は、エチオピア空軍(ETAF)の「Su-27」戦闘機が投下した無誘導爆弾によるものと考えられています。「Su-27」は空中戦のために導入された機体ですが、エチオピアでは無誘導爆弾やクラスター爆弾を搭載した即席の爆撃機として活用されているからです。[3]

 しかし、アラマタの被害地域を注意深く分析した結果、UAEの「翼竜Ⅰ」に装備されている標準的な兵装である、中国製「ブルーアロー7」空対地ミサイル(AGM)の残骸も発見されました(注:「ブルーアロー7」は「AKD-10」の輸出型)。ETAFも同様に「翼竜Ⅰ」を運用していますが、これらの搭載兵装としては2021年11月初旬に第1陣が納入された「TL-2」AGMしか知られていません。[4]

 当初、エチオピアは「翼竜Ⅰ」を無誘導爆弾を搭載した「Su-27」の目標を指示するための索敵機としての運用を試みたようですが、後になってこれらを最大で4発の誘導弾を搭載した対地攻撃機として活用することにしたようです。[5]

 (最低でも、より多くの情報が得られるまでは)「ブルーアロー7」の残骸と民間人の犠牲に因果関係があるのかは確実視できませんが、UAEがイエメンやリビアでの無人機作戦の一環として、民間施設を頻繁に空爆してきたことは知られています。

 2020年には、アムネスティ・インターナショナルはUAEが武装ドローンを使用して「民間人の住宅、野戦病院を含む医療施設と救急車を標的にした」ことを理由に、アメリカにUAEへのドローンの販売を停止するように要請しています。[6] [7] [8]

 また、同年にはUAE「翼竜Ⅰ」がリビアのトリポリにある士官学校に対する無残な空爆を実施し、非武装の士官候補生26人を殺害されるという出来事もありました。[9] 

アラマタで発見された「ブルーアロー7」のロケットモータの噴出ノズル部

 アラマタでのドローン攻撃の後、リビアで発見された「ブルーアロー7」の残骸と比較するのに十分な数の同AGMの部品が爆発から生き残りました。リビアで発見されたものは、やはりUAEが国際的に承認されたリビア政府との4年以上にわたる戦争で使用したものです。[10]

 これによって両者が完全に一致していることが確認されました。最も識別しやすい部品は「ブルーアロー7」の尾部に位置するロケットモーターの噴射ノズルであり、通常はほとんどの衝撃を受けても四散することなく残存しているようです。そのため、この部品は比較対象としては最適なものとなっています。

 アラマタで発見されたAGMの残骸に関する映像はここで視聴することができます。 [11]

 「ブルーアロー7」AGMの残骸については、リビアで発見されたものはこちらこちらで、モロッコで発見されたものはこちらで見ることができます。[12] [13] [14]

アラマタで発見された「ブルーアロー7」のロケットモータの噴出ノズル部(左)とリビアで発見された同ミサイルの残骸(右)。クリックすると画像が拡大表示されます。

アラマタで発見された「ブルーアロー7」の残骸。挿入されている画像はリビアで発見された同ミサイルの残骸です。クリックすると拡大表示されます。

 UAE軍のエチオピアへの関与がイエメンやリビアへの過去の介入と同じようになるのであれば、ジャーナリストは注意を払うことを余儀なくされるかもしれません。

 リビアやイエメンと同様になる場合、病院や救急車といった非軍事的な民間施設などに対する攻撃が例外ではなくなって常態化し、発生した人権侵害の責任を問われる者が全くいないという可能性すらあります。ただし、イエメンやリビアのように、アラマタで発見された「ブルーアロー7」の残骸がその責任を明らかにするでしょう。

「翼竜Ⅰ」(イメージ画像であり、UAEやエチオピアとは無関係です)

特別協力: Saba Tsen'at Mah'derom(敬称略)

[1] Daily Noon Briefing Highlights: Ethiopia https://www.unocha.org/story/daily-noon-briefing-highlights-ethiopia-34
[2] Ethiopia: Consecutive days airstrikes in Tigray’s Alamata kill 42 civilians, injure more than 150, cause massive destruction https://globenewsnet.com/news/ethiopia-consecutive-days-airstrikes-in-tigrays-alamata-kill-42-civilians-injure-more-than-150-cause-massive-destruction/
[3] Su-27 Fighters Deployed As Bombers In Tigray War https://www.oryxspioenkop.com/2021/11/su-27-fighters-deployed-as-bombers-in.html
[4] Ethiopia Acquires Chinese TL-2 Missiles For Its Wing Loong I UCAVs https://www.oryxspioenkop.com/2021/11/ethiopia-acquires-chinese-tl-2-missiles.html
[5] Deadly Ineffective: Chinese-Made Wing Loong UAVs Designate Targets For Ethiopian Su-27 Bombers https://www.oryxspioenkop.com/2021/11/deadly-ineffective-chinese-made-wing.html
[6] Libya migrant attack: UN investigators suspect foreign jet bombed centre https://www.bbc.com/news/world-africa-50302602
[7] UAE implicated in lethal drone strike in Libya https://www.bbc.com/news/world-africa-53917791[8] US urged to stop drone sales to UAE over civilian deaths in Yemen and Libya https://www.middleeasteye.net/news/amnesty-demands-us-halt-sale-drones-uae
[9] https://twitter.com/Oded121351/status/1213852209038987268
[10] Tracking Arms Transfers By The UAE, Russia, Jordan And Egypt To The Libyan National Army Since 2014 https://www.oryxspioenkop.com/2020/06/types-of-arms-and-equipment-supplied-to.html
[11] ደብዳብ ድሮናትን ነፈርትን ከተማ ኣላማጣ https://youtu.be/CTgtrGqmXUg
[12] https://twitter.com/jumaa_adn_adel8/status/1215352639808069632
[13] https://twitter.com/Oded121351/status/1213893498103123968
[14] Morocco's Missiles https://actualcontrol.substack.com/p/moroccos-missiles

※  この記事は、2022年1月3日に本家Oryxブログ(英語版)に投稿された記事を翻訳し
 たものです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇
 所があります。 



2022年1月15日土曜日

ティグレ戦争:イラン製「モハジェル-6」UCAVがハラールメダ空軍基地に配備された(短編ニュース記事)

ハラールメダ空軍基地の「モハジェル-6」(PAX For Peace ・Wim Zwijnenburg からの引用)

著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo

 2021年12月上旬の衛星画像から、エチオピア空軍(ETAF)がエチオピアの首都アディスアベバ近郊にあるハラールメダ空軍基地に「モハジェル-6」無人戦闘航空機(UCAV)を配備していることが判明しました。[1]

 ETAFは8月上旬にイランから2機の「モハジェル-6」を調達し、続いてエチオピア北東部のセマラ空港に配備したことが知られていましたが、今回ハラールメダで目撃された「モハジェル-6」が8月に引き渡された2機のうちの1機なのか、それとも現在も続いているイランからの貨物便で(最近に)届けられた新納機なのかは不明です。[2][3]

 後者は、イランの影響力と周辺地域への武器輸出を制限しようと試みているアメリカを大いに怒らせることになるでしょう。ニューヨーク・タイムズの調査によると、すでにアディスアベバのアメリカ政府関係者はエチオピアのアビー・アハメド首相にイランからの支援と同国への貨物便について非公開で抗議し、打ち切るよう促しているとのことです。[4]

 「モハジェル-6」はエチオピア側の大きな期待を胸に受けて導入されたものの、2021年8月に引き渡されてからほぼ同時にこの国における運用キャリアを一度は終えてしまったようです。なぜならば、導入された2機は制御システムの問題で実際にエチオピア上空での飛行することが阻害されたため、すぐに駐機(放置)状態にされてしまったからです。[5]

 この失態は間違いなくETAFを大いに幻滅させたことでしょう。次に彼らのUCAVの導入が確認されたのは、中国から「翼竜Ⅰ」が届けられた2021年9月中旬のことでした。[6]

 「モハジェル-6」が抱える問題がやっと解決されたと思われるには2021年10月下旬までの時間がかかったようです。つまり、エチオピアに到着してから約2ヶ月半も後になってのことだったのです!

 2021年11月初旬にかけて、2機の「モハジェル-6」がセマラ空港の滑走路や駐機場で定期的に確認されており、この状況は、今やこれらがティグレの軍隊に対して定期的な飛行任務を実施するようになったことを示しています。 [7]

イランにおける「モハジェル-6」UCAV(エチオピアとは無関係の画像です)

ヘッダー画像は、PAX For Peace の Wim Zwijnenburg(敬称略)から引用したものです。  

[1] https://twitter.com/wammezz/status/1477399049342967810
[2] Iranian Mohajer-6 Drones Spotted In Ethiopia https://www.oryxspioenkop.com/2021/08/iranian-mohajer-6-drones-spotted-in.html
[3] Iran Is Still Resupplying The Ethiopian Military https://www.oryxspioenkop.com/2021/12/iran-is-still-resupplying-ethiopian.html
[4] Foreign Drones Tip the Balance in Ethiopia’s Civil War https://www.nytimes.com/2021/12/20/world/africa/drones-ethiopia-war-turkey-emirates.html
[5] Unfit For Service: Ethiopia’s Troublesome Iranian Mohajer-6 UCAVs https://www.oryxspioenkop.com/2021/11/unfit-for-service-ethiopias-troublesome.html
[6] Wing Loong Is Over Ethiopia: Chinese UCAVs Join The Battle For Tigray https://www.oryxspioenkop.com/2021/10/wing-loong-is-over-ethiopia-chinese.html
[7] Ethiopia now confirmed to fly Chinese armed drones https://paxforpeace.nl/news/blogs/ethiopia-now-confirmed-to-fly-chinese-armed-drones

※  この翻訳元の記事は、2022年1月2日に本家Oryxブログ(英語版)に投稿された記事
  翻訳したものです。意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所
    があります。



2021年12月22日水曜日

悲劇の懸念:衛星画像が示唆するティグレ防衛軍によるSAMの継続的な運用



著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo

 2021年10月19日に撮影された衛星画像は、ティグレ州の州都メケレ市の北東に位置するS-125(NATOコード:SA-3「ゴア」)地対空ミサイル(SAM)サイトが運用状態に戻ったことを示しています。[1]

  このSAMサイトの再稼働は、エチオピア空軍(ETAF)が新たに導入した「翼竜Ⅰ」無人戦闘航空機(UCAV)メケレ上空に展開させ、Su-27に地上攻撃目標を指示したものの、投下した爆弾が目標を外れて民間人の居住地域に着弾し、多くの民間人の死傷者をもたらした結果が原因である可能性があります。[2] [3]

 ある事例では、1機のSu-27による危険な飛行(高高度からの無誘導爆弾の投下)と投下した爆弾から立ち上る煙のために、メケレ空港に着陸することになっていた国連の飛行機がその中止を余儀なくされたことがありました。[4]

 この事例は非国家主体がの保有兵器にSAMが存在することの危険性も浮き彫りにしており、論理的には、彼らは自身の支配下にある領土に爆撃を行う敵機に対してSAMの使用を試みるでしょう。もしティグレ軍がSu-27を撃墜しようとした場合、同機に向けて発射されたミサイルが誤って近くを飛行していた国連機に命中していたかもしれません。

 メケレ上空を飛行する戦闘機やドローンを撃墜できるSAMをティグレ軍が今や再び運用するようになったことは、憂慮すべき動向です。 ティグレとその周辺の空域は依然として旅客機や(国連などの)民間機によって頻繁に使用されているため、誤認やミサイルが目標を外して民間機に当たるという脅威が常に存在しています。

 国連機着陸中止の事件を受けて、ティグレ防衛軍(TDF)のスポークスマンは「我々の防空部隊は国連機が着陸する予定だったことを知っており、部隊員の自制心のおかげで国連機が十字砲火を浴びることを避けられたのです。」と述べました。[5]

紛争地域における「誤射」と聞いて、2014年7月に発生したロシア軍がウクライナ東部の上空を飛行するマレーシア航空17便「MH17」を撃墜した事件を思い出す方もいるかもしれません。「ブーク」SAMのオペレーターはボーイング777型旅客機(乗客・乗員計298人)をウクライナ空軍のAn-26輸送機と誤認して攻撃・撃墜し、搭乗していた全員が亡くなるという悲惨な結果をもたらしました。

 MH17の大惨事は激しい紛争地帯の上空を飛行し続けることの危険性を浮き彫りにしましたが、このような事件を再び発生させないようにするための具体的な対策はほとんど講じられていません。

 さらに状況を悪化させているのは、ティグレ戦争は多くの人にとってドンバス戦争よりもはるかに世に知られていないままであり、それがすぐに本格的な予防措置が講じられる可能性を低くしているという事実です。

左:未装填の発射機(2021年9月17日)、右:各4発のミサイルが装填済みの2基の発射機(同年10月19日)

 9月にティグレ軍が公開した映像は同軍がいくらかのS-125用ミサイルコンテナを回収した様子が映し出されていました(下の画像)。このことは、彼らがもともと2020年11月に鹵獲した3つのS-125のSAMサイトについて、少なくともその1つを再稼働させようと試みていたことを最初に暗示した動きでした。

 同じ頃、36D6「ティン・シールド」対空レーダーがティグレの支配下にある村を通過する様子が撮影されました。このシステムはエチオピアで最も高性能なレーダーであり、S-125サイトとリンクして敵機の探知と照準を支援することが可能です。[5]

 これまでのところ、最低でも2基の36D6がティグレ防衛軍に鹵獲されたことが確認されています。 [6]

ティグレ軍によって回収されるS-125用ミサイルコンテナ。このコンテナに保管されていたミサイルがメケレ北部にあるSAMサイトの再稼働に使用されたかもしれません。

 2020年11月にティグレ軍がこの地域の制圧を開始した際、彼らは多数のレーダー基地に加えて、3つのS-125と1つのS-75(NATOコード:SA-2「ガイドライン」)のSAMサイトを即座に掌握しました。[6] 

 その後、彼らはティグレ側に離反した(運用が可能となる)十分な人員を工面して集め、S-75とS-125の双方を元の所有者:エチオピア政府軍(ENDF)に対して即座に使用することに成功したのです。[7] [8] 

 その後の数週間で、この地域を飛行中のエチオピア空軍機に対していくらかのミサイルが発射されました。しかし、双方から撃墜に関する報告がなされていないことから、ミサイルはどうやら全く命中しなかったようです。 [9]

 興味深いことに、エチオピア空軍(ETAF)は報復としてSAMサイトの破壊を少しも試みようとはしませんでした。このことは、おそらく空軍はTDFが将来的な使用に備えてSAMサイトを稼働状態に戻すどころか戻せる可能性が低いと考えていたことを示しています。

 ティグレ軍がSAMを使用した際、エチオピア軍は依然としてその脅威を無視してこの地域の上空に輸送機を飛ばしていました。輸送機の飛行は旧式のS-75やS-125にとっても格好の標的を提示したことを意味しましたが、純然たる幸運だけによって結果的に一機も撃墜されなかったと主張することができます。

 TDFは携帯式地対空ミサイル(MANPADS)の使用によってより多くの成功を収めたと考えられており、2020年11月の武力衝突の勃発以来、5機のETAF機・ヘリコプターをMANPADSで撃墜した可能性があります。[10]

ティグレ側の手に落ちたS-125用のSNR-125「ロー・ブロー」火器管制レーダー

 反政府勢力による地対空ミサイルの使用は、いつの日かエチオピアの戦闘機や、断じてあってはならないが民間の旅客機を撃墜する結果をもたらすことになるかもしれないという脅威を象徴しています。

 2014年のウクライナ上空で発生した事件や、2020年にイランで起きたもう1つの多くの人命が失われた大惨事:イラン・イスラム革命防衛隊(IRGC)の9K331「トール-M1」が旅客機を巡航ミサイルと誤認して撃墜、乗客乗員の176人全員が犠牲となった事件などは、まるで紛争時に生じる人命軽視につきもの出来事のように見えます。

 エチオピア空軍機が出撃するのと同時に、民間旅客機の定期便が依然として紛争地域であるティグレ州の上空を飛行しているため、このような大惨事が繰り返される全ての発生要因が存在しており、無意識のうちに別の悲劇を生む機会が残り続けています(注:11月にティグレ州の上空が飛行禁止区域に設定されました)。

 その結果として起こる大惨事は、終わりの見えないまま絶え間なく犠牲者をむさぼり続けているティグレ戦争自体よりも、国際的なメディアの注目を集めることは間違いないでしょう。



特別協力: The Fijian Armadillo(敬称略)

[1] https://twitter.com/FijianArmadillo/status/1460395498934870020
[2] Deadly Ineffective: Chinese-Made Wing Loong UAVs Designate Targets For Ethiopian Su-27 Bombers https://www.oryxspioenkop.com/2021/11/deadly-ineffective-chinese-made-wing.html
[3] Su-27 Fighters Deployed As Bombers In Tigray War https://www.oryxspioenkop.com/2021/11/su-27-fighters-deployed-as-bombers-in.html[4] https://twitter.com/MapEthiopia/status/1451520179758899209
[5] UN suspends all flights to Tigray amid Ethiopian air raids https://www.aljazeera.com/news/2021/10/22/ethiopia-hits-tigray-in-fourth-day-of-air-strikes
[5] https://youtu.be/XVYKYLmqN8w
[6] The Tigray Defence Forces - Documenting Its Heavy Weaponry https://www.oryxspioenkop.com/2021/09/the-tigray-defence-forces-documenting.html
[7] https://twitter.com/MapEthiopia/status/1435607803427688453
[8] https://twitter.com/TheIntelLab/status/1326531558652702720
[9] https://twitter.com/TheIntelLab/status/1328242316339974144
[10] List Of Aircraft Losses Of The Tigray War (2020-2021) https://www.oryxspioenkop.com/2021/09/list-of-aircraft-losses-of-tigray-war.html

※  当記事は、2021年11月21日に本家Oryxブログ(英語版)に投稿された記事を翻訳した
 ものです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所
 があります。



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2021年12月21日火曜日

ティグレ戦争:ティグレ防衛軍が地対空ミサイルを披露した(短編記事)



著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo

 今年9月上旬に公開されたミュージックビデオには、ティグレ防衛軍(TDF)がエチオピア政府軍から鹵獲したS-75(NATOコード:SA-2「ガイドライン」)及びS-125(NATOコード:SA-3「ゴア」)地対空ミサイル(SAM)の輸送作業をしているカットが収められていました。

 これらは早くも2020年11月の時点には鹵獲されていましたが、その後のティグレ軍による使用についてはほとんど知られていません。鹵獲された時点でまだ稼働状態にあり、その運用要員の多くがティグレ側に離反したことで、エチオピア空軍(ETAF)に対するSAMの使用が可能となったのかおそれがあります。

 (今回の)SAMに関する最新の映像にはミサイル用の発射システムは含まれていませんでしたが、ティグレ軍が依然としてシステムのいくつかのコンポーネントを掌握していることが確認することができました。

 ティグレ軍がこの地域の制圧を開始した際、彼らは多数のレーダーステーションに加えて、1つのS-75サイトと3つのS-125サイトを即座に掌握しました。[1]

 おそらく、ティグレ軍は各サイトから十分な人員を工面して集め、S-75とS-125の双方を元の所有者:エチオピア政府軍に対してすぐに使用としたと思われます。[2] [3]

 しかし、いずれからの発射も撃墜に成功したとはみられておらず、TDFは携帯式地対空ミサイル(MANPADS)の使用によってより多くの成功を収めたと考えられています。2020年11月の武力衝突の勃発以来、おそらく3機ものエチオピア空軍の航空機やヘリコプターがMANPADSによって撃墜された可能性が指摘されています。

 興味深いことに、エチオピア空軍は敵SAMサイトの破壊を少しも試みようとはしませんでした。このことは、おそらく空軍はTDFが将来的な使用に備えてSAMサイトを稼働状態に戻せる可能性が低いと考えていたことを示しています。

 ティグレ軍がSAMを使用した際、エチオピア軍は依然としてその脅威を無視してこの地域の上空に輸送機を飛ばしていました。輸送機の飛行は旧式のS-75やS-125にとっても格好の標的を提示したことを意味しましたが、純然たる幸運だけによって結果的に一機も撃墜されなかったと主張することができます。




 2020年11月15日に撮影された衛星画像は、(ティグレ州の州都である)メケレの北に位置するS-125サイトがティグレ軍に鹵獲された後、ほぼ即座に使用されたことを示しています。[4]

 この地域を飛行中のエチオピア空軍機に対して、少なくとも4発のミサイルが発射されましたが、双方から撃墜に関する報告がなされていないことから、どうやら全く命中しなかったようです。

 エチオピア空軍機を撃墜しようとする試みは完全に成功していないようですが、ティグレ防衛軍による地対空ミサイルの使用は、いつの日か撃墜に成功するかもしれないという深刻な脅威を表しています。

 紛争が予測不可能な形で展開し続けているため、きっとティグレではさらなるサプライズが待ち受けているに違いありません。



[1] The Tigray Defence Forces - Documenting Its Heavy Weaponry https://www.oryxspioenkop.com/2021/09/the-tigray-defence-forces-documenting.html
[2] https://twitter.com/MapEthiopia/status/1435607803427688453
[3] https://twitter.com/TheIntelLab/status/1326531558652702720
[4] https://twitter.com/TheIntelLab/status/1328242316339974144

※  当記事は、2021年9月14日に本家Oryxブログ(英語版)に投稿された記事を翻訳した
 ものです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇所 
 があります。また、今の情勢が執筆時より大きく変化しているため、現状にそぐわない可
 能性もあります




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2021年12月19日日曜日

破滅した抑止力: ティグレ最後の弾道ミサイル装備


著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo


 ティグレによるエチオピア・エリトリアとのミサイル戦争は、非国家主体が短距離弾道ミサイル(SRBM)と長距離誘導ロケット弾を鹵獲し、それを用いてエチオピアと全く別の国:エリトリアの首都を攻撃したという珍しい出来事でした。[1]

 現代史の中でも注目すべき出来事であったにもかかわらず、このミサイル戦争は国際的なメディアから全く注目されていませんでした。

 この攻撃を受けてすぐに、エチオピアとエリトリアの軍隊は自走式発射機とミサイルを迅速に破壊・奪還したらしいので、ティグレによるミサイル攻撃の脅威度は低下しました。

 ティグレ防衛軍(TDF)は、2020年11月にティグレ州にあるエチオピア国防軍(ENDF)の基地を制圧した後にENDFの弾道ミサイル・誘導ロケット弾発射システムを鹵獲・掌握しました。このシステムに関する十分な数の運用要員がティグレ側に離反したことが、ティグレ側の軍隊が発射機を元の所有者:ENDFに対して使用し始める機会を与えたようです。

 そして実際、ティグレ軍はそれをすぐに文字通り実施し、エチオピアの2つの空軍基地に弾道ミサイルを発射し、さらに3発をエリトリアがティグレ戦争に介入した報復として同国の首都に撃ち込みました。[2]

 最近公開されたティグレのミュージック・ビデオは、TDFの弾道ミサイル・誘導ロケット砲部隊の一部がこの中国製の発射装置と関連装備を発見して無力化するという、エチオピアとエリトリアによる大規模な取り組みから回避できたことを示しています。[3]

 2021年10月21日に公開されたこの動画では、迷彩服を着たティグレの若者たちがラップを披露している背景として1台の再装填車が映し出されています。

 この動画が撮影された正確な日付を独自に検証することはできませんが、同じ動画には今年8月下旬に鹵獲されたT-72UA1戦車が登場していることから、少なくとも2020年12月にほかの発射システムと再装填車が捕獲・破壊された後に撮影された動画であることだけは間違いありません。[4]

 しかし、公開された動画からは「M20」SRBMや「A200」誘導ロケット弾が存在した形跡を見つけることができませんでした。専用の輸送起立発射機(TEL)がなければ、再装填車は実質的に何の役にも立ちません。

エチオピア軍が奪還した直後に撮影された「A200」誘導ロケット弾8発を搭載したTEL

 「A200」誘導ロケット弾を8発か「M20」弾道ミサイルを2発搭載するこのトラックの後部にはクレーンが備えられているため、発射システムに次の射撃任務を開始することを可能にする迅速な装填能力を有しています。この再装填車の存在は、(弾薬を補充するための場所に戻る必要が生じる前の段階における)攻撃準備ができた発射機と合計して、各部隊の火力を「A200」ロケット弾16発か「M20」弾道ミサイル4発と実質的に2倍にさせる効果があります。


 2020年12月には、エチオピア軍がティグレ州にあるミサイル基地の1つを奪回しており、ここではいくつかの「M20」SBRMと、少なくとも4個の「A200」のキャニスターが発見されました。[1]

 持ち出すのに十分な時間や適した装備が無かったことから、ティグレ軍がこの地域から追い出された際に置き去りにされたものと思われます。また、この基地が奪回された時点までに全弾が発射し尽くされていなかったという事実は、その地域における全てのTELがすでに失われていたという可能性も示しています。


 「M20」SRBMと「A200」誘導ロケット弾発射システム用の再装填車も、少なくとも1台がこの基地でエチオピア軍に奪還されました(下の画像)。


 また、別の再装填車もティグレ軍が慌てて放棄したのとほぼ同時に奪還されました(下の画像)。

 面白いことに、「A200」ロケット弾キャニスターのうち少なくとも3つは空であり、どうやら発射機から撃ち出された後に再装填車に積み戻されたように見えます。これは、決して(キャニスターの投棄による)環境破壊からこの地域を守ろうとしたのではなく、ティグレ軍によってこのシステムが使用された痕跡を隠そうと試みたのかもしれません。


 ティグレのヒップホップの舞台として使われている「M20」/「A200」用再装填車は、かつてエチオピア軍が誇った強大な弾道ミサイル・誘導ロケット砲部隊構成した装備で最後に残されたものかもしれません。

 今や本来の用途で役に立たなくなってしまったこの車両は、こういったより穏やかな役割での新たな使い道を見いだされたようです。

 TDFの抑止力は失われたかもしれませんが、最終的に彼らを打倒することを目的とした最近のENDFの攻勢に対するTDFの強い抵抗は、彼らが過小評価されるべき存在ではないことを示しています。そして、ティグレ戦争が予測不可能な形で展開し続けていく中で、彼らがさらなるサプライズを用意していることは間違いないでしょう。

特別協力: Saba Tsen'at Mah'derom.

[1] Go Ballistic: Tigray’s Forgotten Missile War With Ethiopia and Eritrea https://www.oryxspioenkop.com/2021/09/go-ballistic-tigrays-forgotten-missile.html
[2] Ethiopia’s Tigray leader confirms firing missiles at Eritrea https://apnews.com/article/international-news-eritrea-ethiopia-asmara-kenya-33b9aea59b4c984562eaa86d8547c6dd
[3] Yaru Makaveli x Narry x Yada sads x Ruta x Frew x danay x donat - CYPHER WEYN 2 / Tigray Music https://youtu.be/0LPa4xIuBXo
[4] The Tigray Defence Forces - Documenting Its Heavy Weaponry https://www.oryxspioenkop.com/2021/09/the-tigray-defence-forces-documenting.html

  事です。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しが異なっている箇
    所が存在する可能性があります。



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2021年12月18日土曜日

運用に不向き?:エチオピアの面倒なイラン製「モハジェル-6」UCAV

イランにおける「モハジェル-6」UCAV(エチオピアとは無関係の画像です)

著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo
 
 エチオピアの首都アディスアベバに対するティグレ防衛軍の野心的な反攻は、ついに停止したようです。ただし、この状況は少なくともエチオピア政府側に中国製UCAVが大々的に配備されたことによって実現に至らせたわけではありません。

 これまでにエチオピアによって導入が確認されているUCAVとして、中国の「翼竜Ⅰ」、UAEが供与したVTOL型ドローン、そしてイランの「モハジェル-6」があります。[1] [2] [3]

 エチオピアは長年にわたって軽視されてきた空対地戦力を補うために新しく導入したUCAVに大きく依存しており、この流れは2021年の夏になって空軍に性急なUCAVの調達に乗り出すことを余儀なくさせました。

 当ブログは2021年8月初旬にエチオピアがイラン製「モハジェル-6」UCAVを入手したことについて世界で最初に報じました。 [3]

 「モハジェル-6」はエチオピア側が期待を胸にして導入されたものの、この国における運用キャリアは引き渡されてからほぼすぐに終えました。なぜならば、導入された2機は制御システムの問題で実際にエチオピア上空での飛行することが阻害されたため、すぐに駐機(放置)状態にされてしまったからです。

 この失態は間違いなくエチオピア空軍を大いに幻滅させたことでしょう。彼らのUCAVの導入が次に確認されたのは、2021年9月中旬のことでした。[1] [4]

 エチオピアが新たに導入した中国製UCAV用の武装をかろうじて手に入れるまでには、さらに1ヶ月半を要してしまいました。結局、彼らが真の武装ドローンの配備が実現したのは、それを最初に試みてから約3ヶ月後のことだったのです。[5]

 UCAV用のいかなる兵装もまだ存在しなかったことは、空軍に「翼竜Ⅰ」を用いて(代わりに爆撃する)Su-27の目標を指示させることに至りました。Su-27はさまざまな種類の無誘導爆弾しか搭載できないため、これらによる著しく精度の低い空爆で多くの民間人の犠牲がもたらされてしまいました。[6]

 注目すべき事例としては、ティグレ州の州都メケルの上空でSu-27が投下した爆弾が狙った目標を1キロメートルも外れ、何もない野原に着弾したということがありました。残念なことに、別の空爆で投下された爆弾が本来の目標を外れて民間人の居住地域に着弾するという悲劇も発生しました。[6]

 「モハジェル-6」が抱える問題がやっと解決されたと思われるには2021年10月下旬までの時間がかかったようですが、それはエチオピアに到着してから約2ヶ月半も後のことでした!

 2021年9月から11月初旬にかけて、1機または2機の「モハジェル-6」がセマラ空港の滑走路や駐機場で定期的に衛星画像で確認されており、駐機場におけるイラン製ドローンの頻繁な再配置は、今やこの機体が定期的に飛行している可能性も示しています。[7]

 ほぼ同じ頃、ティグレ軍は傭兵や技術者としてエチオピア政府を支援している外国人を追討すると脅迫しましたが、これは間違いなくエチオピアで「モハジェル-6」を運用しているイラン人オペレーターのことを言及していると思われます。[8]

2021年8月初旬、セマラ空港で新たに導入された「モハジェル-6」と地上管制ステーション(GCS)を視察するエチオピアのアビー・アハメド首相(右)

 「モハジェル-6」は最大で40kgの兵装を搭載することが可能で、これにはそれぞれ2~4発の「ガーエム-1」,「ガーエム-5」,「ガーエム-9」精密誘導爆弾(PGM)が含まれます。

 これらのPGMの軽量性がこのUAVの最大飛行高度約5,500mや12時間の滞空性能を実現させており、このUCAVの製造者:コッズ航空産業社(イラン革命防衛隊傘下の企業)は運用範囲が200キロメートルに及ぶと主張しています(注:軽いPGMの搭載は機体の性能に大きな悪影響を及ぼさないということ)。[9]

 標的探知・獲得や偵察任務用として、「モハジェル-6」には「EOAS-I-18A」FLIR装置が装備されています。[10]

「ガーエム-5」。「モハジェル-6」には最大で4発が搭載可能。

 しかし、運用可能な高度が低いために地上からの対空砲火に脆弱であり、FLIRの品質が低いことや、「モハジェル-6」自体の戦闘における実績が皆無に近いという事実から、実戦では乏しい効果をもたらす可能性があります。

 おまけに、これまでに把握されている生産数が少ないため、2年目に突入したこの戦争で「モハジェル-6」が実際に効果を発揮できるかどうかは現時点では不明です。

イランにおける「モハジェル-6」UCAV(エチオピアとは無関係の画像です)

特別協力: Wim Zwijnenburg

[1] Wing Loong Is Over Ethiopia: Chinese UCAVs Join The Battle For Tigray https://www.oryxspioenkop.com/2021/10/wing-loong-is-over-ethiopia-chinese.html
[2] UAE Combat Drones Break Cover In Ethiopia https://www.oryxspioenkop.com/2021/10/uae-combat-drones-break-cover-in.html
[3] Iranian Mohajer-6 Drones Spotted In Ethiopia https://www.oryxspioenkop.com/2021/08/iranian-mohajer-6-drones-spotted-in.html
[4] Tigray War: Chinese-Made Armed Drones Spotted Over Mekelle https://www.oryxspioenkop.com/2021/10/tigray-war-chinese-made-armed-drones.html
[5] Ethiopia Acquires Chinese TL-2 Missiles For Its Wing Loong I UCAVs https://www.oryxspioenkop.com/2021/11/ethiopia-acquires-chinese-tl-2-missiles.html
[6] Deadly Ineffective: Chinese-Made Wing Loong UAVs Designate Targets For Ethiopian Su-27 Bombers https://www.oryxspioenkop.com/2021/11/deadly-ineffective-chinese-made-wing.html
[7] Ethiopia now confirmed to fly Chinese armed drones https://paxforpeace.nl/news/blogs/ethiopia-now-confirmed-to-fly-chinese-armed-drones
[8] Tigrayan forces say they will 'hunt down' foreign mercenaries https://www.reuters.com/world/africa/tigrayan-forces-say-will-hunt-down-foreign-nationals-aiding-ethiopia-war-2021-11-12/
[9] https://twitter.com/brokly990/status/1256994704568258562
[10] https://twitter.com/L4RB1/status/1192650551814742016

※  この翻訳元の記事は、2021年11月18日に本家Oryxブログ(英語版)に投稿された記事
  を翻訳したものです。意訳などにより、僅かに本来のものと意味や言い回しを変更した箇    
  所があります。


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2021年12月17日金曜日

「モハジェル-6」から「翼竜Ⅰ」まで:拡大するエチオピアの無人機戦力(一覧)

この「翼竜Ⅰ」の画像はイメージであり、エチオピアとは無関係です

著:ステイン・ミッツアー と ヨースト・オリーマンズ(編訳:Tarao Goo

 進行中のティグレ戦争の流れを変えるため、エチオピアは世界中の国々からのU(C)AV:無人(戦闘)航空機の入手に重点を置いた投資を行っています。

 長年にわたって世界中の現代の軍事的な発展を無視してきたおかげで、エチオピア空軍は(1機のSu-25TKを除いて)精密誘導爆弾(PGM)の運用能力がある航空機が1機もない状態で紛争に巻き込まれ、結果としてティグレ防衛軍が戦場を自由に歩き回り、政府軍からの鹵獲に成功した大量の重火器の運用を許すことになってしまいました。[1]

 エチオピア国防軍(ENDF)にとって不幸だったのは、ティグレ軍が鹵獲した重火器には誘導式の多連装ロケット砲と弾道ミサイルでさえ含まれており、それらが後でエチオピアの2つの空軍基地のみならずエリトリアの首都を攻撃するのにも使用されたことです。[2] [3]

 ENDFはUCAV導入の突貫計画に着手したと予想されていましたが、2021年8月になってようやく(真の)UCAVを入手した最初の証拠が明るみに出ました。興味深いことに、エチオピアは以前に運用が報じられていた中国製の「翼竜」を調達するのではなく、その代わりにイランから2機の「モハジェル-6」を入手しました。[4]

 現在ではさなざまな種類のUCAVプラットフォームが入手可能であることを踏まえると、「モハジェル-6」(しかも2機だけ)の選択する決定がなされたことは、好奇心をそそります。運用可能な高度が低いために地上からの対空砲火に脆弱であり、FLIR(前方監視型赤外線装置)の品質が低いことや「モハジェル-6」自体の戦闘における実績が皆無に近いという事実から、実戦では乏しい効果しかもたらさない可能性があります。

 エチオピアにおける「モハジェル-6」の働きは今のところ全く成功していないようであり、両機は運用パフォーマンスが乏しいせいか、現在は駐機状態にあります。 [6]
 
 したがって、エチオピアはより効果的なUCAVを探し続けることを余儀なくされており、最終的には中国から「翼竜Ⅰ」を導入し、さらに伝えられるところによれば、トルコからも(現時点では形式不明の)UCAVを入手したとの情報があります。[5](注:11月8日にハラールメダ空軍基地の近くで「バイラクタルTB2」らしきUCAVが飛行しているのが目撃されたという情報が出回っています)[8]

 その数ヶ月前、エチオピアはすでに2発の120mm迫撃砲弾で武装した大型のVTOL型のUCAVを入手し、ティグレ州のマイチュー地区に配備していました。しかし、これらのマルチコプター式UCAVは、「翼竜Ⅰ」のような真のUCAVの能力を少しも備えていません。[7]

 ティグレ戦争でUCAVが極めて重要な役割を果たす可能性があり、それらの入手で示されたエチオピアの取り組みを考慮すると、これらや別のUCAVの導入で終わりとならないかもしれません。


注意
  1. このリストは実際にエチオピアで運用・保有が確認されたUAVだけを掲載しています
  2. UAVの名前をクリックすると、エチオピアでの当該機種の画像を見ることができます


無人偵察機


訓練用無人航空機


農業用無人航空機

[1] The Tigray Defence Forces - Documenting Its Heavy Weaponry https://www.oryxspioenkop.com/2021/09/the-tigray-defence-forces-documenting.html
[2] From Friend To Foe: Ethiopia’s Chinese AR2 MRLs https://www.oryxspioenkop.com/2021/09/from-friend-to-foe-ethiopias-chinese.html
[3] Go Ballistic: Tigray’s Forgotten Missile War With Ethiopia and Eritrea https://www.oryxspioenkop.com/2021/09/go-ballistic-tigrays-forgotten-missile.html
[4] Iranian Mohajer-6 Drones Spotted In Ethiopia https://www.oryxspioenkop.com/2021/08/iranian-mohajer-6-drones-spotted-in.html
[5] Wing Loong Is Over Ethiopia: Chinese UCAVs Join The Battle For Tigray https://www.oryxspioenkop.com/2021/10/wing-loong-is-over-ethiopia-chinese.html
[6] 著者がエチオピアのデジェン航空工学産業 (DAVI)で働く整備員から得た情報
[7] https://twitter.com/wammezz/status/1445034651085639688
[8] https://twitter.com/Gerjon_/status/1458174559748767749?s=20

※  当記事は、2021年10月21日に本家Oryxブログ(英語版)に投稿された記事を翻訳した
  ものです。当記事は意訳などにより、僅かに本来のものと言い回しを変更した箇所があり
  ます。




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